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ART CICSによるZ/CICSでのトランザクションの呼出し

ART CICSによるZ/CICSでのトランザクションの呼出し
トランザクションの中には、Linux上のART/CICSに移行されたものもあれば、引き続きz/OSに存在するものもあります。このソリューションは、ブリッジの構築を目的としています。ブリッジにより、ART/CICSのアプリケーションはz/OSでトランザクションを呼び出すことができるようになります。
ART/CICSが提供するオンライン・トランザクション(以下メイン・トランザクションと呼びます)をGWSNAX経由で3270ターミナルまたはTuxedoクライアントから呼び出すことができます。メイン・トランザクションがz/OSでサブトランザクションを呼び出せるようにするには、次の手順に従う必要があります。各手順については、後で詳しく説明します。
ステップ1: オープン・システムでのART CICSの構成
オープン・システムでART CICSを構成する手順は、次のとおりです。
transactions.descファイルの$KIXCONFIGに、ART CICSクライアント・トランザクションを追加します。
BUFC;DTPAPFT;dpl caller <sysid>_<program>;BUFCLT
programs.descで、クライアント/サーバー・プログラムを追加します。
BUFCLT;DTPAPFT;DPL client;COBOL; ;ENABLED
BUFSRV;DTPAPBK;DPL server;COBOL; ;ENABLED;KIXB
詳細は、「CICSランタイム構成ファイル」を参照してください。
ステップ2: VTAMリソースの定義
1.
リモートCICSリージョンのLU構成は、デフォルトではリスト10-1のようになり、SYS1.VTAMLISTに存在しています。LU名がこのリモートCICSリージョンに使用されている場合には太字で示しています。
リスト10-1 リモートCICSリージョンのLU構成
CRMMN3     VBUILD TYPE=APPL
**LUNAME**   APPL ACBNAME=**LUNAME**,
             APPC=YES,
             SYNCLVL=SYNCPT,
             AUTH=(ACQ,PASS),
             PARSESS=YES
*example ACBNAME=( CRMLU80 )
 
注意:
先頭と末尾に**が付くエントリはすべてプレースホルダです。関連するパラメータで値を指定するか、後続の構成エントリを書き留めておいてください。これは、後続のすべての事例に該当し、再度言及されることはありません。
2.
この目的は、CICSリージョンの接続にLUを追加することです。NETNAMEフィールドの値は、「ステップ1: オープン・システムでのART CICSの構成」のシステムAに定義されているLUと一致している必要があります。
注意:
リスト10-2 リモートCICSリージョンのLU接続の定義
ADD GROUP(**GROUPNAME**) LIST(**LISTNAME**)
 
DEFINE CONNECTION(**CONNNAME**) GROUP(**GROUPNAME**)
DE(BEA TMA SNA EXAMPLE RDO CONNECTION)
ACCESSMETHOD(VTAM) PROTOCOL(APPC)
NETNAME(**LUNAME**)
ATTACHSEC(LOCAL) AUTOCONNECT(NO)
*example CONNECTION(BEALST)
*example CONNECTION(BEA)
*example GROUP(BEACONN)
*example NETNAME(CRMLU80)
 
DEFINE SESSION(**SESSIONNAME**) GROUP(**GROUPNAME**))
CONNECTION(**CONNNAME**)
DE(SESSION EXAMPLE)
PROTOCOL(APPC) AUTOCONNECT(YES)
MODENAME(**SNANAME**) MAXIMUM(**SESSNBR**,**WINNER**)
*example SESSION(BEATEST)
*example CONNECTION(BEA)
*example GROUP(BEACONN), keep it same as group name in DEFINE CONNECTION statement
*example MODENAME(SMSNA100) MAXIMUM(10,5)
 
3.
SDSFで、次のコマンドを入力します。
a.
SDSFに「LOG」入力します
 
 
 
 
 
b.
「/V net,id=**Major Node Name**,act,scope=all」と入力して、このメジャー・ノードの下に定義されているすべてのLUをアクティブ化します。次の例では、ノード名としてcrmmn3を使用します。
 
 
 
 
c.
 
