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Oracle® Fusion Middleware Oracle SOA Suiteエンタープライズ・デプロイメント・ガイド
12c (12.2.1.1)
E77231-01
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20 エンタープライズ・デプロイメントでのOracle Managed File Transferの構成

次の各項では、エンタープライズ・デプロイメントにOracle Managed File Transferを追加する手順について説明します。

20.1 Oracle Managed File Transferについて

Oracle Managed File Transfer (MFT)は、標準ベースのファイル・ゲートウェイを提供します。転送の優先付け、ファイルの暗号化、スケジューリング、埋込みFTPサーバーと埋込みsFTPサーバーなどの機能を備えたWebベースのデザインタイム・コンソールで、ファイル転送の設計、デプロイメントおよび監視を実行できます。

Oracle MFTの詳細は、MFTのユーザーズ・ガイドのOracle Managed File Transferの理解に関する項を参照してください。

20.1.1 エンタープライズ・デプロイメントでのManaged File Transferについて

Managed File Transferは、Oracle SOA Suite、Oracle Service Bus、Business Activity Monitoringなどの他のコンポーネントとは別に、独自のドメイン内で実行されます。通常、単一の構成ウィザード・セッションで、ドメインを作成してManaged File Transferの管理対象サーバーを構成します。

Managed File Transferは、Oracle Web Services Manager (OWSM)を使用して、Managed File Transferアプリケーションと同じサーバー上でOWSMサービスを実行します。

Web層を構成する場合、Managed File Transferでは、Managed File TransferのSFTPリクエストのTCP通信をロード・バランシングするために、Oracle Traffic Directorが必要です。

Managed File Transferドメインは、他のFMWコンポーネントと同じホスト上に構成できます。このため、ホストごとのノード・マネージャ構成を使用することをお薦めします。この構成で、単一のノード・マネージャは、同じマシン上の異なるドメインを制御できます。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントに対するホストごとのノード・マネージャの構成」を参照してください。

20.1.2 Managed File Transferドメインの特徴

次の表に、作成するドメインの主な特徴を示します。これらの特徴を確認して理解することで、ドメインの構成手順の目的やコンテキストに対する理解が深まります。

これらの特徴の多くは、「標準的なエンタープライズ・デプロイメントの理解」で詳しく説明しています。

ドメインの特徴 詳細情報

管理サーバーに別個の仮想IP (VIP)アドレスを使用。

管理サーバーと管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリの構成

ドメイン内の管理サーバーと管理対象サーバーに別個のドメイン・ディレクトリを使用。

管理サーバーと管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリの構成

Managed File Transferと同じサーバーにデプロイされるOracle Web Services Managerを使用

アプリケーション層でのOracle Web Services Managerの使用

Web層からSFTリクエストをルーティングするためにOracle Traffic Directorが必要。

エンタープライズ・デプロイメントでのOracle Traffic Directorについて

単一の構成ウィザード・セッションを使用して、Managed File Transfer管理対象サーバーでInfrastructureおよびManaged File Transferソフトウェアを構成。ドメインは、後でOracle Traffic Directorを含めるように拡張されます。

エンタープライズ・デプロイメント用のManaged File Transferドメインの作成

ホストごとのノード・マネージャ構成を使用します。

標準的なエンタープライズ・デプロイメントのノード・マネージャ構成について

別途インストールされたLDAPベースの認証プロバイダが必要。

OPSSおよび認証ストアと認可ストアへのリクエストの理解

20.2 エンタープライズ・デプロイメントでOracle Traffic Directorの構成時に使用される変数

Oracle Traffic Diretor参照をインストールして構成する手順では、環境内で使用される実際の値に置換できる一連の変数を使用します。

これらの手順では、次のディレクトリの場所の変数が使用されます。

  • WEB_ORACLE_HOME

  • ASERVER_HOME

  • MSERVER_HOME

  • WEB_DOMAIN_HOME

  • JAVA_HOME

  • NM_HOME

詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。

さらに、「エンタープライズ・デプロイメント用の必須IPアドレスの予約」で定義されている次の仮想IP (VIP)アドレスを参照することになります。

  • ADMINVHN

この章のアクションは、次のホスト・コンピュータで実行します。

  • APPHOST1

  • APPHOST2

  • WEBHOST1

  • WEBHOST2

注意:

この章では、APPHOST1とAPPHOST2は、アプリケーション層ホストのより汎用的な変数を示すことに注意してください。この理由は、作成されるドメインに応じて、ホスト名変数が異なるためです。

たとえば、Oracle SOA Suiteドメイン用にOracle Traffic Directorを構成する場合、APPHOST1はSOAHOST1と同じです。ただし、通常は独自のドメイン内に構成されるOracle Managed File Transferドメイン用にOracle Traffic Directorを構成する場合、APPHOST1はMFTHOST1と同じです。

20.3 システム・クロックの同期

Oracle SOA Suiteを含むようにドメインを拡張する前に、各ホスト・コンピュータのシステム・クロックが同期していることを確認します。これは、各クラスタ内のホストで可能なかぎり同時にdateコマンドを実行することで行えます。

また、そのために使用できるサードパーティおよびオープンソースのユーティリティもあります。

20.4 Managed File Transferドメインを作成するための前提条件

Managed File Transferドメインを作成する前に、既存のデプロイメントが次の前提条件を満たしていることを確認します。

20.5 エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェアのインストール

次の各項では、エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェアのインストール方法を説明します。

20.5.1 MFTHOST1でのManaged File Transferインストーラの起動

インストール・プログラムを起動する手順は次のとおりです。

  1. MFTHOST1にログインします。
  2. インストール・プログラムがダウンロードされたディレクトリに移動します。
  3. 次の例に示すとおり、ご使用のシステムのJDKディレクトリからjava実行可能ファイルを実行し、インストール・プログラムを起動します。
    JAVA_HOME/bin/java -d64 -jar Installer File Name

    これらの例にあるJDKの場所は、ご使用のシステムの実際のJDKの場所に読み替えてください。

    Installer File Nameは、「エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェア・ダウンロードの特定と取得」にリストされているご使用の製品の実際のインストーラ・ファイルの名前に読み替えてください。

インストール・プログラムが表示されると、インストールを開始する準備ができています。

20.5.2 Managed File Transferをインストールする場合のインストール画面のナビゲート

インストール・プログラムでは次の表に記載された順番で一連の画面が表示されます。

インストール画面に関して詳細な情報が必要な場合は、画面名をクリックしてください。

画面 説明

ようこそ

製品のインストーラの紹介画面です。

自動更新

この画面を使用して、使用可能なパッチをMy Oracle Supportで自動的に検索するか、組織のためにすでにダウンロードしたパッチをローカル・ディレクトリで自動的に検索します。

インストールの場所

この画面を使用してOracleホーム・ディレクトリの位置を指定します。このOracleホームには、Oracle Fusion Middleware Infrastructureが含まれている必要があります。

Oracle Fusion Middlewareディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareのインストールのプランニングでインストールと構成のディレクトリの選択に関する項を参照してください。

インストール・タイプ

この画面を使用してインストールのタイプと、それに従ってインストールされる製品および機能を選択します。

  • 「Managed File Transfer」を選択します

前提条件のチェック

この画面では、ご使用のシステムが最小要件を満たしていることを検証します。

警告メッセージまたはエラー・メッセージが表示された場合は、Oracle Fusion Middleware Infrastructureのインストール計画システム環境の検証ロードマップに関する項でいずれかのドキュメントを参照してください。

