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Oracle® Fusion Middlewareインフラストラクチャ・コンポーネントWLSTコマンド・リファレンス
12c (12.2.1.1)
E77234-01
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7.3 選択的トレース・コマンド

表7-4のコマンドを使用して、選択的トレースを構成および使用します。選択的トレースにより、指定されたユーザーまたはリクエストの他のプロパティに対するきめ細かいロギングを実行することができます。WLST列で使用する場合は、オンラインとは、コマンドが実行中のサーバーに接続されている場合のみに使用されることを意味します。


表7-4 トレース・コマンド

使用するコマンド 用途 使用するWLST

configureTraceProvider

トレース・プロバイダを構成します。

オンライン

configureTracingLoggers

選択的トレースについて1つ以上のログ出力を構成します。

オンライン

listActiveTraces

アクティブなトレースをリストします。

オンライン

listTraceProviders

トレース・プロバイダをリストします。

listTracingLoggers

選択的トレースをサポートするログ出力をリストします。

オンライン

startTracing

選択的トレース・セッションを開始します。

オンライン

stopTracing

1つ以上の選択的トレース・セッションを停止します。

オンライン


7.3.1 configureTraceProvider

コマンド・カテゴリ: トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

トレース・プロバイダを構成します。現在は、プロバイダの有効化または無効化のオプションのみを使用できます。

構文

configureTraceProvider([target,] name, action)

引数 説明
target

オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、ターゲットは、JRFが有効化されたドメイン内の実行中のすべてのサーバーです。

name

必須。トレース・プロバイダ名。

action

プロバイダのトレースを有効または無効にします。有効な値は、enableおよびdisableです。このオプションは必須で、デフォルト値はありません。


次の例では、ドメイン内の実行中のすべてのサーバーでDMSトレースを無効化します。

configureTraceProvider(name='DMS', action='disable')

次の例では、サーバーwls_server1でDMSトレース・プロバイダを有効化します。

configureTraceProvider(target='wls_server1', name='DMS', action='enable')

7.3.2 configureTracingLoggers

コマンド・カテゴリ: トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

選択的トレースに対する1つ以上のロガーを構成します。このコマンドはまた、選択的トレースに対するロガーを有効または無効にします。

構文

configureTracingLoggers([target] [, pattern,] action)

引数 説明
target

オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、ドメイン内の、JRFが有効なすべての実行中のサーバー・インスタンス上のロガーがトレースに対して構成されます。

pattern

オプション。ロガー名のフィルタ処理に使用される正規表現パターン。デフォルト値は、すべてのトレース・ロガー名に一致します。

action

必須。すべてのログ出力のトレースを有効または無効にします。有効な値は、enableおよびdisableです。デフォルト値はありません。


次の例では、oracle.securityで始まるすべてのロガーについて選択的トレースを構成します。

configureTracingLoggers(pattern='oracle.security.*', action="enable")
Configured 80 loggers

次の例では、すべてのロガーについて選択的トレースを無効にします。

configureTracingLoggers(action="disable")
Configured 969 loggers

7.3.3 listActiveTraces

コマンド・カテゴリ: トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

アクティブなトレースを一覧表示します。

構文

listActiveTraces([target])

引数 説明
target

オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、ドメイン内の、JRFが有効なすべての実行中のサーバー・インスタンス上のロガーが一覧表示されます。


次の例では、アクティブなトレースを一覧表示します。

listActiveTraces()
-------------------------------------+----------+-----------+------+-------------------+---
Trace ID                             |Attr. Name|Attr. Value| Level| Start Time        |Exp. Time
-------------------------------------+----------+-----------+------+-------------------+---
bf13025b-b8f8-480d-8d92-14200a669b3e |USER_ID   |user1      | FINE |  5/28/13 12:28 PM | 
a04b47f7-2830-4d80-92ee-ba160cdacf6b |USER_ID   |user2      | FINE |  5/28/13 12:30 PM |

7.3.4 listTraceProviders

コマンド・カテゴリ: トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

使用可能なトレース・プロバイダの名前、ステータス、説明およびサポートされるパラメータをリストします。プロバイダのステータスは、プロバイダがすべてのターゲット上で有効化されるenabled、プロバイダがすべてのターゲット上で無効化されるdisabledまたはプロバイダが一部のターゲット上で有効化されるmixedのいずれかになります。

構文

listTraceProviders([target,] [name])

引数 説明
target

オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、JRFが有効化されたドメイン内の実行中のすべてのサーバー・インスタンス上のプロバイダがリストされます。

name

オプション。トレース・プロバイダ名。このパラメータを指定した場合、このプロバイダのみがリストされます。


次の例では、ドメイン内の実行中のすべてのサーバーのトレース・プロバイダをすべてリストします。

listTraceProviders()

