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カタロガ

カタロガ
Oracle Tuxedo Application Rehosting Workbench (Tuxedo ART Workbench)カタロガは、ソース環境から抽出されたすべてのコンポーネントを個別および一緒に分析し、アセットに一貫性があるか、移行できるかどうかを決定します。また、カタロガは別のツールで使用される内部形式も生成します。
この章には次のトピックが含まれます:
カタロガの概要
カタロガは、Tuxedo ART Workbenchを構成する移行ツールの1つです。その目的は次の2つです。
カタロガ・プロセスへの入力
カタロガの分析フェーズにパラメータを提供する、カタロガ・オプション・ファイル(オプション)(「詳細処理」を参照)。
動的プログラム呼出しなど、カタロガ自体では検出できない情報を提供するヒント・ファイル(オプション)。
カタロガ・プロセスからの出力
カタロガ・プロセス
カタロガ・プロセスは4つの論理フェーズに分けられます。
1.
2.
3.
4.
プロジェクトおよび移行プラットフォームの構成の必要に応じて、これらのフェーズは単一の実行または増分的に、順次または同時に実行できます。詳細は、「繰返しおよび増分操作」および『Oracle Tuxedo Application Runtimeプロセス・ガイド』を参照してください。
入力コンポーネントの説明
カタロガは、z/OSプラットフォームで実行している、完全な作業ソフトウェア・アプリケーションのソース・ファイルを入力として受け入れます。これは、すべて次のタイプのファイルで構成されている必要があります。これについてはこの後の項で詳細に説明します。
COBOL
参考資料
Tuxedo ART Workbench COBOLパーサーはCOBOL言語を、IBM Enterprise COBOL for z/OS Language Reference Version 3 Release 4 (資料番号SC27-1408-04)での仕様のとおり受け入れます。
制約
次の構成または機能は受け入れません。
DBCS (USAGE DISPLAY-1)およびUnicode (USAGE NATIONAL)構成。
サブプログラム
このパーサーはCOBOLプログラムとそのサブプログラムを処理します。サブプログラムがWorkbenchプロジェクトに存在せず、COBOLプログラム内で呼び出されている場合、Workbenchはサブプログラムがないことを報告します。このサブプログラムがランタイム・システムで提供され、その名前がカタロガ・オプション・ファイル内のオプションのsupplied-batch-moduleおよびsupplied-cics-moduleで指定されたファイルにリストされている場合、Workbenchはこれらのプログラムについては「ない」と報告しません。
例:
カタロガ・オプション・ファイルの構成をリスト3-1に示します。
リスト3-1 カタロガ・オプション・ファイル
%% Options for cataloguing the system
call-hints="../param/call-hints.desc".
supplied-batch-module="../param/supplied-batch-module".
supplied-cics-module="../param/supplied-cics-module".
job-card-optional.
 
ファイル../param/supplied-batch-moduleでの構成は次のとおりです。
#Comment line
ILBOABN0
CEE3ABD
ファイルparam/supplied-cics-moduleでの構成は次のとおりです。
#Comment line
CICS001
CICS002
ILBOABN0およびCEE3ABDはBatch Runtimeシステムで提供されます。CICS001およびCICS002はCICSランタイム・システムで提供されます。Workbenchはこれらのプログラムについてはないと報告しません。
埋込みCICS
参考資料
COBOLパーサーは、サブパーサーを使用して埋込みEXEC CICS文(コマンド)を解析します。このパーサーは、『IBM CICS Application Programming Reference Version 3 Release 1』(資料番号SC34-6434-05)で定義された言語を受け入れます。
SQL
参考資料
同じパーサーがスタンドアロン・モードで使用されてSQL DDLファイルを解析し、サブパーサーとしてCOBOLプログラムに埋め込まれたEXEC SQLコードを解析します。これは『IBM DB2 Version 9.1 for z/OS Application Programming and SQL Guide』(資料番号SC18-9841-00)および『IBM DB2 Version 9.1 for z/OS SQL Reference』(資料番号SC18-9854-00)の言語仕様に基づきます。
JCL
参考資料
JCLパーサーはIBM z/OS MVS JCL Reference(資料番号SA22-7597-09)の言語仕様に基づきます。
一般情報
サブファイル
システム記述ファイルで指示されているように、パーサーは様々な形式のサブファイルおよびファイル・インクルード・ディレクティブ(EXEC [PROC]、INCLUDE、SYSIN、SYSTSINなど)を処理し、サブファイルのアセットを検索します。カタロガおよびJCLトランスレータのようなその他のツールは、処理するすべてのJCLスクリプトのすべての手順を完全に理解している必要があり、すべての参照されるサブファイルがアセットに存在し、そのファイル・タイプおよび検索パスは、すべての参照でサブファイルが正しく検索されるように設定されることが非常に重要です。カタロガはサブファイルの欠落を、すべての影響を受けるJCLの正しい分析および変換を妨げるという理由で、重要度の高い異常としてレポートします。変換はこのような異常がすべてなくなるまで試行できません。
SYSIN/SYSTSINファイルは次の2つのタイプがあります。
すべての参照されるPROCおよびINCLUDEサブファイルはアセットに存在する必要があります。
パーサーはまたストリーム内PROC (PROCおよびPENDカードで区切られる)およびSYSIN/SYSTSIN (DD *)を処理する(欠落していない場合)ことに注意してください。
JCL構文
JCLジョブは、実行条件を含むまたは含まない、一連の手順です。これは、カタロガ・オプション・ファイルでjob-card-optionalオプションが指定されている場合を除き、JOBカードで開始する必要があります。
すべてのJCL、JES2およびJES3文が解析されます。JCLはJES2から直接実行できる必要があります。パーサーはJES変数置換を実行します。JCLでローカルに定義されていない変数は、システム記述ファイルのJCL-globalsオプションを使用して設定できます。「特別オプション」を参照してください。
コメント・カード("//*"で開始)は 同様に認識され、変換用に保持されます。
パーサーはすべての種類のJCLカードを認識します。これは、PROCでオーバーライドおよびrefbackを処理しますが、DDカードの場合のみです。また、継続カードも処理します。
制約
PROCおよびINCLUDEファイルの両方としてサブファイルを使用
特定の状況では、同じサブファイルをPROCファイルおよびINCLUDEファイルの両方として使用できます。しかしターゲット・ファイルへの変換はそれぞれのケースで異なるので、問題のターゲット・ファイルを複製する必要があり、その1つのコピーを使用してPROCとして変換し、別のコピーをINCLUDEファイルとして変換します。これを達成するには、もちろん2つのコピーが別のディレクトリに配置されていることが必要で、これらのファイルをPROCとして使用するJCLはPROCバージョンを先に見つけ、INCLUDEとして使用するJCLはINCLUDEバージョンを先に見つけるように、検索パスを設定する必要があります(同じJCLが同じファイルをPROCおよびINCLUDEの両方として使用することはできません)。
JCLごとに1つのJOBカードを使用
JCLごとに1つのJOBカードのみを使用できます。複数のJOBカードを含むファイルがある場合は、カタロガを実行する前にこれらを分割する必要があります。JOBカード内のジョブ名と(単純な)ファイル名が一致することを確認してください。
解析される標準ユーティリティ・コマンド
JCLパーサーは様々な標準ユーティリティ用のコマンドファイル(SYSIN、SYSTSINなど)の内容をフェッチ(ストリーム内でない場合)して解析します。そのようなユーティリティの現在のリストは次のとおりです。
注意:
BMS画面定義
BMSパーサーは次のドキュメントで定義されているようにBMS言語を処理します。
IBMのマニュアル『CICS Application Programming Reference』(資料番号SC34-6434-05、CICS V3R1用)の付録Detailed reference information for the CICS API commandsBMS macrosの章。
IBMのマニュアル『CICS Application Programming Guide』(資料番号SC34-6433-04、CICS V3R1用)のPart 6 Basic Mapping Support (BMS)Creating the mapの章。
パーサーは正しいBMS定義をすべて受け入れます。また、明らかな構文エラーのほとんどをレポートしますが、そのようなエラーをすべて認識しているわけではありません。
CICS構成
CICS構成パーサーは、バッチ・ユーティリティDFHCSDUP (『IBM CICS Transaction Server for z/OS Resource Definition Guide Version 3 Release 2』、資料番号SC34-6815-00を参照)で読み取られるCICSリソース定義言語を処理します。認識されるコマンドは、DELETE ALLADDREMOVEおよびDEFINEです。すべてのリソース・タイプおよび属性が認識されますが、パーサーおよびエクストラクタで実際に利用されるのはほんのわずかしかありません。
構成ファイルの説明
システム記述ファイル
システム記述ファイルには、処理するアセットのすべてのソース・ファイルの場所、タイプおよび可能性のある依存性が記述されます。そのため、これは、カタロガのみでなくすべてのTuxedo ART Workbenchツールがこれらのソース・ファイルや対応するコンポーネントにアクセスするために不可欠です。また、システム記述ファイルは、解析に影響を与えるパラメータの数も指定します。
一般構造
リスト3-2 システム記述ファイルの構造
Sys-desc-file ::= “system” system-name “root” system-root-path
global-options special-options
directories
 
