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Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)の概要とインストール情報

Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)の概要とインストール情報
次の各項では、Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)の概要を示し、Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)ソフトウェア・コンポーネントをインストールするための前提条件および準備に関する情報を説明します:
Oracle Joltについて
Oracle Joltは、リモートJavaクライアントが既存のOracle Tuxedo ATMIサービスにアクセスできるようにするJavaクラス・ライブラリとAPIです。次の図B-1に示すように、Oracle Joltは既存のTuxedo ATMIアプリケーションの機能を拡張し、イントラネットやインターネットにも対応できます。
図B-1 Joltアプレットを使用したOracle Joltの通信アーキテクチャ
上の図は、Oracle Joltでサポートされている5種類のJoltクライアント・パーソナリティの中の1つを示しています(すべてのパーソナリティについて簡潔に「Oracle Joltクライアント・パーソナリティ」で説明されています)。
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Oracle Joltコンポーネント
Oracle Joltは、企業ファイアウォール内のサーバーへの安全で信頼性のあるアクセスを可能にし、Tuxedo ATMIサービスにアクセスするJavaベースのクライアント・プログラムを作成するための、次のコンポーネントで構成されています。
次の図B-2に示すように、Joltサーバーの実装は1つ以上のJoltサーバー・ハンドラ、1つ以上のJoltサーバー・リスナーおよび唯一のメタデータ・リポジトリ・サーバーで構成され、これらはすべて同じOracle Tuxedoサーバー・マシン上で稼働します。
図B-2 Oracle Joltサーバーの実装
Joltサーバーは、Joltクライアントからのネットワーク接続のリスニング、Joltメッセージの変換、複数のJoltクライアントの単一プロセスへの多重化、Tuxedo ATMIアプリケーションとの間でのリクエストの送受信を行います。Tuxedoシステムの他のすべての実行可能ファイルと同様、Joltサーバー・コンポーネントはtux_prod_dir/binディレクトリにあります。tux_prod_dirは、Oracle Tuxedo 12cリリース2 (12.2.2)ディストリビューションがインストールされているディレクトリを表します。
Joltサーバー・リスナー
Joltサーバー・リスナー(JSL)は、Tuxedoサーバー上で実行されるリスニング・プロセスで、Joltクライアントからの接続リクエストを受け付け、Tuxedoサーバー上で実行されるJoltサーバー・ハンドラに接続を割り当てます。また、Joltサーバー・ハンドラ・プロセスのプールを管理し、負荷に応じてそれらを起動します。
Joltサーバー・ハンドラ
Joltサーバー・ハンドラ(JSH)は、Tuxedoサーバーで実行され、JoltクライアントとTuxedo ATMIサーバー・アプリケーションの間の通信を処理するゲートウェイ・プロセスです。JSHプロセスはアプリケーションの管理ドメインに常駐し、Tuxedoのローカルな掲示板にクライアントとして登録されます。
各JSHプロセスは複数のJoltクライアントを管理できます。JSHは、単一の接続で特定のJoltクライアントとのすべてのリクエストと応答を多重化します。
メタデータ・リポジトリ・サーバー
TMMETADATAサーバーは、Joltサービス定義をTuxedoサービス・メタデータ・リポジトリから取り出し、そのサービス定義をJSHに返します。TMMETADATAサーバーは、Joltサービス定義の更新または追加も行います。
メタデータ・リポジトリ
メタデータ・リポジトリは、Tuxedoサーバー上にあり、Tuxedo ATMIサービスの定義が格納されている中央リポジトリです。これらのリポジトリ定義は、JoltがTuxedoサービスにアクセスする際に使用されます。Joltクライアント・アプリケーションにサービスをエクスポートしたり、Joltクライアントから定義を隠すことによってサービスをアンエクスポートしたりできます。Oracle Tuxedoサービス・コンソールを使用すると、クライアント・アプリケーションからは独立して、新規または既存のTuxedoサービスをテストできます。
Joltインターネット・リレー
Joltインターネット・リレーは、JoltクライアントからJoltサーバー・リスナー(JSL)またはJoltサーバー・ハンドラ(JSH)にメッセージをルーティングします。これにより、JSL、JSHおよびTuxedoアプリケーションをWebサーバーと同じマシンで実行する必要がなくなります。Joltインターネット・リレーは次のコンポーネントで構成されています:
Joltリレー・アダプタ(JRAD)を介してJoltクライアントからJSLまたはJSHにJoltメッセージをルーティングするスタンドアロン・プログラム。JoltリレーはTuxedoシステム・サーバーまたはクライアント・プロセスではなく、Oracle Tuxedoシステム・ソフトウェアのバージョンに依存しません。
Joltリレーのバックエンド・リレーとして動作するTuxedoシステム・サーバー。JRADの配置場所は、JSLサーバーが接続されているTuxedoのホスト・マシンおよびサーバー・グループでなくてもかまいません。
図B-3は、Joltインターネット・リレーの接続パスを示しています。
