生産監督時のワークステーション・パフォーマンスのモニター
製造現場の製造工程では、最適なリソース利用で、製品を予定どおりに搬送する必要があります。 また、製品はすべての品質仕様を満たす必要があります。 生産監督者は、シフト中にワーク・センターおよびワークステーションの生産パフォーマンスを常にモニタリングする責任があります。
この更新により、生産監督者は、生産プロセスに関連する主要な工程メトリックをモニターできるようになりました。 いずれかのメトリックまたはキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)が期待値から逸脱している場合、監督者は生産の継続性と品質を確保するために積極的な処置を実行できます。
生産監督者は、各ワークステーションに個別に出向くことなく、1箇所からすべてのワークステーションをモニターできます。 すべてのワークステーションについて集計されたメトリックと個々のワークステーション・カードにより、監督者はワーク・センターをモニターできます。 監督者は、個々のワークステーションのステータス、工程ステータスおよびレポートされた例外も確認できます。 監督者はワークステーションをドリルダウンして、ワークステーションのメトリック、機材およびオペレータの割当を確認できます。
次のメトリックは、ワーク・センター・レベルとワークステーション・レベルの両方でモニターできます:
- プラン遵守
- 設備総合効率(OEE)
- 可用性
- パフォーマンス
- 品質
- オープン例外
- 完了数量
ワークステーション・レベルでは、追加で次のメトリックも使用できます:
- 割り当てた工程の期間
- 使用中期間
- アイドル期間
- 停止期間
プラン遵守:このメトリックは、シフト中のワークステーションのターゲット完了と比較した実績完了率を示します。 実績完了は、現在のシフトのワークステーションでの完了済工程数量の合計です。 ターゲット完了は、計画完了日が現在のシフトにある工程の工程割当数量の合計です。 ワークステーション全体のプラン遵守値が集計され、ワーク・センターの平均が計算されます。
設備総合効率(OEE): このメトリックは、現在のシフトの特定のワークステーションでの機材の生産効率を測定します。 OEEは、パーセンテージで表され、現在のシフトの可用性、パフォーマンスおよび品質という主要コンポーネントを乗算して計算されます。 ワークステーション全体の値が集計され、ワーク・センターの平均OEEが計算されます。
可用性: このメトリックは、現在のシフトでのワークステーションの可用性に関する情報を提供します。 可用性では、実行時間を計画生産時間で割った比率を計算します。 計画生産時間は、シフト期間から休憩(ある場合)を差し引いた時間として計算されます。 実行時間は、計画生産時間とすべてのダウンタイム(計画済と未計画の両方)との差異として計算されます。 可用性はワークステーション・レベルで計算され、すべてのワークステーションにわたって集計されて、ワーク・センターの平均可用性が計算されます。
パフォーマンス: このメトリックは、製造を遅らせる要因(つまり、遅いサイクルや小規模な停止)の影響を考慮して、ワークステーションのパフォーマンスを評価します。 パフォーマンスの比率は、次のように計算されます:
Performance % = ((Ideal Cycle Time x Total Count)/RunTime) x 100
工程の理想的なサイクル時間は、ワークステーションで実行される作業オーダー工程のリソース使用率から取得されます。 実行時間は、計画生産時間とすべてのダウンタイム(計画済と未計画の両方)との差異として計算されます。
品質: このメトリックでは、現在のシフト中に生産されたユニット合計に対する良品ユニットの比率が計算されます。 現在のシフト中に生産された製造製品の品質を評価します。 再加工が必要な製品など、品質基準を満たさない製品があると、品質メトリック値は下がります。 品質はワークステーション・レベルで計算され、すべてのワークステーションにわたって集計されて、ワーク・センターの平均品質が計算されます。
オープン例外: このメトリックは、ワークステーションについて記録されたオープン例外の数を示します。 オープン例外は、すべてのワークステーションにわたって集計され、ワーク・センターのオープン例外合計が計算されます。
完了数量: このメトリックは、現在のシフト中にワークステーションで完了した数量を示します。 ワーク・センター・レベルでの完了数量は、現在のシフトのワークステーション全体の完了数量の集計です。
割り当てた工程の期間: このメトリックは、ワークステーション・キューに割り当てられたすべての工程の合計リソース期間を示します。
使用中、アイドルおよび停止: これらのメトリックは、現在のシフト中のワークステーションの合計の使用中期間、アイドル期間および停止期間をそれぞれ示します。 ワークステーション・レベルで計算されるダウンタイム・メトリックは、すべてのワークステーション全体で集計され、ワーク・センターの合計ダウンタイムが計算されます。
ワーク・センター・レベルで前述のメトリックをモニタリングする際は、各ワークステーションの現在の実行状態の詳細も確認できます。 各ワークステーション・カードには、ワークステーション・ステータス、ステータスの事由コード、チェックインされたオペレータ、実行中の現在の作業オーダー工程、工程の数量進捗、およびオペレータによって問題がレポートされた場合は例外インジケータの情報が含まれます。 ワークステーション・カードをクリックすると、ワークステーションの詳細にドリルダウンできます。
