標準プロセスのステージ・サポート

Oracle CPQ 24D以降では、「オーダー」および「契約」コマース・プロセス・ステージのトランザクションに対するユーザー・アクセスおよび遷移を管理するための事前定義済のステージ固有のワークフロー・ステップおよびルールが、新しく作成された標準プロセスに含められます。

ステージに対する標準プロセス・ワークフロー・ステップ

新しい標準プロセスを作成すると、「オーダー」ステージが自動的に有効になります。次のワークフロー・ステップの更新は、新規作成された標準プロセスのワークフローに適用されますが、Oracle CPQ 24Dへのアップグレード時に既存の標準プロセスには変更が適用されません。

  • 新しいドラフト・オーダー・ステップが追加され、ステージが「オーダー」に設定されます。
  • 「オーダーの作成」遷移ルールが「管理」および「セルフサービス」ユーザー・プロファイルに追加されます。このルールにより、トランザクションが「オーダー済」ステップに遷移します。
  • 「オーダー済」ステップのステージが「オーダー」に設定されます。
  • 「前のステップの表示」遷移ルールが「管理」プロファイルから削除されます。

  • 「トランザクションの取消」および「見積の否認」遷移ルールが「営業ユーザー」プロファイルから削除されます。

  • 「オーダーの取消」遷移ルールが「営業ユーザー」プロファイルに追加されます。このルールは、トランザクションを新しい「オーダー取消済」ステップに遷移させます。

  • 新しく作成された標準プロセスに対しては、「変更/取消中」ステップが削除されます。

  • 「履行済」ステップ・ステージが「オーダー」に設定されます。

  • 新しい「オーダー取消済」ステップが追加され、ステージが「オーダー」に設定されます。

新しく作成された標準プロセスに対して「契約」ステージが有効になると、「契約」ステージ・ワークフローがアクティブ化されます。次のワークフロー・ステップの更新は、新規作成した標準プロセスに適用されますが、Oracle CPQ 24Dへのアップグレード時に既存の標準プロセスには変更が適用されません。

  • 新しい契約確定済ステップが有効になります。トランザクションがこのステップに遷移すると、ステージが「契約」に設定されます。

  • 「契約の作成」遷移ルールが「管理者」プロファイルおよび「営業ユーザー」プロファイルの「開始」ステップに追加され、トランザクションが契約確定済ステップに遷移します。

  • 「契約の作成」遷移ルールが「管理者」プロファイルおよび「営業ユーザー」プロファイルの「承認済」ステップに追加され、トランザクションが契約確定済ステップに遷移します。

  • 「契約の作成」遷移ルールがデフォルト・ユーザー・プロファイルの「署名済」ステップに追加され、トランザクションが契約確定済ステップに遷移します。

標準プロセスのデータ列

Oracle CPQ 24D以降、新しく作成された標準プロセスには、次のデータ列が含まれます。Oracle CPQ 24Dへのアップグレード時に既存の標準プロセスには、新しいデータ列は追加されません。

  • トランザクションの「契約終了日」(contractEndDate_t)にマップされた新しい「契約終了日」データ列

  • トランザクションの「契約開始日」(contractStartDate_t)にマップされた新しい「契約開始日」データ列

  • トランザクションの「契約ID」(_s_contractID_t)にマップされた新しい「販売契約ID」データ列

  • トランザクションの「契約名」(contractName_t)にマップされた新しい「販売契約名」データ列

  • トランザクションの「ステージ」(_stage)にマップされた新しい「ステージ」データ列

標準プロセスのメイン文書処理

Oracle CPQ 24D以降、新しく作成された標準プロセスには、次のメイン文書処理が含まれます。Oracle CPQ 24Dにアップグレードすると、この新しい処理が既存の標準プロセスに追加されます。

  • 契約の作成(_s_createAgreement) - この新しい「価格契約の作成」タイプの処理では、販売契約が作成されます。

  • セルフサービス・チェックアウト(_s_selfServiceCheckout_t) - この新しい「変更」タイプの処理は、この見積に対応するオーダーが外部システムを使用して行われた場合に、見積をクローズ済フェーズに更新するために使用します。この処理は「契約」ステージでのみ有効です。デフォルトでは、この処理によって見積が「取消済」ステップおよび「外部オーダー」ステータスになります。

標準プロセスのメイン文書属性

Oracle CPQ 24D以降、新しく作成された標準プロセスには、次のメイン文書属性が含まれます。Oracle CPQ 24Dへのアップグレード時に既存の標準プロセスには、新しい属性は追加されません。

  • 最新の提案(_s_isLatestProposal_t) - この新しいブール型属性により、生成された提案が最新の見積データに基づいているかどうかを識別できます。「提案の生成」処理により、このフラグがtrueに設定され、「見積の改訂」処理により、このフラグがfalseにリセットされます。

  • 契約の見積(_s_quoteForAgreement_t) - この新しいブール型属性により、トランザクションが販売契約として使用されるかどうかを識別できます。この属性のデフォルト値はfalseです。

