プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle Business Intelligence Enterprise Editionシステム管理者ガイド
12c (12.2.1.1.0)
E77226-02
目次へ移動
目次

前
前へ
次
次へ

Oracle BI Presentation Catalogのメンテナンス

カタログの保守に関する情報については、次のトピックを参照してください。

カタログの構成設定の手動による変更

これらの設定を変更するには、instanceconfig.xmlファイルの様々な要素を使用して手動で設定を変更します。

カタログの構成設定を手動で変更するには:

  1. 次のinstanceconfig.xmlファイルを開いて編集します。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

    構成ファイルで説明されているように編集します。

  2. 次の要素を追加する必要があるCatalogセクションをみつけます。
    • HashUserHomeDirectories: ディレクトリのハッシングを指定します。カタログ・ユーザーが4,000を超える場合、または将来、超える予定がある場合は、ユーザーのホーム・ディレクトリのハッシングをオンにして、ファイル・システムの制限に対処してください。それには、HashUserHomeDirectories要素をそのデフォルト値の0から2に設定します。この要素をオンにすると、たとえば、Steveというユーザーのデフォルトのホーム・ディレクトリは/users/st/steveになります。

    注意:

    以下の点に注意します。

    • ハッシングは、最新のファイル・システム(たとえば、ext4、ZFS、ntfsなど)を使用する最新のオペレーティング・システムには通常必要ありません。ただし、ユーザー・ベースが約4,000人のユーザーを超える場合のパフォーマンスに引き続き役立つ可能性があります。

    • 作成時にカタログをハッシュすることをお薦めしますが、使用中にカタログのハッシュが必要になる場合があります。バックアップし、詳細は次のコマンドを実行します。

      UNIXの場合:

      runcat.sh -cmd rehash -help

      Windowsの場合:

      runcat.cmd -cmd rehash -help

    • 通常は、HashUserHomeDirectories要素を2より大きい値に設定しないでください。2より大きい値に設定すると、ハッシングが無効になります。

    • instanceconfig.xmlに含めるCatalog要素は1つのみにします。そうしないと、予期しない結果になることがあります。明記されていないかぎり、ほとんどのノードはXMLドキュメントに一度のみ含めます。

  3. 必要に応じて、次の例に示すように、要素とその祖先の要素を含めます。
    <ServerInstance>
    <Catalog>
        <HashUserHomeDirectories>2</HashUserHomeDirectories>
    </Catalog>
    </ServerInstance>
    
  4. 変更内容を保存し、ファイルを閉じます。
  5. プレゼンテーション・サービスを再起動します。

本番環境へのカタログとオブジェクトのデプロイ

次の各項の説明に従って、テスト環境から本番環境にカタログおよびシンプル・オブジェクト(権限付きダッシュボードなど)をデプロイできます。

本番環境へのカタログのデプロイ

BARファイルを使用して、カタログを本番環境にデプロイします。

詳細は、「環境間のOracle Business Intelligenceの移動」を参照してください。

本番環境へのオブジェクトのデプロイ

テスト環境から本番環境にオブジェクト(権限付きダッシュボードなど)をデプロイできます。

本番環境にカタログ・オブジェクトをデプロイするには:

  1. (オプション)新しい本番環境にカタログ・オブジェクトをデプロイする場合。

    次のようにして、テスト環境でカタログ・オブジェクトをアーカイブし、それを本番環境でアンアーカイブします。

    1. 次のいずれかを使用して、テスト環境のカタログ・オブジェクトをアーカイブします。

    2. アーカイブ済ファイルを本番コンピュータにコピーします。

    3. 本番コンピュータで、オブジェクトをアンアーカイブします。

      オブジェクトのアンアーカイブ方法の詳細は、「カタログ・マネージャを使用したアーカイブとアンアーカイブ」を参照してください。

    4. 必要に応じて、オブジェクトに権限を設定します。

  2. (オプション)既存の本番環境にカタログをデプロイする場合。

    次のように、新規または更新されたオブジェクトをテスト・カタログから本番カタログにコピーして貼り付けます。

    1. 2つのカタログ・マネージャ・ウィンドウ(一方はテスト・カタログ、他方は本番カタログ)を開きます。

    2. 必要なフォルダをテスト・カタログから選択してコピーし、本番カタログに貼り付けます。

      テスト環境または本番環境で同じコンテンツを変更済のフォルダをコピーして貼り付けると、テスト環境のコンテンツによって本番環境のコンテンツが上書きされます。

カタログ・オブジェクトの更新

より新しいバージョンのOracle Business Intelligenceにアップグレードするかパッチをインストールして、カタログでオブジェクトを使用すると、特定のオブジェクトへのアクセスが以前のリリースのように高速に実行されないことがあります。

この変化は、オブジェクトが正しくアップグレードされていない場合に発生する可能性があります。更新が必要かどうかは、Fusion Middleware Controlでメトリックを表示することによって確認できます。「カタログ」フォルダで、アップグレードが必要であることを示すオブジェクトの数という説明の付いた要アップグレードというメトリックを見つけます。この数が大きい場合は、プレゼンテーション・サービス「管理」ページを使用してカタログ内のオブジェクトを更新することにより、この問題を解決できます。

Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイドの手順に従うことで、Oracle Business Intelligenceの新しいバージョンにアップグレードできます。カタログ・オブジェクトをアップグレードするには、Oracle Business Intelligenceアップグレード・ガイドのタスク5: Oracle BIリポジトリおよびカタログのアップグレードに関する項を参照してください。プレゼンテーション・サービスが実行されていないときにアップグレードすることをお薦めします。アップグレード・プロセス中にオブジェクトのアップグレードが完全には実行されなかったことが疑われる場合は、「管理」ページを使用して、自分でオブジェクトを更新できます。この方法の利点は、プレゼンテーション・サービスを実行したまま更新を行えることにあります。

オブジェクトの更新を準備する際は、次の点に留意してください。

  • クラスタ内でマシンのローリング・アップグレードを実行している場合は、クラスタ内のすべてのマシンがアップグレードされるまで、このオプションやUpgradeAndExit構成設定は使用しないでください。

  • このオプションは、一度にクラスタ内の1つのノードでのみ使用します。

カタログ・オブジェクトを更新するには:

  1. グローバル・ヘッダーで「管理」をクリックします。
  2. 「更新が必要なカタログ・オブジェクトのスキャンおよび更新」リンクをクリックします。
  3. 「カタログ・オブジェクトの更新」をクリックして更新プロセスを開始します。

    どのオブジェクトが更新され、どのオブジェクトが更新されていないのかを確認するには、このページの他のリンクをクリックします。更新されなかったオブジェクトの詳細に関するログ・ファイルを参照できます。

カタログの検証

カタログは保守が必要となる動的なコンポーネントです。

時間の経過とともに、リンクが破損する、ユーザーが削除される、NFSファイル・システムの問題が発生するなどカタログ内に非一貫性が発生することがあります。これらの非一貫性は、最終的にエージェントの受信者リストを編集できなくなるなど、不適切な動作につながることがあります。本番システムを定期的にオフラインにしてカタログを検証し、非一貫性を検出して、修正操作を実行できます。

この項では、カタログの検証に関する次の項目について説明します。

プロセス: カタログの検証

カタログの検証プロセスには、オフライン・モードでのカタログのレポートの作成や、調整または削除が必要なオブジェクトの確認があります。

一部のオブジェクトは、オフライン・モードで手動で修正できます。その後、検証操作を再度実行して、不要なオブジェクトを削除することによりシステムを「クリーン」にできます。カタログの検証が終了するまで、レポートの作成、エラーの手動修正およびカタログのクリーンを繰り返します。

検証プロセスのタスク

システムを検証すると、プロセスが円滑に実行されていることを確認できます。

検証プロセスでは、次のタスクを実行します。

  • カタログ内の各オブジェクトが0バイトよりも大きいことを確認します。

  • カタログ内の各項目に、対応する有効な.atrファイルがあることを確認します。

  • カタログ内の各リンクが有効であることを確認します。

  • アカウント・キャッシュ内のファイルが有効であることを確認します。

  • カタログ内のすべてのXMLオブジェクトがスキーマ検証に通ることを確認します。

  • ftpプログラムによって損傷したオブジェクト名の修復を試みます。

カタログ検証の重要なガイドライン

カタログを検証する前に、特定のガイドラインに留意してください。

  • 開発環境に本番環境とは異なるセキュリティ・ストアがある場合は、開発環境でカタログを検証する際に注意する必要があります。異なるセキュリティ・ストアを使用して検証を実行すると、多くのアカウントがカタログから削除される可能性があります。

  • カタログの検証をオンにすると、すべてのACL (つまり、すべての権限と各項目の権限)が「スクラブ」されます。これは、それらからデッド・アカウントが削除され、変更されたすべての項目がディスクに書き込まれることを意味します。そのため、破損した項目を自動的に修正せずに単にレポートを作成するだけであっても、カタログが広範囲に「変更」されることがあります。

  • クラスタ環境でカタログを検証する前に、次のいずれかを実行します。

    • プレゼンテーション・サービス・クラスタを停止し、そのクラスタのカタログに対して検証を直接実行します。

    • クラスタのカタログのコピーを作成し、そのコピーに対して検証を実行します。

      7-Zipユーティリティを使用してカタログのコピーを作成する前に、プレゼンテーション・サービス・クラスタのすべてのノードを停止するか、そのクラスタのすべてのノードをメンテナンス・モードにします(推奨方法)。

      検証プロセスと同時にオンラインでカタログに行った変更は、検証には含まれません。

      カタログのバックアップが常に推奨されていますが、検証をカタログに対して直接実行することと、バックアップ・コピーに対して実行することの実際的な違いはありません。

基本的なカタログ検証の実行

カタログの基本的な検証は、非定型ベースで必要に応じて、コンテンツを開発環境から本番環境に移行する直前や、定期的(たとえば、毎月第1火曜日など)に実行できます。

カタログを検証するには:

  1. プレゼンテーション・サービスを停止します。
  2. 7-Zipユーティリティを使用してカタログをバックアップし、その圧縮済ファイルを作成します。
  3. 次のinstanceconfig.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成します。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

