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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Contentの使用
12c (12.2.1.1)
E77295-01
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1 Oracle WebCenter Contentの概要

この章では、Oracle WebCenter Contentの概要を説明し、WebCenter Contentがお客様の組織にもたらす数多くの利点について、その一部を紹介します。次のトピックを取り扱います:

1.1 このガイドについて

このガイドでは、Oracle WebCenter Contentの使用方法について説明しています。このガイドは、次の部に分かれています。

第I部では、Oracle WebCenter Contentとコンテンツ管理の概要を説明し、WebCenter Contentの操作のあらゆる面に共通する概念を示します。第II部では、WebCenter Contentユーザー・インタフェースで使用可能な機能を説明し、第III部では、ネイティブ・ユーザー・インタフェースで使用可能な機能の使用方法を説明します。第IV部では、Oracle WebCenter Contentにデスクトップ・アプリケーションまたはモバイル機器からアクセスする方法について説明します。

このドキュメントに含まれている情報は、製品テクノロジの進化、およびハードウェア、オペレーティング・システム、サード・パーティ・ソフトウェアの作成や変更によって、変更されることがあります。ブラウザ、データベース、Webサーバーおよびオペレーティング・システムの技術的な特徴により、オラクル社では第三者製品のすべてのバージョンおよび機能との互換性を保証することはできません。

1.2 Oracle WebCenter Contentとは

Oracle WebCenter Contentは、ユーザーが日常的に使用する情報を管理します。電子メールやレポート、メモ、スライド・プレゼンテーションなどに含まれている情報です。Oracle WebCenter Contentは、この情報を保管、整理、保護して、必要とするユーザーのみがこの情報にアクセスできるようにします。さらに最も重要な点として、必要なときに情報をすばやく検索でき、そのドキュメントを作成したソフトウェアを所有していない場合であっても、標準のWebブラウザを使用して情報を表示できます。

1.3 WebCenter Contentを使用する利点

コミュニケーションは組織の原動力となり、グローバルなビジネス計画から個人用のタスク・リストに至るまで、あらゆることの効率的な調整と実施に役立ちます。今日の組織に必要な情報は、オフィス・ドキュメント、個人の電子メール、メモ、ビデオ会議など、構造化されていない様々なタイプのコンテンツに取り込まれています。管理されないままでは、重要な情報が失われ、ビジネス・プロセスに無理が生じ、ドキュメントへの適切なアクセス権が適切なユーザーに与えられず、不正確な古い情報に基づいて間違った意思決定をすることになります。Oracle WebCenter Contentを使用すれば、すでに毎日使用しているアプリケーションにより、快適な環境で重要な情報を検索できます。

ユーザーに合った設計

標準のWebブラウザを使用してドキュメントを提供できるほか、WindowsエクスプローラやMicrosoft Word、Excel、Outlookなどの使い慣れたデスクトップ・アプリケーションを使用することもできます。重要な契約をワークフローに流したり、他のユーザーが最新の設計仕様を確認できるようにしたり、チームのためにトレーニング・ビデオをアップロードしたりすることができます。Oracle WebCenter Contentでは、ドキュメントのアップロードにドラッグアンドドロップの利便性を享受でき、Windowsエクスプローラ、常用しているWebブラウザやApple iPad、iPhoneまたはAndroidデバイスを使用して、様々な手段でコンテンツを検索し、表示する方法を提供しています。

時間の節約

プロジェクト、顧客、法的問題に関する重要な情報を1件見つけるために、どれだけの時間を費やしていましたか。その情報は電子メールに書かれている場合も、スライド・プレゼンテーションに含まれている場合もあります。Oracle WebCenter Contentは、必要な情報をフィルタ処理してすぐに取得するために役立つ強力な検索手段を備えています。

リスクの低減

ドキュメントを重視するコンプライアンス要件の厳格化により、コンプライアンスの証拠資料を保管および取得する必要性もまた高まっています。Oracle WebCenter Contentのレコード管理機能を使用すれば、レコードと保存ポリシーを管理でき、情報を簡単に取得できるので、時間の節約とリスクの低減が可能です。

