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Oracle® Fusion Middleware Oracle Fusion Middleware Infrastructureへのアップグレード
12c (12.2.1.1)
E77368-01
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A Upgrade Assistantの起動

この項では、Oracle Fusion Middleware Upgrade Assistantの実行方法について説明します。Upgrade Assistantは、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)モードとレスポンス・ファイル・モードのどちらでも実行できます。

このトピックで説明するオプションのコマンドライン・インタフェース引数を使用して、Oracle Fusion Middlewareコンポーネントを最新のバージョンにアップグレードできます。また、一部のアップグレード・タスクを自動化するレスポンス・ファイルを作成することもできます。

この節の内容は以下のとおりです。

A.1 グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)モードでのUpgrade Assistantの起動

Upgrade Assistantは、スキーマ、コンポーネント構成およびスタンドアロンのシステム・コンポーネントをアップグレードするために使用されます。

他のドメインのアップグレードを開始する前に、単一のドメインのスキーマのアップグレードおよびコンポーネント構成を正常に完了させることをお薦めします。

注意:

Upgrade Assistantは可能であればいつでも、SYSDBA以外のユーザーが実行する必要があります。スキーマをアップグレードするために必要な権限を持つユーザーを作成する手順は、非SYSDBAユーザーの作成で説明されています。
Upgrade Assistantを起動するには、次の手順に従います。
  1. UNIXオペレーティング・システムでは、ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/binに変更します。

    Windowsオペレーティング・システムでは、ディレクトリをORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\binに変更します。

  2. 次のコマンドを入力して、アップグレード・アシスタントを起動します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    ./ua

    Windowsオペレーティング・システムの場合:

    ua.bat

    次のUNIXの例に示すように、ロギング・パラメータを使用してアップグレード・アシスタントを起動することもできます。

    ./ua [-logLevel <log_level] [-logDir <log_directory>]

    ロギング・レベル。次のいずれかを選択します。
    • TRACE

    • NOTIFICATION

    • WARNING

    • ERROR

    • INCIDENT_ERROR

    デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

    注意:

    トラブルシューティングする場合、-logLevelTRACEに設定すると、より多くの情報がロギングされます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があるため、別の情報が必要ない場合は、logLevelを変更してください。

A.1.1 追加のパラメータ(オプション)を使用したUpgrade Assistantの起動

表A-1に、Upgrade AssistantをGUIモードで実行する際に使用できるコマンドライン・パラメータをリストします。次の例は、これらのパラメータを各オペレーティング・システムで使用する方法を示します。

UNIXオペレーティング・システムの場合:

ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/binに変更します。

コマンドを入力します: ./ua -help

Windowsオペレーティング・システムの場合:

ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/binに変更します。

コマンドを入力します: ua.bat -help

注意:

Oracle Upgrade Assistantを起動するときに、「サーバーに接続できません。」、「サーバーによって接続が拒否されました」または「表示を開くことができません」などのXlibエラーが発生する場合、「DISPLAY環境変数の設定」の説明に従ってDISPLAY環境変数を設定して、Upgrade Assistantを再起動する必要があります。

表A-1 Upgrade Assistant GUIコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須パラメータ/オプション・パラメータ 説明

-logLevel

オプション。

ロギング・レベル。次のいずれかを選択します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

注意:

トラブルシューティングする場合、-logLevelTRACEに設定すると、より多くの情報がロギングされます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があるため、別の情報が必要ない場合は、logLevelを変更してください。

注意:

TRACEメッセージは、Upgrade Assistantログ・ファイル・ビューアに含まれていません。TRACEメッセージを表示するには、別のツールを使用する必要があります。

-logDir

オプション。

注意:

Upgrade Assistantが読取り専用ディレクトリにインストールされている場合、ログ・ディレクトリを書込み可能にするには、このパラメータを指定する必要があります。ログ・ディレクトリが読取り専用である場合、Upgrade Assistantは機能しなくなります。

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を変更します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

UNIXオペレーティング・システムの場合、デフォルトの場所は次のとおりです。

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windowsオペレーティング・システムの場合、デフォルトの場所は次のとおりです。

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4スレッドです。

-readiness

準備状況チェックに必要

実際の調査またはアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

注意:

-readinessオプションは、コマンドラインに-examineオプションとともには表示されない場合があります。

詳細は、「準備状況チェックの実行」を参照してください

-help

オプション。

コマンドライン・オプションをすべてコンソールに出力します。

A.2 レスポンス・ファイル・モードでのUpgrade Assistantの起動

サイレントまたはハンズフリー・アップグレードはレスポンス・ファイルを使用して実行できます。レスポンス・ファイルはUpgrade Assistantの画面で情報を入力した後でのみ作成できます。