 
 
 
ステップ3: TMA SNAの構成およびデプロイ
1.
2.
SNAX::::という1行を$TUXDIR/udataobj/DMTYPEに追加します。
3.
Tuxedo UBBCONFIGで、次のように構成します。
a.
リスト10-3に示すように、2つのGROUPエントリと3つのSERVERエントリを追加します。
リスト10-3 UBBCONFIG構成
*GROUPS
DMGRP GRPNO=**NN** LMID=**LMNAME**
GWGRP1 GRPNO=**MM** LMID=**LMNAME**
*SERVERS
DMADM SRVID=**nnn** SRVGRP=DMGRP
GWADM SRVGRP=GWGRP1 SRVID=**nnn**
REPLYQ=N RESTART=Y
GWSNAX SRVGRP=GWGRP1 SRVID=**nnn** RQADDR="**SNADOM**"
REPLYQ=N RESTART=Y
CLOPT="-A -- -b"
 
注意:
GRPNOパラメータは数値で、ubbconfigに定義されているすべてのグループで一意である必要があります。LMIDLMNAMEパラメータは、ubbconfig*MACHINESセクションに定義されているLMIDのいずれかである必要があります。LMIDが複数あるMP構成では、GWSNAXサーバーがクラスタ内のすべてのマシン間でレプリケートされるように、複数のグループ(LMIDごとに1つ)を定義することをお薦めします
**nnn**はサーバーID番号で、グループ内のサーバーごとに一意である必要があります。RESTART=Yにすることをお薦めします。z/OSでGWSNAXとCRMの間にルータまたはファイアウォールがあり、それが定期的に接続を切断する場合には、CLOPT-bにすることをお薦めします。このオプションによってハートビート・モードがアクティブになり、これは接続性の維持に役立ちます。
ubbconfigを更新すると、次の状態になります。
Tuxedoドメインが実行中ではなくなります(そうでない場合はtmshutdownを実行してください)。tmloadcfを実行して、更新したubbconfigをコンパイルします。
BDMCONFIG環境変数が、最新のコンパイル済のbdmconfigファイルを指します。
tmbootを実行してGWSNAXでTuxedoドメインを起動すると、ULOGがCRMとの接続を確立します。
詳細は、「システムの構成および起動」を参照してください。
b.
リスト10-4 UBBCONFIGでのサービス・レベル・セキュリティの有効化
*RESOURCES
SECURITY USER_AUTH
*SERVERS
AUTHSVR SRVGRP=GROUP0 SRVID=2 CLOPT="-A"
 