注意:
注意:
system-name
システム記述ファイルの最初の要素は、アセットの名前を指定する記号です。この名前は、Tuxedo ART Workbenchツールが参照にのみ使用するため、自由に選択できます。また、Tuxedo ART Workbenchツールにより生成される一部のファイルおよびディレクトリの名前にもこの名前が含まれます。
system-root-path
2番目の要素は、Linux移行プラットフォーム上のすべてのコンポーネント・ソース・ファイルを含むディレクトリのパスを指定する文字列です。このディレクトリはファイル・システムのどこにでも配置できます。このパスは絶対形式(スラッシュ文字で開始)または相対形式のいずれかで指定できます。後者の場合、パスはシステム記述ファイル自体を含むディレクトリへの相対パスです(通常、ソース・ファイルを含むsourceディレクトリの他にparamディレクトリに配置されますが、Tuxedo ART Workbenchツールはここで記述された構成を受け入れます)。
グローバル・オプション
この句の要素は、解析、カタログ化、一般的に言えば、コンポーネント・ソース・ファイルの処理に影響を与える様々な設定を指定します。この句の一般的な構文は次のとおりです。
リスト3-3 システム記述ファイルのグローバル・オプション
( “options” | “global-options” ) opt-name-1 “=” opt-value-1 “,”
opt-name-2 “=” opt-value-2 “,” ... “.”
 
各オプションの値には、整数、記号、文字列またはブール・インジケータを使用できます。ブール・インジケータとして使用できるものは次のとおりです。
オプション名およびオプション値では大/小文字は区別されません(文字列を除く)。一般的に、これらの設定はアセット全体にグローバルに適用することも、特定のディレクトリにローカルにオーバーライドすることもできます(次を参照)。
ここで受け入れられる様々なオプションを次の表に示します。
 
カタロガ・オプション・ファイルのパス(次を参照)。このパスは絶対形式または相対形式のいずれでも指定できます。後者の場合、パスはシステム記述ファイル自体を含むディレクトリへの相対パスです。この句はオプションで、指定しない場合、カタロガはオプション・ファイルを読み取ろうとせず、すべてのオプションにデフォルト値が使用されることに注意してください。
このシステムまたはディレクトリで使用するJCLランチャ仕様ファイルのパス。これらのファイルの内容と使用方法の詳細は、「JCLランチャ仕様ファイル」を参照してください。このパスは絶対形式または相対形式のいずれでも指定できます。後者の場合、パスはシステム記述ファイル自体を含むディレクトリへの相対パスです。
特別オプション
特別オプションは、主に構文上の理由で、前述のグローバル・オプション・メカニズムに統合できない句です(値はリストです)。これらは、グローバル・オプションの前または後に配置できますが、間には配置できません。これらすべての構文形式は次のとおりです。
リスト3-4 システム記述ファイルの特別オプション
opt-name “=” opt-value “.”
 