生産監督: ワーク・センターのモニタリング
ワークステーションをドリルダウンすると、メトリックをワークステーション・レベルで表示できます。 また、オペレータ割当や作業オーダー工程割当など、このページから特定の監督タスクを実行できます。
生産監督: 個々のワークステーションのモニタリング
生産パフォーマンスに関するリアルタイムのインサイトは、監督者がチームを効率的に管理し、時間どおりに問題に対処し、人や機材の使用を最適化するのに役立ちます。 監督者は、重要な情報を取得するためにワークステーションまで出向く必要がなく、外出先でもデータに基づいて意思決定できます。
これらの機能のデモを次に示します:
有効化のステップ
この機能を有効にするには、オプトインUIを使用します。 手順は、この文書の「新機能のオプションの取込み」の項を参照してください。
オファリング: 製造およびサプライ・チェーン資材管理 オプションでなくなるバージョン: 更新25C
この機能を使用するには、次の詳細を指定して「スマート工程構成」タスクを設定する必要があります:
- 構成パラメータ: 生産監督およびワークステーション実行の動作に影響するパラメータ値を指定します。
- メトリック: 生産監督下で使用可能なキー・メトリックのベンチマーク値を指定します。
- ワークステーション事由コード: ワークステーション事由コードを指定し、関連するステータスとその設備総合効率(OEE)計算への影響を損失として詳細に説明します。
ランディング・ページに追加するKPIおよびビジュアライゼーションの作成
ビジュアライゼーション構成ツールを使用して、OTBIベースのKPIおよびビジュアライゼーションを定義できます。 最初にOTBIで分析を作成する必要があります。 OTBI分析のKPIを作成するには、ビジュアライゼーション・タイプとしてメトリック・カードを指定します。 ビジュアライゼーションを作成するには、ビジュアライゼーション・タイプとして棒グラフ、円グラフ、表形式チャートなどを指定します。
ビジュアライゼーション構成ツールには、次のURLを使用してアクセスできます:
https://<servername>/fscmUI/redwood/cx-analytics/application/container/dvconfig
ヒントと考慮事項
- VB Studioの拡張機能を使用すると、ページを編集して次のことができます:
- タブのデフォルトの順序を変更します。
- シード済スコアカード・メトリックを非表示または表示します。
- ロールにランディング・ページでのOTBIレポートの構成権限がある場合は、Oracle Transactional Business Intelligence (OTBI)を使用してカスタムKPIメトリックおよびビジュアライゼーション・レポートを作成することで、それらをダッシュボード・ページに追加できます。
主なリソース
- 生産監督時のワークステーション・パフォーマンスのモニターの機能デモを視聴してください。
- Oracle Fusion Cloud SCM: Manufacturingの使用ガイドを参照してください(Oracle Help Centerからアクセスできます)。
- Oracle Fusion Cloud SCM: 製造およびサプライ・チェーン資材管理の実装ガイドを参照してください(Oracle Help Centerからアクセスできます)。
アクセス要件
次の権限を含む構成済ジョブ・ロールが割り当てられているユーザーは、この機能にアクセスできます。
- 生産の監督(WIP_SUPERVISE_PRODUCTION_PRIV)
- ワークステーション・キューの管理(WIP_MANAGE_WORKSTATION_QUEUE_PRIV)
- ワークステーションへのオペレータの割当の管理(WIP_MANAGE_WORKSTATION_OPERATORS_PRIV)
- サービス別製造工場設定データの取得(WIS_GET_MFG_PLANT_SETUP_SERVICE)
- ワークステーションの表示(WIS_VIEW_WORKSTATIONS)
- ワークステーションでの生産の実行(WIP_EXECUTE_WORKSTATION_PRIV)
- 生産例外の表示(WIP_VIEW_PRODUCTION_EXCEPTIONS_PRIV)
- 生産シフト詳細の表示(WIP_GET_PROD_SHIFT_DETAILS_PRIV)
- ランディング・ページでのOTBIレポートの構成(WIS_CONFIGURE_OTBI_REPORTS_LANDING_PAGE_PRIV)
ビジュアライゼーション構成:
- サービス・マネージャ・ダッシュボードの表示(SVC_VIEW_SERVICE_MANAGER_DASHBOARD_PRIV)
- サービス担当者ダッシュボードの表示(SVC_VIEW_SERVICE_REPRESENTATIVE_DASHBOARD_PRIV)
ガイド付きジャーニ : ロール・コード:
- RESTサービスの使用 - ガイド付きジャーニ読取り専用(Role Code ORA_PER_REST_SERVICE_ACCESS_GUIDED_JOURNEYS_RO)
- RESTサービスの使用 - ガイド付きジャーニ応答(Role Code ORA_PER_REST_SERVICE_ACCESS_GUIDED_JOURNEY_RESPONSES)
この更新では、ランディング・ページでのOTBIレポートの構成権限、ワークステーション・キューの管理権限およびワークステーションへのオペレータの割当の管理権限が新しく追加されました。 他のすべての権限およびロールは、この更新の前から使用可能でした。