インストール・サマリー

この画面を使用して、選択したインストール・オプションを確認します。

「インストール」をクリックしてインストールを開始します。

インストールの進行状況

この画面では、インストールの進行状況を参照できます。

進捗バーが100%完了になった後で、「次へ」をクリックします。

インストール完了

この画面の情報を確認してから、「終了」をクリックしてインストーラを終了します。

20.5.3 インストールの確認

インストールの完了後、次のタスクを正常に実行することでインストールを検証できます。

20.5.3.1 インストール・ログ・ファイルの確認

インストール・ログ・ファイルの内容を確認し、何も問題が発生していないことを確認します。ログ・ファイルの説明とその場所の詳細は、Oracle Universal Installerを使用したソフトウェアのインストールのインストール・ログ・ファイルの理解に関する項を参照してください。

20.5.3.2 Managed File Transferのディレクトリ構造のチェック

インストールの内容は、インストール中に選択したオプションによって異なります。

Managed File Transferを追加すると、次のディレクトリおよびサブディレクトリが追加されます。

/u01/oracle/products/fmw

cfgtoollogs
coherence
em
install
inventory
mft
OPatch
oracle_common
oraInst.loc
osb
oui
soa
wlserver

インストール後のディレクトリ構造の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの理解の「Oracle Fusion Middlewareの主要ディレクトリとは」を参照してください。

20.6 Managed File Transferデータベース・スキーマの作成

Managed File Transferドメインを構成する前に、このリリースのOracle Fusion Middlewareで使用する動作保証されたデータベースに必要なスキーマをインストールする必要があります。

20.6.1 リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)の起動

リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)を起動するには:

  1. 対象のシステムで、ORACLE_HOME/oracle_common/binディレクトリに移動します。
  2. 対象のシステムで、JAVA_HOME環境変数に、動作保証されたJDKの場所が設定されていることを確認します。この場所は、binディレクトリより上の階層にする必要があります。たとえば、JDKが/u01/oracle/products/jdkに存在する場合は、次のようになります。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    export JAVA_HOME=/u01/oracle/products/jdk
  3. RCUを起動します。

    UNIXオペレーティング・システムの場合:

    ./rcu

20.6.2 Managed File Transferスキーマを作成するためのRCU画面のナビゲート

スキーマ作成に必要なタスクは、次のとおりです。

タスク1   RCUの導入

「次へ」をクリックします。

タスク2   スキーマ作成の方法の選択

対象のデータベースに対するDBAアクティビティの実行に必要なパーミッションと権限が付与されている場合は、「システム・ロードおよび製品ロード」を選択します。この手順は、必要な権限が付与されていることを前提としています。

データベースに対するDBAアクティビティの実行に必要なパーミッションまたは権限が付与されていない場合は、この画面で、「システム・ロードに対するスクリプトの準備」を選択する必要があります。このオプションによってSQLスクリプトが生成され、必要なスキーマを作成するためにデータベース管理者が利用できます。リポジトリ作成ユーティリティを使用したスキーマの作成のシステム・ロードおよび製品ロードの理解に関する項を参照してください。

タスク3   データベース接続の詳細の指定

RCUがデータベースに接続できるようにするために、データベース接続の詳細を指定します。

「ホスト名」フィールドに、Oracle RACデータベースのSCANアドレスを入力します。

「DBMS/サービス」詳細を入力します。

「スキーマ所有者」および「スキーマ・パスワード」詳細を入力します。

「次へ」をクリックして先に進み、データベースへの接続が成功したことを確認するダイアログ・ウィンドウで、「OK」をクリックします。

タスク4   カスタム接頭辞の指定とスキーマの選択

このページで、次を行います:

  1. 「新規接頭辞の作成」を選択し、Managed File Transferスキーマに使用する接頭辞を入力します。Managed File Transferの新しいドメインを作成するため、一意のスキーマ接頭辞が必要です。

  2. スキーマのリストから、「Managed File Transfer」スキーマを選択します。

    これにより、次の依存スキーマが自動的に選択されます。

    • ユーザー・メッセージング・サービス

    • メタデータ・サービス

    • Oracle Platform Security Services

    • 監査サービス

    • 監査サービスへの追加

    • 監査サービス・ビューア

    • Oracle Enterprise Scheduler

  3. 「WebLogicサービス」を選択します。

    注意:

    WebLogicサービス・スキーマは自動的に選択されないため、必ず手動で選択してください。

カスタム接頭辞は、これらのスキーマを論理的にグループ化して、このドメイン内でのみ使用することを目的としています。複数のドメイン間でのスキーマの共有はサポートされていないため、ドメインごとに固有のスキーマのセットを作成する必要があります。

ヒント:

カスタム接頭辞の詳細は、リポジトリ作成ユーティリティを使用したスキーマの作成のカスタム接頭辞の理解に関する項を参照してください。

マルチドメイン環境でスキーマを編成する方法の詳細は、リポジトリ作成ユーティリティを使用したスキーマの作成のスキーマ作成の計画に関する項を参照してください。

「次へ」をクリックして先に進み、スキーマ作成の前提条件チェックが成功したことを確認するダイアログ・ウィンドウの「OK」をクリックします。

タスク5   スキーマのパスワードの指定

スキーマのパスワードをデータベースに設定する方法を指定してから、パスワードの指定と確認を行います。

ヒント:

この画面で設定するパスワードは、メモしておく必要があります。このパスワードは、後述するドメイン作成のプロセスで必要になります。

タスク6   カスタム変数の指定

SOAインフラストラクチャ・スキーマのカスタム変数を指定します。

エンタープライズ・デプロイメント・トポロジの場合、Database Profileのカスタム変数としてLARGEを入力し、Oracle Healthcareの使用を予定している場合は、Healthcare Integrationの変数としてYESを入力します。

タスク7   必須スキーマの表領域の検証

「表領域のマップ」画面で情報を確認し、「次へ」をクリックして、デフォルト値を受け入れます。

確認ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。

タスク8   スキーマ作成の完了

RCU画面の残りの部分を先に進めて、スキーマ作成を完了します。「完了サマリー」画面に到達したら、「閉じる」をクリックしてRCUを終了します。

タスク9   スキーマの作成の検証

スキーマが正常に作成されたことと、データベース接続詳細を確認するためには、SQL*Plusまたは別のユーティリティで、Managed File Transferスキーマ名および指定したパスワードを使用してデータベースに接続します。

例:

./sqlplus

SQL*Plus: Release 11.2.0.4.0 Production on Fri Nov 1 08:44:18 2013

Copyright (c) 1982, 2013, Oracle.  All rights reserved.

Enter user-name: FMW12211_MFT
Enter password: mft_schema_password

Connected to:
Oracle Database 11g Enterprise Edition Release 11.2.0.4.0 - 64bit Production
With the Partitioning, OLAP, Data Mining and Real Application Testing options

SQL>

20.7 エンタープライズ・デプロイメント用のManaged File Transferドメインの作成

Fusion Middleware構成ウィザードを使用して別個のManaged File Transferドメインを作成します。

20.7.1 構成ウィザードの起動

構成ウィザードを起動する手順は次のとおりです。

  1. WebLogic Serverコンソールで、このドメイン拡張によって変更されるすべての管理対象サーバーを停止します。影響を受けない管理対象サーバーは、オンラインのままにすることができます。
  2. 管理対象サーバーのステータスを確認してから、管理サーバーを停止します。
  3. 次のディレクトリに移動し、WebLogic Server構成ウィザードを起動します。
    cd ORACLE_HOME/oracle_common/common/bin
    ./config.sh

20.7.2 ドメインを作成および構成するための構成ウィザード画面のナビゲート

トポロジ用のドメインを作成および構成するには、構成ウィザードを使用します。

注意:

この手順を使用して既存のドメインを拡張できます。この手順の説明では要件が満たされない場合は、その要件に応じた選択を行うか、サポート・ドキュメントで追加の詳細を参照してください。