等号および末尾のピリオドは必須です。値がリストの場合、リスト内の項目はカンマで区切る必要があります。特別オプションを次の表で説明します。
 
カタロガおよび様々なすべてのTuxedo ART Workbenchツールの実行中に、他のプロセスが使用できる空き物理メモリーの割合。一般に、これらのツールは処理するコンポーネントの数に応じて、より多くのメモリーを消費します。この限界に到達すると、ツールは停止し実行を再開します。増分実行により、すでに処理したコンポーネントは再度処理されないため、結局、必要な作業はすべて行われます。
ペアvar-name = var-valueのリスト(カンマ区切り)
Var-nameは記号(または記号として解釈される文字列)で、var-valueは文字列です。JCLスクリプトの解析時に、パーサーはJES2により実行されるJCL変数置換プロセスをシミュレートします。ここで指定されるname-valueペアは(パラメータなどとは対照的に)グローバル変数の置換に使用されます。パーサーは変数に適した値が見つからないとエラーをレポートします。
default-sequential-modeは、recordまたはlineに設定できます。
lineは、ライン・シーケンシャル・ファイルへの移行を示しています。これがデフォルト値です。
recordは、レコード・シーケンシャル・ファイルのままにすることを示しています。
このオプションは、EXEC SQL文の解析を無効にします(ただし、EXEC SQL INCLUDE文の解析は無効にできません)。
ディレクトリ
システム記述ファイルのメイン・コンポーネントはディレクトリ句のリストで、指定したアセットの様々なソース・ファイルの場所、そのタイプと相互関係を指定します。各句の構文は次のとおりです。
リスト3-5 システム記述ファイルのディレクトリ
“directory” directory-path
type-clause file-clause logical-name-clause options-clause
libraries-clause sql-libraries-clause
subdirectories “.”
 
(必須)ディレクトリ・パスを最初に配置する必要があります。オプションのサブディレクトリがある場合は最後に配置する必要があります。他の句はどの順序でもかまいません。これらの句のうち、type句とfile句のみが必須で他はオプションです。
ディレクトリ・パス
これはディレクトリの、システムのルート・ディレクトリに対する相対パス(場所)を指定する文字列です(「system-root-path」を参照)。絶対要件ではありませんが、同じシステムのすべてのディレクトリをシステム・ルート・ディレクトリの物理的な子孫にすることを強くお薦めします。(これを実現する単純で理解しやすい方法はディレクトリ・パスに、上に移動する"../"を含めないことです。)異なるディレクトリは異なるパスを持つ必要があります
type句
“type” directory-type
type句はディレクトリのタイプを指定します。これは、ディレクトリに含まれるソース・ファイル(コンポーネント)のタイプです。タイプは大/小文字を区別しない記号として指定されます。次のタイプのみを使用できます
 
JCLスクリプトのユーティリティ・プログラムまたはプログラム・ランチャにより使用されるSYSIN/SYSTSINファイル。すべてのSYSINファイルが、パーサー/カタロガで必要なわけではありません。詳細は、Tuxedo ART Workbench JCLトランスレータのリファレンス・マニュアル(「入力コンポーネントの説明」)を参照してください。
files句
“files” file-specs “,” ...
file-specsはディレクトリ内の1つまたは複数のファイルを指定する文字列です。この文字列はアセットに含まれるメンバーを特定し、その他を除外します。file-specの最も単純な形式はtoto.cblのような完全なファイル名です。ディレクトリの表示を指定する必要はなく、指定されたファイルは問題のディレクトリに直接配置する必要があります。ディレクトリ内のすべてのコンポーネントを明示的にリストする作業を避けるために、*.cbl[A-F][D-Z]*.jclといったシェルのような正規表現を使用することもできます。
注意:
logical-name句
logical-name lname
この句は、JCL-Sysinタイプのディレクトリで、特別オプションstrict-jcl-libraries (前述を参照)とともに使用されます。一緒に使用することで、厳密なJCL-Sysin検索モードが有効になります。lnameは、A.B.C形式の文字列で、ソース・プラットフォームのJCL SYSIN/SYSTSINファイルのライブラリ(PDS)の名前を指定します。この句を有するディレクトリ内のすべてのファイルは、このライブラリに属していると想定されます。
特別オプションstrict-jcl-librariesが設定されていない場合、logical-name句は無視されます。
options句
リスト3-6 options句
“options” opt-name-1 “=” opt-value-1 “,”
opt-name-2 “=” opt-value-2 “,” ...
 
構文的には、このディレクトリ固有のoptions句は、システム全体のグローバル・オプション句と似ていますが、末尾のピリオドが違います。意味としては、リストされたオプションと値はグローバル・オプションと同じ効果がありますが、ローカルにディレクトリに含まれるファイルのみに適用されます(同じ名前でグローバル・オプションをオーバーライドします)。グローバル・オプション表のlocal?列にyesとマークされているものと同じオプションは、それが関係するソース・ファイルのタイプを含むディレクトリに適用されます。たとえば、オプションcobol-right-marginはCOBOL-BatchおよびCOBOL-TPRタイプのディレクトリに関係しますが、JCLまたはSQLスクリプト・タイプには関係しません。
さらに、JCLタイプのディレクトリに対するディレクトリ固有のオプションRight-marginがあります。この値はJCLファイルの行末列を指定する整数です。デフォルト値は72で、これはほとんどのIBM JCLソース・ファイルに適しています。
libraries句
“libraries” directory-path “,” ...
libraries句は、アセット内の(他の)ディレクトリの順序付けられた検索パスを指定します。カタロガがソース・ファイルで他のコンポーネントへの参照を見つけるときは常に、参照と一致する名前およびタイプを持つコンポーネント(ソース・ファイル)を見つけるまで、この句で指定したディレクトリのリストを最初から最後まで検索します(詳細は、後述の「Sub-file search operation」の項を参照)。これはCOBOLプログラムのコピー・ファイルの参照やJCLファイルのPROCの参照などの、コンパイルおよび解析時の参照と、COBOLプログラムのCOBOLサブプログラムの呼出しやJCLジョブのCOBOLプログラムの起動などの実行時の参照の両方で使用されます。この方法で、COBOLコンパイル用のSYSLIBまたはCOPYLIB、JCLの準備および実行用のJOBLIBおよびSTEPLIBなどといった、様々なソース・プラットフォームのライブラリ検索操作の影響をシミュレートできます。
注意:
sql-libraries句
“sql-libraries” directory-path “,” ...
SQL-libraries句は、COBOLプログラムのEXEC SQL INCLUDEディレクティブを解決するためのlibraries句と同じように機能します。これを省略すると、このような参照の解決は通常のlibraries句と同じ検索パスを使用しますが、通常のCOPYディレクティブおよびSQL INCLUDEディレクティブに異なる順序を使用する必要がある場合があります。
システム記述ファイルの例
リスト3-7 システム記述ファイルの例
system BNL root "../source"
 
options catalog = "./options-catalog.desc",
no-end-xxx-warnings,
cobol-left-margin = 7,
cobol-right-margin = 72,
SQL-Schema = DB2A1,
SQL-Server = BNL.
minimum-free-ram-percent = 20.
 