次のトピックでは、レスポンス・ファイルを使用して、サポートされているOracle Fusion Middlewareコンポーネントをサイレント・モードでアップグレードする方法について説明します。このレスポンス・ファイルは、Upgrade Assistantのグラフィカル・ユーザー・インタフェース画面で入力したすべての情報を収集し、Upgrade Assistantウィザードの機能とまったく同じ機能を実行します。

注意:

最初にUpgrade AssistantをGUIモードで実行して、サイレント・アップグレードを完了するためのレスポンス・ファイルを生成します。

A.2.1 アップグレード・レスポンス・ファイルの作成

「アップグレード・サマリー」画面の「レスポンス・ファイルの保存」オプションは、Upgrade Assistant画面ですでに入力した情報を使用するファイルを作成します。レスポンス・ファイルにより、Upgrade Assistantウィザードの画面を介してデータを手動で入力するかわりに、保存された情報を使用できます。

「レスポンス・ファイルの保存」オプションを選択すると、このレスポンス・ファイルの名前と作成場所を入力するように求められます。作成されたら、そのファイルをそのまま使用して他のシステムにアップグレード・オプションを複製するか、必要に応じて変更できます。

詳細は、「レスポンス・ファイルを使用したFusion Middlewareのアップグレード」を参照してください。

A.2.2 レスポンス・ファイルを使用したFusion Middlewareのアップグレード

コマンドライン・インタフェース(CLI)からレスポンス・ファイルを使用してアップグレードを実行するには、次のコマンドを使用します。

UNIXオペレーティング・システムでは、次のようにします。

ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin に変更します。

次を実行します。

./ua -response <response_file> [-examine] [-logLevel <log_level>] [-logDir <log_directory>] [-threads <number>]

Windowsオペレーティング・システムの場合:

ディレクトリをORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/bin に変更します。

次を実行します。

ua.bat -response <response_file> [-examine] [-logLevel <log_level>] [-logDir <log_directory>] [-threads <number>]

表A-2 Upgrade Assistantのレスポンス・ファイル・モードのコマンドライン・パラメータ

パラメータ 必須パラメータ/オプション・パラメータ 説明

-readiness

準備状況チェックに必要

実際の調査またはアップグレードを実行せずにアップグレードの準備状況チェックを実行します。

スキーマおよび構成がチェックされます。

注意:

-examineパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

詳細は、「準備状況チェックの実行」を参照してください

-threads

オプション

スキーマの同時アップグレードまたはスキーマの準備状況チェックに使用可能なスレッドの数を識別します。

値は、1 - 8の正の整数である必要があります。デフォルトは4スレッドです。

-response

必須。

アップグレードを実行するには、入力が含まれているファイルが必要です。このファイルは、グラフィカル・モードでUpgrade Assistantを実行しているときに入力した入力から生成できます。

-examine

オプション。

このオプションが有効になっている場合、Upgrade Assistantは調査フェーズを実行しますが、実際のアップグレードは行いません。

注意:

-readinessパラメータを指定した場合、このパラメータを指定しないでください。

-logLevel

オプション。

ロギング・レベル。次のいずれかを選択します。

  • TRACE

  • NOTIFICATION

  • WARNING

  • ERROR

  • INCIDENT_ERROR

デフォルトのロギング・レベルはNOTIFICATIONです。

注意:

-logLevelTRACEに設定すると、より多くの情報がロギングされます。これは、失敗したアップグレードをトラブルシューティングするときに役立ちます。-logLevel TRACEが使用されると、Upgrade Assistantのログ・ファイルは非常に大きくなる可能性があります。

-logDir

オプション。

アップグレード・ログ・ファイルおよび一時ファイルのデフォルトの場所を変更します。Upgrade Assistantによってログ・ファイルおよび一時ファイルが作成される、既存の書込み可能なディレクトリを指定する必要があります。

UNIXオペレーティング・システムの場合、デフォルトの場所は次のとおりです。

ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/logs
ORACLE_HOME/oracle_common/upgrade/temp

Windowsオペレーティング・システムの場合、デフォルトの場所は次のとおりです。

ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\logs
ORACLE_HOME\oracle_common\upgrade\temp

-help

オプション。

すべてのコマンドライン・オプションを表示します。

A.3 DISPLAY環境変数の設定

GUIモードでUpgrade Assistantを実行する場合、DISPLAY変数を適切に設定しないと、次のようなエラーが発生する場合があります。

Xlib: ":1.0"への接続がサーバーで拒否されました

Xlib: プロトコルが指定されていません

原因: これらのエラーは、画面にGUIの表示を許可するDISPLAY変数が適切に設定されていないことを示しています。

措置: 使用するローカル・ワークステーションのシステム名またはIPアドレスにDISPLAY環境変数を設定して、Upgrade Assistantを再実行します。

DISPLAY変数を設定してもこれらのエラーが発生し続ける場合は、vncconfigなどの他のGUIツールの起動を試みてください。同じエラーが表示される場合は、DISPLAY環境変数が正しく設定されていない場合があります。