次の各項では、構成ウィザードの各手順を説明します。

20.7.2.1 ドメイン・タイプとドメイン・ホームの場所の選択

ドメイン・ホーム・ディレクトリの場所(Oracleホーム・ディレクトリの外部が最適)を選択する必要があります。

ドメイン・ホームの場所は、Oracle Fusion Middlewareの理解のOracle Fusion Middlewareの主要ディレクトリに関する項のディレクトリ構造に従って、Oracleホーム・ディレクトリの外に配置することをお薦めします。このディレクトリ構造は、ソフトウェアのアップグレードや再インストールが必要になった場合に問題が発生しないようにするのに役立ちます。

ドメイン・タイプおよびドメインのホーム・ディレクトリを指定する手順:

  1. 「構成タイプ」画面で、「新規ドメインの作成」を選択します。
  2. 「ドメインの場所」フィールドで、使用するドメイン・ホーム・ディレクトリを指定します。

この画面上のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成タイプに関する項を参照してください。

20.7.2.2 Templates for Oracle Managed File Transferの構成テンプレートの選択

「テンプレート」画面で、必要なテンプレートを選択します。

「テンプレート」画面で、「製品テンプレートを使用してドメインを作成」が選択されていることを確認し、次のテンプレートを選択します。

  • Oracle Managed File Transfer - 12.1.1.1.0 [mft]

    このテンプレートを選択すると、次の項目が依存関係として自動的に選択されます。

    • Oracle B2B Client

    • Oracle Enterprise Manager

    • Oracle WSM Policy Manager

    • Oracle JRF

    • WebLogic Coherenceクラスタ拡張

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のテンプレートに関する項を参照してください。

20.7.2.3 エンタープライズ・デプロイメント・ドメインのアプリケーション・ホームの場所の選択

「アプリケーションの場所」フィールドで、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」の定義に従って、APPLICATION_HOME変数の値を指定します。

ヒント:

この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「アプリケーションの場所」に関する項を参照してください。

20.7.2.4 管理者アカウントの構成

「管理者アカウント」画面では、ドメインに対するデフォルトのWebLogic管理者アカウントのユーザー名とパスワードを指定します。

この画面に入力するユーザー名とパスワードは、メモしておいてください。これらの資格証明は、このドメインの管理サーバーの起動とそのサーバーへの接続で、後で必要になります。

20.7.2.5 エンタープライズ・デプロイメントのドメイン・モードとJDKの指定

「ドメイン・モードおよびJDK」画面を使用して、ドメイン・モードおよびJava Development Kit (JDK)を指定します。

「ドメイン・モードおよびJDK」画面では、次の操作を実行します。

  • 「ドメイン・モード」フィールドで、「本番」を選択します。

  • 「JDK」フィールドで、Oracle HotSpot JDKを選択します。

ヒント:

この画面上のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のドメイン・モードとJDKに関する項を参照してください。

本番モードでは、起動アイデンティティ・ファイルを作成することで、管理サーバーの起動時に必要なユーザー名とパスワードの指定を省略できます。詳細は、「boot.propertiesファイルの作成」を参照してください。

20.7.2.6 エンタープライズ・デプロイメントのデータベース構成タイプの指定

「データベース構成タイプ」画面を使用して、データベースとデータベース・スキーマの詳細を指定します。

「データベース構成タイプ」画面で、「RCUデータ」を選択します。このオプションでは、構成ウィザードに対して、データベースおよびサービス表(STB)スキーマに接続し、ドメインの構成に必要なスキーマのスキーマ情報を自動的に取得するように指示します。

注意:

この画面で「手動構成」を選択した場合は、「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面でスキーマのパラメータを手動で入力する必要があります。

「RCUデータ」を選択してから、次の各フィールドに入力します。

フィールド 説明

DBMS/サービス

製品スキーマをインストールするOracle RACデータベースのサービス名を入力します。例:

orcl.example.com

必ずOracle RACデータベース内のすべてのインスタンスの識別に使用される共通サービス名を指定してください。ホスト固有のサービス名は使用しないでください。

ホスト名

Enterprise Deployment Workbookに入力したOracle RACデータベースのSingle Client Access Name (SCAN)アドレスを入力します。

ポート

データベースがリスニングするポート番号を入力します。例: 1521

スキーマ所有者

スキーマ・パスワード

データベースのサービス表スキーマに接続するためのユーザー名とパスワードを入力します。

これは、リポジトリ作成ユーティリティの「スキーマ・パスワード」画面でサービス表コンポーネントに指定されたスキーマのユーザー名およびパスワードです。

デフォルトのユーザー名はprefix_STBであり、この場合prefixはRCUで定義したカスタム接頭辞です。

データベース接続情報の指定を完了したら、「RCU構成の取得」をクリックします。「接続結果ログ」の次の出力は、操作が成功したことを示しています。

Connecting to the database server...OK
Retrieving schema data from database server...OK
Binding local schema components with retrieved data...OK

Successfully Done.

ヒント:

「RCUデータ」オプションの詳細は、『リポジトリ作成ユーティリティによるスキーマの作成』のサービス表スキーマの理解に関する項を参照してください。

この画面上のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のデータソースのデフォルトに関する項を参照してください。

20.7.2.7 エンタープライズ・デプロイメントのJDBCコンポーネント・スキーマ情報の指定

「JDBCコンポーネント・スキーマ」画面を使用して、データベース・スキーマの詳細を確認または指定します。

前の画面でRCUデータの取得を選択したため、スキーマ表は移入されています。

この時点では、これらの値は単一インスタンスのデータベースに接続するように構成されています。ただし、エンタープライズ・デプロイメントの場合、「エンタープライズ・デプロイメント用のデータベースの準備」の説明のように、可用性の高いReal Application Clusters (RAC)データベースを使用する必要があります。

さらに、各コンポーネント・スキーマでアクティブなGridLinkデータ・ソースを使用することをお薦めします。GridLinkデータ・ソースを使用してRACデータベースに接続する利点の詳細は、高可用性ガイドのデータベースの考慮事項に関する項を参照してください。

  1. スキーマ表の最初のヘッダー行にあるチェック・ボックスを選択することですべてのスキーマを選択します。
  2. 「GridLinkへ変換」をクリックし、「次へ」をクリックします。

20.7.2.8 GridLink Oracle RACデータベース接続の詳細情報の指定

「GridLink Oracle RACコンポーネント・スキーマ」画面で、次の表に示すように、RACデータベースおよびコンポーネント・スキーマへの接続に必要な情報を入力します。
要素 説明と推奨値

「SCAN」、「ホスト名」および「ポート」

「SCAN」チェック・ボックスを選択します。

「ホスト名」フィールドには、Oracle RACデータベースのSingle Client Access Name (SCAN)アドレスを入力します。

「ポート」フィールドには、データベースのSCANリスニング・ポートを入力します(1521など)

「ONSホスト」と「ポート」

「ONSホスト」フィールドには、Oracle RACデータベースのSCANアドレスを入力します。

「ポート」フィールドには、ONSリモート・ポートを入力します(通常は6200)。

FANの有効化

「FANの有効化」チェック・ボックスが選択され、データベースがFANイベントを受信および処理できることを確認します。

この画面で情報を指定する方法の詳細および適切なSCANアドレスの特定方法については、『高可用性ガイド』のOracle RACでのアクティブなGridLinkデータ・ソースの構成に関する項を参照してください。

また、「ヘルプ」をクリックすると、画面の各フィールドの簡単な説明を表示できます。

20.7.2.9 JDBC接続のテスト

「JDBCコンポーネント・スキーマ・テスト」画面を使用してデータ・ソース接続をテストします。

「ステータス」列に示される緑色のチェック・マークは、テストが成功したことを表します。問題が発生した場合は、この画面の「接続結果ログ」セクションに示されるエラー・メッセージを確認し、問題を修正してから接続テストを再試行してください。

