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Oracle® Fusion Middlewareインフラストラクチャ・コンポーネントWLSTコマンド・リファレンス
12c (12.2.1.1)
E77234-01
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6.4 DMSイベント・トレース・コマンド

表6-5のコマンドを使用して、イベント・トレースを構成します。イベント・トレースでは、再起動せずにライブ・トレースを構成できます。Oracle Fusion Middleware製品を使用して更新されたDMSメトリックは、DMSイベント・トレース機能を使用してトレースできます。

DMSイベント・トレースの使用の詳細は、「パフォーマンスのチューニング」のDMSトレースおよびイベントに関する項を参照してください。


表6-5 DMSトレース・コマンド

使用するコマンド 用途 使用するWLST

addDMSEventDestination

イベント・トレース構成に新しい宛先を追加します。

オンライン

addDMSEventFilter

イベント・トレース構成にフィルタを追加します。

オンライン

addDMSEventRoute

指定されたイベント・ルートをイベント・トレース構成に追加します。

オンライン

enableDMSEventTrace

イベント・トレースを有効にし、指定された条件と宛先および有効なイベント・ルートでフィルタを作成します。

オンライン

listDMSEventConfiguration

イベント・トレース構成の概要を表示します。

オンライン

listDMSEventDestination

1つの宛先またはすべての宛先のリストに関する完全な構成を表示します。

オンライン

listDMSEventFilter

フィルタの構成またはすべてのフィルタのリストを表示します。

オンライン

listDMSEventRoutes

イベント・ルートおよびそのステータス(有効または無効)を表示します。

オンライン

removeDMSEventDestination

指定した宛先を削除します。

オンライン

removeDMSEventFilter

指定したフィルタを削除します。

オンライン

removeDMSEventRoute

指定したイベント・ルートを削除します。

オンライン

updateDMSEventDestination

イベントの宛先の構成を更新します。

オンライン

updateDMSEventFilter

イベント・フィルタの構成を更新します。

オンライン

updateDMSEventRoute

イベント・ルートの構成を更新します。

オンライン


6.4.1 addDMSEventDestination

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

イベント・トレース構成に新しい宛先を追加します。同じIDの宛先がすでに存在している場合、その旨が報告され、宛先は追加されません。宛先を追加するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

構文

addDMSEventDestination(id [, name] ,class
              [, props= {'name': 'value'...}] [,server])

引数 説明
id

指定された宛先の一意の識別子。

name

オプション。宛先の名前。

class

宛先の完全なクラス名。

使用可能な宛先クラスのリストについては、表6-6を参照してください。

props

オプション。宛先に使用する名前/値プロパティ。表6-6に示されているように、一部に宛先にはプロパティが必要です。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


表6-6に、完全ランタイム・クラス名を表示した組込みの宛先を示します。


表6-6 組込みの宛先

宛先のランタイム・クラス名 説明

oracle.dms.trace2.runtime.LoggerDestination

ODLを使用して、ログ・メッセージをファイルに送ります。

この宛先のプロパティのリストについては、表6-7を参照してください。

oracle.dms.event.HTTPRequestTrackerDestination

アクティブなHTTPリクエストのセットをダンプし、管理者がアクティビティのスナップショットを取得できるようにします。

この宛先のプロパティのリストについては、表6-8を参照してください。

oracle.dms.jrockit.jfr.JFRDestination

JRockit Mission Controlを使用してJRockit JVMおよびWLDFからの他のデータのコンテキストでイベントを表示できるように、JRockitフライト・レコーダにイベントを渡します。

