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Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド
12c (12.2.1.1.0)
E77226-02
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Oracle BIプレゼンテーション・カタログについて

Oracle BIプレゼンテーション・カタログは、ユーザーが、個々のファイルからなるディレクトリ構造内に作成したコンテンツを格納します。

このコンテンツには、フォルダ、ショートカット、Oracle BI EEオブジェクト(分析、フィルタ、プロンプト、ダッシュボードなど)およびOracle BI Publisherオブジェクト(レポート、テンプレートなど)が含まれます。

この項では、次の項目について説明します。

カタログ内のオブジェクト

次の図は、プレゼンテーション・サービスで表示されるカタログ内のサンプル・オブジェクトを示しています。

オブジェクト名のガイドライン

カタログ内の各オブジェクトは、独自のファイルに格納されます。たとえば、Analysis 1という分析はAnalysis1という名前のファイルに格納されます。ユーザーに表示されるオブジェクト名(Analysis 1など)は、論理オブジェクト名と呼ばれます。

オブジェクト名のガイドラインは次のとおりです。

  • カタログ内のオブジェクトの論理名には、有効なUnicode文字であれば、どの文字でも使用できます。次のものは有効な論理名です。

    Hello World
    Profit / Loss
    % Sales * $ Cost ~~ $ "Expense"?
    
  • 論理オブジェクト名の長さは、256 Unicode文字以内にしてください。

    Unicodeの詳細は、「カタログのファイル・システムのガイドライン」を参照してください。

  • オブジェクトの論理パス名の長さは、16,000 Unicode文字以内にしてください。

  • オブジェクトの論理パス名のディレクトリ・セグメントの数は、255セグメント以内にしてください。

    たとえば、/n1/n2/n3/n4/…./n253/n254/n255などの名前を持つディレクトリは有効ですが、/n1/n2/n3/n4/…./n254/n255/n256などの名前は無効です。

  • SOAPを使用してオブジェクトのパス名を渡す場合は、次に示す文字をエスケープする必要があります。

    Forward slash (/)
    Backward slash (\)
    Tilde (~)
    Asterisk (*)
    Question mark (?)
    

    次に示す論理パス名はすべて有効です。

    /shared/test/Hello World
    /shared/test/Profit \/ Loss
    /shared/test/% Sales \* $ Cost \~\~ $ "Expense"\?
    

    カタログ・パスを作成する際は十分に注意してください。一般的に、コードではスラッシュ(/)は常にパス・セパレータとみなされます。パス・コードに「Profit / Loss」などのオブジェクト名が含まれていないか常に確認してください。

  • SOAPを使用してカタログ検索フィルタを渡す場合は、次に示す文字をエスケープする必要があります。

    Forward slash (/)
    Backward slash (\)
    Tilde (~)
    Asterisk (*)
    Question mark (?)
    Caret (^)
    Dollar sign (?)
    

    次に示す検索フィルタはすべて有効です。

    Hello World
    Profit \/ Loss
    % Sales \* \$ Cost \~\~ \$ "Expense"\?
    

オブジェクトの属性ファイル

各オブジェクトには、対応する属性ファイルがあります。たとえば、Analysis1という分析であれば、Analysis1.atrという名前の対応する属性ファイルがあります。属性ファイルには、オブジェクトの完全な名前、アクセス制御リスト(ACL)、説明などが含まれます。カタログ内のオブジェクトにアクセスするには、ユーザーはそのオブジェクトに適したACLエントリを持っている必要があります。カタログ内のすべてのオブジェクトがACLエントリを使用します。

オブジェクトのロック・ファイル

一度に1人のユーザーのみがファイルに書き込めるようにするため、オブジェクトに書き込んでいるときにロック・ファイルが作成されます。まれに(停電の後など)、カタログ内の一時ロック・ファイルが完全に削除されないことがあります。プレゼンテーション・サービスによってそのようなロック・ファイルが検出された場合は、それを手動で削除する必要があります。

カタログのファイル・システムのガイドライン

この項では、ファイル・システム内でカタログのオブジェクトを使用するためのガイドラインについて説明します。

カタログのユーザーの処理

カタログは、数千の同時ユーザーにスケーリングするように設計されています。このスケーリングを実現するために、カタログは次のガイドラインに従います。

  • 平均的なユーザーは、一般的にカタログから読み取るのみであり、書き込むことはほとんどありません。各ユーザーは定期的および自動的にそのユーザーの最近使用したファイルを更新していますが、各ユーザーの読取り操作は、そのユーザーの書込み操作よりもはるかに多くなっています。したがって、読取りと書込みの比率は、通常、少なくとも100対1です。

  • ロック・メカニズムによって、オブジェクトに書き込めるユーザーは一度に1人のみであることが保証されていますが、まれに、複数のユーザーが同じオブジェクトに同時に書込みを試みることがあります。遅延ロックと呼ばれる機能によって、ユーザーは、別のユーザーがオブジェクトを更新しているときでも、そのオブジェクトの読取りを続行できます。

  • 最新のファイル・システムでは、小さいファイルはディレクトリ・レコード内に直接キャッシュされるため、ディレクトリ上の情報を読み取ると同時に、すべての小さいファイルがオペレーティング・システムのメモリー・キャッシュに直接ロードされます。したがって、カタログ内のファイル、特に頻繁に読み取られる.atrメタデータ・ファイルは小さくしておくことをお薦めします。これらのメタデータ・ファイルを小さいまま保持すると、ディレクトリ内のすべての.atrファイルが一度の物理ハード・ディスクの読取りでメモリーにロードされます。「小さい」しきい値を超えるすべてのファイルで、ファイルごとに追加の物理ハード・ディスク読取りが実行され、それにより、大きいファイルごとに100%の劣化が発生することがあります。したがって、.atrファイルに任意のプロパティを格納することを検討している場合は注意してください。