デフォルトでは、スキーマの作成時に指定したパスワードが、各スキーマ・コンポーネントのスキーマ・パスワードです。スキーマ・コンポーネントに応じて異なるパスワードを使用する場合は、各行の「スキーマ・パスワード」列に使用するパスワードを入力して、前の画面(JDBCコンポーネント・スキーマ)でそれらを手動で編集します。パスワードを指定した後、パスワードを変更したスキーマに対応するチェック・ボックスを選択し、再度接続をテストします。

ヒント:

この画面上のその他のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のJDBCコンポーネント・スキーマのテストに関する項を参照してください。

20.7.2.10 ドメインのキーストアの指定

構成ウィザードの「キーストア」画面を使用して、ドメインで使用されるキーストアの詳細を指定します。

標準的なエンタープライズ・デプロイメントの場合は、デフォルト値を残すことができます。

詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のキーストアに関する項を参照してください。

20.7.2.11 エンタープライズ・デプロイメントの拡張構成の選択

「拡張構成」画面を使用して、ドメイン構成を完了します。

「拡張構成」画面で、次を選択します。

  • 管理サーバー

    管理サーバーのリスニング・アドレスを適切に構成するために必要です。

  • ノード・マネージャ

    ノード・マネージャを構成するために必要です。

  • サーバー・テンプレート、管理対象サーバー、クラスタ、動的サーバー、仮想ターゲットおよびCoherence

    MFT管理対象サーバーを構成するために必要です。

  • ファイル・ストア

    エンタープライズ・デプロイメント・ドメインの永続ファイル・ストアを設定するために必要です。

注意:

構成ウィザードの「拡張構成」画面を使用するときは、次のようにします。

  • この画面で前述のオプションのいずれかが使用可能でない場合は、「テンプレート」画面に戻り、このトポロジに必要なテンプレートが選択されていることを確認します。

20.7.2.12 エンタープライズ・デプロイメントでの管理サーバーのリスニング・アドレスの構成

「管理サーバー」画面を使用して、ホストのIPアドレスを選択します。

「管理サーバー」画面で、「リスニング・アドレス」の横にあるドロップダウン・リストを選択し、管理サーバーが存在するホストの名前を選択します。「すべてのローカル・アドレス」を使用しないでください。

管理サーバーにサーバー・グループは指定しないでください。

  1. 「サーバー名」フィールドで、デフォルト値(AdminServer. )を維持します
  2. 「リスニング・アドレス」フィールドに、「エンタープライズ・デプロイメント用のリソースの取得」で取得し、「エンタープライズ・デプロイメント用のホスト・コンピュータの準備」で有効化したADMINVHNのVIPに対応する仮想ホスト名を入力します。

    ADMINVHN仮想ホストを使用する理由の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメント用の必須IPアドレスの予約」を参照してください。

  3. 他のフィールドでは、デフォルト値をそのまま使用します。

    特に、管理サーバーにサーバー・グループが割り当てられていないことを確認してください。

20.7.2.13 ノード・マネージャ・タイプ(ホストごと)の構成

「ノード・マネージャ」画面を使用して、構成するノード・マネージャのタイプおよびノード・マネージャ資格証明を選択します。

ノード・マネージャ・タイプとして「手動ノード・マネージャ・セットアップ」を選択します。

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のノード・マネージャに関する項を参照してください。

ドメインごとのノード・マネージャおよびホストごとのノード・マネージャの実装の詳細は、「標準的なエンタープライズ・デプロイメントのノード・マネージャ構成について」を参照してください。

その他の情報は、『Oracle WebLogic Serverノード・マネージャの管理』複数マシンでのノード・マネージャの構成に関する項を参照してください。

20.7.2.14 エンタープライズ・デプロイメントでのManaged File Transferの管理対象サーバーの構成

構成ウィザードの「管理対象サーバー」画面を使用して、Managed File Transferドメインで必要な管理対象サーバーを作成します。

  1. 「追加」ボタンをクリックして、1台の管理対象サーバーを新規作成します。
  2. 「サーバー名」列でWLS_MFT1を指定します。
  3. 「リスニング・アドレス」列にMFTHOST1を入力します。

    MFTHOST1に対応するホスト名を必ず入力して、IPアドレスは使用しないでください。

  4. 「リスニング・ポート」列に7500と入力します。
  5. 「サーバー・グループ」ドロップダウン・リストで、MFT-MGD-SVRSを選択します。

    選択したサーバー・グループによって、Managed File TransferとOracle Web Services Manager (OWSM)ソフトウェアが、管理対象サーバーにターゲット設定されます。

    サーバーに対してOracle Web Services Manager (OWSM)ではなくMFTのみを対象とするMFT-MGD-SVRS-ONLYと呼ばれる別のサーバー・グループがあります。これは、通常、Oracle Web Services Manager (OWSM)がMFTサーバーとは異なるサーバーにある場合に使用されます。

    サーバー・グループは、定義済アプリケーション・サービス・グループを各定義済サーバー・グループにマップすることにより、Fusion Middlewareアプリケーションおよびサービスを1つ以上のサーバーにターゲット指定します。必要に応じて、特定のアプリケーション・サービス・グループを複数のサーバー・グループにマップできます。特定のサーバー・グループにマップされた任意のアプリケーション・サービスは、そのグループに割り当てられたすべてのサーバーに自動的にターゲット指定されます。詳細は、『ドメイン・テンプレート・リファレンス』のアプリケーション・サービス・グループ、サーバー・グループおよびアプリケーション・サービス・マッピングに関する項を参照してください。

  6. 「追加」をクリックし、このプロセスを繰り返して、WLS_MFT2という名前の2つ目の管理対象サーバーを作成します。

    「リスニング・アドレス」MFTHOST2と入力します。「リスニング・ポート」に7500と入力します。最初の管理対象サーバーに適用したものと同じサーバー・グループをWLS_MFT2管理対象サーバーに適用します。

    この手順で推奨する管理対象サーバー名(WLS_MFT1およびWLS_MFT2)はこのドキュメント全体で参照します。別の名前を選択した場合は、必要に応じてそれらの名前に置き換えてください。

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の管理対象サーバーに関する項を参照してください。

20.7.2.15 エンタープライズ・デプロイメントでのManaged File Transferクラスタの構成

「クラスタ」画面を使用して、新規クラスタを作成します。

  1. 「追加」をクリックします。
  2. 「クラスタ名」フィールドにMFT_Clusterを指定します。
  3. 「クラスタ・アドレス」フィールドは、空白のままにしておきます。
  4. 「フロントエンド・ホスト」フィールドにmft.example.comを指定します。
  5. 「フロントエンドHTTPポート」80を指定し、「フロントエンドHTTPSポート」443を指定します。

ヒント:

この画面のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のクラスタに関する項を参照してください。

20.7.2.16 クラスタへのManaged File Transferサーバーの割当て

「サーバーのクラスタへの割当」画面を使用して、管理対象サーバーを新しいクラスタに割り当てます。

  1. 「クラスタ」ペインで、管理対象サーバーを割り当てるクラスタ(ここではMFT_Cluster)を選択します。
  2. 「サーバー」ペインで、次のいずれかの操作を実行して、WLS_MFT1MFT_Clusterに割り当てます。
    • WLS_MFT1」を1回クリックして選択し、右矢印をクリックして「クラスタ」ペインの選択されているクラスタ(MFT_Cluster)の下に移動します。

