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コマンド・リファレンス・ページ

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この項では、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAアプリケーションを管理するためにCommunications Resource Manager (CRM)でアクティビティを実行する際に管理者によって使用されるコマンドについて説明します。これらのコマンドは、JCL on z/OS MVSを使用して動作します。
この項では、次のコマンドについて説明します。
CRM
Communications Resource Managerを起動します。
形式
CRM [ -t 0|1|2|3 ] [-p<nbr>] [-s] [-n <type>:#:#] [-u <keyfile>] [-V] [-P [interval]] [-R [interval]] [-F [trcsz]] <addr> <group>
説明
コマンド行からCRMを起動すると、CRM Command Line Consoleのウィンドウにプロンプトが表示されます。アクティブ・リンクが存在する場合はすべて停止されます。
Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA GatewayごとにCRMを1つ、また、CRM定義ごとにスタックを1つ、それぞれ構成する必要があります。各スタックが1つ以上のSNAリンクを管理できます。
CRMには、RSTRTLOGBLOBLOGという2種類のログ・ファイルがあり、これらは$APPDIR内に格納されます。RSTRTLOGはリカバリ・プロセス中に使用されるトランザクション状態のログであるのに対し、BLOBLOGログにはセッションおよびリンク情報が格納されます。ログ・ファイルを削除する場合は、関係するリンクごとにコールド・スタートが必要です。CRMLOGSコマンドを使用して、CRMログ・ファイルのコンテンツおよび状態を表示できます。
トレース・オプション
-t
UNIXコマンド行からCRMを起動する際、-tオプションを使用して、次のいずれかのCRMトレース・レベルを指定できます。
0 =トレーシングなしです。このレベルに設定するとCRMトレーシングを効率的に無効化でき、トレース・ファイルが存在する場合は閉じます。この後、トレーシングを再開すると新規のファイルが作成され、ファイル名には小さな数字から順に番号の接尾辞が付きます。
1 =最小限のトレーシングです。このレベルでは、主要イベントのみがCRMでトレースされます。これはアプリケーションの会話のシーケンスを決定するだけには十分です。
2 =中レベルのトレーシングです。このレベルでは、すべてのI/OバッファもCRMでトレースされます。
3 =最大のトレーシングです。このレベルでは、すべてのAPPC動詞もCRMでトレースされます。
APPC Stack APIトレースは、CRMコマンドの-sオプションを使用して有効化または無効化されます(「一般オプション」を参照)。一般に、有効化すると、すべてのAPIコールのパラメータおよび結果が表示されます。使用されるスタックによっては、トレースを有効化するためにCRMの他のオプション(ベンダー指定の環境変数など)をアクティブ化する必要がある場合があります。
注意:
-F
ユーティリティcrmretrcにデータを入力するためのスプール・トレース・コピーを保存します。
trcsz
トレース・サイズです。指定できる値は10 - 2048 (M)で、デフォルトは10です。
認証オプション
-u
CRMとクライアント・プロセス間の通信に有効なプロセス認証を確立します。
keyfile
CRMとクライアント・プロセスの両方で認識されるハッシュ・キーが含まれているファイルの場所です。このファイルには一意のハッシュ・キー(8文字に制限)を指定する1行が含まれています。このファイルは保護される必要があります。
暗号化オプション
-n
このプロセスに有効な暗号化を確立します。
type
暗号化のタイプです。現在有効なエントリはGPE (汎用の暗号化)およびSSLです。
GPEの場合:
min
暗号化に使用される最小のビット数を指定します。これらのレベルはCRMとクライアント・プロセス間のネゴシエーション中に使用されます。任意の数を指定できますが、ネゴシエートされる値は0、56または128に解決されます。
max
暗号化に使用される最大のビット数を指定します。これらのレベルはCRMとクライアント・プロセス間のネゴシエーション中に使用されます。任意の数を指定できますが、ネゴシエートされる値は0、56または128に解決されます。
SSLの場合:
min
SSL暗号化に使用される暗号スイートの最小のビット数を指定します。これらはCRMとGWSNAX間のSSLネゴシエーション中に使用されます。これは、256以下である必要があります。ネゴシエートされる値は40、56、112、128または256に解決されます。最終的に、サポートされる最も強力な暗号スイートが使用されます。
max