  • 販売者レビューのスキップ(_s_skipSellerReview_t) - この新しいブール型属性により、販売者または営業担当が見積フローに関与する必要があるかどうかを識別できます。販売者の関与が不要な場合は、このフラグをtrueに設定できます。

  • 顧客ステータス(_s_customerStatus_t) – 新しいメニュー・エントリ「外部オーダー」(externalOrder)が追加されました

  • ステータス(status_t) – 新しいメニュー・エントリ「契約作成済」(AGREEMENT_CREATED)が追加されました

標準プロセスのメイン文書ルール

Oracle CPQ 24D以降、新しく作成された標準プロセスには、次のメイン文書ルールが含まれます。Oracle CPQ 24Dへのアップグレード時に既存の標準プロセスには、新しいルールは追加されません。

  • ステータス属性の'契約作成済'値の制約(_s_constrainAgreementCreatedValueForStatusAttribute) - この新しい制約タイプ・ルールにより、「契約の見積」がtrueでない場合に、ステータス属性の「契約作成済」値が制約されます。

  • 契約コンポーネントの非表示(_s_hideAgreementComponents) - この新しい「アクセス」タイプのルールでは、「コマース」プロセスの「契約」ステージのパラメータが使用不可の場合、または「契約の見積」属性がfalseの場合に、「契約の作成」処理、「契約名」属性および「契約ID」属性が非表示になります。

  • 商談の更新の非表示(s_hideUpdateOpportunity) - この新しい「アクセス」タイプのルールでは、「コマース」プロセスの「契約」ステージのパラメータが使用可能で、「契約の見積」属性がtrueの場合に、商談の更新(oRCL_SFA_UpdateOpportunity)処理が非表示になります。

  • 契約の見積を読取り専用としてマーク(_s_markQuoteForAgreementAsReadonly) この新しい「アクセス」タイプのルールでは、コマース・プロセスの「契約」ステージ・パラメータが使用不可になっているか、トランザクションが「見積」ステージではない場合に、「契約の見積」属性が読取り専用に設定されます。

  • 契約日の検証(_s_validateContractDates) - この新しい検証タイプ・ルールでは、明細レベルの契約開始日および終了日がヘッダー・レベルの開始日および終了日のサブ範囲になっていることが検証されます。

  • 契約作成のQuoteForAgreement値の検証(_s_validateQuoteForAgreement) - この新しい「検証」タイプのルールでは、「契約の見積」属性値が「はい」であることが検証されます。

  • ステータス属性の検証(_s_validateStatusAttribute) - この新しい「検証」タイプのルールでは、ステータス属性値が「契約」ステージ以外で「契約作成済」に設定されているかどうかが検証されます。

  • 「SOの作成処理の非表示」「オーダーの取消ボタンの非表示」および「SOステータス処理の非表示」ルールの更新 - 「コマース」プロセスの「契約」ステージのパラメータが使用可能で「契約の見積」属性がtrueのときに、関連コンポーネントも非表示になるようにルール条件が更新されました。

標準プロセスのBMLライブラリ関数の更新

Oracle CPQ 24D以降では、新しく作成された標準プロセスのBMLライブラリ関数に次の更新が適用されます。次の更新は、Oracle CPQ 24Dへのアップグレード時に既存の標準プロセスのBMLライブラリ関数には適用されません。

  • 「現在のステップ」(currentStep)ライブラリ関数の更新 - ステップのリストに対してagreementFinalizedが追加されbeingChangedCanceledが削除されました。

  • 「トランザクション・ステータス」(transactionStatus)ライブラリ関数の更新 - トランザクション・ステータスのディクショナリ値に「契約作成済」(AGREEMENT_CREATED、25)が追加されました。

新しい標準プロセスのコンポーネントでは、オーダー管理と販売契約の統合にすぐに使用できる機能が提供されています。

有効化のステップ

新しい標準プロセスのステージの有効化

新しい標準プロセスのステージ機能を有効にするには、次のタスクを実行します:

  • 新しい標準プロセスを作成すると、「オーダー」ステージが自動的に有効になり、新しいワークフロー・ステップの更新が適用されます。

  • 「契約」ステージを有効にするには、コマース・プロセス・ステージの有効化を参照してください。

既存の標準プロセスに対する「オーダー」ステージ・ワークフローの有効化

既存の標準プロセスのステージ機能を有効にするには、次のタスクを実行します:

  1. 「オーダー」ステージを有効にするには、コマース・プロセス・ステージの有効化を参照してください。

ノート: 標準プロセスに対してオーダー・ステージを有効にすると、無効にできません。

  1. 「オーダー」ステージのワークフロー・ステップを更新します。詳細な手順は、Oracle CPQ管理のオンライン・ヘルプの「コマース」 > 「ワークフロー」を参照してください。

  1. 次のワークフロー・ステップを追加します:

