プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Fusion Middleware Oracle HTTP Serverのアップグレード
12c (12.2.1.1)
E77367-01
目次へ移動
目次

前
前へ
次
次へ

5 スタンドアロンOracle HTTP Serverのアップグレード(以前の12cリリースから)

この章では、スタンドアロンOracle HTTP Serverを、以前のスタンドアロンOracle HTTP Server 12cリリースから最新の12cにアップグレードするプロセスについて説明します。

注意:

この章の情報は、『Oracle Fusion Middlewareのアップグレードのプランニング』を読んで必要なアップグレード前タスクを実行したことを前提としています。

この章の構成は、次のとおりです。

5.1 スタンドアロンOracle HTTP Serverのインストール

スタンドアロンOracle HTTP Serverをインストールする手順は次のとおりです。
  1. 12.2.1.1製品ディストリビューションをインストールするターゲット・システムにサインインします。
  2. Oracle HTTP Serverディストリビューション(UNIX向けのfmw_12.2.1.1.0_ohs_linux64.binとWindows向けのsetup_fmw_12.2.1.1.0_ohs_win64.exe)を、ターゲット・システム上でOracle Technology NetworkまたはOracle Software Delivery Cloudからダウンロードします。
  3. Oracle HTTP Serverディストリビューションをダウンロードしたディレクトリに移動します。
  4. 使用するマシンが次の要件を満たしていることを確認します。
    • システム、パッチ、カーネルおよびその他の要件が、Oracle HTTP Serverのインストールと構成に指定された内容を満たしていることを確認します。
    • Oracle HTTP Serverはデフォルトではポート7777にインストールされるので、ノード上のどのサービスでもポート7777を使用していないことを確認する必要があります。このポートが使用されているかどうかを確認するには、Oracle HTTP Serverをインストールする前に次のコマンドを実行します。このポートが使用されている場合は、解放する必要があります。

      netstat -an | grep 7777

  5. 次のコマンドを入力して、インストール・プログラムを開始します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    ./ohs_linux64.bin
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    setup_ohs_win64.exe
  6. UNIXオペレーティング・システムでは、このホストにOracle製品を初めてインストールする場合に、「インストール・インベントリの設定」画面が表示されます。
    中央インベントリを作成する場所を指定します。この画面で選択したオペレーティング・システム・グループ名に中央インベントリの場所への書込み権限があることを確認し、「次へ」をクリックします。

    注意:

    「インストール・インベントリの設定」画面は、Windowsオペレーティング・システムでは表示されません。
  7. 「ようこそ」画面の情報を参照し、すべての要件を満たしていることを確認して「次へ」をクリックします。
  8. 「自動更新」画面で、「自動更新をスキップ」を選択して「次へ」をクリックします。
    • この時点でソフトウェアの更新をシステムで確認しないようにする場合は、「自動更新をスキップ」を選択します。

    • パッチ・ファイルをダウンロードした場合は、「ディレクトリからパッチを選択」を選択してローカル・ディレクトリに移動します。

    • My Oracle Supportアカウントを持っている場合にソフトウェアの更新を自動でダウンロードするには、「My Oracle Supportで更新を検索」を選択します。Oracle Supportの資格証明を入力して、「検索」をクリックします。インストーラがMy Oracle Supportにアクセスするようにプロキシ・サーバーを構成するには、「プロキシ設定」をクリックします。「接続のテスト」をクリックして接続をテストします。