%
% Copies
%
directory "COPY" type Cobol-Library files "*.cpy".
directory "INCL" type Cobol-Library files "*.cpy".
directory "IBMCPY" type Cobol-Library files "*.cpy".
 
%
% Sysin
%
directory "SYSIN" type JCL-SYSIN files "*.sysin".
directory "SYSINCDB" type JCL-SYSIN files "*.sysin".
 
%
% DDL
%
directory "DDL" type SQL-SCRIPT
files "*.sql"
options SQL-Schema = "DB2A0".
 
%
% Batch
%
directory "Batch" type COBOL-Batch files "*.batch"
libraries "COPY", "INCL", "IBMCPY"
options cobol-right-margin=73.
 
%
% TPR
%
directory "TPR" type COBOL-TPR files "*.tpr"
libraries "COPY", "INCL", "IBMCPY".
 
%
% JCL
%
directory "JCL" type JCL files "*.jcl"
libraries "SYSINCDB", "SYSIN".
 
%
% CICS
%
directory "MAPS" type BMS files "*.bms".
directory "CICS" type RDO files "*.rdo".
 
このシステム記述ファイルはBNLという名前のアセット用で、顧客や大規模システムのスタンドアロン・アプリケーションの名前の例です。このファイルの場所と名前に制約はありませんが、通常、その完全なパスは/.../BNL/param/system.descのようにする必要があります。これを前提として、このファイルに指定されたシステム・ルート・ディレクトリのパスが相対的(../source)なので、ルート・ディレクトリの絶対パスは/.../BNL/sourceです。同様に、カタロガ・オプション・ファイルは./options-catalogと指定されているので、その絶対パスは/.../BNL/param/options-catalogです。グローバル・オプションは次のコメントを呼び出します。
no-end-xxx-warningsオプションにより、暗黙的に閉じられたCOBOL構成をlenientモードで解析できます。
cobol-left-marginおよびcobol-right-margin値は、左側に番号列および右側にコメント列(領域C)がある、未変換のIBM形式の固定形式プログラムに設定されます。この形式がCOBOL解析に対し何も問題を引き起こさなかったとしても、そのCOBOL変換の正しい操作を保証できないことに注意してください。
様々なディレクトリの命名と構造は完全に標準で、アセット内のソース・ファイルはそのファイル拡張子によってのみ識別されます。ここで通常と異なる機能は、Batchディレクトリに対する特別なcobol-right-marginの値です。
JCLランチャ仕様ファイル
目的
IBMソース・アセットの多くにはプログラム・ランチャ、つまり適用できるプログラムを起動するユーティリティ・プログラムを起動するJCLステップが含まれます。DB2ランチャIEKJFT01などの多くのランチャは、Tuxedo ART WorkbenchカタロガのJCLパーサーおよびアナライザにより直接認識されます。ただし、多くの場合、このようなランチャはインストールに固有であり、特別な処理を必要とするものがあります。幸いにも、これらの多くは汎用的なJCL起動メカニズムと構文(EXEC PGMカード)を使用し、関連する起動情報はPARM値に含まれます。
JCLランチャ仕様ファイルの目的は、カタロガおよびJCLトランスレータが、起動する実際のプログラムの名前などの関連情報を抽出できるように、指定したアセットで使用されるランチャを説明することです。仕様はほとんどの場合、PARM値は特定のセパレータ文字(標準のJCLのセパレータであるカンマであるとはかぎらない)により個々のパラメータに分割され、プログラム名、PSB名、PLAN名などを指定するパラメータはシーケンス内で適切に定義された位置にあるという事実に基づきます。
構文
JCLランチャ仕様ファイルは、次の構文の自由形式テキスト・ファイルで、ここではすべてのキーワードと記号は大文字・小文字を区別しません。
リスト3-8 JCLランチャ構文
LAUNCHER <Launcher name>
[<option-name> = <option-value> [,
... ]
]
END
...
 
オプション・リスト
最後の3つのオプションはデフォルト値がありません。オプションがない場合、対応する情報は単に使用できません。
使用方法とデフォルト値
ディレクトリにアタッチされたローカルのjclz-launcher-spec-fileオプションが存在する場合、通常はグローバル・オプションをオーバーライドします。指定したディレクトリおよびシステム全体のいずれにもランチャ仕様ファイルが指定されていない場合、デフォルト値は次のファイルを使用したかのようになります。
リスト3-9 デフォルト・ランチャ値
LAUNCHER DFSRRC00
IndexProg : 2,
IndexPSB : 3
END
LAUNCHER DB2BATCH
IndexProg : 2,
IndexPSB : 3
END
 
