Oracleによってキュレートされて通知される米国食品医薬品局からのリコール通知の取得
Oracleコンテンツ・キュレーション・サービスをサブスクライブすることで、米国食品医薬品局(FDA)が公開したリコール通知を自動的に受信してアプリケーションに取り込むことが可能になりました。 Oracleコンテンツ・キュレーション・サービスをサポートするために、このリリースの製品に次の機能が追加されました:
- Oracleコンテンツ・キュレーション・サービス
- キュレーション・サービスからのリコール・コンテンツの収集
- 収集中のリコール部品の関連性の識別
- ビジネス・ユニットの自動割当
Oracleコンテンツ・キュレーション・サービス
Oracleコンテンツ・キュレーション・サービス・チームは、医療機器およびその他のヘルスケア製品についてFDAが公開したリコールの追跡および管理において重要な役割を果たします。 このチームは、次のことを専門に行います:
- 継続的なリコールのモニタリング: FDAのリコールを定期的に追跡し、影響を受ける製品をタイムリに認識できるようにします。
- 詳細なデータ・キュレーション:
- 各リコールを確認して、関連するすべてのデータを正確に取得します。
- 各データ要素(部品番号、ロット番号、シリアル番号など)が、対応するリコール・フィールドに正しくマップされていることを確認します。
- データ品質を維持するために、データの正確性の検証、更新の識別および重複エントリへのフラグ付けを行います。
- 複数ソースの検証: 複数のソースを利用してリコールの詳細を確認し、必要に応じてリコールを開始した会社に直接問い合せて明確にします。
- 承認および通知:
- キュレートされたリコールについて、構造化された承認プロセスに従います。
- 顧客にEメールで通知します。顧客のアプリケーションのアカウントに関連付けられている登録済Eメールに送信されます。
Oracleコンテンツ・キュレーション・サービス・チームは、リコール・データの管理と通知を合理化することで、最高水準のデータ精度と信頼性を備えて、関連するリコールが顧客に効率的に通知されるようにします。
キュレーション・サービスからのリコール・コンテンツの収集
リコール通知が指定されたリコールEメール・アドレスに送信されると、顧客の環境内のリコール管理アプリケーションによって自動的に受信されて処理されます。 受信Eメールがスキャンされ、そのコンテンツが解析され、リコール管理アプリケーション内でリコール通知としてインポートされます。 この自動プロセスはスケジュール済ジョブで実行されるため、リコール通知が常に更新され、アプリケーションで正確に取得されるようになります。
収集中のリコール部品の関連性の識別
リコール通知収集プロセスでは、Oracle品目番号、サプライヤ部品番号、製造業者部品番号、UDI、GTINなどの特定の品目識別子を相互参照することでリコール部品を検証し、正しく識別されるようにしています。 これらの識別子は、製品情報管理(PIM)クラウド・アプリケーション内の取引先関係で構成されているか、Procurement Cloudアプリケーション内の購買オーダーや契約などのトランザクションで使用されています。
正しい品目識別子が導出されると、指定されたリコール追跡期間中にこれらの品目が受け入れられたかどうかがチェックされます。 リコール通知は、次の基準に基づいて分類されます:
- 関連リコール通知:
- リコール通知の少なくとも1つの明細に、追跡期間中に受け入れられた品目識別子が含まれている場合、リコール通知は関連しているとみなされます。
- この関連リコール通知には「受入待ち」ステータスが割り当てられて、さらに処理が必要な可能性があることが示されます。
- 無関係なリコール通知:
- リコール通知のどの明細にも有効な品目識別子が含まれていない場合、または追跡期間中に識別された品目が受け入れられなかった場合、通知は無関係としてマークされます。
- これらの通知のステータスは「レビュー待ち」に設定され、その後のレビューで特に指示がないかぎり、即時処理は必要ないことが示されます。
このプロセスによって、関連する通知に対してのみ注意が促され、リコール通知管理が合理化されるため、運用効率とコンプライアンスの改善に役立ちます。
関連(受入待ち)と無関係(レビュー待ち)のタブ
リコール・マネージャは、「受入待ち」のリコールをレビューした後、それを受け入れるのみで、資材のトレースおよび影響を受ける部品の処分の管理の対象にできるため、関連するリコールに注意を集中できます。
リコールの受入
「レビュー待ち」の無関係なリコールについても、リコールの詳細をレビューできます。
リコール・マネージャは次のことを確認できます:
- 製品マスターに構成ミスがあるかどうか(製品マスターに必要な取引先関係がない、または品目に必要な拡張可能フレックス・フィールド属性マッピングがない)。 このような場合は、一致しなくなります。
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必要な変更を加えて再度品目を検証するか、リコール・マネージャが無関係であると判断した場合はリコールを取り下げます。
無関係とみなされ、取り下げられていないリコールは、スケジュール済プロセスによって引き続き再評価され、時間の経過に伴ってリコールが関連するようになったかどうかが判断されます。
リコールの取下げ
ビジネス・ユニットの自動割当
このリリースより前は、リコール通知でビジネス・ユニットを手動で割り当てる必要がありました。 一方、新しい更新では、品目と在庫組織の関連付けに基づいてビジネス・ユニットが自動的に割り当てられます。 この機能拡張により、手動操作が軽減され、リコール・プロセスが合理化されて効率が向上します。
Oracleのコンテンツ・キュレーション・サービスは、FDAがデータが欠落したりデータの構造化が不完全なリコール通知を公開した場合でも、データの質を高く保つようにします。 高品質のリコール・データを使用することで、障害品部品を追跡、トレースおよび管理するためのダウンストリーム・プロセスが確保されます。
Oracleのコンテンツ・キュレーション・サービスは、リコール通知を管理し、手動プロセスを排除し、統合の複雑さを軽減する効率的なソリューションを提供します。 このサービスにより、関連するすべてのリコール・データが自動的に配信されるため、管理タスクが最小限になり、患者のケアに直接影響する重要なリコール管理業務にリソースを割くことができます。
このサービスには、業務に関連するリコールを迅速に識別できる事前検証機能も含まれています。 このようにターゲットが絞り込まれることで、情報が過剰にならず、最も重要なリコールに迅速に対応できます。 また、このアプリケーションによって、無関係とみなされた過去のリコールが継続的に評価され、現在関連性があるかどうかが判断されるため、リコール・マネージャは過去のリコールを継続的にチェックする必要はありません。