ニーズへの対応

リッチ・メディア業界、たとえば広告、遠隔学習、Web開発などや、イメージとビデオを使用する必要がある業種でコンテンツ管理が必要な場合は、Oracle WebCenter Contentを使用すると、これらのデジタル・アセットを簡単に効率よく管理できます。高解像度のソース・ビデオを1台のサーバーに保管し、サイズ変更した変換済ビデオを別のストリーミング・サーバーから配信できます。あるいは、宣伝資料をフォリオにグループ化し、ワークフローに流し、zipで圧縮ファイルにしてベンダーに配信できます。Oracle WebCenter Contentのネイティブ・ユーザー・インタフェースを使用すれば、これらすべてのオプションを実現できます。

1.4 WebCenter Contentの基本概念

Oracle WebCenter Contentは、ビジネス情報を共有、管理および配布するための自動化されたシステムを提供します。この情報はドキュメントやその他のタイプのコンテンツに含まれており、このガイドではドキュメントコンテンツ、およびファイルという用語が同じ意味で使用されることがよくあります。たとえばイメージ変換が有効になっている場合など、ケースによっては複数のファイルが1つのドキュメントとして一緒に管理されることがあります。どの用語が使用されている場合であっても、情報は電子的に格納され、1つのアイテムとして管理されます。Oracle WebCenter Contentは、探している情報を見つける手段を提供するとともに、許可を受けたユーザーのみがドキュメントを使用できるようにドキュメントへのアクセスを制御することによって、アイテムを管理します。

あらゆる標準Webブラウザから最新の情報に迅速かつセキュアにアクセスできます。手紙、レポート、製品図面、スプレッドシート、マニュアル、販促資料などを1つの強力なコンテンツ管理システムで管理できます。

一般的なビジネス・ドキュメント管理では、Oracle WebCenter Contentは、WebCenter Contentインタフェースを介して、ドラッグアンドドロップの利便性と高度な検索機能を備えた簡単で直感的なユーザー・インタフェースを提供します。ビデオ、イメージ、レコードの管理などのより高度な機能が必要な場合は、ネイティブ・ユーザー・インタフェースで、十分な機能と使いやすい環境が提供されています。Webブラウザを介してコンテンツにアクセスすることに加え、Oracle WebCenter Contentには、オフィス・アプリケーションと緊密に統合された環境を必要とするユーザーや外出の多いユーザーのためにいくつかの代替機能が用意されています。デスクトップ・インタフェースとWebDAVインタフェースを使用すれば、ドキュメントを表現するフォルダとファイルを使用して、デスクトップから基本的なコンテンツ管理アクションを実行でき、Apple iPad、iPhoneまたはAndroidデバイスからドキュメントにアクセスするためのアプリケーションを使用できます。

1.4.1 よく使われる用語

このガイドを通じて次の用語が使用されており、用語の定義を理解するためにこの表を役立ててください。

用語 定義

WebCenter Contentユーザー・インタフェース

ドラッグアンドドロップの利便性と高度な検索機能を提供する簡単で直感的なユーザー・インタフェース。このユーザー・インタフェースは、Oracle WebCenter Content 11gR1 (11.1.1.8.0)で導入されました。詳細は、第II部を参照してください。

ネイティブ・ユーザー・インタフェース

機能豊富なユーザー・インタフェースは、イメージ、レコード、ビデオなど、従来のオフィス・ドキュメント以外のリッチ・メディアを管理する必要があるユーザーのために使いやすい環境を提供します。詳細は、第III部を参照してください。

コンテンツ・サーバー

Oracle WebCenter Contentは、ドキュメントを保管して管理するためのリポジトリとしてコンテンツ・サーバーを使用します。複数のコンテンツ・サーバーを使用すると、企業でパフォーマンスを管理したり、コンテンツを分離して追加のセキュリティや機能を提供したりするために役立ちます。

ドキュメント、コンテンツ・アイテム、ファイル

Oracle WebCenter Contentにアップロードされたファイルはすべて、ドキュメントまたはコンテンツ・アイテムと呼ばれ、これらの用語は同じ意味で使用されます。これらは、メタデータと1つ以上のファイル、リビジョン、またはレンディションで構成されていますが、コンテンツ・サーバーによって追跡される個別のアイテムです。

メタデータ

メタデータは、タイトル、作成者、リリース日など、ドキュメントに関する情報です。図書館で著者名や書名を使用して本を探すのと同様、メタデータを使用してWebCenter Contentに含まれるドキュメントを検索できます。ドキュメントをアップロードする場合は、いくつかのメタデータ値を割り当てますが、一部のメタデータ値はOracle WebCenter Contentによって自動的に割り当てられます。メタデータはOracle WebCenter Contentと連動するデータベースに格納されます。