      または

    • WLS_MFT1」をダブルクリックして、「クラスタ」ペインの選択されているクラスタ(MFT_Cluster)の下に移動します。

  3. これらの手順を繰り返して、WLS_MFT2をクラスタに割り当てます。

ヒント:

この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのクラスタへの割当」に関する項を参照してください。

20.7.2.17 エンタープライズ・デプロイメントでのCoherenceクラスタの構成

「Coherenceクラスタ」画面を使用して、ドメインに自動的に追加されるCoherenceクラスタを構成します。

「クラスタ・リスニング・ポート」9991と入力します。

注意:

Coherenceライセンス情報については、『Oracle Fusion Middlewareライセンス情報』のOracle Coherenceに関する項を参照してください。

20.7.2.18 Managed File Transfer用のマシンの作成

「マシン」画面を使用して、ドメイン内に3つの新規マシンを作成します。マシンは、ノード・マネージャでサーバーを起動または停止できるようにするために必要です。

  1. 「Unixマシン」タブを選択します。
  2. 「追加」ボタンをクリックし、3つの新しいUnixマシンを作成します。

    次の表の値を使用して、各マシンの名前およびノード・マネージャ・リスニング・アドレスを定義します。

  3. 「ノード・マネージャ・リスニング・ポート」フィールドのポート番号を確認します。

    この例に示されているポート番号5556は、このドキュメントの別の例でも引用されることがあります。このポート番号は、必要に応じて各自のポート番号に置換してください。

    注意:

    追加のドメインがすでに構成されているホスト上にインストールする場合で、ホストごとのノード・マネージャをすでに構成済の場合、この画面で構成されるアドレスおよびポートは、既存のホストごとのノード・マネージャが対象となります。

名前 ノード・マネージャのリスニング・アドレス ノード・マネージャのリスニング・ポート

MFTHOST1

MFTHOST1ホスト名変数の値。例: MFTHOST1.example.com

5556

MFTHOST2

MFTHOST2ホスト名変数の値。例: MFTHOST2.example.com

5556

ADMINHOST

ADMINVHN変数の値を入力します。

5556

ヒント:

画面上のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』のマシンに関する項を参照してください。

20.7.2.19 エンタープライズ・デプロイメントでのマシンへのサーバーの割当て

「サーバーのマシンへの割当」画面を使用して、管理サーバーと2つの管理対象サーバーを適切なマシンに割り当てます。

「サーバーのマシンへの割当」画面は、管理対象サーバーのクラスタへの割当て画面に似ています。「マシン」列でターゲット・マシンを選択し、左の列で管理対象サーバーを選択した後、右矢印をクリックしてそのサーバーを適切なマシンに割り当てます。

次のように、サーバーを割り当てます。

  • AdminServerをADMINHOSTマシンに割り当てます。

  • WLS-MFT1管理対象サーバーをMFTHOST1マシンに割り当てます。

  • WLS-MFT2管理対象サーバーをMFTHOST2マシンに割り当てます。

ヒント:

この画面に示されるオプションの詳細は、構成ウィザードを使用したWebLogicドメインの作成の「サーバーのマシンへの割当」に関する項を参照してください。

20.7.2.20 エンタープライズ・デプロイメントでのJMSファイル・ストアの構成

エンタープライズ・デプロイメントのドメインを構成する場合、JMSファイル・ストアの適切な場所を選択する必要があります。

「JMSファイル・ストア」画面の「ディレクトリ」列に次の場所を入力します。

ORACLE_RUNTIME/domain_name/cluster_name

「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」の定義に従って、ORACLE_RUNTIMEを変数の実際の値に置き換えます。

domain_nameを作成しているドメインの名前に置き換えます。

cluster_nameをこのドメイン用に構成したクラスタの名前に置き換えます。

20.7.2.21 構成の指定内容の確認とドメインの構成

「構成サマリー」画面に、作成しているドメインの詳細な構成情報が表示されます。

画面上の各項目を検討し、情報が正しいことを確認します。変更するには、「戻る」ボタンをクリックするか、ナビゲーション・ペインの画面を選択していずれかの画面に戻ります。ドメインの作成は、「作成」をクリックするまで開始されません。

ヒント:

この画面上のオプションの詳細は、『構成ウィザードによるWebLogicドメインの作成』の構成サマリーに関する項を参照してください。

20.7.2.22 ドメイン・ホームと管理サーバーURLの記録

「構成に成功しました」画面に、構成したばかりのドメインに関する情報が表示されます。

後で必要になるので、次の項目を書きとめます。

  • ドメインの場所

  • 管理サーバーURL

ドメインの場所はノード・マネージャおよび管理サーバーを起動するスクリプトにアクセスするため、URLは管理サーバーにアクセスするために必要です。

「終了」をクリックして、構成ウィザードを閉じます。

20.8 Managed File Transferドメイン用のノード・マネージャの構成

Managed File Transferドメインでは、ノード・マネージャで同じホスト上の複数のドメインを制御できるように、ホストごとのノード・マネージャを使用します。

MFTHOST1で最初にノード・マネージャを構成する場合、「エンタープライズ・デプロイメントに対するホストごとのノード・マネージャの構成」に記載されている手順に従ってください。ドメイン名とディレクトリは、Managed File Transferドメインの値に一致している必要があります。

MFTHOST1でホストごとのノード・マネージャをすでに構成している場合、新しいドメインを既存のノード・マネージャ構成に追加できます。

  1. MFTHOST1で、ディレクトリをホストごとのノード・マネージャ・ホーム・ディレクトリに変更します。
    cd NM_HOME
  2. テキスト・エディタを使用してnodemanager.domainsファイルを開きます。
  3. 管理サーバー・ドメイン・ホームと管理対象サーバー・ドメイン・ホームへのパスをnodemanager.domainsファイルに追加します。

    ドメイン・パスはセミコロンで区切ります。例:

    mftedg_domain=/u02/oracle/config/domains/mftedg_domain; /u01/oracle/config/domains/mftedg_domain
  4. ホストごとのノード・マネージャを再起動します。
(オプション)この手順の結果をここで入力します。

20.9 ドメイン・ディレクトリの構成とMFTHOST1上のサーバーの起動

ドメインを作成し、ノード・マネージャを構成したら、MFTHOST1で追加のドメイン・ディレクトリを構成し、管理サーバーおよび管理対象サーバーを起動できます。

20.9.1 ノード・マネージャを使用した管理サーバーの起動

ドメインを構成し、ノード・マネージャを構成したら、ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動できます。エンタープライズ・デプロイメントでは、ドメイン内の管理サーバーおよびすべての管理対象サーバーの起動および停止にノード・マネージャが使用されます。

ノード・マネージャを使用して管理サーバーを起動する手順は次のとおりです。

  1. WebLogic Scripting Tool (WLST)を起動します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    ./wlst.sh
  2. ノード・マネージャ資格証明を使用してノード・マネージャに接続します。
    wls:/offline>nmConnect('nodemanager_username','nodemanager_password',
                'ADMINVHN','5556','domain_name',
                'ASERVER_HOME','PLAIN')

    注意:

    このユーザー名とパスワードは、ノード・マネージャとクライアントの間の接続の認証にのみ使用されます。これらは、サーバー管理者IDおよびパスワードとは無関係であり、次のディレクトリにあるnm_password.propertiesファイルに格納されます。

    ASERVER_HOME/config/nodemanager
  3. 管理サーバーを起動します。
    nmStart('AdminServer')
    

    注意:

    管理サーバーを起動すると、WebServicesポリシーを取得するためにOracle Web Services Managerに接続しようとします。WSM-PM管理対象サーバーはまだ起動されていないため、次のメッセージが管理サーバー・ログに出力されます。

    <Warning><oracle.wsm.resources.policymanager>
    <WSM-02141><Unable to connect to the policy access service due to Oracle WSM policy manager host server being down.>
  4. WLSTを終了します。
    exit()