  9. 「インストールの場所」画面でOracleホーム・ディレクトリの場所を指定して、「次へ」をクリックします。
    ここでは、スタンドアロン・ドメインにOracle HTTP Serverの標準的なインストール・トポロジを使用してインストールを行っているため、Oracleホーム・ディレクトリを任意に指定できます。ただしこのソフトウェアを確実に、新規のOracleホームにインストールしてください。
    Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareインストールの計画のインストールと構成のディレクトリの選択を参照してください。
  10. 「インストール・タイプ」画面で、「スタンドアロンHTTPサーバー(WebLogic Serverとは切り離して管理)」を選択し、「次へ」をクリックします。
    インストール・タイプについて詳しくは、Oracle HTTP Serverのインストールと構成のOracle HTTP Serverの標準インストール・トポロジの概要を参照してください。
  11. 「前提条件チェック」画面で、ホスト・コンピュータを分析して、特定のオペレーティング・システムの前提条件を満たしているか確認します。
    前提条件のチェックが失敗すると、エラー・メッセージが画面の下方に表示されます。エラーを修正し、「再実行」をクリックして再試行します。
    エラーや警告メッセージを無視してインストールを続ける場合は、「スキップ」をクリックします(このアプローチはお薦めできません)。
  12. Oracle Supportアカウントを持っている場合は、「セキュリティ更新」画面で、セキュリティ更新を受け取る方法を指定します。
    Oracle Supportアカウントを所持しておらずこの手順を省略してもかまわない場合は、チェック・ボックスの選択を解除して、後続のダイアログ・ボックスで選択内容を確認します。
  13. 「インストール・サマリー」画面で、選択したインストール・オプションを確認します。
    これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合は、「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの場所と名前を入力します。レスポンス・ファイルを使用して、サイレント・インストールを実行できます。「インストール」をクリックします。
  14. 「インストールの進行状況」画面のプログレス・バーに100%が表示されたら、「次へ」をクリックします。
  15. 「インストール完了」画面に、インストールの場所と、インストールされた機能セットが表示されます。この画面の情報を確認し、「終了」をクリックしてインストーラを閉じます。
これで、Oracle HTTP Serverのスタンドアロン・モードでのインストールが完了しました。

5.2 再構成ウィザードを使用した既存のドメインの再構成

再構成ウィザードで、ドメインの場所を保持しながらドメインを再構成します。再構成ウィザードを使用して、ドメインを最新バージョンにアップグレードします。

ドメインを再構成する手順は次のとおりです。
  1. ドメインが存在するシステムにサインインします。
  2. エディション・ベースのデータベース・ユーザーのみ: エディション・ベースの再関連付けを有効にしてスキーマを構成した場合は、再構成ウィザードを実行する前に、デフォルトのエディション名を手動で指定する必要があります。
    デフォルトのエディションを設定するには、次のSQLコマンドを入力します。
    ALTER DATABASE DEFAULT EDITION = edition_name;

    ここで、edition_nameは、デフォルトのデータベース・エディションの名前です。

  3. 次のコマンドを入力して再構成ウィザードを実行します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    $ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin/reconfig.sh
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    %ORACLE_HOME%\oracle_common\common\bin\reconfig.cmd

    注意:

    reconfig.cmdまたはreconfig.shコマンドを実行すると、デフォルトのキャッシュ・ディレクトリが無効であることを示す次のエラー・メッセージが表示される場合があります。

    *sys-package-mgr*: パッケージ・キャッシュ・ディレクトリを作成できません。

    コマンドに-Dpython.cachedir=valid_directoryパラメータを含めることで、キャッシュ・ディレクトリを変更できます。

    再構成ウィザードを開始する際に、次の例に示すように"log"オプションを指定することをお薦めします。
    ./reconfig.sh -log=/$ORACLE_HOME/logs/reconfig.log -log_priority=ALL
    要件に応じてlog_priorityを設定できます。
  4. 「ドメインの選択」画面でアップグレードするドメインの場所を指定するか、「参照」をクリックして移動し、ドメイン・ディレクトリを選択します。「次へ」をクリックします。
  5. 「再構成セットアップの進行状況」画面には、設定プロセスの進行状況が表示されます。完了したら、「次へ」をクリックします。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • Fusion Middleware製品を含む、インストール済製品の再構成テンプレートが自動的に適用されます。これにより、config.xml、config-groups.xml、security.xmlなどの様々なドメイン構成ファイルが更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    • ドメイン・アップグレードが検証されます。

  6. 「ドメイン・モードおよびJDK」画面で、ドメインで使用するJDKを選択するか、「参照」をクリックして使用するJDKに移動します。「次へ」をクリックします。

    注意:

    ここでは「ドメイン・モード」は変更できません。
    特定のプラットフォームでサポートされているJDKのリストは、Oracle Fusion Middlewareでサポートされているシステム構成を参照してください。
  7. JDBCデータ・ソースには、データ・ソース・インスタンスの作成時、デプロイ時もしくはターゲット指定時、またはサーバー起動時に作成されるデータベース接続のプールが含まれます。
    アプリケーションはJNDIツリーでデータ・ソースをルックアップしてから、接続をリクエストします。アプリケーションに接続する必要がなくなった場合は、接続がデータ・ソースの接続プールに戻されます。
    ドメイン・ソースに定義されているJDBCデータ・ソースは「JDBCデータ・ソース」画面で構成できます。ドメインを作成する製品に関連付けられるJDBCデータ・ソースは、画面の下半分にリスト表示されます。
    設定を指定するデータ・ソースを「データソース名」ドロップダウン・リストから選択します。指定した値は、選択されたデータ・ソースのデータ・ソース・リストの適切な列に表示されます。
    データ・ソースがOracle RAC構成の場合は、次の3つのオプションのいずれかを選択できます。
    • GridLinkへ変換
    • RACマルチ・データ・ソースへ変換
    • 変換しない

    各オプションの詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。

    詳細を指定したら、「次へ」をクリックします。
    「JDBCデータ・ソース」画面でデータ・ソースを選択しないと、次の警告を示すポップアップが表示されます。
    ドライバがありません
    「OK」をクリックして検証せずに続行するか、「取消」をクリックして「JDBCデータ・ソース」ページに戻ります。
    この場合、「OK」をクリックしてもデータ・ソースは検証されません。
  8. 「JDBCデータ・ソース・テスト」画面で、「JDBCデータ・ソース」画面で構成したデータ・ソース接続のチェック・ボックスを選択し、「選択された接続のテスト」をクリックしてデータ・ソース接続をテストします。

    注意:

    データベース接続をテストするには、接続するデータベースが起動している必要があります。接続をテストしない場合は、データ・ソースを選択しません。「次へ」をクリックして続行します。
  9. 「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択します。
    RCUサービス表(STB)スキーマ資格証明を使用してデータベース接続の詳細を入力するか、「RCU構成の取得」をクリックします。
    再構成ウィザードは、この接続を使用してドメイン内のコンポーネントに必要なデータ・ソースを自動的に構成します。
    チェックに成功したら、「次へ」をクリックします。チェックが失敗した場合は、接続の詳細を正しく入力し直して再試行します。
  10. 「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面で、すべてのコンポーネント・スキーマを選択して「選択された接続のテスト」をクリックして、各スキーマの接続をテストします。
    チェックが終了したら、「次へ」をクリックします。
  11. 「ノード・マネージャ」画面は、再構成するドメインで、ホストごとのノード・マネージャが使用されている場合にのみ表示されます。
    「ノード・マネージャ」画面で、再構成したドメインで使用するノード・マネージャ構成を選択します。結果として生成される構成は、「ノード・マネージャ・タイプ」および「ノード・マネージャ構成」で選択したオプションの組合せに応じて異なります。

    表5-1 ノード・マネージャ画面のフィールドの説明

    オプション 説明
    ドメインごとのデフォルトの場所

    このオプションを選択すると、ノード・マネージャ・ホームが$domain_name/nodemanagerに再定義され、ノード・マネージャ・ホームを編集できなくなります。

    ドメインごとのカスタムの場所

    このオプションは、このドメインの特定の場所に、ドメインごとのノード・マネージャ構成ファイルを作成する場合に選択します。「ノード・マネージャ・ホーム」フィールドでディレクトリを指定するか、「参照」をクリックしてナビゲーション・ツリーを使用してその場所を選択します。指定するディレクトリは空である必要があります。このディレクトリに、nodemanager.propertiesおよびnodemanager.domainsファイルが作成されます。

    ノード・マネージャ・ホーム

    ドメインごとのカスタムの場所オプションを選択した場合は、「参照」をクリックして、ドメインごとのノード・マネージャ構成の格納に使用するディレクトリの場所に移動します。

    手動ノード・マネージャ・セットアップ

    このオプションを選択した場合は、ドメインのノード・マネージャ構成の作成がスキップされ、残りのフィールドはすべて変更できなくなるため、ドメインでノード・マネージャを使用する場合はノード・マネージャ構成の実行の説明に従って、ノード・マネージャを手動で構成する必要があります。再構成されたドメインでは、ホストごとのノード・マネージャ構成が引き続き使用されます。

    既存のドメインがノード・マネージャを使用するように構成されておらず、再構成されたドメインでノード・マネージャを使用しない場合も、このオプションを選択する必要があります。