出力ファイルの説明
カタログ・レポート
形式と場所
これらのレポートはすべてCSV形式で生成され、フィールドは1つのセミコロンで区切られます。
これらは$SYSROOT/Reports-${SYSNAME}ディレクトリに生成され、ここで$SYSROOTは現在のアセットのルート・ディレクトリ、$SYSNAMEはアセット名で、いずれもシステム記述ファイルで定義されています。
混乱を避けるため、各レポートの名前には$SYSNAMEも含まれています。
フィールド定義
次のフィールド定義は様々なレポートで使用されます。
パス(文字列)
システム記述ファイルに指定された"システム"のルートへの相対パスとして、問題のエンティティを定義する(メイン)ソース・ファイルの識別子。
ステータス(列挙: CORRECT、UNUSEDまたはMISSING)
CORRECT
コンポーネントがアセット内に存在し、少なくとも1つのそこへの参照が1つまたは複数の他のコンポーネントに見つかりました。つまりコンポーネントは使用されています。
UNUSED
コンポーネントがアセット内に存在していますが、そこへの参照が他のコンポーネントに見つかりませんでした。
MISSING
コンポーネントがアセットに存在せず、少なくとも1つのそこへの参照が見つかりました。
注意:
異常レベル(列挙: FATAL、ERROR、WARNING、NOTICE、OK)
内部分析中に、問題のコンポーネントで検出された異常の最大レベルです。
FATAL
構文エラーなどのリカバリ不能なエラーが検出されました。分析の結果は不完全で、コンポーネントまたはアセットは変換に適していません。
ERROR
宣言されていない変数などのリカバリ可能なエラーが検出されました。分析の結果は正確でない可能性があり、コンポーネントまたはアセットは変換に適していません。
WARNING
分析中または変換後に、問題(不正確)を引き起こす可能性のある状況が検出されましたが、コンポーネントは変換に適しています。
NOTICE
注目すべき状況が検出されましたが、問題を引き起こすものではありません。
OK
異常は検出されませんでした。
注意:
MISSING
コンポーネントがMISSINGの場合、すべてユーザーにより提供された情報に応じて、このフィールドはアセットに存在しないコンポーネントに対する句を記述する識別子で置き換わります(SYSTEM、CORRECTまたはPROBLEM)。
report-${SYSNAME}-COBOL-Programs
このレポートは、アセットで定義または参照されるすべての(COBOL)プログラムをリストします。これは-Cobol-Batchおよび-Cobol-TPRレポートから構成されます。
次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してください。これはプログラムを定義する(メイン)ソース・ファイルのパスです。
「フィールド定義」を参照してください。
「フィールド定義」を参照してください。
次のフィールドは、コンポーネントがMISSINGの場合には空(未定義)です。
また、SUBタイプのコンポーネントの場合、この名前は、サブプログラム自体の名前ではなく、サブプログラムのエントリ・ポイントの名前である可能性があります。これはCALLで参照される名前であり、カタロガではそれが指定しているのがエントリ・ポイントと完全なサブプログラムのどちらなのかを特定できません。
report-${SYSNAME}-COBOL-Copy
このレポートは、アセットに含まれるまたは参照されるすべてのCOBOLコピー・ファイル(コピーブック)をリストします。次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してください。
「フィールド定義」を参照してください。
次のフィールドは、コンポーネントがMISSINGの場合には空(未定義)です。
report-${SYSNAME}-JCL-Files
JCLでは、ファイルごとに複数のジョブを処理するため、(メイン)ソース・ファイルのレポートとジョブのレポートは別になっています。(メイン)ソース・ファイルでは、次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してください。
「フィールド定義」を参照してください。これは含まれているすべてのジョブの最高異常レベルと少なくとも同じ高さで、構文エラーの場合にはさらに高いこともあります。
JCLソース・ファイルは決してMISSINGにはならず、JCLジョブだけが欠落する可能性があります。
report-${SYSNAME}-JCL-Sub-Files
このレポートは、メイン・ファイルの分析に必要なJCLサブファイルである、PROC、INCLUDEおよび一部のSYSINファイルについて説明します。次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してください。
「フィールド定義」を参照してください。
次のフィールドは、コンポーネントがMISSINGの場合には空(未定義)です。
report-${SYSNAME}-JCL-Jobs
このレポートは、アセットで定義または参照されるすべてのJCLジョブをリストします。次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してください。これはジョブを定義する(メイン)ファイルのパスです。
「フィールド定義」を参照してください。
「フィールド定義」を参照してください。これはジョブ自体の異常レベルで、通常は構文エラーは考慮しません(後者はジョブの分析を妨げるため)。
report-${SYSNAME}-Screens
このレポートは、アセットで定義または参照されるすべてのBMS画面をリストします。次のフィールドがレポートに含まれます。
 
mapset-name.map-nameという形式の画面の名前。
「フィールド定義」を参照してください。これは画面を定義するファイルのパスです。
「フィールド定義」を参照してください。
「フィールド定義」を参照してください。実際、これはソース・ファイル全体の異常レベルであり、その異常がこの画面定義に実際に当てはまるかどうかは異常レポートを参照してください。
画面がMISSINGの場合、次のフィールドは空です。
report-${SYSNAME}-SQL-Tables
このレポートは、アセットで定義または参照されるすべてのSQL表をリストします。次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してくださいこれは表を定義するSQLスクリプト・ファイルのパスです。
「フィールド定義」を参照してください。
表がMISSINGの場合、次のフィールドは空です。
report-${SYSNAME}-SQL-Views
このレポートは、アセットで定義されるすべてのSQLビューをリストします。次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してくださいこれはビューを定義するファイルのパスです。
「フィールド定義」を参照してください。
report-${SYSNAME}-Transactions
このレポートは、アセット内のRDOファイルに定義されたすべてのCICSトランザクションをリストします。次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してくださいこれはトランザクションを定義するファイルのパスです。
トランザクションがアセットで参照され(RETURN TRANSID文など)、それがRDOファイルで定義されていない場合、パスおよび行番号フィールドは空でこのレポートにリストされます。
report-${SYSNAME}-Anomalies
このレポートは、アセットのすべてのコンポーネントで検出されたすべての異常をリストします。次のフィールドがレポートに含まれます。
 