SSL暗号化に使用される暗号スイートの最大のビット数を指定します。これらはCRMとGWSNAX間のSSLネゴシエーション中に使用されます。ネゴシエートされる値は40、56、112、128または256に解決されます。最終的に、サポートされる最も強力な暗号スイートが使用されます。
SSL証明書構成オプション
-S
SSL構成ファイルの場所を指定します。ファイルの内容は、CRMがデプロイされているプラットフォームによって異なります。
HP-UXにデプロイされているCRMの場合:
SEC_PRINCIPAL_NAME、SEC_PRINCIPAL_LOCATIONおよびSEC_PRINCIPAL_PASSVARが構成ファイルに含まれています。
z/OSにデプロイされているCRMの場合:
GSK_KEYRING_FILE、GSK_KEYRING_PW、GSK_KEYRING_LABELが構成ファイルに含まれています。
詳細は、『Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAユーザー・ガイド』の「SSL暗号化の使用」を参照してください。
一般オプション
次のパラメータはこのコマンドに適用されます。
-s
APPC Stack APIトレースです(デフォルトは「none」)。
addr
ソケットのリスニング・アドレス(必須)
//host:port group
GWSNAXグループ名(必須)
汎用リソース・オプション
-V
VGR環境で前の接続により作成されたセッション・アフィニティをリセットします。
ポーリングおよび再試行オプション
-P [interval]
関連するパートナLUのステータスをチェックするリンクをポーリングするために使用します。パートナLUが切断されるとリンクが停止します。
interval
ポーリング時間間隔です。デフォルト値は30 (秒)で、最小値も30です。
-R [interval]
以前に切断された関連するパートナLUを、定期的に再接続するリンクを再起動するために使用されます。パートナLUが接続されるとリンクが起動されます。
interval
再試行時間間隔です。デフォルト値は30 (秒)で、最小値も30です。
注意:
-Pおよび-RはすべてのCRMリンクに影響します。
-P-Rは同時に設定できますが、ポーリング間隔のみが有効になり、再試行間隔は無視されます。リンクがCRMユーティリティ(たとえば、CRMLKOFF)により停止された場合、-Rは無効です。
環境変数
CRMを起動する前に次の環境変数を設定する必要があります。
APPDIRはアプリケーション・ディレクトリに設定する必要があります。
APPDIR=<High level qualifier for datasets to be created in APPDIR>
移植性
CRMと通信可能なオペレーティング・システムおよびスタックのリストは、Oracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNAリリース・ノートを参照してください。
診断
CRMは正しく完了すると、戻りコード0で終了します。
次はCRMコマンドの例です。
CRM -t 0 //myhost:5587 GROUP2 /dev/null>std.out 2>std.err &
UNIXコマンド行からCRMを起動すると、次のCRM Command Line Consoleが表示されます。
$ CRM -t 0 //myhost:5587 GROUP2
BEA Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Resource Manager started Thu Dec 11
18:40:49.098 1997
[CRM]

Console active. Enter commands
?>
da => Display active tasks
dl => Display remote links
ds => Display link statistics
dt => Display trace status
st => Start all links
sh => Stop all links and terminate
si => Terminate immediately (no quiesce)
バックグラウンドで動作しているコンソールによってCRMを起動するには次を入力します。
$ CRM -t 0 //myhost:5587 GROUP2 <dev/null>std.out 2>std.err &
ホスト/ポート・アドレスを使用してコマンド行から詳細トレーシングおよびAPPC Stack APIトレーシングを有効にしてCRMを起動するには、次を入力します。
CRM -t 2 -s //myhost:5587
CRMLOGS
現在のディレクトリ内のOracle Tuxedo Mainframe Adapter for SNA Communications Resource Manager (CRM)ログ・ファイルのコンテンツおよび状態を表示します。
形式
CRMLOGS <group> [<crm name>]
説明
