表8-4のコマンドを使用して、指定した間隔で診断ダンプのサンプルを取得します。
表8-4 ダンプ・サンプリング・コマンド
| 使用するコマンド | 用途 | 使用するWLST |
|---|---|---|
診断フレームワーク・ダンプのサンプリングを作成します。 |
オンライン |
|
すべてのダンプ・サンプリングを有効化または無効化します。 |
オンライン |
|
すべてのダンプ・サンプルを、個々のサンプリング・ファイルとREADMEファイルを含むzipファイルに収集します。 |
オンライン |
|
ダンプ・サンプリングが有効か無効かをリストします。 |
オンライン |
|
すべてのダンプ・サンプリング、指定したダンプ・サンプリングまたは指定したサーバーに関連付けられているすべてのダンプ・サンプリングをリストします。 |
オンライン |
|
指定したダンプ・サンプリングを削除します。 |
オンライン |
|
指定したダンプ・サンプリングを更新し、サンプリングの設定を変更します。 |
オンライン |
WLSTでの使用: オンライン
説明
診断フレームワーク・ダンプに対するダンプ・サンプリングを作成します。
構文
addDumpSample(sampleName, diagnosticDumpName [, appName], samplingInterval, rotationCount [, dumpedImplicitly] [, toAppend] [, args] [, server])
| 引数 | 説明 |
|---|---|
sampleName |
サンプリングの名前。 |
diagnosticDumpName |
取得する診断ダンプの名前。 |
appName |
オプション。指定された診断ダンプに関連付けられているアプリケーションの名前。appNameを指定しない場合、診断ダンプの対象はシステムになります。 |
samplingInterval |
秒単位のサンプリング間隔。0または負の値を指定すると、サンプリングは一時停止されます。 |
rotationCount |
ローテーション・リストに含める診断ダンプ・サンプルの最大数。この上限に達すると、最も古いサンプルが削除されます。 |
dumpedImplicitly |
オプション。診断ダンプのアーカイブをdfw.samplingArchiveに含むかどうかを指定するブール値。有効な値は、 値がfalseの場合に、ダンプ・アーカイブをdfw.samplingArchiveに含めるには、argsパラメータを使用してサンプリング名をexecuteDumpコマンドに渡す必要があります。 |
toAppend |
オプション。dfw.samplingArchiveの実行時に診断ダンプ・サンプルが前のサンプルに追加され、単一アーカイブとなるようにするどうかを指定するブール値。有効な値は、 |
args |
オプション。各サンプリング時に診断ダンプにより使用される診断ダンプ引数。引数は名前/値ペアで指定します。 |
server |
オプション。情報の収集元となるサーバーの名前。このパラメータを指定しないと、このコマンドにより、ダンプ・サンプリングが管理サーバーに関連付けられます。 |
例
次の例では、ダンプdms.metricsに対するサンプリングを追加します。
addDumpSample(sampleName='dms_metrics', diagnosticDumpName='dms.metrics', samplingInterval=300, rotationCount=10) dms_metrics is added
WLSTでの使用: オンライン
説明
すべてのダンプ・サンプリングを有効化または無効化します。このコマンドは構成済のすべてのダンプ・サンプリングに影響します。
構文
enableDumpSampling(enable [,server])
| 引数 | 説明 |
|---|---|
enable |
ダンプ・サンプリングを有効化または無効化するかを指定するブール値。有効な値は、 |
server |
オプション。ダンプ・サンプリングを有効化または無効化するサーバーの名前。このパラメータを指定しないと、このコマンドにより、管理サーバーに対するダンプ・サンプリングが有効化または無効化されます。 |
例
次の例では、すべてのダンプ・サンプリングを無効化します。
enableDumpSampling(enable=false)
Dump sampling disabled
WLSTでの使用: オンライン
説明
すべてのダンプ・サンプリングを、個々のサンプリング・ファイルとREADMEファイルを含むzipファイルに収集します。この方法は、バイナリ形式のダンプを扱う場合に特に有用です。
構文
getSamplingArchives([sampleName,] outputFile [,server])
| 引数 | 説明 |
|---|---|
name |
オプション。取得する特定のダンプ・サンプリングの名前。この引数を指定しない場合、このコマンドにより、すべてのダンプ・サンプリングが返されます。 |
outputFile |
ダンプ・サンプリングが書き込まれるファイルの絶対パス。 |
server |
オプション。情報の収集元となるサーバーの名前。このパラメータを指定しないと、このコマンドにより、管理サーバーに対するダンプ・サンプリングが収集されます。 |
例
次の例では、ダンプJVMThreadDumpに対するダンプ・サンプリングを取得します。
getSamplingArchives(sampleName="JVMThreadDump", outputFile="/tmp/jvm_dump.zip")
wrote 63518 bytes to /tmp/jvm_dump.zip
zipファイルの内容を次に示します。
unzip -l jvm_dump.zip
Archive: jvm_dump.zip
Length Date Time Name
-------- ---- ---- ----
508780 05-21-13 07:25 dfw_samplingArchive1065570966467923683.JVMThreadDump.dmp
