Oracle DIVAnet は、複数の分散型 DIVArchive システムおよび DIVAcloud 全体にわたる、アーカイブ済みデジタル資産の統合ビューを提供します。この機能は、DIVArchive サイト間でコンテンツを移動させたり、お客様のソース/宛先のサーバーおよびディスクから移動させたりするのに役立ちます。このタスクは、障害回復、コンテンツ配信、アクセス制御、パフォーマンス、コンテンツの可用性のために実行されます。
複数の DIVArchive サイトに接続することによって、DIVAnet は複数の地理的な場所にまたがる仮想アーカイブシステムを作成します。機能停止が発生したときに追加のアセット可用性を提供するために障害回復サイトを活用したり、システムが正常に動作しているときに一部のアセットのアーカイブおよび復元のパフォーマンスを向上させたりできます。組織のほかの部分の DIVA インストール環境を、戦略的なバックアップサイト、コンテンツ共有パートナー、およびグローバルビジネスメディアワークフロー内の参加者として使用できます。DIVAnet により、ローカル DIVA サイト、リモート DIVA サイト、およびクラウド内に存在する可能性のあるコンテンツを追跡する負荷が軽減されます。
DIVArchive API を使用するアプリケーションは、API を使用して DIVAnet に直接接続できます。これにより、アプリケーションは地理的に異なる場所にデジタル資産を格納し、デジタル資産にアクセスできます。DIVAnet は各 DIVA サイトからのアセット情報を同期するため、常に最新の資産インベントリを持ちます。DIVAnet はこの情報を使用して、名前の一意性を強制したり、さまざまな要求 (復元要求やコピー要求など) に対する最適なサイトを選択したりします。また、DIVAnet はユーザーが実行できる操作を制限するためのアクセス規則も提供します。
DIVAnet では、複数の DIVArchive サイトがあたかも 1 つの大規模なアーカイブシステムであるかのように複数のサイトを制御するための DIVA API を使用したアプリケーションへの書き込みが可能です。DIVArchive API によって、クライアントアプリケーションがアーカイブシステムに接続でき、コンテンツの格納、コンテンツのコピー、コンテンツの削除、またはコンテンツの復元を実行できます (DIVArchive API については、Oracle DIVArchive 7.4 追加機能のドキュメントライブラリにある Oracle DIVArchive C++ API のリファレンスマニュアルを参照してください)。API は、アーカイブされたオブジェクトに関する情報の取得もサポートします。DIVAnet は DIVA API の大規模なサブセット (一般にメディア資産管理 (MAM) アプリケーションなどのよく使われるアプリケーションによって使用されるサブセット) のサポートを実装します。
詳細については、第7章を参照してください。
DIVAnetUI は、ユーザーが DIVAnet 要求をモニターし、複数の DIVArchive サイトにわたって DIVAnet アセット (DIVA アーカイブ済みオブジェクト) を表示、コピー、復元、および削除できるようにするアプリケーションです。DIVAnet レベルのすべての要求は、それが API を介して発行されたか UI 自体によって発行されたかにかかわらずモニターされます。また、アセットが DIVAnet を介してアーカイブされたかどうかにかかわらず、構成されているすべての DIVArchive サイトのアセット情報も表示できます。DIVAnetUI は、要求情報およびアセット情報の両方を問い合わせる柔軟な方法を提供します。
DIVAnet 2.1 は DIVArchive コントロール GUI を (直接モードであっても) サポートしないため、DIVAnet をモニターするには DIVAnetUI を使用し、DIVArchive をモニターするには DIVArchive コントロール GUI を使用します。
詳細については、第5章を参照してください。
DIVAnetAdmin コマンド行ツールは、次に示すようなさまざまな DIVAnet 管理機能を実行できます。
データベース同期のステータスのモニタリング
サイト固有のパラメータおよび制限の設定
API 接続の表示
ワークフロープロファイルおよびアクセス規則の再ロード
DIVAnet サービスのログレベルの変更。
詳細については、第6章を参照してください。
DIVAnet では、特定の操作を実行できるユーザーおよびワークフロープロファイルを制御する規則を作成できます。たとえば、復元されたコンテンツを受け取るソース/宛先を制限したり、サイトにコピーできるオブジェクトを制限したりする規則を作成できます。
詳細については、第4章を参照してください。
一部のサイト間転送タスクは、DIVAnet だけで実行されるわけではありません。Drop Folder Monitor (DFM) サービスは、フォルダ内のディスクに書き込み中のコンテンツをモニターします。次に、コンテンツが完全に転送されたあと、DIVArchive システムにそのコンテンツをアーカイブします。DFM はサイト間コピーワークフローの一部として使用でき、DIVAnet と一緒に使用することもできます。DFM の詳細については、Oracle DIVArchive 7.4 追加機能のドキュメントライブラリにある Oracle DIVArchive Drop Folder Monitor (DFM) のユーザーズガイドを参照してください。
Oracle DIVArchive Storage Plan Manager (SPM) を構成して、コンテンツが DIVArchive サイトに到達したときに操作を自動的に実行できます。これらの操作の 1 つとして、新しいコンテンツをドロップフォルダに復元し、今度はそのコンテンツを別の DIVA システムにアーカイブできるという操作があります。これにより、コンテンツの一種のレプリケーションが可能になります。SPM の詳細については、Oracle DIVArchive 7.4 追加機能のドキュメントライブラリにある Oracle DIVArchive Storage Plan Manager (SPM) のガイドを参照してください。
さらに、DIVArchive 自体もソース/宛先から DIVA システムにコンテンツを転送してからふたたび戻し、アーカイブ済みコンテンツをコピーおよび削除する機能を提供します。
DIVArchive、SPM、DFM、DIVAnet は分散型のメディアワークフローを実現するために調和して機能します。