Oracle® Fusion Middleware Oracle Reportsレポート作成のためのユーザーズ・ガイド 12c (12.2.1.1) E79319-01 |
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Oracle Reportsでは、1つのレポートを同時に複数の宛先に配布できます。この機能を利用して、レポートを1つだけ作成し、それを任意のフォーマット(PDFやHTMLなどのレイアウト・ドリブン形式とXMLやデリミタなどのデータ・モデル・ドリブン形式)で複数の宛先に配布できます。
この例では、提供されている単純なレポートを変更して、各グループを個別のレポートに一括処理します。次に、サンプルの配布XMLファイルを変更して、個々のレポートを添付ファイルとする電子メールを各宛先に送信します。また、複数の電子メールに1つのファイル(レポート全体)を添付して同じ電子メール・アドレスに送信します。
Oracle Reportsでは、1つのレポートを同時に複数の宛先に配布できます。配布機能を使用すると、レポートが実行されたときにそのレポートが電子メールの宛先、ポータル、プリンタまたはその他の場所に配布されるように設定できます。また、様々な形式や宛先についてデータを取り出すのは一度だけで済むため、パフォーマンスを向上させることもできます。さらに、1回のジョブ・リクエストで複数の宛先にレポートを公開することができるため、メンテナンスの手間も軽減されます。これをさらに調整して、ヘッダー・セクションを一部の受信者に、メイン・セクションを別の受信者に、そしてレポート全体をまったく異なる受信者に送信できます。
一括処理と配布の詳細は、『Oracle Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「拡張配布の作成」を参照してください。
使用例
この例では、ある製造会社のレポート開発者として、月次情報を会社の各倉庫に配布する必要があるとします。既存のレポートを変更して、各倉庫IDに基づいて一括処理し、倉庫ごとに個別のPDFレポートが作成されるようにします。その後に、提供されている配布XMLファイルを編集して、各レポートを添付した電子メールをそれに該当する倉庫に送信します。
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
倉庫グループに対する既存のレポートを一括処理するための設定
レポートがdistribution.xml
ファイルに定義された宛先に電子メールで送信されるようにするための、PDFフォーマットでのレポートの実行
サンプル配布レポートを表示するには、サンプル・フォルダdistribution
を開き、配布するレポートの場合はsource\inventory_report_dist.rdf
を、一括処理するレポートの場合はresult\inventory_report_dist.rdf
を開きます。これらのレポートの開き方の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。この章で使用されているサンプル・ファイルのリストと説明を表37-1に示します。
表37-1 レポートのサンプル・ファイル
ファイル | 説明 |
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レポートの配布プロパティを制御するXMLファイル。 |
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一括処理および配布のために変更するソース・レポート。 |
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一括処理および配布する変更済レポート。 |
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レポートを配布および一括処理する際に生成されるPDF。 |
注意: この例のために提供されているdistribution.xml ファイルは、このサンプル・レポートの作成専用です。より包括的なdistribution.xml がOracle Reportsに同梱されており、ORACLE_HOME \samples\demo ディレクトリにあります。このファイルは独自の目的のために再利用できるので、ファイルを一から作成する必要はありません。 |