メタデータの入力と選択を容易にするために、ライブラリとフォルダにはメタデータがあらかじめ定義されています。特定のライブラリまたはフォルダにドキュメントをアップロードすると、定義済のメタデータ、およびユーザーが指定したメタデータがドキュメントに割り当てられます。場合によっては、ドキュメントとドキュメント・プロパティをアップロード、検索、または表示する際に表示されるメタデータ値を指定するプロファイルをシステム管理者が作成することがあります。

所属組織で使用されているメタデータ・フィールドに関してよく理解し、常にメタデータを慎重に割り当てることが重要です。適切なメタデータがあれば、ドキュメントの検索が容易になり、正しい権限を持ったユーザーのみがドキュメントにアクセスできるようになります。

ドキュメント・プロパティ、コンテンツ情報

ドキュメント・プロパティおよびコンテンツ情報は、このガイドでは同じ意味で使用されます。これらは、Oracle WebCenter Contentにアップロードされたファイルに関連付けられているメタデータおよび関連する情報を指します。関連する情報には、追加のレンディション、リビジョン履歴、セキュリティ・オプションと共有オプションおよびすべてのファイル添付やその他が含まれます。これらの用語はOracle WebCenter Content内の情報に固有で、WebCenter Contentの外部のファイルに関連付けられているドキュメント・プロパティは指しません(Microsoft Word、Excelなどのアプリケーションによって割り当てられたプロパティなど)。

検索

メタデータを使用してドキュメントを検索します。システム管理者によってフルテキスト索引の作成が構成されている場合は、ドキュメント内のテキストの検索も可能です。WebCenter Contentユーザー・インタフェースでは、検索時に結果を絞り込むためのフィルタを適用できます。たとえば、検索語を入力した後に、ライブラリのみ、フォローしているドキュメント、イメージのみまたはその他の各種のフィルタ・オプションに検索を制限できます。

参照

ライブラリおよびフォルダを参照して、ドキュメントを検索します。検索と同様に、WebCenter Contentユーザー・インタフェースでは、参照時に各種のフィルタ・オプションを選択できます。

コンテンツ・リポジトリ

ドキュメントをアップロードするとき、電子ファイルはコンテンツ・リポジトリに格納されます。元のファイル(ネイティブ・ファイル)は、ネイティブ・ファイル用の中央リポジトリに格納されます。システムに変換機能がインストールされ、その機能が有効になっている場合は、ファイルのWeb表示可能バージョン(PDFなど)が作成され、Web表示可能ファイル用の特別なリポジトリに保存されます。変換を使用していない場合、または変換できないファイル・タイプがある場合は、ネイティブ・ファイルのコピーがWeb表示可能ファイル用のリポジトリに配置されます。

適切なセキュリティ権限を持つユーザーは、ドキュメントのWeb表示可能バージョンを表示したり、ネイティブ・ファイルのリポジトリから元のファイルのコピーを取得したりすることができます。特定のドキュメントを表示、改訂および削除できるユーザーは、セキュリティ権限によって規定されます。

ネイティブ・ファイル、およびドキュメントに関連付けられたWeb表示可能ファイルはレンディションと呼ばれます。たとえば、ドキュメントのPDFバージョンは、そのドキュメントのレンディションです。HTMLバージョンやXMLバージョンも同様です。

リビジョン管理

Oracle WebCenter Contentにアップロードされたドキュメントを変更するには、リポジトリに新しいリビジョンをチェックインする必要があります。変更を行う前にドキュメントをチェックアウトすることをお薦めします。ドキュメントをチェックアウトすると、他のユーザーがチェックアウトしないようにドキュメントをロックし、変更中であることを警告します。ドキュメントをチェックアウトできるのは1回に1人のユーザーのみですが、他のユーザーもファイルのリリースされたバージョンを表示することはできます。

変更したファイルを再びOracle WebCenter Contentにアップロードすると、ドキュメントの新規リビジョンとして自動的に保管されます。以前のリビジョンも表示またはコピーできますが、最新のリビジョンがデフォルトで表示されます。