840 05-21-13 07:25 dfw_samplingArchive7749640004639161119.readme.txt
-------- -------
509620 2 files
WLSTでの使用: オンライン
説明
ダンプ・サンプリングが有効化されているかどうかを示します。
構文
isDumpSamplingEnabled([server])
| 引数 | 説明 |
|---|---|
server |
オプション。ダンプ・サンプリングが有効化されているかどうかを判断するサーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。 |
例
次の例では、サーバーwls_server_1に対するダンプ・サンプリングが有効化されているか無効化されているかをリストします。
isDumpSamplingEnabled(server="wls_server_1")
true
WLSTでの使用: オンライン
説明
すべてのダンプ・サンプリング、指定されたダンプ・サンプリングまたは指定されたサーバーに関連付けられているすべてのダンプ・サンプリングを表示します。
構文
listDumpSamples([sampleName] [, server])
| 引数 | 説明 |
|---|---|
sampleName |
オプション。サンプリングの名前。 |
server |
オプション。ダンプ・サンプリングを一覧表示するサーバーの名前。このパラメータを指定しないと、このコマンドにより、管理サーバーに対するダンプ・サンプリングが一覧表示されます。 |
例
次の例では、サーバーwls_server_1に関連付けられているすべてのダンプ・サンプリングをリストします。
listDumpSamples(server="wls_server_1")
Name : JVMThreadDump
Dump Name : jvm.threads
Application Name :
Sampling Interval : 30
Rotation Count : 20
Dump Implicitly : true
Append Samples : true
Dump Arguments : context=true, timing=true, progressive=true, depth=20, threshold=30000
Name : JavaClassHistogram
Dump Name : jvm.classhistogram
Application Name :
Sampling Interval : 1800
Rotation Count : 5
Dump Implicitly : false
Append Samples : true
Dump Arguments :
WLSTでの使用: オンライン
説明
ダンプ・サンプリングを削除します。
構文
removeDumpSample(sampleName [,server])
| 引数 | 説明 |
|---|---|
sampleName |
削除するダンプ・サンプリングの名前。 |
server |
オプション。サンプリングの削除元となるサーバーの名前。このパラメータを指定しないと、管理サーバーからダンプ・サンプリングが削除されます。 |
例
次の例では、サーバーwls_server_1に関連付けられているHTTPSamplingという名前のダンプ・サンプリングを削除します。
removeDumpSample(sampleName="HTTPSampling", server="wls_server_1")
Removed HTTPSampling
WLSTでの使用: オンライン
説明
サンプリングの設定を変更して、指定されたダンプ・サンプリングを更新します。サンプリングの名前は変更できません。変更は、次回のサンプリング間隔から有効になります。
構文
updateDumpSample(sampleName [, appName], samplingInterval,
rotationCount [,dumpedImplicitly] [, toAppend] [, arg,]
[, server])
| 引数 | 説明 |
|---|---|
sampleName |
ダンプ・サンプリングの名前。 |
appName |
オプション。指定された診断ダンプに関連付けられているアプリケーションの名前。appNameを指定しない場合、診断ダンプの対象はシステムになります。 |
samplingInterval |
オプション。秒単位のサンプリング間隔。0または負の値を指定すると、サンプリングは一時停止されます。 |
rotationCount |
オプション。ローテーション・リストに含める診断ダンプ・サンプリングの最大数。この上限に達すると、最も古いサンプリングが削除されます。 |
dumpedImplicitly |
オプション。診断ダンプのアーカイブをdfw.samplingArchiveに含むかどうかを指定するブール値。有効な値は、 値がfalseの場合に、ダンプ・アーカイブをdfw.samplingArchiveに含めるには、argsパラメータを使用してサンプリング名をexecuteDumpコマンドに渡す必要があります。 |
toAppend |
オプション。dfw.samplingArchiveの実行時に診断ダンプ・サンプルが前のサンプルに追加され、単一アーカイブとなるようにするどうかを指定するブール値。有効な値は、 |
args |
オプション。各サンプリング時に診断ダンプにより使用される診断ダンプ引数。引数は名前/値ペアで指定します。 |
server |
オプション。情報の収集元となるサーバーの名前。このパラメータを指定しないと、管理サーバーに対してダンプ・サンプリングが更新されます。 |
例
次の例では、サンプリング間隔、ローテーション数およびサーバーを変更して、ダンプ・サンプリングHTTPSamplingを更新します。
updateDumpSample(sampleName="HTTPSampling", samplingInterval=200, rotationCount=5, server="wls_server1") HTTPSampling is updated