この宛先のプロパティのリストについては、表6-9を参照してください。

oracle.dms.jmx.MetricMBeanFactory

ナウンをMBeanとして公開します。この宛先にはプロパティはありません。

oracle.dms.util.StackTraceCollatorDestination

特定のイベントが発生するたびに実行中のスタック・トレースを照合します。これは、主としてデバッグ・ツールです。

照合済のデータは、シャットダウン時に書き出されます。また、処理されているイベントが一定の時間内(デフォルトは1分間)に報告されなかった場合にも書き出されます。

この宛先のプロパティのリストについては、表6-10を参照してください。


表6-7に、宛先oracle.dms.trace2.runtime.LoggerDestinationのプロパティを示します。


表6-7 oracle.dms.trace2.runtime.LoggerDestinationのプロパティ

プロパティ 説明 有効な値

LoggerName

必須。ログ出力の名前。

有効なログ出力名。

writeDataAsMessageAttributes

オプション。trueに設定されている場合、イベント・データはログ・メッセージにコロン区切り文字列ではなくサプリメンタル属性として記録されます。イベント・データをサプリメンタル属性として記録することで、サプリメンタル属性を使用するODLの問合せ機能を利用できます。

例については、『Oracle Fusion Middlewareの管理』のWLSTを使用したログ・ファイルの検索に関する項を参照してください。

trueおよびfalse


表6-8に、宛先oracle.dms.event.HTTPRequestTrackerDestinationのプロパティを示します。


表6-8 oracle.dms.event.HTTPRequestTrackerDestinationのプロパティ

プロパティ 説明 有効な値

excludeHeaderNames

オプション。指定されたHTTPリクエスト・ヘッダーにセキュリティ・センシティブな情報が含まれる可能性がある場合に、宛先がそのようなヘッダーをレポートしないようにします。

除外するヘッダー名のカンマ区切りのリスト。

requestThresholdSeconds

オプション。リクエストがスローであるとみなされてからの秒数。generateIncidentMinutes設定が定義されていない場合、スロー・リクエストの検出時にだたちにインシデントが作成されます。

正の数値(秒単位)。

requestFilters

オプション。監視する特定のURIまたはURI+クリックのフィルタ。各フィルタには独自のしきい値があります。各フィルタは次のように定義されます。

thresholdInSeconds!!uri!!clickId

thresholdInSecondsは、この値を超えるとリクエストがスローとみなされる時間を定義します。uriは一致するURIで正規表現として記述できます。clickIdはオプションで、一致するクリックIDを定義します。正規表現として記述できます。

各フィルタは%%を使用して区切ることができます。例:

/SimpleWebApp-ViewController-context-root/.!!cb.%%/HCM-App/.!!'pt1:AP1:r3:0:AT1:_ATp:resId1:[0-9]+:cl1

requestFiltersが指定されている場合、requestThresholdSeconds設定はすべて無視されます。

リクエスト・フィルタのカンマ区切りのリスト

generateIncidentMinutes

オプション。スロー・リクエストが発生した場合、インシデントを生成する前に確認する頻度。この設定はrequestThresholdSeconds設定とともに使用します。

正の数値(秒単位)。

incidentSkipCount

オプション。スローリクエスト検出が有効になっている場合(requestThresholdSeconds設定で)、この設定を使用して、作成されたであろう最初のnのインシデントの作成を阻止できます。これは、最初のいくつかのリクエストを処理する追加オーバーヘッドのあるコールド・サーバーでは便利です。

正の数値(秒単位)。

maxRequestsReport

オプション。遅延インシデントの生成時にレポートする最大リクエスト数。この設定はgenerateIncidentMinutes設定とともに使用します。定義されていない場合、すべてのリクエストがレポートされます。

正の数値(秒単位)。

incidentDumps

オプション。スロー・リクエストの検出時に実行する診断ダンプのリスト。この設定が定義されていない場合、インシデントの作成時に診断ルールおよび診断ダンプのデフォルト・セットが評価されます。

診断ダンプ名のカンマ区切りのリスト。

dumpIntervalMinutes

オプション。最初のスロー・リクエストの検出時にダンプを実行する間隔。既存のincidentDumps設定とともに設定することで制御されます。これにより、インシデントを作成するよりも頻繁に診断を収集できます。たとえば、インシデントを30分ごとに作成し、ダンプを10分ごとに収集できます。

