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Oracle® Fusion Middlewareインフラストラクチャ・コンポーネントWLSTコマンド・リファレンス
12c (12.2.1.1)
E77234-01
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7.2 検索および表示コマンド

表7-3のコマンドを使用して、Oracle Fusion Middlewareログ・ファイルを表示し、特定のメッセージのログ・ファイルを検索します。


表7-3 検索および表示コマンド

使用するコマンド 用途 使用するWLST

displayLogs

1つまたは複数のログを表示します。

オンラインまたはオフライン

listLogs

ログ・ファイルの内容を検索し、表示します。

オンラインまたはオフライン


7.2.1 displayLogs

コマンド・カテゴリ: 検索および表示

WLSTでの使用: オンラインまたはオフライン

説明

診断ログ・ファイルの内容を検索し、表示します。コマンドは、returnDataオプションをtrueに設定した場合のみ値を返します。デフォルトでは、このコマンドによってデータは返されません。戻り値は使用するオプションによって異なります。

構文

displayLogs([searchString,][target] [, oracleInstance] [, log] [, last] [, tail]
[, pattern] [, ecid] [, component] [, module] [, type] [, app] [, query] [, groupBy]
[, orderBy [, returnData] [, format] [, exportFile] [, follow])

引数 説明
searchString

オプションの検索文字列。指定した文字列(大文字と小文字は区別されない)を含むメッセージのみが返されます。

displayLogsコマンドでは、複数のフォーマットでログを読み込むことができ、ODLフォーマットにメッセージを変換できます。検索は、できるだけネイティブ・フォーマットで実行されます。それ以外の場合、検索がメッセージ・コンテンツ内に実行され、マークアップを除外する場合もあります。したがって、検索文字列でマークアップ文字の使用を避ける必要があります。

target

オプション。WebLogic Serverインスタンス、またはシステム・コンポーネントの名前。

システム・コンポーネントの場合、ターゲットの構文は次のとおりです:

sc:component-name

接続モードでは、デフォルトのターゲットはWebLogicドメインです。接続解除モードでは、デフォルト値がない、ターゲット・オプションは必須です。

oracleInstance

オプション。ORACLE_INSTANCEまたはWebLogicドメイン・ホームへのパスを定義します。このパラメータを使用すると、コマンドは接続解除モードで実行されます。

log

オプション。ログ・ファイルのパス。コマンドは、指定したログ・ファイルからメッセージを読み込みます。ログ・ファイルのパスを指定しない場合、コマンドは、指定したターゲットに関連付けられるすべてのログを読み込みます。

last

オプション。整数値。検索範囲を最後の指定分数以内に記録されたメッセージに制限します。値に接尾辞(秒はs、分はm、時間はhまたは日はd)を付加することで、異なる時間単位を指定することができます。(例: last='2h'は最後の2時間と解釈されます)。

tail

オプション。整数値。検索範囲を各ログ・ファイルに含まれる最後のn個のメッセージに制限し、表示されるメッセージ数をn個に制限します。

pattern

オプション。正規表現パターン。特定のパターンを含むメッセージのみが返されます。パターン・オプションの使用は、searchString引数の使用と同様ですが、正規表現を使用できる点が異なります。

正規表現パターンの検索では、(パターンの大文字/小文字を区別しないフラグを明示的に有効にしないかぎり)大文字と小文字が区別されます。パターンはjava.util.regex構文に従う必要があります。

ecid

オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上の実行コンテキストID (ECID)値を含む文字列または連続した文字列。

component

オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のコンポーネントID値を含む文字列または連続した文字列。

module

オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のモジュールID値を含む文字列または連続した文字列。

type

オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のメッセージ・タイプ値を含む文字列または連続した文字列。

app

オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のアプリケーション値を含む文字列または連続した文字列。

query

オプション。ログ・メッセージのコンテンツの絞込みに使用される式を指定する文字列。

単純な式の形式は次のとおりです:

field-name operator value

field-nameはログ・レコード・フィールド名で、operatorはフィールド・タイプに適する演算子です(たとえば、文字列フィールドのためにequals、startsWith、containsまたはmatchesを指定できます)。

フィールド名は、標準ODL属性名のいずれか(COMPONENT_ID、MSG_TYPE、MSG_TEXT、SUPPL_DETAILなど)、またはSUPPL_ATTRという接頭辞が付いたアプリケーション固有のサプリメンタル属性名(SUPPL_ATTR.myAttributeなど)のいずれかです。