    ノード・マネージャ構成の詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』を参照してください。

    ノード・マネージャ構成 次の2つのオプションから1つを選択します。「手動ノード・マネージャ・セットアップ」を選択した場合は、次のフィールドを使用できません。
    新規構成の作成 nodemanager.propertiesのデフォルトの設定を使用して、再構成されたドメインに、ドメインごとのノード・マネージャ構成が自動的に作成されます。ドメインが正常に再構成された後に、必要に応じて、nodemanager.propertiesを変更できます。
    既存の構成を移行 すでに存在するホストごとのノード・マネージャ構成が、再構成されたドメインのドメインごとの構成に移行されます。これには、ListenAddress、ListenPort、StartScriptName、JavaHomeおよびLogFileの環境固有の設定は含まれません。
    ノード・マネージャ・ホーム 「既存の構成を移行」オプションを選択した場合は、再構成したドメインの移行先にするノード・マネージャのホーム・ディレクトリを入力するか、参照してください。
    Oracle推奨デフォルトの適用

    このチェック・ボックスは、「既存の構成を移行」オプションを選択した場合に、nodemanager.propertiesファイルに指定されているOracle推奨のデフォルトを使用するときに選択します。移行されるnodemanager.propertiesファイルの設定を引き続き使用する場合は、このチェック・ボックスの選択を解除してください。

    推奨されるプロパティのデフォルト値は次のとおりです。

    LogLimit=0
    AuthenticationEnabled=true
    LogLevel=INFO
    DomainsFileEnabled=true
    NativeVersionEnabled=true
    LogToStderr=true
    SecureListener=true
    LogCount=1
    StopScriptEnabled=false
    QuitEnabled=false
    LogAppend=true
    StateCheckInterval=500
    CrashRecoveryEnabled=false
    StartScriptEnabled=true
    LogFormatter=weblogic.nodemanager.server.LogFormatter
    ListenBacklog=50
    ノード・マネージャ資格証明: ユーザー名、パスワード 再構成されたドメインで、ノード・マネージャの起動に使用するユーザー名とパスワードを指定します。
  12. 「拡張構成」画面で、拡張構成を実行するすべてのカテゴリを選択できます。選択したカテゴリごとに、詳細構成を行うことができる適切な構成画面が表示されます。

    注意:

    「拡張構成」画面に表示されるカテゴリは、ドメインで選択したテンプレートに定義されているリソースによって異なります。
    このアップグレードでは、オプションを選択せずに「次へ」をクリックします。
  13. 「構成のサマリー」画面で、ドメインの詳細な構成を確認してから続行します。
    「表示」ドロップダウン・リストからフィルタ・オプションを選択すると、右側のパネルに表示される項目を制限できます。
    構成を変更するには、「戻る」をクリックして適切な画面に戻ります。ドメインを再構成するには、「再構成」をクリックします。

    注意:

    ドメインの再構成時には、ドメインの場所は変更されません。
  14. 「再構成の進行状況」画面に、再構成プロセスの進行状況が表示されます。
    このプロセスでは次の処理が行われます。
    • ドメイン情報が抽出、保存および更新されます。

    • Fusion Middleware製品をサポートするスキーマ、スクリプトおよび他のファイルが更新されます。

    プログレス・バーに100%が表示されたら、「次へ」をクリックします。
  15. 「構成の終了」画面に、再構成プロセスが成功して完了したか、または失敗したかどうかが示されます。管理サーバーURL(リスニング・ポートを含む)とともに再構成されたドメインの場所も表示します。再構成が成功した場合は、Oracle Weblogic Serverの再構成に成功しましたと表示されます。
    再構成プロセスが成功して完了しなかった場合は、その理由を示すエラー・メッセージが表示されます。問題を解決するための適切な措置を講じます。問題を解決できない場合は、My Oracle Supportに連絡してください。
    今後の操作での使用に備えて、ドメインの場所と管理サーバーのURLを記録しておきます。