次に、どのように機能するかについて詳しく説明します。

  1. 最初のスロー・リクエストの検出時、HTTPRequestTracker宛先は指定された名前のダンプを実行してから、指定された頻度でさらにダンプをスケジュールします。

  2. 次のダンプ頻度の間隔で新しいスロー・リクエストがあった場合、ダンプは再度実行されます。ない場合、この間隔ではダンプは実行されません。

  3. 最後のダンプ頻度の間隔以降にスロー・リクエストがあった場合、レビュー期間の最後に、generateIncidentMinutes設定で指定されているように、さらにダンプが実行され、作成されたすべてのダンプ・ファイルを含むインシデントが作成されます。

インシデントのreadme.txtに各ダンプが取得された時期が詳しく記載されます。

正の数値(秒単位)。

enablePerformanceMetrics

オプション。URIまたはURI+クリックの組合せがスローと識別された後、同じURI+クリックと一致する後続のリクエスト(レビュー期間内)の追加診断が可能になります。追加診断により、リクエストで時間が費やされた箇所(JDBC、MDS、ADFなど)の概要が示されます。このデータはslowrequests.txtファイルに含められます。

trueまたはfalse。デフォルトはfalseです。


表6-9に、宛先oracle.dms.jrockit.jfr.JFRDestinationのプロパティを示します。


表6-9 oracle.dms.jrockit.jfr.JFRDestinationのプロパティ

プロパティ 説明 有効な値

maxRecordingSize

必須。DMS記録のサイズ(この値を超えると、フライド・レコーダーから古いデータが削除されます)

後ろにK (KB)、M (MB)、G (GB)が付いた整数


表6-10に、宛先oracle.dms.util.StackTraceCollatorDestinatioのプロパティを示します。


表6-10 oracle.dms.util.StackTraceCollatorDestinationのプロパティ

プロパティ 説明 有効な値

printStream

オプション。印刷ストリームの書込み先となる出力を識別する文字列

stderrまたはstdout。デフォルトはstderrです。

loggerName

オプション。出力の書込み先となるログ出力の名前。宛先はログ出力を確認し、INFOメッセージが記録されない場合はstderrの使用に戻ります。

有効なログ出力名。

clearTracesWhenDumped

オプション。現行データが書き出された後、宛先が一連の既知のスタックおよび発生回数をリセットすべきかどうか。Falseの場合、宛先の存続期間、一連のスタックおよび回数がメモリー内に累積されます。  

trueまたはfalse。デフォルトはfalseです。

minDumpIntervalInMinutes

オプション。特定のイベント・タイプについて照合されたデータを書き出す間の最小期間。

正の数値(分単位)。

eventTypesOfInterest

必須。スタック・トレースを照合するイベント・タイプを説明する文字列。

有効なイベント・タイプ。例: SENSOR。


次の例では、IDがdestination1、名前がFile-system、クラスがoracle.dms.trace2.runtime.LoggerDestinationである宛先を追加します。LoggerDestinationではloggerNameプロパティが必要であるため、値はtrace2-loggerに設定されます。

addDMSEventDestination(id='destination1', name='File-system',
                        class='oracle.dms.trace2.runtime.LoggerDestination', 
                        props={'loggerName': 'trace2-logger'})
 
Destination "destination1" added. 

次の例では、すでに存在しているIDを持つ宛先を追加しようとします。

addDMSEventDestination(id='destination1', name='File-system',
                        class='oracle.dms.trace2.runtime.LoggerDestination', 
                        props={'loggerName': 'trace2-logger'})
 
Destination "destination1" already exists. Unable to add this.