全体として、Oracleのコンテンツ・キュレーション・サービスを使用すると、管理業務の負担が軽減されるのみでなく、業務ワークフローが最適化されて、チームが戦略的かつ価値の高いタスクにより多くの時間を割けるようになります。 このプロアクティブなリコール管理アプローチは、リスクを軽減し、コンプライアンスを確保し、組織全体でのより迅速で情報に基づいた意思決定をサポートします。
有効化のステップ
この機能を有効にするには、オプトインUIを使用します。 手順は、この文書の「新機能のオプションの取込み」の項を参照してください。
オファリング: 製造およびサプライ・チェーン資材管理
この機能を有効にするには、次の操作を実行します。
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Oracleコンテンツ・キュレーション・サービスからリコール通知を受信するMS OutlookクライアントのEメール・アドレスを指定または作成します。 クライアントのEメールを作成する必要がある場合は、IT MS Outlookチームと協力してこのEメール・アカウントを構成する必要があります。 FDAリコール・データ調査によると、Eメール・クライアントは、1日に約8通のEメールを受信すると推定されます。
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ESSジョブでキュレーション・サービスからリコールEメールを取り込むには、EメールにアクセスできるようにAzure Graph APIが設定されていることを確認する必要があります。 ITチーム(Azure管理)がこの設定を実行する必要があります。 Microsoftの設定の詳細は、こちらを参照してください。
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登録を完了して、Oracleコンテンツ・キュレーション・サービスからのリコールに関するEメール通信を受信し、これらのリコール通知をリコール管理アプリケーションに自動的に取り込みます。
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「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。
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オファリング: 製造およびサプライ・チェーン資材管理
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機能領域: 製品リコール管理
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タスク: リコール・アラートを受信する登録の管理
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第三者サービス使用条件に同意します
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Azure管理者から受け取ったクライアントID、テナントID、クライアント・シークレットを入力します。 MSクライアントの詳細は、Eメールの取得、コンテンツの解析およびOracle Cloudアプリケーションへのリコール通知のインポートに使用されます。
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リコール・アラートの送信先となるMS OutlookのEメール・アドレスを入力します。
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「検証および保存」をクリックします。
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Oracleキュレーション・サービスの登録
- リコール・パラメータを構成します:
- 「設定および保守」作業領域で、次の項目に移動します。
- オファリング: 製造およびサプライ・チェーン資材管理
- 機能領域: 製品リコール管理
- タスク: 製品リコール・パラメータの管理
- 「グローバル」タブで品目マスター組織を選択し、レコードを保存します。
リコール・パラメータの管理
- ここで説明するステップを実行します。これにより、アプリケーションでリコール部品を事前に検証し、品目照合を実行して、関連するリコール通知を識別できます。
- 「ツール」 > 「スケジュール済プロセス」にナビゲートして、「Oracleキュレート済リコール通知の収集」ジョブをスケジュールします。
主なリソース
- Oracle Supply Chain Management Cloud: 製品リコール管理の使用ガイド(Oracle Help Centerからアクセスできます)。
アクセス要件
次の権限が含まれる構成済ジョブ・ロールが割り当てられているユーザーは、この機能にアクセスできます:
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リコール管理コンソール照会(ENQ_MGMT_CONSOLE_INQUIRY)
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製品リコール通知の管理(ENQ_MANAGE_PRODUCT_RECALL_NOTICES)
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製品リコール通知のインポート(ENQ_IMPORT_PRODUCT_RECALL_NOTICES)
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RESTサービスを使用した企業体系の取得(FUN_GET_ENTERPRISE_STRUCTURES_REST_SERVICE_PRIV)
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スケジュール済ジョブ定義の管理(FND_MANAGE_SCHEDULED_JOB_DEFINITION_PRIV)
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FSCM統合Restサービスへのアクセス(FUN_FSCM_REST_SERVICE_ACCESS_INTEGRATION_PRIV)