この章の構成は、次のとおりです。
構成移行ユーティリティをアーカイバとともに使用して、コンテンツ・サーバー・インスタンス構成を別のコンテンツ・サーバー・インスタンスにエクスポートします。アーカイバによりコンテンツが移行され、構成移行ユーティリティによりコンテンツ・サーバー・インスタンスの構成およびカスタマイズがエクスポートされます。
この項では、構成移行ユーティリティの構造と、このユーティリティでテンプレートおよびバンドルがどのように使用されるかについて説明します。このユーティリティの概要および他のアーカイブ・ツールとの違いについては、「移行ツールおよびコンポーネントの概要」を参照してください。
バンドルとは、1つのzipファイルにパッケージされて、別のコンテンツ・サーバー・インスタンスにエクスポートできる状態になった一連の構成情報のことです。
情報は、DomainHome
/ucm/cs/cmu/
instance
/
ディレクトリに格納されます。
bundlesサブディレクトリには、特定のバンドルおよび関連する情報が含まれます。templatesサブディレクトリには、新規のエクスポート・ファイルに使用できる構成テンプレートが含まれます。
情報は、DomainHome
/ucm/cs/cmu/
instance
/bundles/
ディレクトリに格納されます。
各構成バンドルは個別のサブディレクトリ内にあり、そのバンドルのエクスポートに必要なすべての関連ファイルが含まれています。
情報は、DomainHome
/ucm/cs/cmu/
instance
/bundles/UserBundle/
ディレクトリに格納されます。
特定のディレクトリ内では、そのエクスポートのインスタンスに固有のカスタマイズ(カスタマイズ済のメタデータ・フィールドやスキーマなど)が個別のサブディレクトリに含まれています。
情報は、DomainHome
/ucm/cs/cmu/
instance
/bundles/UserBundle/usermetadef/
ディレクトリに格納されます。
これらの各サブディレクトリには、次のファイルが含まれています。
ファイルまたはディレクトリ | 説明 |
---|---|
bundleディレクトリ |
|
templatesディレクトリ |
バンドルから作成されたエクスポート・ルールが含まれます。構成エクスポートが作成されて保存されると、そのエクスポートに名前が付けられ、構成がテンプレートとしてtemplatesディレクトリに保存されます。 |
hdaファイル |
カスタマイズの定義と詳細、およびエクスポートされるインスタンスの他の要素が含まれます。エクスポートがどのように定義されたかによって、情報は1つまたは複数のHDAファイルにバンドルされます。 |
移行テンプレートとは、エクスポートされるコンテンツ・サーバー・アイテムを指定する一連の構成オプションです。たとえば、FullCSExportというテンプレートにすべてのコンテンツ・サーバー・アイテム(スキーマ、カスタム・メタデータ、ワークフローなど)を含め、UserCSExportという別のテンプレートに、ユーザーに直接関連するオプション(セキュリティ・グループ、ロールなど)を含めることができます。
これらのテンプレートは、構成バンドルを作成するために使用されます。バンドルはテンプレートを使用して、エクスポートする内容を決定し、コンテンツ・サーバー・アイテムとともにエクスポートされる必要な定義ファイルを作成します。バンドル名は、インポートまたはエクスポートの最終結果を識別するために使用されます。バンドルされた情報はzipファイルに格納されます。これには、すべての必要な定義ファイルが含まれます。
移行では、移行テンプレートの作成、移行バンドルの作成、構成のエクスポートまたはインポートといったタスクを行います。
構成移行テンプレートを作成する手順は、次のとおりです。
構成を作成した後は、別のシステムで使用できるように、構成をエクスポートし、バンドルを作成できます。詳細は、「構成のエクスポート」を参照してください。
構成をエクスポートする手順は、次のとおりです。
エクスポート後、「構成のバンドル」にバンドル名が表示され、バンドルが完了したことが示されます。次の例に示すように、日時インジケータが構成名に追加されます。
Nov23Bundle-idcm-1-20131123T122436
名前の最初の部分は、元のバンドル名です。その後は、インスタンス名(idcm
)、日付(2004年11月23日を表す20131123
)、時刻(12:24:36を表す122436
)の順に続きます。この「インポート」ページから、バンドルを新しい場所にダウンロードすると、バンドルを別のシステムにアップロードできるようになります。