6.4.2 addDMSEventFilter

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

イベント・トレース構成にフィルタを追加します。同じIDのフィルタがすでに存在している場合、エラーが戻され、フィルタは追加されません。

イベント・フィルタを追加するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラー・メッセージが報告されます。

構文

addDMSEventFilter(id [, name] [, etypes,] 
                    props= {'prop-name': 'value'...} [, server])

引数 説明
id

指定されたフィルタの一意の識別子。

name

オプション。フィルタ名。

etypes

オプション。イベントとアクションのペアのカンマ区切りリストを含む文字列。この引数を条件とともに使用することで、よりきめ細かいフィルタを作成することが可能になります。より広範囲なメトリックを持つフィルタを作成することもできます。たとえば、すべてのナウン、またはアクションが作成されているすべてのナウンです。

props

prop-name: フィルタ・プロパティの名前。有効な唯一のプロパティは<condition>であり、指定できるのは1つの条件のみです。

value: フィルタのプロパティの値。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


etypesの構文は次のとおりです:

<etypes>:==
<type>:[<action>]

有効なetypesは次のとおりです:

NOUN:CREATE|DELETE|TYPE_CHANGE                        
SENSOR                        
EVENT_SENSOR:CREATE|DELETE|METRIC_SELECTION_CHANGED,
PHASE_SENSOR:CREATE|DELETE|METRIC_SELECTION_CHANGED|START|STOP|ABORT
STATE_SENSOR:CREATE|DELETE|METRIC_SELECTION_CHANGED|UPDATE
ROLLUP_SENSOR:CREATE|DELETE|METRIC_SELECTION_CHANGED
EXECUTION_CONTEXT:START|STOP|SUSPEND
HTTP_REQUEST:START|STOP|CONTEXT_CHANGED

次の点に注意してください。

  • SENSORには関連付けられたアクションはなく、関連するすべてのSENSORSおよび関連するアクションを含むために拡張されます。

  • 関連付けられたアクションを指定しないタイプは、そのタイプのすべてのアクションにデフォルト設定されます。たとえば、HTTP_REQUESTは次にデフォルト設定されます。

    HTTP_REQUEST:START,HTTP_REQUEST:STOP、HTTP_REQUEST:CONTEXT_CHANGED

次に、2つのイベントとアクションのペアがカンマで区切られたetypeを示します。

etypes='NOUN:DELETE, STATE_SENSOR:DELETE'

次に、引数props<condition>プロパティに対する構文を示します。引数については、構文の次にある表で説明しています。

<condition>::=
<type>  [<operator> <condition>]
<type>::=  
<nountype> | <context>
<nountype>::=
NOUNTYPE <nountype-operator> value
<nountype-operator>::=
"equals" | "starts_with" | "contains" | "not_equals"
<context>::=
CONTEXT <name> <context-operator> [<value>] [IGNORECASE=true|false] [DATATYPE="string|long|double"
]
<context-operator>::=
"equals" | "starts_with" | "contains" | "not_equals" | "is_null" | "gt" | "le" | "ge"
<operator>::=
 AND |OR 

次の表では、<type>の引数を示します。


説明
<nountype>

各センサーは、関連付けられているメトリックとともに、ナウンに応じて階層に編成されます。Nounタイプは、収集される一連のメトリックを反映する名前です。たとえば、JDBCはNounタイプの一例です。センサーおよびナウンの詳細は、「パフォーマンスのチューニング」の共通のDMSの用語と概念の理解に関する項を参照してください。

<context>

実行コンテキストは、実行コンテキストID (ECID)、関係ID (RID)および値のマップの関連付けです。この引数を使用することで、値のマップ内に格納されているデータをフィルタが調べて使用できるようになります。たとえば、マップにuserというキーが含まれている場合、userがbruceであるリクエストを戻すフィルタを作成することができます。


次の表では、<nountype>の引数を示します。


説明
NOUNTYPE

キーワード。

<nountype-operator>

有効な演算子は次のとおりです:

  • equals: Nounタイプ名がその値と等しい場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • starts_with: Nounタイプ名がその値で始まっている場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • contains: Nounタイプ名がその値と等しい場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • not_equals: Nounタイプ名がその値と等しくない場合のみ、フィルタ処理を行います。

value

操作するNounタイプの名前。パフォーマンスを測定するどのオブジェクトの名前でも指定できます。


次の表では、<context>の引数を示します。


説明
CONTEXT

キーワード。

name

フィルタ処理するコンテキストの名前。

value

操作するコンテキストの名前。

<context-operator>

有効な演算子は次のとおりです:

  • equals: コンテキスト名がその値と等しい場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • starts_with: コンテキスト名がその値で始まっている場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • contains: コンテキスト名がその値と等しい場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • not_equals: コンテキスト名がその値と等しくない場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • is_null: コンテキスト名がnullである場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • lt: コンテキスト名がその値未満である場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • gt: コンテキスト名がその値を超えている場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • le: コンテキスト名がその値以下である場合のみ、フィルタ処理を行います。

  • ge: コンテキスト名がその値以上である場合のみ、フィルタ処理を行います。

IGNORECASE

オプション。指定された場合、文字列データ型の大文字/小文字の区別は無視されます。デフォルトは、コンテキストで使用されている大文字/小文字です。

IGNORECASE AND DATATYPEは、コマンド内の位置には依存しません。

DATATYPE

オプション。有効な値は、string、longまたはdoubleです。デフォルトはstringです。

IGNORECASE AND DATATYPEは、コマンド内の位置には依存しません。


次の例では、名前がMyFilterであるフィルタを、Nounタイプおよびコンテキストを指定して追加します。

addDMSEventFilter(id='mds1', name='MyFilter', 
        props={'condition': 'NOUNTYPE equals MDS_Connections AND CONTEXT user equals bruce IGNORECASE'})
 
Filter "mds1" added.
 
 

次の例では、同じIDを持つフィルタを追加しようとします。このコマンドではエラーが戻されます。

addDMSEventFilter(id='mds1', name='MyFilter', 
      props={'condition': 'NOUNTYPE equals MDS_Connections AND CONTEXT user equals bruce'})
 
Unable to add filter "mds1" as a filter with that ID already exists for server "AdminServer".

次の例では、2つのイベントとアクションのペアを持つフィルタを追加します。

addDMSEventFilter(id='mds2', name='MyFilter', 
          etypes='NOUN:CREATE,HTTP_REQUEST:START', 
          props={'condition': 'NOUNTYPE equals MDS_Connections 
                  AND CONTEXT user equals bruce IGNORECASE=true'})
 Filter "mds2" added.

6.4.3 addDMSEventRoute

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

イベント・トレース構成に指定されたイベント・ルートを追加します。同じIDのイベント・ルートがすでに存在している場合、エラーが戻され、イベント・ルートは追加されません。

イベント・ルートを追加するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

構文

addDMSEventRoute([filterid,] destinationid [,enable=true|false] [,server])

引数 説明
filterid

オプション。フィルタの一意の識別子。

destinationid

特定の宛先の一意の識別子。この宛先が存在している必要があります。

enable

オプション。フィルタを有効にします。有効な値は、trueおよびfalseです。デフォルトは、trueです。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、フィルタIDがmds1で宛先IDがdestination1であるイベント・ルートを追加します。

addDMSEventRoute(filterid='mds1', destinationid='destination1', enable='false')
Event-route for filter "mds1", destination "destination1" added for server "AdminServer".

次の例では、すでに存在しているイベント・ルートを追加しようとしています:

addDMSEventRoute(filterid='mds1', destinationid='destination1', enable='false')
Unable to add event route as a mapping with filter "mds1" and destination "destination1" already exists for server "AdminServer".