CRMLOGSコマンドを使用して2つのCRMログ・ファイルのコンテンツおよび状態を表示します。RSTRTLOGはリカバリ・プロセス中に使用されるトランザクション状態のログで、BLOBLOGログにはセッションおよびリンク情報が格納されます。ログ・ファイルを削除する場合は、関係するリンクごとにコールド・スタートが必要です。
CRMLOGSには次のパラメータが必要です。
group
SNAドメインのグループ名です(必須)。
crm name
CRM名です(デフォルトはCRM)
診断
CRMLOGSは正しく完了すると、戻りコード0で終了します。
group2のRSTRTLOGログ・ファイルを表示するには、次を入力します。
CRMLOGS GROUP2 CRM.GROUP2.RSTRTLOG
group1のBLOBLOGログ・ファイルを表示するには、次を入力します。
CRMLOGS GROUP1 CRM.GROUP1.BLOBLOG
関連項目
CRM
crmretrc
CRMトレースを取得します。
形式
crmretrc -n<hostname:port> [-v -c -h -u<keyfile>]
説明
crmretrcは、CRMからコマンド行で指定されたトレースを取得します。このコマンドはCRMサーバーを実行しているマシンと同じTCP/IPネットワーク内の任意のマシンから使用できます。CRMは通常MFで使用されるため、このコマンドはオープン・システムでのみ使用できます。
-n
CRMサーバーを実行しているマシンおよびポートを指定します。
-v
詳細を指定します。スクリプト内で容易に使用できるように、通常、このコマンドではメッセージは生成されません。
-c
EBCDICからASCIIへの変換を検証します。
-u
このプロセスとCRM間の通信におけるプロセス認証を有効として設定します。
<keyfile>
このプロセスとCRMの両方で認識されるハッシュ・キーが含まれているファイルの場所です。このファイルには一意のハッシュ・キー(8文字に制限)を指定する1行が含まれています。このファイルは保護される必要があります。
ポート5000のmach1でCRMのトレースを取得し、変換を実行するには、次のようにします。
crmretrc -c -n mach1:5000
診断
crmretrcは、正常に完了した場合は0を戻し、エラー・メッセージで失敗した場合は1を戻します。
crmlkon
1つ以上の指定CRMリンクを起動します。
形式
crmlkon -n<hostname:port> [-v -i -h -u<keyfile>] <linkname> ...
説明
crmlkonは、コマンド行で指定されるすべてのCRMリンクを起動します。このコマンドは、CRMサーバーの起動時に個別のリンクが1つ以上起動しない場合に便利です。CRMサーバーを実行しているマシンと同じTCP/IPネットワーク内の任意のマシンから使用します。crmlkonはスクリプト内で使用した場合、コマンドがターゲットCRMに送信されると0を戻します。コマンドがターゲットCRMに送信されなかった場合は1を戻します。
-n
CRMサーバーを実行しているマシンおよびポートを指定します。すぐ後のパラメータは、linknameが置かれているCRMを実行しているマシンのホスト名およびポートを示します。
-v
詳細を指定します。スクリプト内で容易に使用できるように、通常、このコマンドではメッセージは生成されません。
-i
エラーを無視します。複数のリンクを指定した場合、CRMコマンドの発行時にエラーが発生すると、crmlkonはリンクの処理を停止し、戻ります。個別のリンクのエラーは無視でき、次に指定されたリンクの処理が続行されます。
-u
このプロセスとCRM間の通信におけるプロセス認証を有効として設定します。
<keyfile>
このプロセスとCRMの両方で認識されるハッシュ・キーが含まれているファイルの場所です。このファイルには一意のハッシュ・キー(8文字に制限)を指定する1行が含まれています。このファイルは保護される必要があります。
<linkname>
起動するリンクの名前です。これは、このリンクを定義するDMCONFIG内のDM_SNALINKSエントリです。複数のリンク名を指定できます。
<hostname:port>
linknameが置かれているCRMを実行しているマシンのIPホスト名およびポートを指定します。
h
このコマンドの構文の使用方法を表示するヘルプ画面を起動します。
ポート5000のmach1上で動作するCRMで所有されるlink2およびcicstestリンクを起動するには、次のように指定します。
crmlkon -n mach1:5000 link2 cicstest
診断
crmlkonはコマンドの構文のみをチェックします。リンクが実際にアクティブ化されたかどうかを判別するには、jsnacrmまたはメインフレームベースのファシリティのいずれかを個別に使用する必要があります。コマンドがCRMに送信されなかった場合は、crmlkonは、冗長モードのときはエラー・メッセージをプリントし、エラー・コード1で終了します。正常に完了した場合は、crmlkonは終了コード0で終了します。
crmlkoff
1つ以上の指定CRMリンクを停止します。
形式
crmlkoff -n<hostname:port> [-v -i -h -u<keyfile>] <linkname> ...