  4. instanceconfig.xmlファイルを編集し、検証を実行するために適した要素が含まれるようにします。レポートの作成およびカタログの「クリーニング」のタスクを適宜実行するための要素を設定する必要があります。

    これらの要素の詳細は、「カタログを検証するための要素の指定」を参照してください。

  5. プレゼンテーション・サービスを起動し、instanceconfig.xmlファイルに指定した値に従って検証を実行します。
  6. instanceconfig.xmlファイルを再度編集し、検証を実行するために適した要素が含まれるようにします。レポートの作成およびカタログの「クリーニング」のタスクを適宜実行するための要素を設定する必要があります。
  7. カタログが検証されるまで、ステップ5 - 7を繰り返します。
  8. プレゼンテーション・サービスを停止します。
  9. 検証要素を追加したinstanceconfig.xmlファイルのバックアップ・コピーを作成し、そのファイルの名前をinstanceconfig_validate.xmlのような名前に変更します。このようにして、後続の検証の出発点として使用するファイルのバージョンを用意します。
  10. 現行バージョンとして使用するために前に作成したinstanceconfig.xmlのバックアップ・バージョンをリストアします。
  11. プレゼンテーション・サービスを起動します。

カタログを検証するための要素の指定

カタログ検証手順の一部として、プレゼンテーション・サービスを再起動するときに検証を実行する要素をinstanceconfig.xmlファイルに含めます。

次の手順は、instanceconfig.xmlファイルを編集してこれらの要素を含める方法を示しています。

カタログを検証するための要素を指定するには:

  1. 次のinstanceconfig.xmlファイルを開いて編集します。

    BI_DOMAIN/config/fmwconfig/biconfig/OBIPS

  2. 次の要素を追加する必要がある「カタログ」セクションを見つけます。
    要素 説明 デフォルト値

    Validate

    このセクションの他のValidate関連の要素の値に従ってカタログの検証を実行します。値は次のとおりです。

    • None - 検証は実行しません。

    • OnStartupAndExit - プレゼンテーション・サービスを起動したときに検証を実行し、Report操作またClean操作を実行してから、プレゼンテーション・サービスを停止します。カタログが検証されるまで、(ValidateAccounts、ValidateHomes、ValidateItemsおよびValidateLinksなどの)要素ごとにReport、Clean、Reportのサイクルを複数回実行できます。

    この値がNoneではない場合は、他のValidate関連要素の設定に関係なく、終了したアカウントから、カタログ全体におけるすべての権限と各オブジェクトのACLが消去されます。

    なし

    ValidateAccounts

    カタログ内のユーザー、ロール、およびグループに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。

    なし

    ValidateHomes

    カタログ内のホーム・ディレクトリに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。

    ValidateHomesは、ValidateAccountsがReportまたはCleanのどちらかに設定されている場合にのみ実行されます。

    なし

    ValidateItems

    カタログ内のオブジェクトに関するすべての情報に一貫性があることを検証します。値の説明は、この表の後に記載してあります。

    なし

    ValidateLinks

    カタログのショートカットをクリーンにしますが、オブジェクトに対する内部参照は調整しません。たとえば、ダッシュボード・ページにテキスト「/shared/sales/myfavreportの実行後、ここに結果を表示します」が表示されているとします。その後、ユーザーがmyfavreportオブジェクトを削除しても、検証時には修正やメッセージは表示されません。値の説明は、この表の後に記載してあります。

    なし

    要素には、次のリストに示す値が設定されます。

    • None - 検証を実行しないことを指定します。

    • Report - 一貫性のないオブジェクトそれぞれの詳細をsawlog.logファイルに書き込むことを指定します。

      詳細は、「診断ログ構成ファイルの概要とその位置」を参照してください。

    • Clean - 一貫性のないオブジェクトそれぞれの詳細をsawlog.logファイルに書き込み、各オブジェクトをカタログから削除することを指定します。

  3. 次の例に示すように、必要に応じて要素およびそれらの祖先要素を含めます。この例では、検証はプレゼンテーション・サービスが起動されたときに実行され、検証が完了するとプレゼンテーション・サービスは終了します。一貫性のないアカウント(削除されたユーザーのものなど)、リンク、およびオブジェクトが削除されます。一貫性のないユーザーのホーム・ディレクトリ名は記録されますが、ディレクトリが削除されることはありません。
    <ServerInstance>
    <Catalog>
        <Validate>OnStartupAndExit</Validate>
        <ValidateAccounts>Clean</ValidateAccounts>
        <ValidateHomes>Report</ValidateHomes>
        <ValidateItems>Clean</ValidateItems>
        <ValidateLinks>Clean</ValidateLinks>
    </Catalog>
    </ServerInstance>

    注意:

    instanceconfig.xmlに含めるCatalog要素は1つのみにします。そうしないと、予期しない結果になることがあります。明記されていないかぎり、ほとんどのノード(Catalog要素のノードなど)はXMLドキュメントに一度のみ含めます。
  4. 変更内容を保存し、ファイルを閉じます。