ワークフロー

ドキュメントをリリースして公開する前に、そのドキュメントをレビューまたは承認する人物が必要になることがあります。ワークフローとは、コンテンツをシステムにリリースする前のレビューおよび承認のために、どのようにルーティングするかを定めたものです。1つのワークフローにレビューや通知のステップを複数含めることができ、ファイルの承認または却下を行うレビューアを1つのステップに複数含めることができます。

永続的URL

Web表示可能ファイルのリポジトリ内にあるすべてのドキュメントに、リビジョンが次に進んでも変わらない永続Webアドレスがあります。ブラウザにドキュメントの永続URLを指定すると、最新のバージョンが常に表示されます。

ユーザー

コンテンツ・サーバーでは、次の2タイプのユーザーが定義されます。

  • コンシューマ: コンテンツ・リポジトリからファイルを検索、表示および印刷するユーザー。ファイルを作成、変更または削除する権限はありません。

  • コントリビュータ: コンテンツ・リポジトリ内にファイルを作成および改訂するユーザー。ファイルを検索、表示および印刷する権限もあります。

多くのOracle WebCenter Contentサーバー・システムでは、ユーザーの大部分はコンシューマです。システム内のファイルの整合性を維持するため、コントリビュータには、コンテンツ・リポジトリに対してドキュメントをチェックインまたはチェックアウトするためのユーザー名とパスワードが必要です。

完全な管理権限があるユーザーは、システム管理者と呼ばれます。組織で、ユーザー・ログインの設定やワークフロー・テンプレートの作成などの限定的な管理権限を特定のユーザーに割り当てることもできます。これらのユーザーは、サブ管理者と呼ばれます。

11g リリース1 (11.1.1)からは、ユーザー・ログインはOracle WebLogic Server管理コンソールで管理されます。ユーザー・ログインは、特別な目的の場合は管理者がコンテンツ・サーバーで管理できますが、Oracle WebLogic Server管理コンソールで作成されるまで、コンテンツ・サーバーに対する認証は有効ではありません。

セキュリティ・グループおよびアカウント

Oracle WebCenter Contentのセキュリティ設定により、ドキュメントをどのユーザーが表示、編集および削除できるかを制御できます。場合によっては、ファイルをアップロードするとき、次のセキュリティ関連メタデータ・フィールドに値を指定する必要が生じることがあります。

  • セキュリティ・グループ: すべてのユーザーが1つ以上のセキュリティ・グループに属します。ロールおよびロールが付与する権限によって定義されたそれぞれのセキュリティ・グループ内で、特定のアクセスのレベルを持つこともできます。セキュリティ・グループはすべてのドキュメントの必須メタデータ・フィールドであり、デフォルトで割り当てることができます。該当するセキュリティ・グループに対する権限があるユーザーのみ、該当するドキュメントに対する作業を実行できます。

  • アカウント: アカウントは、システム管理者がより柔軟なセキュリティ・モデルを定義するために使用できるオプション機能です。セキュリティ・グループと同様に、特定のアカウントに対する権限があるユーザーのみが、該当のアカウントに属するドキュメントに対して作業を実行できます。

ロール

ロールは、一連の権限(読取り、書込み、削除、管理者)です。たとえば、チーム・メンバーは、スケジュールを表示(読取りアクセス権)できますが、チーム・リーダーは、スケジュールを更新(読取りアクセス権および書込みアクセス権)する必要がある場合もあります。

システム管理者がロールをユーザーに割り当て、セキュリティ・グループ内のアクセス・レベルを定義します。使用可能なロールは企業のニーズに応じて異なり、システム管理者によって作成されます。一般的なロールの例は次のとおりです。

  • guest: guestロールには、パブリック・セキュリティ・グループに対する読取り権限があります。ユーザーは、パブリック・セキュリティ・グループ内のコンテンツを検索および表示できます。

  • contributor: contributorロールには、パブリック・セキュリティ・グループに対する読取りおよび書込みの権限があります。ユーザーは、コンテンツの検索、表示、アップロード、およびダウンロードが可能です。

  • sysmanager: sysmanagerロールには、ネイティブ・ユーザー・インタフェースの「管理」メニューの下にある「管理サーバー」リンクにアクセスする権限があります。

権限

各ロールには、各セキュリティ・グループに対して次の各権限を付与できます。

  • 読取り(r): ユーザーは、該当するセキュリティ・グループ内のファイルの表示およびコピーが可能です。

  • 書込み(w): ユーザーは、該当するセキュリティ・グループ内のドキュメントの表示、アップロード、ダウンロードおよびコピーの取得が可能です。作成者がドキュメントのセキュリティ設定を変更できるのは、新しいセキュリティ・グループで管理者権限がある場合です。