6.4.4 enableDMSEventTrace

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

イベント・トレースを有効にし、指定された条件と宛先および有効なイベント・ルートでフィルタを作成します。これは、フィルタ、宛先およびイベント・ルートを明示的に作成せずにフィルタ処理を開始できるようにする簡単な方法ですが、構成オプションは少なくなります。指定された宛先が存在している必要があります。

DMSイベント・トレースを有効にするには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

より複雑な構成が必要な場合は、addDMSEventDestinationaddDMSEventFilterおよびaddDMSEventRouteを使用します。

構文

enableDMSEventTrace(destinationid [, etypes] [, condition]  [, server])

引数 説明
destinationid

特定の宛先の一意の識別子。既存の宛先はいずれも有効です。

etypes

オプション。イベントとアクションのペアのカンマ区切りリストを含む文字列。使用可能なetypesのリストについては、addDMSEventFilterを参照してください。

condition

オプション。フィルタ処理する条件。条件の構文については、addDMSEventFilterを参照してください。

条件が指定されない場合、すべてのDMSイベントが渡されます

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、指定された条件を持つイベント・トレースを有効にします。

enableDMSEventTrace(destinationid='destination1', condition='CONTEXT username EQUALS Joe AND CONTEXT ip EQUALS 192.168.1.5')
 
Filter "auto215443800" using Destination "destination1" added, and event-route enabled for server "AdminServer".

6.4.5 listDMSEventConfiguration

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

イベント・トレース構成の概要を表示します。

構文

listDMSEventConfiguration([server]) 

引数 説明
server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、接続している管理対象サーバーの構成を一覧表示します。

listDMSEventConfiguration()
 
Server: AdminServer
 
Event routes:
   Filter        :  auto215443800
   Destination   :  destination1
   Enabled       :  true

6.4.6 listDMSEventDestination

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

特定の宛先について、完全な構成を表示します。宛先IDが指定されない場合、イベント・トレース構成内のすべての宛先の宛先IDおよび名前が示されます。

構文

listDMSEventDestination([id] [, server])

引数 説明
id

オプション。特定の宛先の一意の識別子。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、接続している管理対象サーバーの宛先に関する情報を表示します。

listDMSEventDestination()
Server: AdminServer
 
   Id            : HTTPRequestTrackerDestination
   Name          : HTTP Request Tracker Destination
 
 
   Id            : mbeanCreationDestination
   Name          : MBean Creation Destination

次の例では、管理対象サーバーwls_server_1の宛先に関する情報を表示します。

listDMSEventDestination(server='wls_server_1')
Server: wls_server_1
 
   Id            : HTTPRequestTrackerDestination
   Name          : HTTP Request Tracker Destination
 
 
   Id            : mbeanCreationDestination
   Name          : MBean Creation Destination
 .
 .
 .

次の例では、宛先destination1に関する情報を表示します。

listDMSEventDestination(id='destination1')
Server: AdminServer
 
   Id            : destination1
   Name          : File-system
   Class         : oracle.dms.trace2.runtime.LoggerDestination
   Class Info    : Logs incoming events to the logger configured for the Destination.
   Properties    : 
       Name                         Value                                 
       loggerName                   trace2-logger              

6.4.7 listDMSEventFilter

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

特定のフィルタについて、完全な構成を表示します。フィルタIDを指定しない場合、イベント・トレース構成内のすべてのフィルタのフィルタIDおよび名前が表示されます。

構文

listDMSEventFilter([id] [, server])

引数 説明
id

オプション。指定されたフィルタの一意の識別子。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、イベント・トレース構成内のすべてのフィルタのリストを表示します。

listDMSEventFilter()
    Id                              Name                                  
    auto215443800                   auto generated using enableEventTrace 
    JFRFilter                       JFRFilter                             
    traceFilter                                                           
    mds2                            MyFilter                              
    mds1                            MyFilter        