  • NFSによるオブジェクトの.atrメタデータ・ファイルの読取りは、ローカル・ディスクからの直接読取りよりもはるかに遅くなります。そのため、プレゼンテーション・サービスはすべての.atrファイルを追加で内部にキャッシュします。クラスタ内の別のノードが、現在のノードがキャッシュしたデータよりも新しいデータをファイルに書き込む場合、このキャッシュは短期間で古くなる可能性があります。そのため、すべてのノードは、instanceconfig.xmlのMaxAgeMinutes要素(クラスタに対するデフォルトは5分)に従ってリフレッシュされます。このデフォルト設定は、データが古くなる可能性とパフォーマンスに関する既知の影響の間で、一般的に最良の妥協点になります。(クラスタなしの環境のデフォルトは、60分です。)

    MaxAgeMinutes要素はシステムに合せて変更できます。その親要素はCacheとCatalogAttributesです。

異機種ノードの処理

1つのクラスタ内での異機種ノードの使用を可能にするために、カタログは次のガイドラインに従います。

  • ディスク上のオブジェクトの名前の長さは最大で256バイト(64 Unicode文字)です。論理名は、256 Unicode文字に制限されています。この制限に従うために、32文字よりも大きい論理名はハッシュされます。

  • ディスク上のパスの名前の長さは最大で32KB (8,000 Unicode文字)です。論理パスは、16,000 Unicode文字までに制限されています。

  • ディスク上のすべてのパス名は、すべて小文字です。論理パス名では、大文字小文字は組み合せて使用できますが区別はされません。

  • ディスク上のパス名には特定の文字を使用できませんが、論理パス名にはすべての文字を使用できます。たとえば、Windowsシステムでは、コロン(:)などの特定の文字列は使用できません。そのため、それらの文字は標準HTMLエスケープ・シーケンスを使用してマッピングされます。たとえば、ピリオド文字(.)は%2eになります。

  • ディスク上では特定のファイル名を使用できませんが、論理オブジェクト名には制限はありません。たとえば、Windowsシステムでは、COMなどの特定のファイル名は使用できません。そのため、それらの名前は標準HTMLエスケープ・シーケンスを使用してマッピングされます。たとえば、comはco%6dになります。

様々なプラットフォーム上のカタログ・ファイルの処理

様々なプラットフォーム上のカタログ・ファイルを処理するときは、次の点に注意してください。

  • UNIXプラットフォームの場合: UNIXカーネルは、通常、ディレクトリごとに4,000を超えるサブディレクトリを配置可能にするように構成する必要があります。HashUserHomeDirectories要素の詳細は、「カタログの構成設定の手動による変更」を参照してください。

  • Windowsプラットフォームの場合:

    ユーザーがMicrosoft Windowsエクスプローラなどのツールを使用してカタログ・ファイルをナビゲートする場合、c:/obi/demoなどの短いパス名に基づいたカタログ構造が好まれます。長いデフォルト・パス名は好まれず、そのようなナビゲーションはお薦めできません。

    • FATはサポートされておらず、NTFSが必須です。

    • Windowsプラットフォーム上のパフォーマンスは、1つのディレクトリに8,000個を超えるファイルが存在すると著しく低下します。各カタログ・オブジェクトには2つのファイル(データ・ファイルと.atrメタデータ・ファイル)があるため、1つのディレクトリ内に格納するカタログ・オブジェクトは4,000個以内にすることを強くお薦めします。HashUserHomeDirectories要素の詳細は、「カタログの構成設定の手動による変更」を参照してください。

    • Windowsエクスプローラでは、長いパス名は適切に処理されないため、カタログの内部構造のナビゲートにはWindowsエクスプローラを使用しないことをお薦めします。ファイル・システムは32KBまでのパス名を処理でき、プレゼンテーション・サービスに悪影響を及ぼすことはありませんが、Windowsエクスプローラは約2KBを超えるパス名では使用できません。

      1つのUnicode文字に4バイト必要な場合があるため、わずか500個のUnicode文字からなるパス名でもWindowsエクスプローラを使用できないことがあります。この制限によって、プレゼンテーション・サービスが影響を受けることはありません。この制限のため、カタログはc:\mycatalog\salesなどのように最上位レベルのディレクトリに配置してください。

カタログ・ファイルの既知の問題

カタログ・ファイルを使用する際の既知の問題は次のとおりです。

  • NFSシステム全体のロックは困難ですが、プレゼンテーション・サービスは最新のバージョンで効果的なロック・メカニズムを提供しています。必要に応じて、該当するパッチを入手し、旧バージョンのOracle BI EEを更新してください。

    詳細は、カタログの検証を参照してください。

  • サードパーティの各種FTPプログラムでは、%エスケープ・シーケンスの処理に問題があり、二重にエスケープされたファイル名に変更されることがよくあります。たとえば、sa%2epaint(論理名はSA.Paint)という名前のファイルは、誤ってsa%252epaint(論理名はSA%2ePaint)に変更されます。

    カタログに対してFTPプログラムを直接使用しないでください。かわりに、7-Zipユーティリティをダウンロードして使用し、カタログ・ファイルを圧縮して、その圧縮済ファイルをFTPプログラムを使用して転送します。