表7-3のコマンドを使用して、Oracle Fusion Middlewareログ・ファイルを表示し、特定のメッセージのログ・ファイルを検索します。
表7-3 検索および表示コマンド
使用するコマンド | 用途 | 使用するWLST |
---|---|---|
1つまたは複数のログを表示します。 |
オンラインまたはオフライン |
|
ログ・ファイルの内容を検索し、表示します。 |
オンラインまたはオフライン |
コマンド・カテゴリ: 検索および表示
WLSTでの使用: オンラインまたはオフライン
説明
診断ログ・ファイルの内容を検索し、表示します。コマンドは、returnDataオプションをtrueに設定した場合のみ値を返します。デフォルトでは、このコマンドによってデータは返されません。戻り値は使用するオプションによって異なります。
構文
displayLogs([searchString,][target] [, oracleInstance] [, log] [, last] [, tail] [, pattern] [, ecid] [, component] [, module] [, type] [, app] [, query] [, groupBy] [, orderBy [, returnData] [, format] [, exportFile] [, follow])
引数 | 説明 |
---|---|
searchString |
オプションの検索文字列。指定した文字列(大文字と小文字は区別されない)を含むメッセージのみが返されます。 displayLogsコマンドでは、複数のフォーマットでログを読み込むことができ、ODLフォーマットにメッセージを変換できます。検索は、できるだけネイティブ・フォーマットで実行されます。それ以外の場合、検索がメッセージ・コンテンツ内に実行され、マークアップを除外する場合もあります。したがって、検索文字列でマークアップ文字の使用を避ける必要があります。 |
target |
オプション。WebLogic Serverインスタンス、またはシステム・コンポーネントの名前。 システム・コンポーネントの場合、ターゲットの構文は次のとおりです: sc:component-name
接続モードでは、デフォルトのターゲットはWebLogicドメインです。接続解除モードでは、デフォルト値がない、ターゲット・オプションは必須です。 |
oracleInstance |
オプション。ORACLE_INSTANCEまたはWebLogicドメイン・ホームへのパスを定義します。このパラメータを使用すると、コマンドは接続解除モードで実行されます。 |
log |
オプション。ログ・ファイルのパス。コマンドは、指定したログ・ファイルからメッセージを読み込みます。ログ・ファイルのパスを指定しない場合、コマンドは、指定したターゲットに関連付けられるすべてのログを読み込みます。 |
last |
オプション。整数値。検索範囲を最後の指定分数以内に記録されたメッセージに制限します。値に接尾辞(秒は |
tail |
オプション。整数値。検索範囲を各ログ・ファイルに含まれる最後のn個のメッセージに制限し、表示されるメッセージ数をn個に制限します。 |
pattern |
オプション。正規表現パターン。特定のパターンを含むメッセージのみが返されます。パターン・オプションの使用は、searchString引数の使用と同様ですが、正規表現を使用できる点が異なります。 正規表現パターンの検索では、(パターンの大文字/小文字を区別しないフラグを明示的に有効にしないかぎり)大文字と小文字が区別されます。パターンはjava.util.regex構文に従う必要があります。 |
ecid |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上の実行コンテキストID (ECID)値を含む文字列または連続した文字列。 |
component |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のコンポーネントID値を含む文字列または連続した文字列。 |
module |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のモジュールID値を含む文字列または連続した文字列。 |
type |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のメッセージ・タイプ値を含む文字列または連続した文字列。 |
app |
オプション。ログ・メッセージのフィルタとして使用される1つ以上のアプリケーション値を含む文字列または連続した文字列。 |
query |
オプション。ログ・メッセージのコンテンツの絞込みに使用される式を指定する文字列。 単純な式の形式は次のとおりです: field-name operator value field-nameはログ・レコード・フィールド名で、operatorはフィールド・タイプに適する演算子です(たとえば、文字列フィールドのためにequals、startsWith、containsまたはmatchesを指定できます)。 フィールド名は、標準ODL属性名のいずれか(COMPONENT_ID、MSG_TYPE、MSG_TEXT、SUPPL_DETAILなど)、またはSUPPL_ATTRという接頭辞が付いたアプリケーション固有のサプリメンタル属性名(SUPPL_ATTR.myAttributeなど)のいずれかです。 一部の共通サプリメンタル属性は接頭辞なしで使用できます。たとえば、 ブール演算子 問合せ構文の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareの管理』を参照してください。 |
groupBy |
