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Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング
12c (12.2.1.1)
E77372-01
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2 12cのためのOracle Databaseのアップグレードおよび準備

アップグレード前にデータベースをサポートされているバージョンにアップグレードする必要がある場合があります。

スキーマをホスティングしているデータベースがサポートされているバージョンであることを確認してください。サポートされていないデータベース上ではアップグレードは実行できません。

注意:

12c (12.2.1.1)にアップグレードする場合、既存のデータベースをアップグレードに使用する必要があります。新しいデータベースは作成しません。

2.1 12c (12.2.1.1)データベース要件の理解

多くのOracle Fusion Middleware製品は、ドメイン構成の前にデータベース・スキーマが必要です。

オペレーティング・システムで動作保証されているデータベースを調べるには、Oracle Fusion Middlewareのサポートされるシステム構成ページで、ご使用のリリース向けの動作保証情報のドキュメントを参照してください。

スキーマ作成用にデータベースが適切に構成されていることを確認するには、Oracle Fusion Middlewareのシステム要件と仕様ドキュメントのOracle Repository Creation Utilityの要件の確認に関する項を参照してください。

注意:

動作保証されたデータベースのみがOracle Fusion Middleware Infrastructure標準インストール・トポロジに使用できます。

Oracle Platform Security Services (OPSS)スキーマは、このリリース向けのサードパーティ・データベースでサポートされていません。

2.2 12cでのデータベース動作保証の変更点の理解

データベース・アップグレードを進める前に、Oracle Fusion Middlewareの動作保証されたデータベースについて最新の情報を確認しておくことが重要です。詳細は、12c (12.2.1.1)の動作保証マトリックスに関する説明を参照してください。

ご使用の環境がインストールに必要な要件を満たしていることを確認するには、動作保証マトリックスおよびシステム要件のドキュメントを併せて使用する必要があります。このマニュアルに記載されているOracle Fusion Middleware 12cのソフトウェア要件は、このマニュアルが作成された時点では正確でした。

次に示す、12cの重要な変更点に注意してください。

  • Oracle XEはサポートしていません。

  • Oracle Databaseユーザー: Oracle Fusion Middlewareでは、バイトモードのデータベースのスキーマのみをサポートしています。スキーマがあるデータベース上のNLS_LENGTH_SEMANTICS初期化パラメータのCHARへの設定はサポートされていないため、BYTEに設定する必要があります。

    NLS_LENGTH_SEMANTICSをCHARに設定すると、アップグレード・アシスタントにより、次の例外が報告されます。

    JDBC SQLException - ErrorCode: 1450SQLState:72000 Message: ORA-01450: maximum key length (6398) exceeded
    

    SQL*Plusを使用してこのパラメータの値を確認するには、次のようにshow parametersコマンドを使用します。

    SQL> sqlplus "sys/<password> as sysdba"
    SQL> show parameters nls_length_semantics

    <password>の部分は、実際のSYSユーザーのパスワードに置き換えてください。

    別の方法として、次のようにV$PARAMETERビューを問い合せて値を確認することもできます。

    SQL> sqlplus "sys/password as sysdba"
    SQL> select name,value from v$parameter;

    詳細は、使用するデータベースの管理ドキュメントを参照してください。

注意:

この章に記載されている情報は、発行時点において正確な情報です。最新情報は、必ずOracle Fusion Middleware 12cの動作保証マトリックスを参照してください。

2.3 Oracle Databaseをアップグレードする場合のアップグレード・パスの決定

新しいOracle Databaseリリースにアップグレードするために必要なパスは、現行のデータベースのリリース番号によって異なります。現行のリリースのOracle Databaseから最新のリリースに直接アップグレードできない場合があります。現行のリリースによっては、新しいOracle Databaseへのアップグレードに、1つ以上の中間リリースを介したアップグレードが必要となる場合があります。

たとえば、現行のデータベースがリリース9iを実行している場合は、次の手順に従います。

  1. リリース2 (10.2)の『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』の指示に従って、リリース9.0.1.4からリリース10.2.0.4へアップグレードします。
  2. の指示に従って、リリース10.2.0.4から新しいOracle Database 11gリリースへアップグレードします。

表2-1に、Oracle Databaseのリリースごとに必要なアップグレード・パスを示します。ご使用のデータベースに固有のアップグレード・パスおよびドキュメントを使用してアップグレードします。次の情報は、発行時点において正確な情報です。最新情報は、必ずOracle Fusion Middleware 12cの動作保証マトリックスを参照してください。

表2-1 Oracle Databaseのアップグレードに対してサポートされているアップグレード・パス

現行リリース アップグレード・パス

9.0.1.3以前

直接のアップグレードはサポートされていません。次のように、新しいOracle Database 11gリリースへアップグレードする前に、中間リリースのOracle Databaseにアップグレードする必要があります。

  • 9.0.1.3以前→ 9.0.1.4 → 10.2.0.4 → 11.2

Oracle Databaseの中間リリースのドキュメントの指示に従って、中間リリースへアップグレードします。次に、「Oracle Databaseの新しいリリースへのアップグレード」の指示に従って、中間リリースのデータベースを新しいOracle Database 11gリリースにアップグレードします。