c.
*SERVERSセクションにARTTCPL ARTADM ARTCNX ARTTSQ ARTSTRN ARTDPLを追加します。
4.
DMCONFIGを構成します。
Tuxedo dmconfigファイルを使用して、TMA SNA接続経由でアクセスするCRMパラメータおよびサービスを定義します。これらのパラメータには、ローカルに使用されるものもあれば、接続属性を動的に構成するために接続の確立時にGWSNAXによってz/OS上のCRMに送信されるものもあります。これまでに指定した構成パラメータの一部は、dmconfigDM_SNASTACKSDM_SNALINKSDM_REMOTE_SERVICESセクションで使用されています。
新規のdmconfigを構築している場合、必要に応じて、リスト10-5をメインフレーム接続にあわせて調整できます。同じCRM接続についてそれがすでに存在する場合は、DM_SNASTACKSDM_SNALINKSおよびDM_REMOTE_SERVICESセクションの関連するエントリを既存の構成にマージするだけで済みます。それを環境に応じて変える必要がある場合は、リスト10-5に太字で示しています。
リスト10-5 サンプルのDMCONFIG構成
*DM_LOCAL_DOMAINS
simpsnad
GWGRP=GWGRP1 // same as GWSNAX group in ubbconfig
TYPE=SNAX
DOMAINID="simpsnad"
DMTLOGDEV=**/tuxedo/path/to/DMTLOG** //GWSNAX domain TLOG file name
*DM_REMOTE_DOMAINS
MVSDOM TYPE=SNAX
DOMAINID="MVSDOM"
*DM_SNACRM
simpcrm SNACRMADDR="//host.name:NNNN" //host:port of CRM
NWDEVICE="/dev/tcp"
LDOM="simpsnad"
*DM_SNASTACKS
stack1
SNACRM="simpcrm"
STACKTYPE="VT210"
LOCALLU="**LUNAME**" // NETNAME in VTAM CONNECTION definition
LTPNAME="*"
STACKPARMS="host.name" //same as CRM host name
*DM_SNALINKS
link1 STACKREF="stack1" //Reference to DM_SNASTACKS entry name
RDOM="MVSDOM" //Reference to DOMAINID in DM_REMOTE_DOMAINS
LSYSID="OT12" //VTAM connection name
RSYSID="**CICX**"
RLUNAME="**CICSAPPL**" //CICS APPLID of CICS region
MODENAME="**SNANAME**" //MODE NAME in SESSION definition.
SECURITY="LOCAL" //if you want to use security features, refer to documentation
STARTTYPE="COLD"
MAXSESS=20
MINWIN=20
MAXSYNCLVL=2
*DM_LOCAL_SERVICES
*DM_REMOTE_SERVICES
SVSN_**PROGY** AUTOTRAN=N
LDOM="simpsnad" //Reference to DOMAINID in DM_LOCAL_DOMAINS
RDOM=MVSDOM //Reference to DOMAINID in DM_REMOTE_DOMAINS
CONV=N
RNAME="**PROGY**" //Reference to program name defined in remote CICS region
 
5.
tmloadcfを使用して、UBBCONFIGをロードします。
注意:
6.
dmloadcfを使用して、DMCONFIGをロードします。
7.
tpgrpadd tuxgrp
tpusradd -g tuxgrp tuxusr
tuxgrpおよびtuxusrを独自のものに置き換えます。3つのファイル(tpgrptpusrおよびtpacl)が生成されます
8.
dmadminでユーザー・マッピングを追加します。
addusr -d SNAXDOM -R MVSDOM -u “mfusr” -w
addumap -d SNAXDOM -R MVSDOM -p “tuxusr” -u “mfusr”
9.
サービス・レベル・セキュリティが有効である場合は、tuxusr/パスワードでCICSにログオンします。
ステップ4: メインフレームでのCRMの起動
次のコマンドを使用して、メインフレームでCRMを起動します。
CRM [ -t 0|1|2|3 ] [-p<nbr>] [-s] [-n <type>:#:#] [-u <keyfile>] [-V] [-P [interval]] [-R [interval]] [-F [trcsz]] <addr> <group>
リスト10-6に示すように、JCLを使用してCRMを起動できます。
リスト10-6 JCLを使用したCRMの起動
// SET STARTCMD='"//<address>:<port>" <group>'
// SET OBJLIB=
// SET DATA=
// SET ENVFILE=ENV
// SET RUNOPTS=
// SET SIZE=0M
// SET ENV='ENVAR("_CEE_ENVFILE=DD:ENV")'
//* SET CEE=CEE,CBC=CBC
//CRM EXEC PGM=CRM,REGION=&SIZE,
// PARM='POSIX(ON) &ENV &RUNOPTS/&STARTCMD'
//STEPLIB DD DSN=&OBJLIB,DISP=SHR
//* DD DSN=&CEE..SCEERUN,DISP=SHR
//* DD DSN=&CBC..SCLBDLL,DISP=SHR
//MSGFILE DD SYSOUT=*
//TRACE DD SYSOUT=*
//SYSPRINT DD SYSOUT=*
//ENV DD DSN=&DATA(&ENVFILE),DISP=SHR
 
詳細は、「コマンド・リファレンス・ページ」を参照してください。
前のステップをすべて実行した後、ARTIMSドメインを起動し、オンライン・トランザクションを呼び出して、z/OSでサブトランザクションを呼び出します。
 
 

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