一部の共通サプリメンタル属性は接頭辞なしで使用できます。たとえば、APPを使用して、アプリケーション名でフィルタ処理することができます。

ブール演算子andorおよびnotを使用し複数の単純な式を組み合せて複雑な式を作成することができます。そして、丸括弧を使用して式をグループ化できます。

問合せ構文の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』を参照してください。

groupBy

オプション。文字列リスト。groupByオプションを使用する場合、出力は文字列リストに定義された属性でグループしたログ・メッセージの数です。

orderBy

オプション。結果のソート順序を定義する文字列リスト。値はログ・メッセージの属性名です。必要に応じて、名前に:ascまたは:descのサフィックスを追加することで昇順または降順のソートを指定できます。デフォルトのソート順序は昇順です。

デフォルトでは、結果は時間でソートされます。

returnData

オプション。Jythonブール値(0または1)。値がtrueの場合、コマンドによってデータが返されます。(たとえば、スクリプトで使用するデータ)。デフォルト値がfalseです。つまり、コマンドはデータを表示するだけで、戻しません。

format

オプション。出力形式を定義する文字列。有効な値は、ODL-Text、ODL-XML、ODL-completeおよびsimpleです。デフォルト形式はODL-Textです。

exportFile

オプション。コマンド出力が書き込まれるファイルの名前。デフォルトでは、出力は標準出力に書き込まれます。

follow (f)

オプション。コマンドで引き続きログを読み取り、新規メッセージがログに追加された際にメッセージを表示するために、コマンドをフォロー・モードに設定します(Unixのtail -fコマンドと同様)。fオプションを使用すると、コマンドは値を戻しません。このオプションは、現在システム・コンポーネントではサポートされていません。


次の例では、ドメインのすべてのログ・ファイルから最後の100メッセージを表示します。

displayLogs(tail=100)

次の例では、最後の15分にログされるすべてのメッセージを表示します。

displayLogs(last='15m')

次の例では、指定した文字列を含むログ・メッセージを表示します。

displayLogs('Exception')

次の例では、指定したECIDを含むログ・メッセージを表示します。

displayLogs(ecid='0000Hl9TwKUCslT6uBi8UH18lkWX000002')

次の例では、ERRORまたはINCIDENT_ERRORタイプのログ・メッセージを表示します。

displayLogs(type=['ERROR','INCIDENT_ERROR'])

次の例では、指定したJava EEアプリケーションのログ・メッセージを表示します。

displayLogs(app="myApplication")

次の例では、システム・コンポーネントohs1のメッセージを表示します。

displayLogs(target="sc:ohs1")

次の例では、コンポーネントとタイプでメッセージ概要を表示します。

displayLogs(groupBy=['COMPONENT_ID', 'MSG_TYPE'])

次の例では、特定の時間間隔のメッセージを表示します。

displayLogs(query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20")

次の例では、詳細な問合せを示します。

displayLogs(query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20 and ( MSG_TEXT contains 
   exception or SUPPL_DETAIL contains exception )")

同じ問合せを次のように記述することができます。

displayLogs("exception", query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20")

7.2.2 listLogs

コマンド・カテゴリ: 検索および表示

WLSTでの使用: オンラインまたはオフライン

説明

Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのログ・ファイルの一覧を表示します。このコマンドは、ログごとに1つの要素を含むPyArrayを返します。配列の要素は、各ログを記述するjavax.management.openmbean.CompositeDataオブジェクトです。

構文

listLogs([target] [, oracleInstance] [, unit] [, fullTime]

引数 説明
target

オプション。WebLogic ServerインスタンスまたはOracle Fusion Middlewareシステム・コンポーネントの名前。

システム・コンポーネントの場合、ターゲットの構文は次のとおりです:

sc:component-name

接続モードでは、デフォルトのターゲットはWebLogicドメインです。

接続解除モードでは、デフォルト値がない、ターゲット・オプションは必須です。

oracleInstance

オプション。ORACLE_INSTANCEまたはWebLogicドメイン・ホームへのパスを定義します。このパラメータを使用すると、コマンドは接続解除モードで実行されます。

unit

オプション。ファイル・サイズをレポートするために使用する単位を定義します。有効な値は、B(バイト)、K(キロバイト)、M(メガバイト)、G(ギガバイト)またはH(判読可能な形式でサイズを表示するもので、UNIXのls -hオプションに似ています)です。デフォルト値はHです。

fullTime

オプション。Jythonブール値。trueの場合は、ログ・ファイルの最終更新日時の全時間をレポートします。それ以外の場合、時間の短いバージョンを表示します。デフォルト値はfalseです。


次の例では、WebLogicドメインのすべてのログ・ファイルの一覧を表示します。

listLogs()

次の例では、WebLogic Server server1のログ・ファイルを一覧表示します。

listLogs(target="server1")

次の例では、Oracle HTTP Server ohs1用のログ・ファイルの一覧を表示します。

listLogs(target="sc:ohs1")

接続解除モードで使用される次の例では、WebLogic Server server1のログ・ファイルを一覧表示します。

listLogs(oracleInstance="/scratch/Oracle/domains/base_domain",
           target="server1")