Oracle SNMPエージェントのアーキテクチャ・モデル
次の項では、Oracle SNMPエージェントによってサポートされるエージェント/サブエージェント・アーキテクチャ・モデルについて説明します。
Oracle SNMPエージェントは、単純なSNMPエージェント・モデル、SNMPマスター・エージェント/サブエージェント・モデル、SMUXマスター・エージェント/サブエージェント・モデルという3種類のアーキテクチャ・モデルをサポートしています。後者の2つのモデルおよびそれらの組合せは、Oracle SNMPエージェント・インテグレータ(
snmp_integrator)のSNMPマスター・エージェントおよびSMUXマスター・エージェント機能によって実現されます。SNMP多重化(SMUX)プロトコルは、RFC 1227に定義されています。
Oracle SNMPエージェント・インテグレータを備え、SMUXプロトコルをサポートすることによって、Oracle SNMPエージェントは、任意のベンダーの複数のSNMPエージェントとサブエージェントが同じマシンで動作し、SNMP管理コンソールから単一のSNMPエージェントのように見えるようにします。
図2-1に示す単純なSNMPエージェント・モデルは、管理対象ノードで実行されている単一のTuxedoアプリケーション(ドメイン)を管理する場合に使用します。
このモデルでは、
tux_snmpdプロセスは
-sオプションが指定された起動コマンド(
tux_snmpd -s)で開始され、SMUXサブエージェントではなくSNMPエージェントとして構成されます。
tux_snmpd起動コマンドで
-cを指定することによって(
tux_snmpd -s -c)、Tuxedoドメインのマスター・ノードでTuxedo SNMPエージェントを1つのみ実行でき、これによって複数ノード・ドメインの管理が簡素化され、Oracle SNMPエージェント・ソフトウェアによって直接サポートされないハードウェア・プラットフォームからデータを収集できます。
-cオプションを指定した場合、エージェントはTuxedoドメイン全体の中心となり、ドメインに参加しているすべてのノードから情報を収集できます。
SNMPマスター・エージェント/サブエージェント・モデル
図2-2に示すSNMPマスター・エージェント/サブエージェント・モデルは、管理対象ノード上の様々な種類のシステムおよびネットワーク・リソースを管理する場合に使用します。このモデルは、同種のリソースの複数のインスタンスを管理する場合には適用されません。たとえば、このモデルを使用して同じ管理対象ノード上の複数のTuxedoドメインを管理することはできません。
注意:
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SNMPエージェントは、Oracle SNMPエージェント・インテグレータの前に開始する必要があります。
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このモデルでは、SNMPマネージャとSNMPエージェント間のすべての通信は、Oracle SNMPエージェント・インテグレータの
SNMPマスター・エージェント機能によって処理されます。Oracle SNMPエージェント・インテグレータは、SNMPマネージャからのリクエストを特定のSNMPエージェントに分散し、個々のエージェントからのレスポンスを受信してSNMPマネージャに戻します。
tux_snmpdプロセスをSNMPエージェントとして開始する
各
tux_snmpdプロセスを
-sオプションで開始すると、各
tux_snmpdプロセスは
SMUXサブエージェントではなく
SNMPエージェントとして構成されます。Oracle SNMPエージェント・インテグレータの下で動作するSNMPエージェントは、
非SMUXピア・エージェントとも呼ばれます。
SNMPマスター・エージェント/サブエージェント・モデルでは、管理対象ノード上の管理対象リソースの中で、Tuxedoドメインは1つです。そのドメインを管理する
tux_snmpdプロセスの起動時に
-l logical_agent_nameオプションを指定すると、デフォルト名(tux_snmpd)以外の名前をそのプロセスに割り当てることができます。
-l logical_agent_nameオプションまたはデフォルト名の
tux_snmpdを使用することによって、管理者は
tux_snmpdプロセスをその管理対象Tuxedoドメインに関連付けることができます。
また、
2-2ページの「単純なSNMPエージェント・モデル」で説明したように、管理対象ノードがTuxedoドメインのマスター・マシンである場合、関連付けられている
tux_snmpdプロセスの起動オプションとして
-cを指定すると、そのプロセスはドメイン全体を管理します。
SMUXマスター・エージェント/サブエージェント・モデル
図2-3に示すSMUXマスター・エージェント/サブエージェント・モデルは、管理対象ノード上の様々な種類のシステムおよびネットワーク・リソースを管理する場合に使用します。このモデルは、同種のリソースの複数のインスタンスを管理する場合にも適用されます。たとえば、このモデルを使用して同じ管理対象ノード上の複数のTuxedoドメインを管理できます。
注意:
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Oracle SNMPエージェント・インテグレータは、SMUXサブエージェントの前に開始する必要があります。
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このモデルでは、SNMPマネージャとSMUXサブエージェント間のすべての通信は、Oracle SNMPエージェント・インテグレータの
SMUXマスター・エージェント機能によって処理されます。Oracle SNMPエージェント・インテグレータは、SNMPマネージャからのリクエストを特定のSMUXサブエージェントに分散し、個々のサブエージェントからのレスポンスを受信してSNMPマネージャに戻します。
tux_snmpdプロセスをSMUXサブエージェントとして開始する
各
tux_snmpdプロセスを
-sオプション
なしで開始すると、各
tux_snmpdプロセスは
SNMPエージェントではなく
SMUXサブエージェントとして構成されます。SMUXサブエージェントは、RFC 1227に定義されているSNMP多重化(SMUX)プロトコルを使用してOracle SNMPエージェント・インテグレータと通信します。
SMUXマスター・エージェント/サブエージェント・モデルでは、管理対象ノードで実行されている複数のTuxedoドメインを同時に管理できます。そのためには、管理者はドメインごとにSMUXサブエージェントを開始します。SMUXサブエージェントごとに、管理者は起動時に
-l logical_agent_nameオプションを指定して
tux_snmpdプロセスをその管理対象Tuxedoドメインに関連付けます。
注意:
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1つのSNMPエージェントでモニターできるのは1つのTuxedoドメインのみです。複数のTuxedoドメインを同時に使用する場合は、 beamgr.confに複数のSNMPエージェントを指定する必要があります。例 TMAGENT SMUX1 TUXDIR TUXCONFIG_dom1 TMAGENT SMUX2 TUXDIR TUXCONFIG_dom2
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SNMPv1の場合、管理ステーションで実行されているSNMPマネージャは、次の形式のアドレスを使用して特定のSMUXサブエージェントに対してリクエストを送信します。
community_name@logical_agent_name
community_nameは
Getリクエストの読取り専用コミュニティ名と
Setリクエストの読み書きコミュニティ名、
logical_agent_nameはSNMPリクエストの送り先のエージェント名です。例:
また、
2-2ページの「単純なSNMPエージェント・モデル」で説明したように、管理対象ノードがTuxedoドメインのマスター・マシンである場合、関連付けられている
tux_snmpdプロセスの起動オプションとして
-cを指定すると、そのプロセスはドメイン全体を管理します。
SNMPv3の場合、管理ステーションで実行されているSNMPマネージャは、オプション
-n logical_agent_nameを使用して特定のSMUXにリクエストを送信します。