20.9.2 管理サーバーの検証

構成手順に進む前に、管理サーバーにインストールおよび構成されているOracle WebLogic Server管理コンソールおよびOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlにアクセスできることを確認し、管理サーバーが正常に起動したことを確認します。

Fusion Middleware Controlに移動するには、次のURLを入力し、Oracle WebLogic Server管理者の資格証明を使用してログインします。

ADMINVHN:7001/em

Oracle WebLogic Server管理コンソールに移動するには、次のURLを入力し、同じ管理者資格証明を使用してログインします。

ADMINVHN:7001/console

20.9.3 Derbyデータベースの無効化

管理対象サーバー・ディレクトリを作成して、管理対象サーバーを起動する前に、組込みDerbyデータベース(Oracle WebLogic Serverに含まれているファイルベースのデータベース)を無効にします。Derbyデータベースは、主に開発環境で使用されます。結果として、本番として使用可能なエンタープライズ・デプロイメント環境を構成する場合、それを無効にする必要があります。そうしないと、管理対象サーバーを起動するときに、Derbyデータベース・プロセスが自動的に開始されます。
Derbyデータベースを無効にする手順は次のとおりです。
  1. Oracleホームの次のディレクトリに移動します。
    WL_HOME/common/derby/lib
  2. Derberライブラリjarファイルの名前を変更します。
    mv derby.jar disable_derby.jar
  3. SOAHOST1およびSOAHOST2の各ORACLE_HOMEで手順1から2を完了します(別個の共有ファイル・システムを使用している場合)。

20.9.4 MFTHOST1での管理対象サーバーの個別ドメイン・ディレクトリの作成

エンタープライズ・デプロイメント用にドメインを初期作成すると、ドメイン・ディレクトリは共有ディスクにあります。このデフォルト・ドメイン・ディレクトリは、管理サーバーの実行に使用されます。これで、MFTHOST1とMFTHOST2の両方で、ローカル記憶域にドメインのコピーを作成できるようになりました。ローカル(またはプライベート)記憶域上のドメイン・ディレクトリは、管理対象サーバーの実行に使用されます。

サーバーが共有記憶域にログを書き込むことによって発生する潜在的な競合とオーバーヘッドを排除するために、MSERVER_HOMEをローカル記憶域に配置することをお薦めします。また、必要なクラスおよびjarをドメイン・ディレクトリからロードするほうが高速であるため、管理対象サーバーがドメイン・ディレクトリから使用するtmpまたはキャッシュのデータのほうがより迅速に処理されます。

「エンタープライズ・デプロイメント用のファイル・システムの準備」の説明のように、管理サーバー・ドメイン・ホームのパスはASERVER_HOME変数によって表され、管理対象サーバー・ドメイン・ホームのパスはMSERVER_HOME変数によって表されます。

管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリを作成する手順は次のとおりです。

  1. MFTHOST1にログインし、次のようにpackコマンドを実行してテンプレートを作成します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
     
    ./pack.sh -managed=true 
              -domain=ASERVER_HOME 
              -template=complete_path/mftdomaintemplate.jar 
              -template_name=soa_domain_template
    

    この例では、次のようになります。

    • ASERVER_HOMEを、共有記憶域デバイスに作成したドメイン・ディレクトリの実際のパスに置き換えます。

    • complete_pathを、ドメイン・テンプレートJARファイルを作成する場所の完全なパスに置き換えます。ドメイン・テンプレートJARファイルをコピーまたは解凍する際に、この場所を参照する必要があります。

    • mftdomaintemplateは作成するJARファイルのサンプル名であり、これにはドメイン構成ファイルが含まれます。

    • mft_domain_templateは、ドメイン・テンプレート・ファイルに割り当てられる名前です。

  2. packコマンドで作成したテンプレートJARファイルの場所を書き留めます。

    テンプレートJARファイルの完全なパスを、packコマンドの-template引数の一部として指定する必要があります。

    ORACLE_COMMON_HOME/common/bin/

    ヒント:

    packおよびunpackコマンドの詳細は、PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成のPackおよびUnpackコマンドの概要に関する項を参照してください。

  3. まだ作成していない場合は、MFTHOST1のローカル記憶域デバイスに管理対象サーバー・ドメインの推奨ディレクトリ構造を作成します。
  4. 次のようにunpackコマンドを実行して、ドメイン・ディレクトリ内のテンプレートをローカル記憶域に解凍します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=MSERVER_HOME \
                -overwrite_domain=true \
                -template=complete_path/mftdomaintemplate.jar \ 
                -log_priority=DEBUG \
                -log=/tmp/unpack.log \
                -app_dir=APPLICATION_HOME \

    注意:

    unpackコマンドで-overwrite_domainオプションを使用すると、管理対象サーバーのテンプレートを、既存のドメインおよび既存のアプリケーション・ディレクトリに解凍できます。上書きされるファイルがあれば、上書き前のファイルのバックアップ・コピーが作成されます。管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリにある起動スクリプトおよびearファイルになんらかの変更が適用されていた場合には、この解凍処理の後に起動スクリプトおよびearファイルをリストアする必要があります。

    また、ドメイン内のすべてのサーバーに適用するサーバー起動パラメータをカスタマイズするために、setUserOverrides.shというファイルを作成して、WebLogic Serverのクラスパスへのカスタム・ライブラリの追加、サーバーを実行するための追加のjavaコマンド行オプションの指定、追加の環境変数の指定などを行うよう構成できます。このファイルに追加されたカスタマイズはドメインのアップグレード操作中に保存され、packおよびunpackコマンドを使用する際にリモート・サーバーに継承されます。

    この例では、次のようになります。

    • MSERVER_HOMEを、ローカル記憶域ディスクに作成するドメイン・ホームの完全なパスに置き換えます。これは、ドメインのコピーの解凍先となる場所です。

    • complete_pathを、テンプレートJARファイルを作成またはコピーした場所の完全なパスに置き換えます。

    • mftdomaintemplate.jarは、packコマンドを実行して共有記憶域デバイス上のドメインを圧縮したときに作成したテンプレートJARファイルの名前です。

    ヒント:

    packおよびunpackコマンドの詳細は、PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成のPackおよびUnpackコマンドの概要に関する項を参照してください。

  5. ディレクトリを、新しく作成した管理対象サーバー・ディレクトリに変更して、ドメイン構成ファイルがMFTHOST1のローカル記憶域デバイスの適切な場所にコピーされていることを確認します。

20.9.5 MFTHOST1でのWLS_MFT1管理対象サーバーの起動と検証

ノード・マネージャを構成して管理対象サーバー・ドメイン・ディレクトリを作成したら、Oracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlを使用してMFTHOST1でWLS_MFT1管理対象サーバーを起動できます。

  1. ブラウザに次のURLを入力し、Fusion Middleware Controlログイン画面を表示します。
    http://ADMINVHN:7001/em
    

    この例では、次のようになります。

    • ADMINVHNを、「エンタープライズ・デプロイメント用のソフトウェア・ダウンロードの特定と取得」でADMINVHN仮想IPアドレスに割り当てたホスト名に置き換えます。

    • ポート7001は、管理サーバー・コンソールおよびFusion Middleware Controlで一般的に使用されるポートです。ただし、ドメインを作成したときに構成ウィザードのセッションの終わりに表示された実際のURLを使用する必要があります。

      ヒント:

      Oracle Enterprise Manager Fusion Middlewareを使用したOracle Fusion Middlewareの管理の詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理のOracle Enterprise Manager Fusion Middleware Controlの使用のスタート・ガイドを参照してください。

