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Oracle® Fusion Middlewareインフラストラクチャ・コンポーネントWLSTコマンド・リファレンス
12c (12.2.1.1)
E77234-01
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8.1 インシデント・コマンド

表8-2のコマンドを使用して、問題およびインシデントを表示し、インシデントを作成します。


表8-2 インシデント・コマンド

使用するコマンド 用途 使用するWLST

createAggregatedIncident

指定した基準に一致するインシデントのコピーを含むzipファイルが含まれている集計インシデントを作成します。

オンライン

createIncident

診断インシデントを作成します。

オンライン

getIncidentFile

指定したインシデント・ファイルの内容を取得します。

オンライン

listADRHomes

一連のADRホームのパスを一覧表示します。

オンライン

listIncidents

一連の診断インシデントを一覧表示します。

オンライン

listProblems

一連の診断問題を一覧表示します。

オンライン

queryIncidents

指定した基準に一致するインシデントをリストします。

オンライン

reloadCustomRules

すべてのカスタム診断ルールまたは指定したルールをリロードします。

オンライン、オフライン

showIncident

指定したインシデントの詳細を表示します。

オンライン


8.1.1 createAggregatedIncident

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定した基準に一致するインシデントのコピーを含むzipファイルが含まれている集計インシデントを作成します。

構文

createAggregatedIncident(query [, servers])

引数 説明
query

単純式で構成された式で、ブール演算子で連結できます。式には、インシデント属性、演算子および文字列が次の書式で含まれます。

attribute operator "string"

単純式はカッコ()でグループ化されたブール演算子ANDまたはORで連結できます。

次のインシデント属性がサポートされています。

  • TIMESTAMP: インシデント作成時間。fromおよびto演算子を使用して時間範囲を指定できます。日付書式はYYYY-MM-DD HH:MMです。

  • ECID: 実行コンテキストID

  • PROBLEM_KEY: 問題キー

  • MSG_FACILITY: エラー・メッセージ機能(ORA、OHSなど)

  • MSG_NUMBER: エラー・メッセージID (600など)

カスタム・インシデント属性もサポートされています。たとえば、TRACEID、APP、URI、AND DSIDがサポートされています。

サポートされている演算子は次のとおりです。

  • equals

  • notEqual

  • startsWith

  • endsWith

  • contains

  • isNull

  • notNull

servers

問い合せる1つ以上のサーバーの名前。この引数はオプションです。指定しない場合、ドメイン内のすべてのサーバーに対してコマンドが実行されます。

このオプションは、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、サーバーwls_server1でODL_TRACE_IDに123456を含むすべてのインシデントに対する集計インシデントを作成します。

createAggregatedIncident(query="ORDL_TRACE_ID equals 123456", servers="wls_server1")
Incident 55 created, containing the following incidents:
Server wls_server1
Incident Id    Problem Key                                     Incident Time
15                 TRACE [123456] [MANUAL]          Mon Apr 15 11:22:12 EDT 2013

次の例では、ドメイン内のすべてのサーバーでODL_TRACE_IDに123456を含むすべてのインシデントに対する集計インシデントを作成します。

createAggregatedIncident(query="ORDL_TRACE_ID equals 123456", servers="wls_server1")
Incident 55 created, containing the following incidents:
Server wls_server1, wls_server2
Incident Id    Problem Key                                     Incident Time
15                 TRACE [123456] [MANUAL]          Mon Apr 15 11:22:12 EDT 2013

8.1.2 createIncident

WLSTでの使用: オンライン

説明

診断インシデントを作成し、指定した情報を使用して、実行する一連の診断ルールおよびアクションを決定します。

構文

createIncident([adrHome] [,incidentTime] [,messageId] [,ecid] [,appName]
  [,description] [,server])

引数 説明
adrHome

インシデントを作成するADRホームのパス。ADRホームが存在している必要があります。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームが使用されます。

デフォルトADRホームは次の場所です。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
incidentTime