図B-3 Oracle Joltインターネット・リレーの接続パス
Joltサーバーは、イントラネットJoltクライアントには直接、インターネットJoltクライアントにはJoltインターネット・リレーを介して間接的に接続でき、すべて同時に接続することが可能です。Joltインターネット・リレーはJoltサーバーおよびJoltクライアントに対して透過的です。
JRLY実行可能ファイル(jrly)はtux_prod_dir/udataobj/jolt/relayディレクトリにあり、JRAD実行可能ファイルはtux_prod_dir/binディレクトリにあります。
Joltクラス・ライブラリ
Joltクラス・ライブラリは、Jolt APIを実装するJavaクラス・ファイルで構成されます。これらのクラスにより、JavaクライアントはOracle Tuxedo ATMIサービスを呼び出すことができます。Joltクラス・ライブラリには、通信属性、通知、ネットワーク接続、トランザクションおよびサービスを設定、取得、管理および呼び出すための関数が用意されています。
Joltクラス・ライブラリ・ファイルはtux_prod_dir/udataobj/joltディレクトリにあり、次のJARファイルに格納されています:
Jolt JARファイルの内容を表示するには、JDK 1.8.x(またはそれ以上の)ソフトウェアへのパスがPATH変数の最初に含まれていることを確認した後、tux_prod_dir/udataobj/joltディレクトリに移動して次のコマンドを入力します:
prompt> jar -tvf filename.jar
例:
prompt> jar -tvf jolt.jar
   0 Thu Aug 08 07:19:02 EDT 2002 META-INF/
   68 Thu Aug 08 07:19:02 EDT 2002 META-INF/MANIFEST.MF
   547 Thu Aug 08 07:19:00 EDT 2002
     bea/jolt/ApplicationException.class
   741 Thu Aug 08 07:19:00 EDT 2002 bea/jolt/BData.class
   951 Thu Aug 08 07:19:00 EDT 2002 bea/jolt/ByteArrayUtil.class
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JoltBeans
JoltBeansは、Oracle JoltへのJavaBeans準拠インタフェースを提供します。JoltBeansは、Joltクライアントを作成するためにJavaBeans対応の統合開発環境(IDE)で使用できるBeanコンポーネントです。
JoltBeansは、JoltBeansツールキット(JoltServiceBean、JoltSessionBeanおよびJoltUserEventBeanを含む、Oracle JoltへのJavaBean準拠インタフェース)とJolt GUI Bean (Jolt対応のAbstract Window Toolkit (AWT)とSwingベースのBeanで構成される)の2つのJava Beanのセットで構成されます。Oracle Joltをこれらのコンポーネントに分離すると、大規模なインターネット・サービスとイントラネット・サービスに必要なセキュリティとスケーラビリティを備えた、クライアント/サーバー・アプリケーションのトランザクション・コンポーネントとインターネット・コンポーネントを別々に実装できます。
Jolt ECID
Jolt呼出しプロセスは次のとおりです: JOLTクライアント --> JSL/JSH --> tuxedoサーバー --> サービス
1.
Jolt接続プールは、WeblogicとOracle Tuxedoの間のECIDの伝播をサポートします。ECIDは、javaオプション"-Dtuxedo.ECID_ENABLE"または環境変数"ECID_ENABLE"が'y'に設定されている場合に伝播され、リクエスト・メッセージに挿入されます。javaオプション-Dtuxedo.ECID_ENABLEは、環境変数ECID_ENABLEよりも優先度が高くなります。ECIDは、Oracle Tuxedoからの応答メッセージで返送することもできます。
2.
3.
000915:30475@slc05are:1: ECID <0000KqPMc659XbHpIsT4if1LPfwR000001>: atmi: { JoltSession.send(len 132)
Oracle Joltクライアント・パーソナリティ
Javaプログラマは、Oracle Joltを使用して既存および新規のTuxedoアプリケーションをリモートで呼び出すクライアント・アプレットおよびアプリケーションを作成する以外に、HTTPリクエストに応じてサーバー側Javaタスクを実行するHTTPサーブレットを作成できます。この後者のJolt接続により、単純なWebクライアントは、汎用サーブレットをサポートするWebアプリケーション・サーバーを介してTuxedoアプリケーション・サービスにアクセスできます。
Oracle Joltでは、次のタイプのJavaクライアント・パーソナリティをサポートしています。
Jolt HTTPサーブレットは、Joltセッション・プール・クラスを使用して、単純なブラウザ・クライアントにかわってTuxedoサービスを呼び出します。このため、サーブレットはWebサーバー上のすべてのJoltトランザクションを処理します。これにより、単純なブラウザ・クライアントはJoltサーバーとOracle Tuxedoに直接接続せずにOracle Tuxedoサービスを呼び出すことができます。
Joltクライアント・パーソナリティの「WebLogic Connectivity for Oracle Tuxedo」は、「Oracle Jolt for Oracle WebLogic Server」としても知られています。
Oracle Joltの機能
 