9.2.0.8

10.1.0.5

10.2.0.2

11.1.0.6

12.1.0.1

9.2.0.8以上、10.1.0.5以上、10.2.0.2以上および11.1.0.6以上からOracle Database 11gリリースへの直接のアップグレードがサポートされています。

リリース9.2.0.3の場合は、次のように、まず中間リリースのOracle Databaseにアップグレードする必要があります。

9.2.0.3以前→ 9.2.0.8 → 11.1.0.7

9.2.0.3以前 -> 9.2.0.8 -> 11.2

「Oracle Databaseの新しいリリースへのアップグレード」の指示に従って、新しいOracle Databaseリリースにアップグレードします。

2.4 スキーマ・バージョン・レジストリ表のバックアップ

システム・バックアップにはSYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$表を含める必要があります。

各Fusion MiddlewareスキーマはSYSTEM.SCHEMA_VERSION_REGISTRY$表に行があります。Upgrade Assistantを実行して既存のスキーマを更新する際、正常に更新できなかった場合は、元のスキーマをリストアしてからやりなおす必要があります。必ず、既存のデータベース・スキーマをバックアップしてから、Upgrade Assistantを実行してください。

注意:

スキーマ・アップグレードを実行する前にこれらのバックアップを実行することは、Upgrade Assistantを実行するための前提条件です。実際のアップグレードを続行する前に、Upgrade Assistant前提条件のGUI画面で、バックアップが実行されていることを確認する必要があります。

2.5 スキーマのアップグレード準備が整っていることの確認

Upgrade Assistantを実行する前に、サポートされているデータベースが稼働していること、およびアップグレートするスキーマのバージョンがアップグレードのサポート対象であることを確認してください。

2.5.1 タスク1: スキーマ・バージョンの検証

データベースにスキーマが作成されると、RCUは、schema_version_registryという表を作成して維持します。この表には、バージョン番号、コンポーネント名とID、作成日と変更日およびカスタム接頭辞などのスキーマ情報が含まれています。

Upgrade Assistantを実行する前に、アップグレードするスキーマがこのバージョンのOracle Fusion Middlewareへのアップグレードでサポートされていることを確認します。

Oracle Databaseを使用する場合、Oracle DBAを持つユーザーとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次を実行して現行のバージョン番号を取得します。

SET LINE 120
COLUMN MRC_NAME FORMAT A14
COLUMN COMP_ID FORMAT A20
COLUMN VERSION FORMAT A12
COLUMN STATUS FORMAT A9
COLUMN UPGRADED FORMAT A8
SELECT MRC_NAME, COMP_ID, OWNER, VERSION, STATUS, UPGRADED FROM SCHEMA_VERSION_REGISTRY ORDER BY MRC_NAME, COMP_ID ;

VERSIONの数値が11.1.1.7.0以上で、STATUS列がVALIDであれば、そのスキーマはアップグレードでサポートされます。

あるスキーマでアップグレードの必要がない場合、schema_version_registry表には、12.2.1アップグレード後もアップグレード前のバージョンでそのスキーマが保持されます。

2.5.2 タスク2: 無効なデータベース・オブジェクトの確認

Oracle Databaseを使用している場合は、Upgrade Assistantを実行する前にデータベース・オブジェクトを再コンパイルして、アップグレード前に無効なオブジェクトをチェックしてください。SYSとしてデータベースに接続し、SQL*Plusから次のコマンドを実行します。

SELECT owner, object_name FROM all_objects WHERE status='INVALID';

詳細は、無効なオブジェクトを記録して、次の問合せを実行します。無効なデータベース・オブジェクトが存在すると、アップグレードを正常に完了できない場合があります。

/rdbms/admin/utlrp.sql

単一のOracle Fusion Middlewareスキーマに属するオブジェクトのみを再コンパイルする場合は、次の例に示すOracle Databaseストアド・プロシージャdbms_utility.compile_schemaを使用できます。

SQL> execute
dbms_utility.compile_schema('1213_IAU');
PL/SQL procedure successfully completed 

注意:

これらの手順は、確認のためにUpgrade Assistantを実行した後に、再度使用する必要があります。

2.6 最新のパッチ・セット更新および必須のパッチの適用

最新のパッチ・セットを適用していること、およびアップグレード中の問題の発生を回避するよう設計された推奨パッチ・リストを確認することで、相互運用性およびアップグレードに関する重要な問題を回避できます。

詳細は、ご使用のプラットフォーム用のリリース・ノートでアップグレードについての章を参照してください。たとえば、Linuxオペレーティング・システムを使用している場合は、『Oracle® Application Serverリリース・ノート』の特定のアップグレードおよび互換性の要件に対処するためのパッチに関する項を参照してください。

データベースのパッチ要件の追加情報については、『Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニング』のシステム要件および仕様の確認に関する項を参照してください。