インシデントが発生した時点のタイムスタンプ。これが指定されていない場合、現在の時刻が使用されます。次のものを指定できます。

  • HH:MMの形式の現在の日の時刻。例: 19:45

  • MM/DD/YYYY HH:MMの形式の日付と時刻

messageId

エラー・メッセージのID。たとえば、MDS-50400です。

ecid

エラー・メッセージの実行コンテキストID。

appNname

診断を収集する対象となるデプロイされたアプリケーションの名前。

たとえば、複数のADFアプリケーションをデプロイした場合、それぞれがadf.dumpというダンプを登録することがあります。このコマンドを特定のアプリケーションに対して実行するには、そのアプリケーション名を指定する必要があります。

description

インシデントと関連付ける説明テキスト。これは、後でインシデントを確認する場合に便利です。

server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、IDがMDS-50400のメッセージに関連するインシデントを作成します。

createIncident(messageId="MDS-50400", description="sample incident")
Incident Id: 3
Problem Id: 2
Problem Key: MDS-50400 [MANUAL]
Incident Time:Tue May 28 11:52:45 PDT 2013
Error Message Id: MDS-50400
Execution Context:null
Flood Controlled: false
Dump Files :
   jvm_threads25_i3.txt
   dms_metrics26_i3.txt
   dfw_samplingArchive28_i3.readme.txt
   odl_logs29_i3.txt

8.1.3 getIncidentFile

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定したインシデント・ファイルの内容を取得します。

構文

getIncidentFile(id, name [,outputFile] [,adrHome] [,server])

引数 説明
id

取得するインシデントのID。

name

取得するファイルの名前。ファイルの名前を見つけるには、showIncident コマンドを使用します。

outputFile

出力の書き込み先となるファイルの名前。

adrHome

情報の取得元となるADRホームのパス。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームに問い合されます。

デフォルトADRホームは次の場所です。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、インシデントdms_metrics3_i1.dmpの内容を、指定した出力ファイルに書き込みます。

getIncidentFile(id='1', name='dms_metrics3_i1.dmp', outputFile='/tmp/incident1_dms.txt')
The content of 'dms_metrics3_i1.dmp'is written to /tmp/incident1_dms.txt

8.1.4 listADRHomes

WLSTでの使用: オンライン

説明

サーバーのすべてのADRホームのパスを一覧表示します。

構文

listADRHomes([server])

引数 説明
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、ADRホームのパスを一覧表示します。

listADRHomes()
diag/ofm/base_domain/AdminServer
diag/ofm/EMGC_DOMAIN/EMOMS

8.1.5 listIncidents

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定した問題ID(指定されている場合)または使用可能なすべてのインシデントの一連の診断インシデントを一覧表示します。

構文

listIncidents([id] [, adrHome] [,server])

引数 説明
id

一連の診断インシデントを一覧表示する問題のID。

adrHome

インシデントを問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームに問い合されます。

デフォルトADRホームは次の場所です。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、IDが1の問題に関連付けられているインシデントを一覧表示します。

listIncidents(id="1")
Incident Id     Incident Time                   Problem Key
        2       Tue May 28 11:05:59 PDT 2013    MDS-50500 [MANUAL]
        1       Tue May 28 11:02:22 PDT 2013    MDS-50500 [MANUAL]

8.1.6 listProblems

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定したADRホームに関連付けられている一連の診断問題を一覧表示します。

構文

listProblems([adrHome][,server])

引数 説明
adrHome

問題を問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームに問い合されます。

デフォルトADRホームは次の場所です。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、デフォルトADRホームの診断問題を一覧表示します。

listProblems()
Problem Id        Problem Key
         1        MDS-50500 [MANUAL]
         2        JOC-38922 [AdminServer] [oracle.cache.network]

8.1.7 queryIncidents

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定した基準に一致するインシデントをリストします。1つ以上のサーバー間、またはドメイン内のすべてのサーバーに対して特定の属性の値を問い合わせできます。