次の例では、フィルタmds1の構成を表示します。

listDMSEventFilter(id='mds1')
Server: AdminServer
 
Id            : mds1
Name          : MyFilter
Properties    : 
      Condition :
      NOUNTYPE equals MDS_Connections AND CONTEXT user equals bruce IGNORECASE

6.4.8 listDMSEventRoutes

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定されたフィルタまたは宛先に関連付けられているイベント・ルートおよびそのステータス(有効か無効か)を一覧表示します。filteridまたはdestinationidを指定しない場合、イベント・トレース構成内のすべてのイベント・ルートが示されます。

構文

listDMSEventRoutes([filterid] [, destinationid][, server])

引数 説明
filterid

オプション。フィルタの一意の識別子。

destinationid

オプション。特定の宛先の一意の識別子。この宛先が存在している必要があります。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、すべてのイベント・ルートを示します。

listDMSEventRoutes()
Server: AdminServer
 
   Filter        :  auto215443800
   Destination   :  destination1
   Enabled       :  true
 
 
   Filter        :  None
   Destination   :  HTTPRequestTrackerDestination
   Enabled       :  true

次の例では、フィルタIDがfilter1であるイベント・ルートを一覧表示します。

listDMSEventRoutes(filterid='mds1')
Server: AdminServer
 
   Filter        : mds1
   Destination   : destination1
   Enabled       : false

次の例では、宛先IDがdestination1であるイベント・ルートを一覧表示します。

listDMSEventRoutes(destinationid='destination1')
Server: AdminServer
 
   Filter        : auto215443800
   Destination   : destination1
   Enabled       : true
   Filter        : mds2
   Destination   : destination1
   Enabled       : false
   Filter        : mds1
   Destination   : destination1
   Enabled       : false

6.4.9 removeDMSEventDestination

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

イベント・トレース構成から既存の宛先を削除します。宛先を削除できるのは、どのイベント・ルートもその宛先に依存していない場合のみです。その宛先に依存するイベント・ルートが存在する場合、警告が戻されます。

宛先を削除するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

構文

removeDMSEventDestination(id [, server]) 

引数 説明
id

削除する宛先の一意の識別子。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、宛先jfrを削除します。

removeDMSEventDestination(id='jfr')
 
Destination "jfr" removed. 

次の例では、宛先styx.inpass.db1を削除しようとします。しかし、この宛先にはイベント・ルートが存在するため、エラーが戻されます。

removeDMSEventDestination(id='styx.inpass.db1')
 
An event-route for destination 'styx.inpass.db1' exists. Unable to remove this destination for server "AdminServer".

6.4.10 removeDMSEventFilter

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

イベント・トレース構成から既存のフィルタを削除します。フィルタを削除できるのは、どのイベント・ルートもそのフィルタに依存していない場合のみです。そのフィルタに依存するイベント・ルートが存在する場合、警告が戻されます。

イベント・フィルタを削除するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

構文

removeDMSEventFilter(id [, server])

引数 説明
id

削除するフィルタの一意の識別子。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、フィルタmds1を削除します。

removeDMSEventFilter(id='mds1')
 
Filter "mds1" removed  for server "AdminServer". 

次の例では、イベント・ルートが現在存在しているフィルタを削除しようとします。

removeDMSEventFilter(id='allaccounts')
 
Filter "allaccounts" cannot be removed. An event-route currently exists for that
filter. Remove the event-route first using the command removeDMSEventRoute().

6.4.11 removeDMSEventRoute

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定されたイベント・ルートを削除します。イベント・ルートを追加するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

構文

removeDMSEventRoute([filterid] [, destinationid]
                    [, server])

引数 説明
filterid

オプション。フィルタの一意の識別子。

destinationid

オプション。特定の宛先の一意の識別子。この宛先が存在している必要があります。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、フィルタIDがmds1であり、宛先がjfrであるイベント・ルートを削除します。

removeDMSEventRoute(filterid='mds1', destinationid='jfr')
Event-route for filter "mds1", destination "jfr" removed for server "AdminServer".

