この章では、Oracle Business Activity Monitoring (Oracle BAM)でプロジェクトを計画および作成する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
プロジェクトは、その他の関連BAMエンティティをグループ化するBAMエンティティです。
プロジェクトに追加または作成できるその他のBAMエンティティは次のとおりです。
データ・オブジェクト。外部データベース、進行中のビジネス・プロセスからのデータ・ストリームなど、監視対象データを格納します。詳細は、データ・オブジェクトの使用を参照してください。
ビジネス問合せ。各国の売上高などの監視対象データをフェッチおよび分析します。詳細は、「ビジネス問合せの作成」を参照してください。
キー・パフォーマンス・インディケータ(KPI)。現在の生産速度など、特に重要なメジャーをフェッチおよび分析します。詳細は、「KPIの作成」を参照してください。
ビジネス・ビュー。問合せやKPIによってフェッチされたデータが、チャート、表、ゲージなどの様々な形式で表示されます。詳細は、ビジネス・ビューの作成と使用を参照してください。
パラメータ。売上高を表示する国など、フェッチされたデータをユーザー入力に従ってフィルタ処理します。詳細は、「パラメータの作成」を参照してください。
アラート。コール・センターでの平均待ち時間中のスパイクなど、フェッチされたデータが範囲外であることをユーザーに通知します。詳細は、アラートの作成を参照してください。
ダッシュボード。国別売上の円グラフや営業担当別売上の棒グラフなど、関連するビューをまとめて表示します。詳細は、「ダッシュボードの作成」を参照してください。
これらのエンティティが連携して、ビジネス監視の目標を達成します。プロジェクトを作成する前に、プロジェクトのエンティティで実行する内容を計画する必要があります。
注意:
アクセス権のある任意のデータ・オブジェクトを任意のプロジェクトに追加できます。他のエンティティをプロジェクト間で移動またはコピーすることはできません。ただし、ZIPファイルにプロジェクトをエクスポートし、それを別のBAMサーバーにインポートすることは可能です。詳細は、Oracle BAMでのコマンドの使用を参照してください。
プロジェクトは、そのプロジェクトの特定の側面がボトムアップであるかぎり、ボトムアップでもトップダウンでも構築できます。
図3-1に、プロジェクトの作成手順を示します。
一部の状況では、プロジェクトは常にボトムアップ方式で構築します。プロジェクトを作成し、最初にデータ・オブジェクトを追加する必要があります。データ・オブジェクトを追加する前に、問合せやリアルタイムKPIを構成することはできません。同様に、スケジュールされたKPIを構成するには、その基準となる問合せを事前に作成する必要があります。ビューからKPIを作成することはできません。ダッシュボードからパラメータを作成することはできません。
一方で、プロジェクトをボトムアップ方式とトップダウン方式のどちらで構築してもよい場合もあります。ダッシュボード、ビュー、問合せの順に作成することも、問合せ、ビュー、ダッシュボードの順に作成することもできます。パラメータの作成は、それを使用する問合せの作成前でも作成後でもかまいません。アラート・アクションをトリガーする問合せまたはKPIを作成できます。または、スタンドアロン・アラートを作成してから、そのスタンドアロン・アラートをトリガーするアラート・アクションを問合せまたはKPIに作成することもできます。
この項では、プロジェクトの名前を変更する手順について説明します。
次の手順を使用して、プロジェクトの「表示名」を変更します。
「表示名」は、大/小文字が区別され、フォルダ・パスを示すスラッシュ(/
)を除く任意の文字を含めることができます。最大128文字を使用できます。いつでも変更できます。
プロジェクト名を変更するには:
この項では、プロジェクトを削除する手順について説明します。
プロジェクトを削除するには、次の手順を使用します。データ・オブジェクトを除き、プロジェクト内のすべてのエンティティが同様に削除されます。
プロジェクトを削除する手順は、次のとおりです。
この項では、プロジェクトを保護する手順について説明します。
デフォルトでは、プロジェクトでBAMエンティティを作成すると、そのプロジェクトのセキュリティ設定がエンティティに継承されます。
プロジェクトのセキュリティ設定を変更するには:
「デザイナ」ページに移動します。
プロジェクト名はBAMウィンドウの左上隅に表示されます。
BPMを同じドメインに構成している場合は、プロセス分析がBAMの初期のデフォルト・プロジェクトになります。
プロジェクト名の右側にある下向き矢印をクリックします。
ポップアップ・メニューから「セキュリティ」を選択します。
プロジェクトのセキュリティ・タブが開きます。
明示的に権限を付与または拒否するロールまたはグループを追加するには、次の手順を実行します。
「権限の付与」表または「権限の拒否」表で「追加」アイコンをクリックします。
「アプリケーション・ロール、グループおよびユーザーの追加」ダイアログが開きます。
ユーザーをロールおよびグループに追加する方法の詳細は、Oracle BAMユーザーの管理を参照してください。
追加するロールまたはグループの名前を「名前」に入力します。
ドロップダウン・リストから「アプリケーション・ロール」または「グループ」を選択します。
「検索」をクリックして、「選択可能メンバー」リストにデータを移入します。
「選択済メンバー」リストにメンバーを追加するには、メンバーを選択し、一重の右矢印をクリックします。
「選択済メンバー」リストにすべてのメンバーを追加するには、メンバーを選択し、二重の右矢印をクリックします。
「選択済メンバー」リストからメンバーを削除するには、一重および二重の左矢印を使用します。
「選択済メンバー」リストが完成したら、「OK」をクリックします。
「アプリケーション・ロール、グループおよびユーザーの追加」ダイアログが閉じ、「名前」に指定した名前が表に表示されます。
ロールまたはグループを削除するには、表の行を選択し、「削除」アイコンをクリックします。
権限を付与するには、「権限の付与」表にリストされているユーザー、ロールおよびグループに対し、「読取り」、「書込み」、「削除」または「セキュリティ」を選択します。
権限を拒否するには、「権限の拒否」表にリストされているユーザー、ロールおよびグループに対し、「読取り」、「書込み」、「削除」または「セキュリティ」を選択します。
「保存」をクリックします。
プロジェクトのエンティティを変更すると、そのエンティティに依存する他のエンティティに影響する場合があります。たとえば、問合せを削除すると、その問合せを基準とするビューが壊れます。
エンティティを削除すると、依存エンティティが一覧表示され、削除を確認するメッセージが表示されます。
依存先のエンティティが存在しなくなったり壊れることによって、エンティティが壊れると、左側のナビゲーション・ペインにあるアイコンが、赤丸で囲まれた白の「X」に変化します。
エンティティを開いて編集することによって修正できます。たとえば、ビューの基準となる問合せが存在しなくなったためにビューが壊れた場合は、そのビューに対して別の問合せを選択するか、新しい問合せを作成できます。
ビューを削除すると、そのビューを参照するすべてのダッシュボードからビューが削除され、ダッシュボード・アイコンは、赤丸で囲まれた白の「X」に変化しません。