5.3 Upgrade Assistantを使用した12cドメインのアップグレード

Upgrade Assistantを使用して12cドメインをアップグレードする手順は次のとおりです。
  1. 次のコマンドを入力して、Upgrade Assistantを12.2.1.1のOracleホームから実行します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    $Oracle_Home/oracle_common/upgrade/bin/ua
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    %Oracle_Home%\oracle_common\upgrade\bin\ua.bat
  2. 「ようこそ」画面にUpgrade Assistantの概要と、アップグレード前のいくつかの重要なタスクについての情報が示されます。「次へ」をクリックします。
    Upgrade Assistantの使用の詳細は、Upgrade Assistantの画面で「ヘルプ」をクリックしてください。
  3. 「スタンドアロン・コンポーネント」画面で、「スタンドアロン・システム・コンポーネント構成」を選択します。
    「既存のドメインの更新」を選択し、既存の12cドメインの場所を「ドメイン・ディレクトリ」フィールドに入力します。「参照」ボタンをクリックして、ナビゲーション・ツリーを使用して既存のドメイン・ディレクトリを選択することもできます。「次へ」をクリックします。

    注意:

    • 「新規ドメインの作成」オプションは、バージョン11gからアップグレードする場合にのみ使用してください。

    • アップグレードした11gシステム・コンポーネント用に新しい12cスタンドアロン・ドメインをすでに作成している場合、「既存のドメインの更新」オプションを使用して、スタンドアロンOracle HTTP Serverを備えたスタンドアロン・ドメインを拡張できます。

    • 「既存のドメインの更新」オプションは、以前の12cリリース(12.1.2、12.1.3または12.2.1.0)から最新の12cリリース(12.2.1.1)にアップグレードする場合にのみ使用します。

  4. 「コンポーネント・リスト」画面で、ドメイン内でアップグレードするコンポーネントがすべてリストされていることを確認し、「次へ」をクリックします。
    アップグレードするコンポーネントがリストに含まれていない場合は、「戻る」をクリックして前の画面に戻り、別のドメインを指定します。
  5. 「前提条件」画面ですべてのチェック・ボックスを選択して、前提条件を満たしていることを確認します。「次へ」をクリックします。

    注意:

    Upgrade Assistantでは、前提条件が満たされているかどうかの確認は行われません。
  6. 「インスタンス・ディレクトリ」画面で、「12cソース」を選択して「次」をクリックします。
    以前の12cリリースから最新の12cリリースにアップグレードする場合は、Oracleインスタンス・ディレクトリの入力は必要ありません。
  7. 「調査」画面には、各コンポーネントを調査し、コンポーネントのアップグレード準備が整っていることを検証するUpgrade Assistantのステータスが表示されます。ステータスが「調査が終了しました。」になっている場合は、「アップグレード」をクリックします。
    調査フェーズが失敗した場合は、「調査失敗」ダイアログ・ボックスの「いいえ」をクリックして、アップグレードをキャンセルすることをお薦めします。「ログの表示」をクリックしてエラーの原因を確認し、共通するアップグレード・エラーの解決に関する情報をアップグレードのトラブルシューティングで参照します。

    注意:

    • 確認フェーズ中に検出された問題を、アップグレードを進めずに解決した場合は、バックアップからリストアを再び行わずにUpgrade Assistantを開始できます。ただし、「調査失敗」ダイアログ・ボックスで「はい」をクリックしてアップグレードを続行していた場合は、Upgrade Assistantを再開する前に、バックアップからアップグレード前の環境をリストアする必要があります。

    • 調査プロセスを取り消してもスキーマまたは構成データに影響はありませんが、将来のアップグレード・セッションでは、Upgrade Assistantが収集した情報を再収集する必要があります。

  8. 「アップグレード・サマリー」画面でツリーを展開して、選択したオプションの概要を確認します。
    アップグレードに進む前に、ソース・バージョンとターゲット・バージョンを参照して、両方のバージョンが正しいことを確認してください。
    レスポンス・ファイルには、Upgrade Assistantのグラフィカル・ユーザー・インタフェース画面で入力したすべての情報が収集して格納され、後でサイレント・アップグレードを実行するために使用できます。サイレント・アップグレードは、Upgrade Assistantウィザードとまったく同じ機能を実行しますが、データを手動で再入力する必要はありません。これらのオプションをレスポンス・ファイルに保存する場合、「保存」をクリックし、レスポンス・ファイルの名前および場所を指定します。
    「アップグレード」をクリックして、アップグレード・プロセスを開始します。
  9. 「アップグレードの進行状況」画面に、アップグレード・プロセスのステータスと、アップグレードが成功した後のコンポーネントの予測ターゲット・バージョンが表示されます。「次へ」をクリックします。