JavaアプレットまたはスタンドアロンJavaクライアント・アプリケーションとして動作している場合、Oracle Joltは次の機能をサポートしています。
Oracle Joltでは、自動的にJavaメッセージをネイティブOracle Tuxedoデータ型およびバッファに変換し、Oracle Tuxedoデータ型およびバッファをJavaメッセージに変換し直します。
Oracle Joltでは、Joltセッション(接続)プールの作成および使用をサポートし、効率性、アベイラビリティおよび信頼性を高めています。
Oracle Joltでは、セッション・プールに障害が発生した場合にJoltクライアントを停止せずにJoltセッション・プールをリセットするオプションがサポートされています。たとえば、TuxedoサーバーがクラッシュしたりJoltサーバー・ハンドラが停止した場合、Joltクライアントを停止せずにJoltセッション・プールをリセットできます。
javaオプション-Dtuxedo.TMTRACEが設定されると、JOLTクライアントはトレースをトレース形式として出力します。JOLTのトレース形式は、Oracle Tuxedoと同じです。4つのトレース・カテゴリatmiinettraceおよび*がサポートされています。
Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)サーバー(JSL、JSH、JREPSVR)およびJoltインターネット・リレー(JRLY、JRAD)コンポーネントを使用するには、使用環境に2MBのディスク領域が必要です。Oracle Jolt 12c リリース2 (12.2.2)のシステム要件およびサポートするプラットフォームは、「Oracle Tuxedo 12c リリース2 (12.2.2)プラットフォーム・データ・シート」を参照してください。
Oracle Joltクライアントのサポート
「Oracle Joltクライアント・パーソナリティ」で説明されているとおり、Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)は次の4つのクライアント・タイプをサポートしています:
図B-1に、Jolt 12c リリース2 (12.2.2)アプレットおよびアプリケーションのクライアント・タイプの要件を示します。
 
Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)アプレットおよびアプリケーションのクライアント・タイプ要件
図B-2に、Webサーバー内で動作するHTMLベースのJoltクライアント・クラスによって実装される残りの3つのJoltクライアント・タイプの要件を示します。表には、Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)の動作が保証されているWebサーバーが記されています。
 
Webサーバー・ベースのOracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)クライアント・タイプ要件
ノート:
Oracle Joltクライアントの要件
Oracle Joltには、次のクライアントの要件があります。
Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)アプリケーション開発用にJava Development Kit (JDK) 1.8を認定(http://java.sun.com/j2se)
Oracle Joltクライアント・クラス・ライブラリ
Javaの様々な実装では、特性にわずかな違いがある傾向があります。Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)は、JDK 1.8に基づいています。
Oracle Joltのクラス・ライブラリは、図B-3に示すブラウザおよびJDKのバージョンと互換性があります。
 
Oracle Joltリリースの相互運用性
Oracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)クライアントは、Oracle Jolt 9.0、9.1、10.0、10.3、11.1.1.x、12.1.1または12.1.3サーバー実装と相互運用が可能で、クライアントはOracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)の新機能を使用できます。
Oracle Jolt 9.0、9.1、10.0、10.3、11.1.1.x、12.1.1または12.1.3クライアントはOracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)サーバー実装と相互運用が可能ですが、Oracle Joltサーバー側コンポーネントがOracle Jolt 12cリリース2 (12.2.2)にアップグレードされて新機能が追加されても、Oracle JoltクライアントはOracle Jolt 9.0、9.1、10.0、10.3、11.1.1.x、12.1.1または12.1.3の機能しか使用できません。
Oracle Joltのドキュメント
Oracle Joltの詳細は、次のドキュメントを参照してください。

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