「フィールド定義」を参照してくださいこれは異常が発生したコンポーネントを定義するメイン・ファイルのパスです。
「フィールド定義」を参照してくださいエラーの実際の場所(文またはその他の構成)がサブファイル(COBOLコピー・ファイル、JCL PROCファイルなど)の中にある場合、これはそのサブファイルのパスで、そうでない場合はこのフィールドは空です。
ANALYSISは動的呼出しなど、カタロガがコンポーネントの正確な分析を実行できない構成に関連する異常です。
その他の出力ファイルの説明
カタロガの結果は、前述した一連のカタログ化レポートで表示できます。これらのレポートが唯一の出力ではなく、また最も重要な出力でもありません。この項では、その他の結果ファイルについて簡単に説明します。これらは独自形式のバイナリ・ファイルで、Persistent Object Base (POB)と呼ばれます。これらのファイルは、人間による処理や、従来のテキストベースのツールでの処理には適しておらず、カタロガ自体やTuxedo ART Workbenchのその他のツールでの使用に向いています。
AST用POBファイル
解析フェーズ中に(「カタロガ・プロセス」を参照)、システムの解析可能コンポーネントのソース・ファイルA/B/C/file.extごとに、カタロガはA/B/C/pob/file.ext.pob (pobディレクトリはカタロガにより要求時に作成)という名前のPOBファイルを生成します。このファイルには、解析の結果(コンポーネントの抽象構文ツリー(AST))が含まれます。これはカタロガの分析フェーズで、またCOBOLコンバータやJCLトランスレータなどのその他のTuxedo ART Workbenchツールにより、再度読み取られます。
COBOLプログラムおよびコピー・ファイル用CDMファイル
CDM (Common Data Model)ファイルには、COBOL変数(データ記述エントリと呼ばれる)に関する追加情報が含まれます。システムのCOBOLプログラムA/B/C/prog.cblごとに、カタロガはA/B/C/pob/prog.cbl.cdmという名前のCDMファイルを生成して、メイン・ソース・ファイルで定義された変数に関する情報を格納します。また、変数を定義する各COBOLコピー・ファイル D/E/file.cpyごとに(たとえば、Procedure Divisionコードを含むコピー・ファイルとは対照的に)、カタロガはD/E/pob/file.cpy.cdmという名前のCDMファイルを生成して、これらの変数を格納します。このCDMファイルは、このコピー・ファイルを含むすべてのプログラムで共有されます。
コピー・ファイルに定義された変数に関する情報を、このコピー・ファイルを含むすべてのプログラムで実際には共有できない場合もあります。たとえば、REPLACINGディレクティブに含まれるコピー・ファイル、または完全構成の一部のみを定義するファイル(01レベル・レコード)の場合です。このような場合、CDM情報はコピー・ファイル自体ではなく、プログラムのCDMファイルに格納されます。コピー・ファイルに関連付けることができる、共有されるCDM情報がない場合、CDMファイルは生成されません。
カタロガSymtabおよびその他のファイル
$SYSROOT/symtab-$SYSNAME.pob: このファイルには(分析フェーズ中に)カタロガにより作成された記号表が格納され、アセット内の様々なすべてのコンポーネントのサマリー情報が含まれます。この情報はこれらのコンポーネント間の相互参照情報を計算するために使用されます。
$SYSROOT/Cobol-dump-map.pob: COBOLプログラムの抽象構文ツリー(AST) POBの読取りおよび書込みに必要な情報(ダンプ記述子と呼ばれる)を含みます。既存のCOBOL POBを再読取りできなくなるので、このファイルを削除しないでください。
$SYSROOT/sql-system-$SYSNAME.pob$SYSROOT/sql-system-$SYSNAME-State-ments.pob: アセットの完全なSQLスキーマの様々な内部形式を含み、すべてのDDLファイル(SQLスクリプト・ファイル)の結合から導出されます。これらのファイルはCOBOLプログラムの解析(およびリンク)に必要です。
デフォルト・ファイル・コンバータ構成ファイル
カタログ化プロセス中、Tuxedo ART Workbenchは、JCLファイルとバッチCOBOLプログラムの両方を解析してメタデータ関連のデータセットを収集し、それをparam/dynamic-config/datasetディレクトリに格納し、ファイル・コンバータ構成ファイル(たとえば、param/fileディレクトリのDatamap-<schema>.reおよびmapper-<schema>.reファイル)を生成します。
その後、生成された構成ファイルを使用して、ファイル変換を行うことや、ファイル変換に必要な変更を加えることができます。
詳細処理
処理フェーズ
「カタロガ・プロセス」で説明したように、この操作は解析、分析、分析後およびレポート生成(詳細は後述を参照)の4つのフェーズに論理的に分割されます。プロジェクトおよび移行プラットフォームの構成の必要に応じて、これらのフェーズは単一の実行または増分的に、順次または同時に(解析フェーズのみ)実行することができます。
プロジェクトおよび移行プラットフォームの構成の必要に応じて、これらのフェーズは単一の実行または増分的に、順次または同時に(解析フェーズのみ)実行できます。カタロガを起動する3つの基本的なTuxedo ART Workbenchコマンドは次のとおりです。
preparseおよびそのバリアントpreparse-files: 解析フェーズのみ実行します。
これは、少なくともSQLシステム・ファイルが生成された後で、同時実行が可能な唯一のフェーズです。また、これは、1つ以上の特定のコンポーネントの処理をリクエストできる唯一のフェーズです。それ以外の場合、カタロガは処理する必要のあるコンポーネントを自ら特定します(「アセットでの変更: 増分操作」を参照)。このフェーズでは、カタロガはコンポーネント・ソース・ファイル、含まれるサブファイルおよびSQLシステム・ファイルを読み取り、処理されるコンポーネントのPOBファイル(のみ)を生成します。
analyze: 分析フェーズを実行します。各コンポーネントのPOBファイルが再度読み取られ、コンポーネントで最も重要な構成が、カタロガ記号表(symtab)に格納されるより小さなサマリー情報に変換されます。
Symtabが同時アクセスをサポートしていないため、このフェーズは同時実行モードで実行できません。このフェーズでは、カタロガはコンポーネントのPOBファイルを読み取り(必要に応じて要求時に解析)、Symtabファイルを更新(読取りおよび書込み)します。
fast-final: 分析後およびレポート生成フェーズの両方を実行します。
これは特にシステム全体の操作を実行するため、このフェーズを同時に実行する必要はありません。このフェーズでは、カタロガはSymtabファイルを(更新しようとはせずに)読み取り、カタログ化レポートを書き込みます。
また、組み合わされたコマンドもあります。
catalog: 分析フェーズ(したがって要求により解析フェーズ)、分析後フェーズおよびレポート生成フェーズを順序どおりに実行します。
注意:
これらすべてのコマンドでは、構成情報のすべてをシステム記述ファイルおよびカタロガ・オプション・ファイルから取得します。preparse-filesを除き、コマンド行引数のみがシステム記述ファイルへのパスおよび標準のTuxedo ART Workbenchツールの引数です。
コマンド行構文
Tuxedo ART Workbenchランチャ