説明
crmlkoffは、コマンド行で指定されるすべてのCRMリンクを停止します。このコマンドは、CRMサーバーの起動時に個別のリンクを1つ以上停止する必要がある場合に便利です。このコマンドはCRMサーバーを実行しているマシンと同じTCP/IPネットワーク内の任意のマシンから使用できます。スクリプト内で使用した場合、コマンドがターゲットCRMに送信されると0を戻します。コマンドがターゲットCRMに送信されなかった場合は1を戻します。
-n
CRMサーバーを実行しているマシンおよびポートを指定します。すぐ後のパラメータは、linknameが置かれているCRMを実行しているマシンのホスト名およびポートを示します。これは必須です。
-v
詳細を指定します。スクリプト内で容易に使用できるように、通常、このコマンドではメッセージは生成されません。
-i
エラーを無視します。複数のリンクを指定した場合、CRMコマンドの発行時にエラーが発生すると、crmlkoffはリンクの処理を停止し、戻ります。個別のリンクのエラーは無視でき、次に指定されたリンクの処理が続行されます。
-u
このプロセスとCRM間の通信におけるプロセス認証を有効として設定します。
<keyfile>
このプロセスとCRMの両方で認識されるハッシュ・キーが含まれているファイルの場所です。このファイルには一意のハッシュ・キー(8文字に制限)を指定する1行が含まれています。このファイルは保護される必要があります。
<linkname>
停止するリンクの名前です。これは、このリンクを定義するDMCONFIG内の*DM_SNALINKSエントリです。複数のリンク名を指定できます。
h
このコマンドの構文の使用方法を表示するヘルプ画面を起動します。
ポート5000のmach上で動作するCRMで所有されるlink1およびcicstestリンクを停止するには、次のように指定します。
crmlkoff -n mach:5000 link1 cicstest
診断
crmlkoffはコマンドの構文のみをチェックします。リンクが実際に非アクティブ化されたかどうかを判別するには、jsnacrmまたはメインフレーム・ベースのファシリティのいずれかを個別に使用する必要があります。コマンドがCRMに送信されなかった場合は、crmlkoffは、冗長モードのときはエラー・メッセージをプリントし、エラー・コード1で終了します。正常に完了した場合は、crmlkoffはコード0で終了します。
crmdown
CRMをシャットダウンします。
形式
crmdown -n<hostname:port> [-v -i -h -u<keyfile>]
説明
crmdownは、コマンド行で指定されるCRMをシャットダウンします。このコマンドはCRMサーバーを実行しているマシンと同じTCP/IPネットワーク内の任意のマシンから使用できます。スクリプト内で使用した場合、コマンドがターゲットCRMに送信されると0を戻します。コマンドがターゲットCRMに送信されなかった場合は1を戻します。
-n
CRMサーバーを実行しているマシンおよびポートを指定します。
-v
詳細を指定します。スクリプト内で容易に使用できるように、通常、このコマンドではメッセージは生成されません。
-i
エラーを無視します。
-u
このプロセスとCRM間の通信におけるプロセス認証を有効として設定します。
<keyfile>
このプロセスとCRMの両方で認識されるハッシュ・キーが含まれているファイルの場所です。このファイルには一意のハッシュ・キー(8文字に制限)を指定する1行が含まれています。このファイルは保護される必要があります。
ポート5000のmach1で動作しているCRMを停止するには、次のようにします。
crmdown -n mach1:5000
診断
crmdownはコマンドの構文のみをチェックします。コマンドがCRMに送信されなかった場合は、crmdownは、冗長モードのときはエラー・メッセージをプリントし、エラー・コード1で終了します。正常に完了した場合は、crmdownはコード0で終了します。
 

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