次の例では、宛先がdestination1であるイベント・ルートを削除します。

removeDMSEventRoute(destinationid='destination1')
Event-route for filter "None", destination "destination1" removed for server "AdminServer".

6.4.12 updateDMSEventDestination

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

既存の宛先を更新します。このコマンドでは、指定された引数を更新できます。宛先を更新するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

構文

updateDMSEventDestination(id [, name,] class 
                 [,props= {'name': 'value'...}] [, server])

引数 説明
id

更新する宛先の一意の識別子。

name

オプション。宛先の名前。

class

宛先の完全なクラス名。

使用可能な宛先のリストについては、表6-6を参照してください。

props

オプション。宛先に使用する名前/値プロパティ。新しいプロパティを追加したり、既存のプロパティを更新または削除したりすることができます。プロパティを更新する場合は、すべてのプロパティを指定する必要があります。プロパティを省略すると、そのプロパティは削除されます。たとえば、ある宛先にプロパティLoggerNameおよびseverityが含まれている場合、severityを省略すると、severityはその宛先から削除されます。

構文および許可されている値については、addDMSEventFilterを参照してください。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、宛先jfrの名前を更新します。

updateDMSEventDestination(id='jfr', name='Alternative Flight-Recorder')
 
Destination "jfr" updated  for server "AdminServer". 

次の例では、存在しない宛先を更新しようとします。このコマンドではエラーが戻されます。

updateDMSEventDestination(id='destination1', 
           props={'loggerName': 'MyNewTrace2-logger'})
 
Destination "destination1" does not exist for server "AdminServer".

6.4.13 updateDMSEventFilter

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

イベント・トレース構成内の既存のフィルタを更新します。

イベント・フィルタを更新するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

構文

updateDMSEventFilter(id [, name] [,etypes], 
                     props= {'prop-name': 'value'...} [,server])

引数 説明
id

更新するフィルタの一意の識別子。

name

オプション。更新するフィルタの名前。

etypes

オプション。イベントとアクションのペアのカンマ区切りリストを含む文字列。有効な値のリストについては、addDMSEventFilterを参照してください。

props

prop-name: フィルタ・プロパティの名前。有効な唯一のプロパティは<condition>であり、指定できるのは1つの条件のみです。prop-nameの構文の詳細は、「addDMSEventFilter」を参照してください。

value: フィルタのプロパティの値。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、IDがmds1であるフィルタのフィルタ・プロパティを更新します。

updateDMSEventFilter(id='mds1', 
 props={'condition': 'NOUNTYPE equals XYZ_Total_Connections AND CONTEXT user equals bruce'})
 
Filter "mds1" updated for server "AdminServer"..

次の例では、存在しないフィルタを更新しようとします。

updateDMSEventFilter(id='Filter2')
 
Filter "Filter2" does not exist for server "AdminServer".

6.4.14 updateDMSEventRoute

コマンド・カテゴリ: DMSイベント・トレース

WLSTでの使用: オンライン

説明

指定されたイベント・ルートを有効または無効にします。イベント・ルートを更新するには、管理サーバーに接続している必要があります。接続していないと、エラーが戻されます。

構文

updateDMSEventRoute([filterid] [, destinationid] 
         [, enable=true|false] [, server])

引数 説明
filterid

オプション。フィルタの一意の識別子。

destinationid

オプション。特定の宛先の一意の識別子。この宛先が存在している必要があります。

enable

オプション。フィルタを有効にします。有効な値は、trueおよびfalseです。

server

オプション。この操作を実行する対象のサーバー。デフォルトは、接続しているサーバーです。


次の例では、filteridがmds1であり、destinationidがjfrであるイベント・ルートを無効にします。

updateDMSEventRoute(filterid='mds1', destinationid='jfr', enable='false')
Event-route for filter "mds1", destination "destination1" updated for server "AdminServer".