カタロガは、refineコマンドを使用して実行するようになっています。refineコマンドは汎用的なTuxedo ART Workbenchランチャで、これを使用して主なTuxedo ART Workbenchツールを起動します。このランチャは、実行ログ管理や増分および繰返し操作(後述の「繰返しおよび増分操作」を参照)など、これらのツールの操作の様々な側面を処理します。Tuxedo ART Workbenchランチャはいくつかの汎用のコマンド行オプションも処理します。
形式
コマンド行で、Tuxedo ART Workbenchツールを起動するのに使用される一般的な形式は次のとおりです。
$REFINEDIR/refine command [ launcher-options… ] \
( -s | -system-desc-file ) system-desc-path \
[ command-specific-options-and-arguments… ]
オプション
次のオプションがTuxedo ART Workbenchのコマンドと関係があります。
-h, -help, --help
コマンドの短い説明(使用方法)を出力して終了します。
–whoami
コマンドのバージョン番号とビルド履歴を出力して終了します。
-archi64 / -archi32
指定されたアーキテクチャ用にビルドされた実行可能ツールを使用します。デフォルトではホスト・マシンのネイティブ・アーキテクチャ用のツールを使用します。
-quiet
ログにエラー以外出力させません(現在、すべてのツールはこれに従っていません)。
-time
コマンド実行の最後に時間の情報を表示します。
-nolog
ログのリダイレクトを無効にして、ログが端末に表示され、永続ファイルに取得されないようにします。
-n, -N, -verbose, -VERBOSE
コンポーネントで実行する必要があるが、実際には実行されない作業(フェーズ)の説明を出力します。「アセットでの変更: 増分操作」を参照してください
次のオプションは技術的にはランチャ・オプションではありませんが、すべてのTuxedo ART Workbenchツールで受け入れます(実際には必須です)。
(-s | -system-desc-file) system-desc-path
システム記述ファイルの場所を指定します。Unix/Linuxコマンドで一般的なように、パスには絶対パスまたは現在の作業ディレクトリに対する相対パスを指定できます。
注意:
さらに、次のオプションが将来の使用のために予約されています(現在、これは受け入れられますがそれ以外は無視されます)。
(-v | -V | -version) version-string
汎用的なランチャ・オプション
最後に、ランチャは次の汎用的なオプションを使用して、コマンドなしで起動することができます。
$REFINEDIR/refine (-h | -help)
ランチャ自体の短い一般的な説明(使用方法)を出力します。
$REFINEDIR/refine -print-info-version
ランチャ自体、より一般的には、Tuxedo ART Workbench全体のバージョン情報を出力します。
システム全体のコマンド
「処理フェーズ」で説明したとおり、システム全体のコマンドは、preparse、analyze、fast-finalおよびcatalogです。これらはアセット全体でグローバルに動作します。これらすべてのコマンドの汎用的なコマンド行構文は次のとおりです。
$REFINEDIR/refine command [ launcher-options… ] \
-s | -system-desc-file ) system-desc-path
これらのコマンドには特有のオプションはありません。すべての構成情報はシステム記述ファイル、カタロガのオプション・ファイル 、および場合によってはヒント・ファイルにあります。
preparse-filesコマンド
説明
上記で説明した、アセット全体でグローバルに動作し処理するコンポーネントをそれ自身が決定するシステム全体のカタログ化コマンドとは異なり、preparse-filesコマンドでは、解析するコンポーネントを指定することができます。
処理するコンポーネントを指定できるため、preparse-filesコマンドはmakefileでの使用に適しています。さらに、特にソース・ファイルのセットを複数のリストに分割し、各リストを個別のプロセスに提供する場合、これは同時実行に適しています。
注意:
形式
preparse-filesのコマンド行は次のとおりです。
$REFINEDIR/refine preparse-files [ launcher-options… ] \
( -s | -system-desc-file ) system-desc-path \
( source-file-path | ( -f | -file | -file-list-file ) file-of-files )…
オプション
追加のオプションは、処理するコンポーネント・ソース・ファイルを示します。
source-file-path
このパスで指定したコンポーネント・ソース・ファイルを作業リストに追加します。このパスは、現在の作業ディレクトリが異なっていても、システムのルート・ディレクトリである$SYSROOTに対する相対パスで指定する必要があります。
(-f | -file | -file-list-file) file-of-files
このパスで指定したファイルにリストされたコンポーネント・ソース・ファイルを作業リストに追加します。file-of-files自体はどこに配置してもよく、そのパスは絶対パスまたは現在の作業ディレクトリに対する相対パスのいずれかです。ただし、このファイルにリストされたコンポーネント・ソース・ファイルは、システムのルート・ディレクトリに対する相対パスで指定する必要があります。
必要な数の個別のコンポーネントまたはfiles-of-filesを指定できます。作業リストは、コマンド行がカタロガによって分析されるときにビルドされ、その各要素は順番に検査されます。
そうでない場合、コンポーネントは正常(および詳細、-quietオプションがlauncher-optionsで指定されている場合は除く)に解析され、そのPOBファイルが生成されます。
コンポーネント検索操作
この項では、カタロガがシステム記述ファイルでlibraries句およびsql-libraries句を使用して、現在処理されているコンポーネントの特定の構成内で参照されるコンポーネントを検索する方法を説明します。この操作は、参照が次のどれであるかによって多少異なります。
コンパイル時参照
コンパイル時のケースは、現在のコンポーネントの重要な部分であるサブファイルの参照に適用されるため、サブファイルが見つからないと、コンポーネントを分析できず、正確に理解できません。たとえば、COBOLメイン(プログラム)ソース・ファイルから参照されるCOBOLコピーブックです。
PROCファイル、INCLUDEファイルおよび一部のSYSINファイルのようなJCLジョブから参照されるJCLサブファイルも含まれますが、これは、MVSプラットフォームでは、これらのサブファイルはJCLジョブが実行されるときに検索される(したがって実行時参照である)のに対し、移行プラットフォームでは、カタロガがこれらの参照を解析時に解決し、JCLトランスレータで使用できるようにする(したがってコンパイル時参照とみなされる)必要があるためです。SYSINファイルも、DB2ランチャにより起動されるプログラムなど、解析時に必要な情報を含んでいるため、この場合にあてはまります。カタロガでは、"コンパイル時"は解析に、"実行時"は分析後に相当します。
検索は、ディレクトリSRCDIRに配置され、特定のタイプTGTTYPのTGTFILという名前のコンポーネントを参照する、特定のタイプSRCTYPのSRCFILとして識別されたコンポーネントから開始されます。次の表に可能性のある様々な組合せを示します。
 