    注意:

    アップグレード・アシスタントにはアップグレードを実行するための十分な時間を与えてください。やむを得ない場合を除き、アップグレード操作は取り消さないでください。これを行うと、環境が不安定になる可能性があります。
    正しくアップグレードされていないコンポーネントがある場合は、Upgrade Assistantのログ・ファイルで情報を確認します。
  10. アップグレードに成功すると、「アップグレード成功」画面が表示されます。「閉じる」をクリックすると、アップグレードが完了しウィザードが終了します。
    新規インストールでコンポーネントを機能させるために手動で実行する必要のあるタスクが、アップグレード後のアクションのウィンドウに表示されます。これはオプションのウィンドウで、コンポーネントにアップグレード後の手順がある場合にのみ表示されます。
  11. アップグレードに失敗すると、「アップグレード失敗」画面が表示されます。これは、1つ以上のコンポーネントのアップグレードに失敗したことを示します。今行った操作では、コンポーネントをアップグレードできません。
    「ログの表示」をクリックすると、エラーの表示およびトラブルシューティングを行えます。
    Upgrade Assistantを再び起動する前に、アップグレード前の環境の問題を修正します。アップグレード前の環境をバックアップからリストアし(元のバックアップ・ファイルは必ず別の場所に保持してください)、問題を修正し、Upgrade Assistantを再起動します。

5.4 アップグレードの確認

ノード・マネージャおよびスタンドアロンOracle HTTP Serverを正しく起動できれば、アップグレードが成功したことを確認できます。アップグレード後の問題が発生した場合は、インストールのトラブルシューティングを実行してアップグレードを再試行する必要があります。詳細は、Oracle HTTP Server管理者ガイドのOracle HTTP Serverのトラブルシューティングを参照してください。

ノード・マネージャとスタンドアロンOracle HTTP Serverを起動する方法を次のトピックで参照してください。

5.4.1 ノード・マネージャの起動

WebLogic Serverの本番環境では、サーバー・インスタンスが複数のドメイン、マシン、および地理的な場所にまたがって分散することがよくあります。ノード・マネージャは、Oracle HTTP Serverインスタンスの管理(起動、停止および再起動)に使用できるWebLogic Serverユーティリティです。

Windowsオペレーティング・システムの場合は、ノード・マネージャを起動サービスとして実行するように構成することをお薦めします。これによって、システムが再起動されるたびに、ノード・マネージャが自動で起動されます。詳細は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』の起動サービスとしてのノード・マネージャの実行に関する項を参照してください。

注意:

UNIXプラットフォームでは、ノード・マネージャをルート・ユーザーとして実行しないでください。
  1. 次のディレクトリに移動します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    $DOMAIN_HOME/bin
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    %DOMAIN_HOME%\bin
  2. UNIXオペレーティング・システムで次のコマンドを実行して、ノード・マネージャを起動します。
    nohup ./startNodeManager.sh > nm.out&
    この例のnohupとnm.outはサンプル出力ファイルです。
    Windowsオペレーティング・システムで次のコマンドを実行して、ノード・マネージャを起動します。
    startNodeManager.cmd
    「スタート」メニューのショートカットからでもノード・マネージャを起動できます。「ツール」に続いて「ノード マネージャ」をクリックします。

5.4.2 スタンドアロンOracle HTTP Serverの起動

startComponent.sh|cmdスクリプトを使用してスタンドアロンOracle HTTP Serverを起動できます。

スタンドアロンOracle HTTP Serverを起動する手順は次のとおりです。
  1. 次のディレクトリに移動します。
    UNIXオペレーティング・システムの場合:
    $DOMAIN_HOME/bin
    Windowsオペレーティング・システムの場合:
    %DOMAIN_HOME%\bin
  2. UNIXオペレーティング・システムでは、次のコマンドを入力します。
    ./startComponent.sh ohs_name
    Windowsオペレーティング・システムでは、次のコマンドを入力します。
    startComponent.cmd ohs_name
    詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理のシステム・コンポーネントの起動と停止を参照してください。