オプション。文字列リスト。groupByオプションを使用する場合、出力は文字列リストに定義された属性でグループしたログ・メッセージの数です。 |
orderBy |
オプション。結果のソート順序を定義する文字列リスト。値はログ・メッセージの属性名です。必要に応じて、名前に デフォルトでは、結果は時間でソートされます。 |
returnData |
オプション。Jythonブール値(0または1)。値がtrueの場合、コマンドによってデータが返されます。(たとえば、スクリプトで使用するデータ)。デフォルト値がfalseです。つまり、コマンドはデータを表示するだけで、戻しません。 |
format |
オプション。出力形式を定義する文字列。有効な値は、ODL-Text、ODL-XML、ODL-completeおよびsimpleです。デフォルト形式はODL-Textです。 |
exportFile |
オプション。コマンド出力が書き込まれるファイルの名前。デフォルトでは、出力は標準出力に書き込まれます。 |
follow (f) |
オプション。コマンドで引き続きログを読み取り、新規メッセージがログに追加された際にメッセージを表示するために、コマンドをフォロー・モードに設定します(Unixの |
例
次の例では、ドメインのすべてのログ・ファイルから最後の100メッセージを表示します。
displayLogs(tail=100)
次の例では、最後の15分にログされるすべてのメッセージを表示します。
displayLogs(last='15m')
次の例では、指定した文字列を含むログ・メッセージを表示します。
displayLogs('Exception')
次の例では、指定したECIDを含むログ・メッセージを表示します。
displayLogs(ecid='0000Hl9TwKUCslT6uBi8UH18lkWX000002')
次の例では、ERRORまたはINCIDENT_ERRORタイプのログ・メッセージを表示します。
displayLogs(type=['ERROR','INCIDENT_ERROR'])
次の例では、指定したJava EEアプリケーションのログ・メッセージを表示します。
displayLogs(app="myApplication")
次の例では、システム・コンポーネントohs1のメッセージを表示します。
displayLogs(target="sc:ohs1")
次の例では、コンポーネントとタイプでメッセージ概要を表示します。
displayLogs(groupBy=['COMPONENT_ID', 'MSG_TYPE'])
次の例では、特定の時間間隔のメッセージを表示します。
displayLogs(query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20")
次の例では、詳細な問合せを示します。
displayLogs(query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20 and ( MSG_TEXT contains exception or SUPPL_DETAIL contains exception )")
同じ問合せを次のように記述することができます。
displayLogs("exception", query="TIME from 11:15 and TIME to 11:20")
コマンド・カテゴリ: 検索および表示
WLSTでの使用: オンラインまたはオフライン
説明
Oracle Fusion Middlewareコンポーネントのログ・ファイルの一覧を表示します。このコマンドは、ログごとに1つの要素を含むPyArrayを返します。配列の要素は、各ログを記述するjavax.management.openmbean.CompositeDataオブジェクトです。
構文
listLogs([target] [, oracleInstance] [, unit] [, fullTime]
引数 | 説明 |
---|---|
target |
オプション。WebLogic ServerインスタンスまたはOracle Fusion Middlewareシステム・コンポーネントの名前。 システム・コンポーネントの場合、ターゲットの構文は次のとおりです: sc:component-name
接続モードでは、デフォルトのターゲットはWebLogicドメインです。 接続解除モードでは、デフォルト値がない、ターゲット・オプションは必須です。 |
oracleInstance |
オプション。ORACLE_INSTANCEまたはWebLogicドメイン・ホームへのパスを定義します。このパラメータを使用すると、コマンドは接続解除モードで実行されます。 |
unit |
オプション。ファイル・サイズをレポートするために使用する単位を定義します。有効な値は、 |
fullTime |
オプション。Jythonブール値。trueの場合は、ログ・ファイルの最終更新日時の全時間をレポートします。それ以外の場合、時間の短いバージョンを表示します。デフォルト値はfalseです。 |
例
次の例では、WebLogicドメインのすべてのログ・ファイルの一覧を表示します。
listLogs()
次の例では、WebLogic Server server1のログ・ファイルを一覧表示します。
listLogs(target="server1")
次の例では、Oracle HTTP Server ohs1用のログ・ファイルの一覧を表示します。
listLogs(target="sc:ohs1")
接続解除モードで使用される次の例では、WebLogic Server server1のログ・ファイルを一覧表示します。
listLogs(oracleInstance="/scratch/Oracle/domains/base_domain", target="server1")