  • ドラフト・オーダー、「ステージ」を「オーダー」に設定します。

  • オーダー取消済、「ステージ」を「オーダー」に設定します。

  1. 「オーダー済」および「履行済」ステップの「ステージ」を「オーダー」に更新します。

  1. 次の「関係者プロファイル」と「遷移ルール」を追加または更新します。詳細な手順は、Oracle CPQ管理オンライン・ヘルプの「コマース」 > 「ワークフロー」 > 「遷移ルール」および「関係者プロファイル」を参照してください。

ステップ プロファイル 最初のステップ 処理 トランザクション・ルール トランザクション・ステップ 条件
承認済 営業ユーザー いいえ 見積の改訂 「見積の改訂」->「進行中」 進行中 常にTrue
顧客受入待ち

営業ユーザー

いいえ

見積の改訂 「見積の改訂」->「進行中」 進行中 常にTrue

顧客受入待ち

セルフサービス・ユーザー

いいえ

セルフサービス・チェックアウト

「セルフサービス・チェックアウト」->「取消済」

取消済

常にTrue

顧客受入済

営業ユーザー

いいえ

見積の改訂 「見積の改訂」->「進行中」 進行中 常にTrue
ドラフト・オーダー 管理 はい オーダーの作成

「オーダーの作成」: ドラフト・オーダー->「オーダー済」

オーダー済

常にTrue

ドラフト・オーダー

営業ユーザー

いいえ

なし      

ドラフト・オーダー

セルフサービス・ユーザー

はい

オーダーの作成

「オーダーの作成」: ドラフト・オーダー->「オーダー済」

オーダー済

常にTrue

オーダー済

管理

いいえ

次のステップの表示 次へ 履行済 常にTrue

オーダー済

営業ユーザー

いいえ

オーダーの取消 「オーダーの取消」: 「オーダー済」->「オーダー取消済」

オーダー取消済

常にTrue

オーダー済

セルフサービス・ユーザー

いいえ

なし

     
履行済

管理

いいえ

なし

     

履行済

営業ユーザー

いいえ

なし

     

履行済

セルフサービス・ユーザー

いいえ

なし

     
オーダー取消済

管理

いいえ

なし

     

オーダー取消済

営業ユーザー

いいえ

なし

     

オーダー取消済

セルフサービス・ユーザー

いいえ

なし

     

既存の標準プロセスに対する「契約」ステージ・ワークフローの有効化

既存の標準プロセスのステージ機能を有効にするには、次のタスクを実行します:

  1. 「契約」ステージを有効にするには、コマース・プロセス・ステージの有効化を参照してください。

  2. 契約確定済処理ワークフロー・ステップを追加し、ステージを「契約」に設定します。詳細な手順は、Oracle CPQ管理のオンライン・ヘルプの「コマース」 > 「ワークフロー」を参照してください。

  3. 次の「関係者プロファイル」と「遷移ルール」を追加または更新します。詳細な手順は、Oracle CPQ管理オンライン・ヘルプの「コマース」 > 「ワークフロー」 > 「遷移ルール」および「関係者プロファイル」を参照してください。

ステップ プロファイル 最初のステップ 処理 遷移ルール ステップへの遷移

開始

管理 該当なし 契約の作成 「契約の作成」: 「開始」→契約確定済

契約確定済

開始

管理

該当なし

保存 「保存」->「顧客受入待ち」

顧客受入待ち

開始

管理

該当なし

保存

「保存」 -> 「進行中」

進行中

開始

営業ユーザー

該当なし

契約の作成

「契約の作成」: 「開始」→契約確定済

契約確定済

開始

セルフサービス・ユーザー

該当なし

保存

「保存」->「顧客受入待ち」

顧客受入待ち

開始

セルフサービス・ユーザー

該当なし

保存

「保存」 -> 「進行中」

進行中

承認済

管理

いいえ

契約の作成

「契約の作成」: 「承認済」->契約確定済

契約確定済

承認済

営業ユーザー

いいえ

契約の作成

「契約の作成」: 「承認済」->契約確定済

契約確定済

署名済 デフォルト

いいえ

契約の作成

「契約の作成」: 「署名済」→契約確定済

契約確定済

契約確定済

管理

いいえ

なし    

契約確定済

営業ユーザー

いいえ

なし    
契約確定済

セルフサービス・ユーザー

いいえ

なし    
  1. 次のワークフロー・ステップに拡張条件を追加します。手順の詳細は、Oracle CPQ管理のオンライン・ヘルプの「コマース」 > 「ワークフロー」 > 「遷移ルール」を参照してください。

    1. 「開始」 > 「保存」 > 「顧客受入待ち」遷移ルールの「管理」および「セルフサービス・ユーザー」プロファイルに、次の拡張条件を追加します:

      • 選択した変数: 「トランザクション」>「販売者レビューのスキップ」

      • スクリプト: return (_transaction_s_skipSellerReview_t == true);

    2. 「開始」 > 「保存」 > 「進行中」遷移ルールの「管理」および「セルフサービス・ユーザー」プロファイルに、次の拡張条件を追加します:

      • 選択した変数: 「トランザクション」>「販売者レビューのスキップ」

      • スクリプト: return (_transaction_s_skipSellerReview_t == false);