7.3.5 listTracingLoggers

コマンド・カテゴリ: トレース

WLSTでの使用: オンラインまたはオフライン

説明

選択的トレースをサポートするログ出力をリストします。このコマンドでは、ログ出力名およびそのトレース・ステータスの表が表示されます。ステータスenabledは、すべてのサーバー上のトレースでロガーが有効であることを意味します。ステータスdisabledは、すべてのサーバー上のトレースでロガーが無効であることを意味します。ステータスmixedは、一部のサーバー上のトレースではロガーが有効であり、他のサーバー上のトレースではロガーが無効であることを意味します。

構文

listTracingLoggers([target] [, pattern])

引数 説明
target

オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、ドメイン内の、JRFが有効なすべての実行中のサーバー・インスタンス上のロガーが一覧表示されます。

pattern

オプション。ロガー名のフィルタ処理に使用される正規表現パターン。デフォルト値は、すべてのトレース・ロガー名に一致します。


次の例では、oracle.securityで始まるすべてのトレース・ロガーを一覧表示します。

listTracingLoggers(pattern="oracle.security.*")
------------------------------------------------------------------+--------
Logger                                                            | Status 
------------------------------------------------------------------+--------
oracle.security                                                   | enabled
oracle.security.audit.logger                                      | enabled
oracle.security.audit.config                                      | enabled
 .
 .
 .

7.3.6 startTracing

コマンド・カテゴリ: トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定されたユーザーまたはDMSコンテキスト属性に対する新しい選択的トレース・セッションを、指定されたトレース・レベルで開始します。

構文

startTracing([target,] [ traceId,] [attrName, attrValue,] [user,] level [, desc])

引数 説明
target

オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、ドメイン内の、JRFが有効なすべての実行中のサーバー・インスタンス上のロガーがトレースに含まれます。

traceId

オプション。トレース・セッションの識別子。traceIdが指定されない場合、コマンドは一意のtraceIdを生成します。

attrName

user引数が指定されない場合を除いて、オプション。有効な値は、USER _ID、APP、CLIENT_HOST、CLIENT_ADDR、composite_name、WEBSERVICE.name、WEBSERVICE_PORT.nameです。

attrValue

attrNameが指定されている場合は必須。属性の値。

user

ユーザー名。このユーザーに関連付けられているメッセージが戻されます。これは、attrNameおよびAttrValueオプションを指定してUSER_IDを渡すことと同じです。

level

必須。トレース・レベル。このレベルは、有効なJavaまたはODLレベルであることが必要です。『Oracle Fusion Middlewareの管理』の表「ODL、Oracle WebLogic ServerおよびJava間のログ・レベルのマッピング」を参照してください。

desc

オプション。トレース・セッションの説明。


次の例では、user1に関連付けられているメッセージのトレースを開始し、情報のレベルをFINEに設定します。

startTracing(user="user1",level="FINE")
Started tracing with ID: 885649f7-8efd-4a7a-9898-accbfc0bbba3 

7.3.7 stopTracing

コマンド・カテゴリ: トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

1つ以上の選択的トレース・セッションを停止します。

構文

stopTracing([target,] {stopAll] | traceId | attrName, attrValue | user} [, createIncident)

引数 説明
target

オプション。WebLogic Serverインスタンスの名前、または1つ以上のターゲット名を含む文字列の配列。デフォルトでは、ドメイン内の、JRFが有効なすべての実行中のサーバー・インスタンス上のロガーが操作に含まれます。

stopAll

アクティブなトレースをすべて停止するかどうかを決定するJythonブール値(0または1)。traceId、user、またはattrNameおよびattrValue引数が指定されていない場合は必須。デフォルト値は0 (false)です。

traceId

停止するトレース・セッションの識別子。stopAll、user、またはattrNameおよびattrValue引数が指定されていない場合は必須。

attrName

有効な値は、USER _ID、APP、CLIENT_HOST、CLIENT_ADDR、composite_name、WEBSERVICE.name、WEBSERVICE_PORT.nameです。traceId、user、stopAll引数が指定されていない場合は必須。

attrValue

attrNameが指定されている場合は必須。属性の値。

user

ユーザー名。このユーザーに関連付けられているすべてのトレース・セッションが停止されます。stopAll、traceId、またはattrNameおよびattrValue引数が指定されていない場合は必須。

createIncident

オプション。Jythonブール値(0または1)。trueの場合、停止するトレースごとにインシデントが作成されます。デフォルト値は0 (false)です。


次の例では、指定されたtraceIdを持つトレース・セッションを停止します。

stopTracing(traceId="a04b47f7-2830-4d80-92ee-ba160cdacf6b")
Stopped 1 traces

次の例では、すべてのトレース・セッションを停止します。

stopTracing(stopAll=1)
Stopped 1 traces