COBOLプログラム(Cobol-Batch、Cobol-TPR)
通常のサブファイル検索
検索アルゴリズム・プロセスは次のとおりです。
1.
システム記述ファイルのSRCDIRの定義に関連するlibraries (または該当する場合はsql-libraries)句にリストされた各ディレクトリSUBDIRに対して、順番に、同じファイルでSUBDIRの定義を探してから次のことを行います。
該当する定義がない場合、報告(これは、カタロガが開始してシステム記述ファイルを読み取るときにのみ行われます)し、リストの次の要素にスキップします。
2.
厳密なJCL-Sysin検索
このアルゴリズムは、strict-jcl-libraries特別オプションが指定されている場合に、JCL-Sysinファイルを検索するために変更されます。このオプションが設定されている場合、SYSINファイルA.B.TGTFILまたはA.B(TGTFIL)の検索が次のように続行されます。
論理名がA.BのタイプJCL-Sysinのディレクトリが存在する場合、このディレクトリでTGTFILが検索されます(files句および物理拡張子に応じたベース名検索)。同じ論理名を持つディレクトリが2つ以上存在する場合、エラーになることに注意してください。
この動作は、JCL-Sysinファイルを検索する場合でも、libraries句がタイプJCLのディレクトリ上で無視されることを意味します(JCL-Selectファイルの検索は依然有効です)。一方、前述したように、strict-jcl-libraries特別オプションが設定されていない場合、JCL=Sysinディレクトリのlogical-name句は無視されます。
重複する名前が多数存在する場合、つまり、異なるライブラリ(PDS)に同じ名前のファイルが数多く存在する場合、パスベースの検索ではなく、厳密な検索を使用することをお薦めします。この場合、個別のディレクトリ内の各SYSINライブラリの内容全体を転送し、ライブラリの名前にディレクトリの論理名を指定する方が、適切なファイルが各参照で検出されるようにJCLディレクトリのlibraries句内の様々なJCL-Sysinディレクトリ名を指定するよりも簡単です。
フル・ネームによるJCL-Sysin検索
このアルゴリズムは、Full-Name-Sysin-Search特別オプションが指定されている場合に、JCL-Sysinファイルを検索するために変更されます。このオプションが設定されている場合、SYSIN/SYSTSINファイル
A.B.CまたはA.B(C)の検索は次のように続行されます。
JCL-Sysinディレクトリ内のファイルの検索に、ファイル名A.B.CまたはA.B/Cが使用されます。
注意:
strict-jcl-librariesfull-name-sysin-searchの両方が設定されている場合、strict-jcl-librariesが優先されます。
実行時参照
実行時のケースは、実際には参照するコンポーネントの一部ではない外部コンポーネントの参照に適用されます。参照されるコンポーネントが存在しなくても、参照するコンポーネントを分析または変換できますが、不適切な実行が発生します。たとえば、サブプログラムを呼び出すCOBOLプログラムまたはプログラムを実行するJCLジョブなどです。カタロガでは、このような参照は分析後フェーズで処理されます。
タイプTGTTYPの名前TGTFILを参照するディレクトリSRCDIRに配置されたタイプSRCTYPのコンポーネントSRCFILから検索が開始されます。考慮するケースが2つあります。
無制限検索
このケースは、ディレクトリSRCDIRに関連するlibraries句にタイプTGTTYPの要素(ディレクトリ)が含まれていない場合に適用されます。これは、デフォルトのケースとみなすことができます。検索アルゴリズムは次のとおりです。
1.
2.
3.
指定検索
指定検索は、コンパイル時参照の通常のサブファイル検索と似ています。これは、ディレクトリSRCDIRに関連するlibraries句にタイプTGTTYPの要素(ディレクトリ)が1つ以上含まれている場合に適用されます。検索アルゴリズムは次のようになります。
1.
システム記述ファイルのSRCDIRの定義に関連するlibraries句にリストされた各ディレクトリSUBDIRに対して、順番に、同じファイルでSUBDIRの定義を探してから次のことを行います。
該当する定義がない場合、報告(これは、カタロガが開始してシステム記述ファイルを読み取るときにのみ行われます)し、リストの次の要素にスキップします。
そうではない(タイプが一致した)場合、(files句と一致した)そのディレクトリのコンポーネント・ファイルのリストを検索します。
2.
このアルゴリズムでは、曖昧な参照異常が発生することはありません。それは、指定したディレクトリに、指定したベース名のファイルは多くても1つしかないからです。そのため、このアルゴリズムは、異なるディレクトリ(またはライブラリ)に名前が同じコンポーネントが複数含まれるシステムを分析する場合に適しています。ただし、SRCTYPの各ディレクトリに対して、libraries句の適切なTGTTYP要素を適切な順序で定義する必要があるため、追加の設定作業が必要になります。
検索するコンポーネントの指定したTGTTYP、および該当する各SRCTYPでは、SRCTYPディレクトリには指定検索、同じタイプの別のディレクトリには無制限検索を使用できます。実際には、コンポーネント名が重複する場合に、それらが実際に参照された場合にのみ問題(異常)が発生します。ただし、このようなプラクティスは混乱を招くだけなのでお薦めしません。指定したSRCTYP/TGTTYPの組合せでは、すべてのソース・ディレクトリで無制限検索または指定検索のいずれかを使用します。
注意:
指定検索は、カタロガの現在のバージョンではまだ使用できません。libraries句を使用して、実行時参照に含まれるコンポーネントを指定する場合、これらの要素は無視されます。指定検索は、将来のバージョンで、選択したSRCTYP/TGTTYPの組合せに対して徐々に追加されます。リリース・ノートを確認してください。
繰返しおよび増分操作
強力なコンピューティング・プラットフォームが容易に使用可能である今日であっても、Tuxedo ART Workbenchを使用した完全なアセットの処理は、依然として計算集中的で長時間の実行、メモリーを消費するタスクのままです。
そのため、Tuxedo ART Workbenchツールは容易に停止および再起動できるように設計されています。このツールはmakeに似たメカニズムを使用して、すでに実行された作業を繰り返さないようにします。これにより、移行プロジェクトのすべてのフェースで効率的な操作が可能です。
最初の処理: 繰返し操作
最初のフェーズでは、完全に新しいアセットから、安定したアセットの最初の変換、生成のサイクルの終わりまで、makeに似たメカニズムが使用されて、次のような繰返し操作が可能になっています。
1.
2.
処理するファイルの量が多くなるに従い、Refineプロセスはより多くのメモリーを消費します。
3.
このモードは、カタロガのanalyzeまたはcatalogコマンドのような、アセット全体でグローバルに動作するツールまたはコマンドに特に適しています。これはTuxedo ART Workbenchツールの通常モードでの動作であり、これを選択するために何かをする必要はありません。
アセットでの変更: 増分操作
カタロガは様々なコンポーネントと関連する結果ファイルの間の依存関係を認識しています。たとえば、どのCOBOLプログラムでどのコピー・ファイルが使用されたかを記録します。この情報を使用して、アセットでなんらかの変更が発生したときに追加的に対応できます。たとえば、コンポーネント・ソース・ファイルが追加、変更または削除されたとき、カタロガはこの変更で影響を受ける結果ファイルを特定し、そのファイルのみを再計算します。これもTuxedo ART Workbenchツールの通常モードでの動作であり、これを選択するために何かをする必要はありません。
注意:
 

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