1 Oracle Linux 7のアクセシビリティ機能の使用
警告:
Oracle Linux 7は現在延長サポート中です。詳細は、Oracle Linux拡張サポートおよびOracleオープン・ソース・サポート・ポリシーを参照してください。
できるだけ早くアプリケーションとデータをOracle Linux 8またはOracle Linux 9に移行してください。
アクセシビリティ機能によって、視覚、聴覚、運動障害を持つユーザーに対してOracle Linuxソフトウェアの機能に簡単にアクセスして使用するための手段が提供されます。このガイドでは、Oracle Linux 7に含まれているアクセシビリティ機能の有効化および構成に関する情報および手順について説明します。
このガイドの情報および手順は、GNOMEデスクトップで使用可能なソフトウェア機能に主に重点を置いています。Oracle Linux 7には、GNOME ClassicデスクトップとGNOMEデスクトップの両方が含まれています。そのため、実行するデスクトップのバージョンに応じて、次の手順は若干異なります。使用可能な場合は常に、コマンドラインの手順も提供されます。
支援技術について
支援技術は、視覚や聴覚の障害、または運動能力の障害などの特定の障害のあるユーザーを対象として、アクセシビリティを促進します。
身体障害のあるユーザーに提供される代替プレゼンテーションには、次のいくつかが含まれます。
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合成音声
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拡大コンテンツ
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代替入力方法
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その他のナビゲーション方法
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コンテンツ変換
Oracle Linuxには、身体障害のあるユーザーがデスクトップのすべての機能を使用できるようにするいくつかのソフトウェア機能があります。また、デスクトップには、外観や動作をカスタマイズできる様々なツールが用意されています。
Oracle Linux 7用のAnacondaインストール・ソフトウェアは、アクセシビリティ機能を提供していないことに注意してください。
GNOMEデスクトップでのユニバーサル・アクセスについて
Oracle Linux 7では、ユニバーサル・アクセス機能を使用して、GNOMEデスクトップの支援機能を有効にしてカスタマイズできます。
オプションで、デスクトップの最上部のバーにアクセシビリティ・メニューを追加して、アクセシビリティ機能のオンとオフを簡単に切り替えることができます。アクセシビリティ・メニューが表示されない場合は、ユニバーサル・アクセス設定パネルを開き、次のステップの説明に従って、常にユニバーサル・アクセス・メニューを表示スイッチを「オン」に切り替えます。
デスクトップの最上部のバーにあるメニュー・アイコンをクリックすることによってのみ、機能のオンとオフを切り替えることができることに注意してください。アクセシビリティ機能をカスタマイズする必要がある場合は、ユニバーサル・アクセス設定パネルにアクセスしてカスタマイズできます。
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GNOME Classicデスクトップでユニバーサル・アクセス設定パネルを開くには:
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「アプリケーション」メニューから、「システム・ツール」、「設定」の順に選択します。
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「すべての設定」ウィンドウで、ユニバーサル・アクセスアイコンをクリックします。
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GNOMEデスクトップでユニバーサル・アクセス設定パネルを開くには:
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デスクトップの最上部のバーで、「アクティビティ」をクリックして「アクティビティ」の概要を開きます。
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「検索するタイプ」フィールドで、「universal access」と入力し、ユニバーサル・アクセスアイコンをクリックします。
ヒント:
アクティビティの概要にすばやくアクセスするには、ほとんどのキーボードの左側の [Alt]キーの横にある[Super]キーを押します。[Super]キーは、実行中のGNOMEデスクトップ・バージョンに関係なく、同じように機能します。
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ユニバーサル・アクセス設定パネルを手動で開くには、次のコマンドを入力します。
gnome-control-center universal-access
アクセシビリティ機能のカスタマイズ
ユニバーサル・アクセス設定パネルを使用して、GNOMEデスクトップのアクセシビリティ機能をカスタマイズできます。このパネルは次のセクションに分かれています。
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表示
このセクションは、視覚障害のあるユーザーのためのアクセシビリティ機能およびオプションを含んでいます。次の設定を有効にしてカスタマイズできます。
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ハイ・コントラスト: ウィンドウとボタンのコントラストを調整して、鮮明さを増減します。
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大きいテキスト: フォントを拡大して読みやすくします。
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カーソル・サイズ: マウス・カーソルのサイズを増減します。