  2. 管理サーバー資格証明を使用してFusion Middleware Controlにログインします。
  3. 「サーバー」ペインを選択して、ドメイン内の管理対象サーバーを表示します。
  4. WLS_MFT1管理対象サーバーのみを選択して、ツールバーで「コントロール」「起動」をクリックします。
  5. 管理対象サーバーが正しく機能していることを検証するには、ブラウザを開き、次のURLを入力します。
    MFTHOST1:7500/wsm-pm/
    MFTHOST1:7500/mftconsole/

    要求に従って、ドメイン管理ユーザー名とパスワードを入力します。

20.10 ドメインの伝播とMFTHOST2上のサーバーの起動

MFTHOST1で管理サーバーとWLS_WSM1管理対象サーバーを起動して検証したら、MFTHOST2で次のタスクを実行できます。

20.10.1 MFTHOST2でのドメイン構成の解凍

MFTHOST1で管理サーバーと最初のWLS_WSM1管理対象サーバーを実行した後、MFTHOST2でドメインを構成できます。

  1. MFTHOST2にログインします。
  2. まだ作成していない場合は、MFTHOST2の記憶域デバイスに管理対象サーバー・ドメインの推奨ディレクトリ構造を作成します。
  3. MFTHOST2からmftdomaintemplate.jarにアクセスできることを確認します。
    たとえば、MFTHOST2に別の共有記憶域ボリュームまたはパーティションを使用している場合は、MFTHOST2にマウントされているボリュームまたはパーティションにテンプレートをコピーします。
  4. 次のようにunpackコマンドを実行して、ドメイン・ディレクトリ内のテンプレートをローカル記憶域に解凍します。
    cd ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    
    ./unpack.sh -domain=MSERVER_HOME
                -overwrite_domain=true
                -template=complete_path/mftdomaintemplate.jar 
                -log_priority=DEBUG
                -log=/tmp/unpack.log
                -app_dir=APPLICATION_HOME
    

    この例では、次のようになります。

    • MSERVER_HOMEを、ローカル記憶域ディスクに作成するドメイン・ホームの完全なパスに置き換えます。これは、ドメインのコピーの解凍先となる場所です。

    • complete_path/mftdomaintemplate.jarを、packコマンドを実行して共有記憶域デバイス上のドメインを圧縮したときに作成したドメイン・テンプレートJARファイルの完全なパスとファイル名に置き換えます。

    • APPLICATION_HOMEを、共有記憶域上のそのドメインのアプリケーション・ディレクトリの完全なパスに置き換えます。詳細は、「このガイドで使用するファイル・システムとディレクトリ変数」を参照してください。

    ヒント:

    packおよびunpackコマンドの詳細は、PackおよびUnpackコマンドによるテンプレートとドメインの作成のPackおよびUnpackコマンドの概要に関する項を参照してください。

  5. ディレクトリを、新しく作成したMSERVER_HOMEディレクトリに変更して、ドメイン構成ファイルがMFTHOST2のローカル記憶域デバイスの適切な場所にコピーされていることを確認します。

20.10.2 MFTHOST2でのノード・マネージャの起動

ホストごとのノード・マネージャ構成を使用するようにノード・マネージャを手動で設定したら、MFTHOST2で次のコマンドを使用してノード・マネージャを起動できます。
  1. ディレクトリをノード・マネージャ・ホーム・ディレクトリに変更します。
    cd NM_HOME
  2. 次のコマンドを実行してノード・マネージャを起動し、コマンドの出力を現在のターミナル・シェルではなく出力ファイルに送信します。
    nohup ./startNodeManager.sh > nodemanager.out 2>&1 &

20.10.3 MFTHOST2でのWLS_MFT2管理対象サーバーの起動と検証

「MFTHOST1でのWLS_MFT1管理対象サーバーの起動と検証」の手順を使用して、MFTHOST2上のWLS_WSM2管理対象サーバーを起動および検証します。

20.11 uploadおよびstageディレクトリの絶対パスへの変更

ドメインを構成し、すべてのホスト上の管理対象サーバーのドメイン・ディレクトリにそのドメインを解凍した後、新しい管理対象サーバーのuploadディレクトリとstageディレクトリを検証および更新します。

この手順は、リモート・デプロイメントの実行時の潜在的な問題の回避とステージ・モードが必要なデプロイメントのために必要です。

管理対象サーバー・ドメイン・ホーム・ディレクトリ内のすべての管理対象サーバーについてこれらのディレクトリ・パスを更新する手順は次のとおりです。

  1. Oracle WebLogic Server管理コンソールにログインします。

  2. 左側のナビゲーション・ツリーで、「ドメイン」「環境」を開きます。

  3. 「ロックして編集」をクリックします。

  4. 「サーバー」をクリックします。

  5. 管理対象サーバー・ドメイン・ホーム・ディレクトリ内の新しい管理対象サーバーごとに次の操作を実行します。

    1. 管理対象サーバーの名前をクリックします。

    2. 「構成」タブをクリックし、「デプロイメント」タブをクリックします。

    3. 「ステージング・ディレクトリ名」が次のように設定されていることを確認します。

      MSERVER_HOME/servers/server_name/stage
      

      MSERVER_HOMEをMSERVER_HOMEディレクトリのディレクトリ・パスに置き換え、server_nameを編集しているサーバーの名前に置き換えます。

    4. 「アップロード・ディレクトリ名」を次の値に更新します。

      ASERVER_HOME/servers/AdminServer/upload
      

      ASERVER_HOMEをASERVER_HOMEディレクトリのディレクトリ・パスに置き換えます。

    5. 「保存」をクリックします。

    6. 「サーバーのサマリー」画面に戻ります。

  6. 各管理対象サーバーについてこれらの値を変更したら、「変更のアクティブ化」をクリックします。

  7. すべての管理対象サーバーを再起動します。

20.12 Managed File TransferのSSH-FTPサービスの構成および有効化

Oracle Managed File Transferのエンタープライズ・デプロイメント・トポロジは、ファイル転送用のSecure File Transfer Protocol (SFTP)に基づきます。SFTPは、別個のプロトコルで、SSHとともにパッケージされ、FTPのように動作しますが、セキュアな接続を使用します。

SFTPでは、ファイル転送接続に使用するポート数を制限できます。これは、その基礎となるセキュリティ機能の存在と標準のSSH接続の使用が可能であることから、FTPより推奨されます。

20.12.1 SFTPポートの構成

Oracle Managed File TransferでSecure File Transfer Protocol (SFTP)を使用する前に、SFTPポートを構成する必要があります。

  1. ドメイン管理ユーザー名とパスワードを使用して、Managed File Transferコンソールに接続します。
    mft.example.com:80/mftconsole
  2. 「管理」タブを選択します。
  3. 左側のナビゲーション・ペインで、「埋込みサーバー」を開きます。
  4. 「ポート」をクリックします。
  5. Managed File Transferサーバーの「構成済ポート」として7501を入力します。
  6. 「保存」をクリックします。
  7. 「再起動」をクリックしてサービスを再起動します。

20.12.2 必要なSSHキーの生成

SFTPを有効化するには、SSHキーを生成する必要があります。Managed File Transferではクラスタ内のすべてのサーバーで同じSFTPキーが共有されるため、管理対象サーバーの1つで1回のみこの手順を実行する必要があります。

有効な秘密鍵がないと、SSH-FTPサーバーは起動しません。セキュリティのベスト・プラクティスに準拠するには、常にパスワードで保護された秘密鍵を使用する必要があります。使用するパスワードは、Managed File Transferコンソールで指定したパスワードに一致している必要があります。コンソールでパスワードを特定するには、「キーストア」→「SSHキーストア」→「秘密鍵のパスワード」を選択します。