構文

queryIncidents(query [,servers])

引数 説明
query

単純式で構成された式で、ブール演算子で連結できます。式には、インシデント属性、演算子および文字列が次の書式で含まれます。

attribute operator "string"

単純式はカッコ()でグループ化されたブール演算子ANDまたはORで連結できます。

次のインシデント属性がサポートされています。

  • TIMESTAMP: インシデント作成時間。fromおよびto演算子を使用して時間範囲を指定できます。日付書式はYYYY-MM-DD HH:MMです。

  • ECID: 実行コンテキストID

  • PROBLEM_KEY: 問題キー

  • MSG_FACILITY: エラー・メッセージ機能(ORA、OHSなど)

  • MSG_NUMBER: エラー・メッセージID (600など)

カスタム・インシデント属性もサポートされています。たとえば、TRACEID、APP、URI、AND DSIDがサポートされています。さらに、インシデントのreadme.txtファイルに示されるコンテキスト値がサポートされています。たとえば、DFW_APP_NAMEおよびDFW_USER_NAMEがサポートされています。

サポートされている演算子は次のとおりです。

  • equals

  • notEqual

  • startsWith

  • endsWith

  • contains

  • isNull

  • notNull

servers

問い合せる1つ以上のサーバーの名前。この引数はオプションです。指定しない場合、ドメイン内のすべてのサーバーに対してコマンドが実行されます。

このオプションは、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、ドメイン内のすべてのインシデントに対してECID f19wAgN000001を問い合せます。

queryIncidents(query="ECID equals f19wAgN000001")

次の例では、2013年4月1日から2013年4月15日の間に発生したすべてのインシデントをサーバーwls_server1に問い合せます。

 queryIncidents(query="TIMESTAMP from '2013-04-01 00:00'AND TIMESTAMP to '2013-04-15 00:00'", servers=["wls_server1"])

8.1.8 reloadCustomRules

WLSTの使用状況: オンライン、オフライン

説明

すべてのカスタム診断ルールまたは指定されたカスタム診断ルールを再ロードします。

構文

reloadCustomRules([name] [, server])

引数 説明
name

カスタム診断ルールの名前。この引数はオプションです。指定した場合は、指定したルールのみが再ロードされます。この引数を指定しない場合、すべてのカスタム診断ルールが再ロードされます。

カスタム診断ルールを含むファイルが、次のいずれかのディレクトリに置かれている必要があります。

DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/dfw
DOMAIN_HOME/config/fmwconfig/servers/server_name/dfw
server

ルールの再ロード先のサーバーの名前。この引数はオプションです。指定しない場合、ルールはすべてのサーバーに再ロードされます。

このオプションは、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、カスタム診断ルールmyCustomRules.xmlを再ロードします。

reloadCustomRules(name='myCustomRules.xml')

8.1.9 showIncident

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定したインシデントの詳細を表示します。

構文

showIncident(id, [adrHome][, server])

引数 説明
id

表示するインシデントのID。

adrHome

インシデントを問い合せるADRホームのパス。この引数が指定されていない場合、デフォルトADRホームに問い合されます。

デフォルトADRホームは次の場所です。

ADR_BASE/diag/OFM/domain_name/server_name
server

情報の収集元となる管理対象サーバーの名前。この引数は、管理サーバーに接続している場合にのみ有効です。


次の例では、IDが10のインシデントに関する情報を表示します。

showIncident(id="10")
Incident Id: 10
Problem Id: 10
Problem Key: MDS-50500 [MANUAL]
Incident Time:Tue May 28 11:02:22 PDT 2013
Error Message Id: MDS-50500
Execution Context:
Flood Controlled: false
Dump Files :
   readme.txt
   jvm_threads10_i1.txt
   dms_metrics11_i1.txt
   dfw_samplingArchive13_i1.JVMThreadDump.txt
   dfw_samplingArchive13_i1.readme.txt
   odl_logs14_i1.txt
   dms_metrics20_i1.txt