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ズーム: 読みやすくなるようにテキストを拡大します。「ズーム」は、Oracle Linux 7で提供されるデフォルトの拡大鏡です。GNOME拡大鏡の使用を参照してください。
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スクリーン・リーダー: ユーザー・インタフェースを読み上げることができます。Orcaは、Oracle Linux 7に用意されているオンスクリーン・リーダーです。Orcaスクリーン・リーダーの使用を参照してください。
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サウンド・キー: [
Num Lock
]または[Caps Lock
]キーがオンまたはオフになるとビープ音が鳴ります。
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聴覚
このセクションは、ビジュアル・アラートアクセシビリティ設定を含んでいます。この設定を有効にすると、警告音が発生するときに視覚的に表示できます。使用可能なオプションには、ウィンドウのタイトルをフラッシュおよび画面全体をフラッシュがあります。
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入力
このセクションは、運動障害のあるユーザーのためのアクセシビリティ機能およびオプションを含んでいます。次の設定を有効にしてカスタマイズできます。
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スクリーン・キーボード: 物理キーボードなしでアプリケーションおよびデスクトップを使用できます。GNOMEオンスクリーン・リーダー(GOK)は、Oracle Linux 7のデフォルトのオンスクリーン・キーボードです。GNOMEオンスクリーン・キーボードの使用を参照してください。
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リピート・キー: キーが押し下げられたときにキーボードが文字を繰り返さないように指定します。この設定では、リピート・キーの遅延と速度を変更することもできます。
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カーソル点滅: 有効にすると、テキスト・フィールドでカーソルが点滅するようになります。
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入力支援(AccessX): 有効にしてカスタマイズできる次のキーボード設定を含むサブメニューを開きます。
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キーボードで有効にする: キーボードを使用してアクセシビリティ機能を有効または無効にできます。
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スティッキー・キー: 一連のキーをキーボードの組合せとして扱えるようにします。スティッキー・キーは、次のオプションを選択してさらにカスタマイズできます: 2つのキーが同時に押されたら無効にするおよび修飾キーが押されたらビープ音を鳴らす。
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スロー・キー: キーが押されてから受け入れられるまでの間に遅延を挿入します。スロー・キースライダを調整することにより、遅延の時間の長さを(ショートからロングまで)指定できます。さらに、次のいずれかまたはすべてのオプションを選択できます: キーが押されたらビープ音を鳴らす、キーが受け入れられたらビープ音を鳴らすおよびキーが拒否されたらビープ音を鳴らす。
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バウンス・キー: 高速で重複したキーの押下げを無視します。バウンス・キースライダを調整することにより、遅延の時間の長さを(ショートからロングまで)指定できます。キーが拒否されたらビープ音を鳴らすオプションも使用できます。
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ポイントとクリック
マウスやポインティング・デバイスの使用に問題があるユーザーは、このセクションの機能をカスタマイズできます。詳細は、補助マウス・ツールの操作を参照してください。
このセクションでは、次の設定を有効にしてカスタマイズできます。
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マウス・キー: キーボードのテンキー・パッドを使用してマウス・ポインタを制御できます。
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クリック・アシスト: マウスのクリックを支援します。
クリック・アシストダイアログ・ボックスで、次の設定をカスタマイズできます。
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セカンダリ・クリックのシミュレート: プライマリ・ボタンを押したまま、セカンダリ・クリックをトリガーします。受入れ遅延スライダを調整することにより、遅延の時間の長さを(ショートからロングまで)指定できます。
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ホバー・クリック: ポインタを重ねたときにクリックをトリガーします。遅延の長さ(ショートからロングまで)を指定するには、「遅延」スライダを調整します。
モーションしきい値範囲(小から大)を指定するには、モーションしきい値スライダを調整します。
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ダブルクリック遅延: ダブルクリック・アクションを遅延させる時間の長さを調整できます。
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GNOMEデスクトップでのユニバーサル・アクセスの詳細は、https://help.gnome.org/users/orca/stable/preferences.htmlを参照してください。