  1. a.ssh-keygenコマンドを実行してキーを生成します。

    例:

    ssh —keygen \-t rsa \-b 2048

    ssh-keygenは標準のUnix/Linuxコマンドです。詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

    生成されたキーの場所を書き留めます。この情報は後で必要になります。

  2. キーをManaged File Transferキーストアにインポートします。
    1. Managed File Transfer管理対象サーバーが稼働中であることを確認します。
    2. ディレクトリを次の場所に変更します。
      ORACLE_COMMON_HOME/common/bin
    3. WebLogic Server Scripting Tool (WLST)を起動します。
      ./wlst.sh
    4. 次のコマンド構文を使用して最初の管理対象サーバーに接続します。
      connect('admin_user','admin_password','server_url')

      例:

      connect('weblogic','mypassword','t3://MFTHOST1:7500')
    5. 次のWLSTコマンドを実行してキーをインポートします。
      importCSFKey('SSH', 'PRIVATE', 'alias', 'pvt_key_file_path')

      aliasは、管理対象サーバーを識別するために使用できる名前に置き換えます。

      pvt_key_file_pathは、この手順で前に生成したキーの名前およびディレクトリの場所に置き換えます。

      詳細は、『SOA Suite WLSTコマンド・リファレンス』のimportCSFKeyに関する項を参照してください。

  3. SSHキーのインポートに成功したら、SSH-FTPを有効化して秘密鍵の別名を選択します。
    1. ドメイン管理ユーザーとパスワードを使用して、次のURLのManaged File Transferコンソールに接続します。
      mft.mycompany.com:80/mftconsole
    2. 「SSHキーストア」フィールドに、この手順で前に作成したキーストア・パスワードを入力します。
    3. 変更内容を保存します。
    4. 「管理」タブを選択し、ナビゲーション・ツリーで「埋込みサーバー」を開きます。
    5. SSH-FTPタブで、「有効」を選択します。
    6. 「ホスト・キー・エイリアス」ドロップダウン・メニューから、この手順で前に作成した秘密鍵の別名を選択します。
    7. 変更内容を保存します。
    8. MFTサーバーを起動します。
    9. 「起動」をクリックしてSSH-FTPサービスを起動します。
  4. 任意の標準的なSFTPクライアント・アプリケーションを使用して、SFTPを介してManaged File Transferサーバーにアクセスできることを確認します。

20.12.3 Managed File Transferの追加のSFTP構成手順

Managed File TransferでSFTPを使用する場合に実行する必要のある追加の構成手順がいくつかあります。

  1. 次のURLのManaged File Transferコンソールに接続します。
    mft.example.com:80/mftconsole
  2. 「管理」を選択し、ナビゲーション・ツリーで「サーバー・プロパティ」を選択します。
  3. 高可用性プロパティを更新します。
    1. クラスタ内の異なるサーバーからアクセスできる共有記憶域の場所を指すように、ペイロードおよびコールアウト・ディレクトリを更新します。

      例:

      ORACLE_RUNTIME/mftedg_domain/MFT_Cluster/storage

      ORACLE_RUNTIME/mftedg_domain/MFT_Cluster/callouts

    2. 「制御ディレクトリ」を共有の場所に設定します。

      例:

      ORACLE_RUNTIME/mftedg_domain/MFT_Cluster/control_dir

      制御ディレクトリは、高可用性のユース・ケースを処理するためにManaged File TransferのファイルおよびFTPアダプタによって使用されるディレクトリ・パスです。MFTがHA環境で実行している場合、このフィールドは必須です。クラスタ内で複数のOracle WebLogic Serverインスタンスが稼働している場合は、共有の場所に設定する必要があります。
    3. 制御ディレクトリを指定しない場合、「インバウンド・データソース」および「アウトバウンド・データソース」フィールドの値を確認する必要があります。

      「インバウンド・データソース」の有効なデフォルト値は、jdbc/MFTLocalTxDataSourceです。

      「アウトバウンド・データソース」の有効なデフォルト値は、jdbc/MFTDataSourceです。

    4. これまでの変更内容を保存します。
    5. ナビゲーション・ツリーで「拡張配信プロパティ」を開きます。

      拡張配信プロパティにより、ロード・バランサで使用される内部アドレスと外部アドレス(IPアドレス)に加え、FTP、FTPSおよびSFTPポートを取得します。

      これらの設定を使用するのは、Oracle Managed File TransferからペイロードがFTPまたはSFTP参照として送信されるときです。値が設定されている場合は、その値を使用してFTP参照(FTP/SFTPホスト・アドレスとポート)が構築されます。

      Managed File Transferが内部および外部プロキシの背後で稼働している場合、内部および外部IPアドレスは必須です。

      • 内部アドレス: SFTPに内部ロード・バランサを使用していないかぎり、このフィールドは空白のままにします。デフォルトのエンタープライズ・デプロイメントでは、内部ロード・バランサではなく外部ロード・バランサを使用します。

      • 外部アドレス: 外部ロード・バランサを通じたSFTリクエストのエントリ・ポイントとして使用するアドレスを入力します。

        たとえば、アドレスとしてsftp.example.comを、SFTPポートとして7503を入力します。

        sftp.mycompany.com

    6. 変更内容を保存し、コンソールを終了します。
  4. WLS_MFT管理対象サーバーを再起動します。
  5. 任意の標準的なSFTPクライアント・アプリケーションを使用して、SFTPを介してManaged File Transferサーバーにアクセスできることを確認します。

20.13 Managed File Transfer用のOracle Traffic Directorの構成

Oracle Traffic Directorは、Web層のOracle HTTP Serverのかわりとして使用できます。Oracle HTTP Serverと同様に、これはHTTPリクエストをフロントエンド・ロード・バランサからアプリケーション層のWebLogic管理対象サーバーにルーティングできます。ただし、TCPロード・バランシングおよびフェイルオーバーを提供できるのは、Oracle Traffic Directorのみです。そのため、Oracle Traffic Directorは、セキュアなFTPリクエストのルーティングのためにTCPを必要とするOracle Managed File Transferによって必要とされます。

Oracle Traffic Directorを構成する完全な手順は、「Oracle Traffic Directorを含めるドメインの拡張」を参照してください。

20.14 新しいLDAPオーセンティケータの作成とManaged File Transferのユーザーのプロビジョニング

Oracle Fusion Middlewareドメインを構成すると、このドメインはデフォルトでWebLogic Server認証プロバイダ(DefaultAuthenticator)を使用するよう構成されます。ただし、エンタープライズ・デプロイメントの場合は、専用の集中管理型のLDAP準拠の認証プロバイダを使用することをお薦めします。

新しいOracle Fusion Middlewareドメインごとにこの手順が必要です。Oracle Managed File Transferドメインでは、次のようにこのタスクを実行できます。
  1. 「新しいLDAPオーセンティケータの作成とエンタープライズ・デプロイメント・ユーザーおよびグループのプロビジョニング」を確認して、必要な概念を理解し、新しいLDAPオーセンティケータを作成します。
  2. ユーザーとグループをプロビジョニングする場合、Managed File Transfer管理認証では次のユーザー名およびグループ名を使用します。
    管理ユーザー: weblogic_mft
    管理グループ: MFT Administrators

20.15 Managed File Transferに対する自動サービス移行およびJDBC永続ストアの有効化

ソフトウェアが高可用性を実現するように構成するには、自動サービス移行でOracle Managed File Transfer管理対象サーバーを構成します。

サーバー移行の有効化の詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントでの自動サービス移行の構成」を参照してください。

可用性をさらに高めるために、トランザクション・ログ・ストアおよびJMSストアをデータベースに構成することもできます。詳細は、「エンタープライズ・デプロイメントのTLOGおよびJMSでのJDBC永続ストアの使用」を参照してください。