指定された時間ウィンドウ内での生産能力制約の強制

制約付き供給プランでは、実行する必要がある計算の量を減らすことで、供給プランニング・プロセスにかかる時間を短縮することが望まれています。

この更新では、リソースまたはサプライヤの生産能力が制約とみなされる制約付き供給プランに時間ウィンドウが用意されています。 この時間枠外では、プランニング・システムで、生産能力が制約なしとみなされます。 「プラン・オプション」ページの「制約が強制される日数」パラメータを使用して、この時間ウィンドウを定義できます。 この機能は、資材および生産能力の制約計算をビジネスに必要な期間のみに制限することで、プランニング・サイクル時間を短縮するのに役立ちます。

「制約が強制される日数」パラメータを定義するには、次のようにナビゲートします:

「プラン・オプションの作成/編集」->「供給」タブ->「制約および決定ルール」サブタブ。

   新しいプラン・オプション: 制約が強制される日数

  新しいプラン・オプション: 制約が強制される日数

  • このフィールドは、「リソース生産能力制約の強制」または「サプライヤ生産能力制約の強制」のいずれかのオプションが選択されていると使用可能になります。 制約付き供給プランで生産能力制約を強制する必要がある日数を指定します。 この時間ウィンドウ以外では、生産能力が制約なしとみなされます。
  • デフォルトでは、このオプションは選択されていません。つまり、計画の範囲全体に制約が強制されます。
  • 「制約が強制される日数」には、カレンダの日数がそのまま定義されます。 すべての日が対象になります。 週末、休日、およびその他の非稼働日は除外されません。
  • 週や期間などの集計バケットの途中でこの日数が終了する場合は、そのバケット全体で生産能力の制約が考慮されます。
  • この時間ウィンドウ以外では、リソースまたはサプライヤ生産能力が制約なしになるので過負荷になる可能性があります。 それぞれの過負荷例外は、供給プランニングで生成されます。
  • 制約付き時間ウィンドウ以外では、品目の処理リード・タイム内にリソースがロードされます。

この機能について、いくつかのユースケースを見てみましょう:

ユース・ケース1:

 次の設定について考慮します:

  •  品目: RA_ASSY、処理リード・タイム= 4日、その他すべてのリード・タイムは0です。
  • リソース: RA_RES1
  • 品目RA_ASSYの各ユニットを生成するには、リソースRA_RES1が1時間必要です。 リソースRA_RES1には8時間のシフトが設定されています。
  • 新しいプラン・オプション「制約が強制される日数」が5日に設定されています。

「リソース生産能力制約の強制」オプションを選択して制約付き供給プランを実行した後、出力は図のようになります。 5日目以降は生産能力が制約なしとみなされるため、時間どおりに需要を満たすために生産資源を過負荷にできます。

供給および需要

供給および需要

このケースでは、制約時間ウィンドウ内ではリソース生産能力に違反できないため、2日目の最初の需要は遅延されて4日目に充足されます。 4日目に作成される計画オーダーには、提示開始日が1日目、提示期日が4日目と設定されます。

11日目の需要は時間どおりに満たされますが、品目のリード・タイム内でリソースが過負荷になります。 11日目に作成される計画オーダーには、提示開始日が8日目、提示期日が11日目と設定されます。 このケースでは、供給プランは前のバケットで使用可能な生産能力を調べずに、品目の処理リード・タイム内にリソースをロードします。

19日目の需要の場合も同様で、リソースは制約なしなので、時間どおりに需要が満たされますが、19日目に過負荷になります。 19日目にリソースの過負荷例外が供給プランで生成されます。

次に、リソース・プランを示します:

 リソース・プラン

リソース・プラン

ユース・ケース2:

  次の設定について考慮します:

  •  品目: RA_ASSY、リード・タイムなし、組織: M1
  • この品目は、日次生産能力が10ユニットのサプライヤ/サプライヤ・サイトをソースとします。
  • 制約が強制される日数= 7

「サプライヤ生産能力制約の強制」が選択されている制約付き供給プランを実行した後、出力は次のようになります:

 サプライヤ生産能力に制約がある供給および需要

サプライヤ生産能力に制約がある供給および需要

制約時間ウィンドウ内ではサプライヤ生産能力制約に違反できないため、3日目の最初の需要は遅延されて5日目に充足されます。 5日目の2番目の需要については、6日目と7日目の生産能力には違反できませんが、8日目には過負荷にできます。 このケースでは、20ユニット分の生産能力が過負荷になります(8日目の計画オーダーでは、6日目、7日目、8日目の生産能力が消費され、8日目の生産能力が過負荷になります)。 同様に、11日目の需要は、サプライヤ生産能力を過負荷にすることで時間どおりに充足されています。 8日目および11日目にサプライヤ生産能力の過負荷例外が、供給プランで生成されます。

有効化のステップ

この機能を有効にするには、オプトインUIを使用します。 手順は、この文書の「新機能のオプションの取込み」の項を参照してください。

オファリング: サプライ・チェーン・プランニング

ヒントと考慮事項

「指定された時間ウィンドウ内での生産能力制約の強制」機能を使用する場合は、その親機能である「制約ベース・プランニング」にオプト・インする必要があります。 この親機能をすでにオプト・インしている場合、再度オプト・インする必要はありません。

  • 会社として、リソースまたはサプライヤ生産能力を制約として強制する必要がある日数を、制約時間ウィンドウに設定してください。
  • この機能は、リソースまたはサプライヤの生産能力制約をプランに強制した場合に適用されます。
  • リード・タイムは引き続きハード制約とみなされます。 リード・タイム制約の場合は、制約時間ウィンドウ以外の期間に遅延して供給を充足できます。
  • 制約時間ウィンドウ以外の期間に、リソースまたはサプライヤの生産能力の過負荷がある場合は、リソース生産能力制約およびサプライヤ生産能力制約の例外が供給プランで生成されません。

アクセス要件

次の権限を含む構成済ジョブ・ロールが割り当てられているユーザーは、この機能にアクセスできます。

  • プランの編集(MSC_EDIT_PLANS_PRIV)
  • スナップショットでのプランの実行(MSC_RUN_PLAN_WITH_SNAPSHOT_PRIV)
  • 「供給プランニング」作業領域のモニター(MSC_MONITOR_SUPPLY_PLANNING_WORK_AREA_PRIV)

これらの権限は、この更新の前から使用可能でした。