元のテンプレート名(Nov23Bundle
)は引き続き「構成テンプレート」ページに表示され、別の機会にこのページから再エクスポートできます。
構成をインポートするには、まず構成をアップロードする必要があります。
別のコンテンツ・サーバー・インスタンスからバンドルをアップロードする手順は、次のとおりです。
バンドルがアップロードされてインポート側のシステムに配置されると、バンドルを使用するためにインポートできるようになります。
バンドルをインポートする手順は、次のとおりです。
バンドルをダウンロードして、他のコンテンツ・サーバー・インスタンスで使用できるようにアクセスしやすい場所に格納できます。
バンドルをダウンロードする手順は、次のとおりです。
移行で行われるのは、コンテンツ・サーバー・インスタンスに関する情報のバンドル化とコピーであることに注意する必要があります。コンテンツ・サーバー・インスタンス内の実際のコンテンツは移行されません。コンテンツをエクスポートするには、アーカイバ・ユーティリティを使用します。特定のコンテンツをアーカイブして、それを別のシステムにエクスポートする場合は、構成移行ユーティリティを使用すると、そのコンテンツのメタデータ情報も移行されることに注意してください。
コンテンツ・サーバー・インスタンス間で情報を移行する際に、情報のマージは行われません。移行は追加的なプロセスです。メタデータ情報のエクスポート側の構成バンドルが、インポート側のコンテンツ・サーバー・インスタンスに存在するメタデータに追加されます。インポート中に「上書きの強制」ルールを選択した場合は、インポートされるメタデータと一致するメタデータ情報が存在すると、重複するバンドルが置換されます。「上書きの強制」オプションの詳細は、「バンドルのアップロード」を参照してください。
構成移行の管理タスクは、クラスタの特定のノードを使用して実行する必要があります。アクションに割り当てられたジョブ番号は、そのアクションを開始したノードにしか認識されないため、特定のノードを使用しないと、エラーが発生する可能性があります。
バージョン6.2のコンテンツ・サーバー・インスタンスに構成をインポートすることはできません。バージョン6.2のコンテンツ・サーバー・インスタンスでは、「構成のバンドル」ページのバンドルのオプションに、「編集」、「プレビュー」および「履歴」オプションが表示されません。
別のコンテンツ・サーバー・インスタンス上で使用するテンプレートをインポートした場合、インポート側のシステムに同じメタデータ・フィールドがないと、後でそのテンプレートをエクスポートに使用できません。テンプレートをアップロードし、構成をインポートしてから、テンプレートをエクスポートに使用する必要があります。インポート・プロセスの詳細は、「テンプレートのインポート」を参照してください。
構成移行ユーティリティを使用する際は、次の制限事項に注意してください。
ワークフロー構成情報をエクスポートすると、ワークフロー定義のみがエクスポートされます。ワークフローの状態はエクスポートされません。
ワークフローをインポートして既存のワークフローを上書きする場合は、各ワークフローのステップ名が同じであることを確認してください。
ワークフローを新しいコンテンツ・サーバー・インスタンスにインポートすると、エクスポート側のコンテンツ・サーバー・インスタンスと同じ状態情報がワークフローに保持されません。このため、アクティブなワークフローのエクスポートは計画しないでください。
このユーティリティではクローニングは行われません。情報が別のシステムと同期されることはありません。情報は、コピーされて移動されるのみです。
このユーティリティを、自動移行を行うように設定することはできません。
前のバージョンのコンテンツ・サーバー・インスタンスからdocmeta情報を移行する際に、後のバージョンのコンテンツ・サーバー・インスタンスでスキーマが使用されていると、エラーが発生することがあります。
アーカイバの制限事項により、バージョン6.2または7.0のコンテンツ・サーバーから上位のバージョンにユーザーをインポートすることはできません。
config.cfg
ファイルを移行する際、安全上の理由で一部の値(IDC_Name
など)が移行されず、エラーが発生することがあります。他の値(AutoNumberPrefix
の値など)は移行されます。
プリファレンスのプロンプト(FoldersやRMAなど)やデータベース表を移行できないために、コンポーネントの移行が困難になることがあります。
コンポーネント内のバンドルにはサポートが提供されません。