  • 削除(d): ユーザーは、該当するセキュリティ・グループ内のファイルの表示、アップロード、ダウンロード、コピーの取得および削除が可能です。

  • 管理者(A): ユーザーは、該当するセキュリティ・グループ内のファイルの表示、アップロード、ダウンロード、コピーの取得および削除が可能です。ワークフロー権限があるユーザーは、該当するセキュリティ・グループ内のワークフローを開始または編集できます。また、該当するセキュリティ・グループ内にある、別のユーザーが作成者として指定されているドキュメントをアップロードすることもできます。ドキュメントの管理者権限を持つドキュメントの作成者以外のユーザーがドキュメントのセキュリティ設定を変更できるのは、新しいセキュリティ・グループおよびアカウント(オプション)で管理者権限がある場合です。

  • 注釈権限: ここで付与される注釈権限に基づいて、ユーザーはそのセキュリティ・グループ内のすべてのドキュメントに対して表示、変更および注釈の追加を行うことができます。通常使用可能なオプションは、「標準(S)」「制限付き(T)」および「非表示(H)」です。

    注釈セキュリティの詳細は、「注釈セキュリティについて」を参照してください。

セキュリティ・グループに対する権限は、そのグループに対するロールのいずれかで定義されている最上位の権限です。たとえば、ユーザーにゲスト・ロールとコントリビュータ・ロールが割り当てられており、ゲストにはパブリック・セキュリティ・グループに対する読取り権限、コントリビュータには書込み権限が付与されている場合、そのユーザーには、パブリック・セキュリティ・グループのコンテンツに対する書込み権限があります。

アクセス制御リスト(ACL)セキュリティ

アクセス制御リストは、個人またはグループの明示的なリストで、特定のドキュメントに対するアクセス権限または操作権限が指定されています。

アクセス制御リストのセキュリティの構成方法によって、ドキュメントの追加、変更または検索時に最大3つの追加フィールドを使用できます。

  • ユーザー・アクセス・リスト

  • グループ・アクセス・リスト

  • ロール・アクセス・リスト

重要: ドキュメントのアクセス制御リストを使用するには、アクセス制御リストがサポートされているセキュリティ・グループにドキュメントをアップロードする必要があり、そうでない場合は、追加したセキュリティは機能しません。使用しているセキュリティ・グループでアクセス制御リストがサポートされているかどうかが不明な場合は、システム管理者に問い合せてください。

ドキュメントに関してアクセス制御リストを使用するには、事前定義の1つ以上のユーザー、グループまたはロールをそのドキュメントに割り当てます。また、指定した各アクセス・リスト・エントリに対して、権限(読取り(R)、書込み(W)、削除(D)または管理者(A))を割り当てます。

たとえば、ドキュメントを追加し、ゲスト・ユーザーに読取りアクセス権、すべてのログイン・ユーザーに読取りアクセス権と書込みアクセス権を設定するとします。まず、guestロールをドキュメントに追加し、「R」(読取り)権限アイコンをクリックします。次に、authenticatedユーザー・ロールをドキュメントに追加し、「W」(書込み)権限アイコンをクリックして、読取りアクセス権限と書込みアクセス権限の両方を付与します。

いずれかのロールが有効なユーザーには、有効なロールに対して指定されたアクセス権があります。両方のロールが有効なユーザーには、2つの権限セットの中で上位の権限セットがあります。セキュリティ・グループに対して管理者レベルのアクセス権を持つユーザーには、ACLが適用されません。

重要: ドキュメントに有効なアクセス制御リストがない場合、そのドキュメントはセキュリティ・グループおよびアカウント権限でアクセスを許可されている任意のユーザーに対して使用可能です。ただし、ユーザーまたはグループがドキュメントのアクセス制御リストに追加されると、明示的に追加されていないユーザーはドキュメントに対するアクセス権を失います。

Oracle Documents Cloud Service (ODCS)

Oracleのクラウドベースのコンテンツ管理製品。

1.4.2 ドキュメント・ライブラリとは

Oracle WebCenter Contentユーザー・インタフェースを使用する場合、コンテンツ・サーバー内のドキュメントはライブラリに編成され、そのライブラリにもフォルダおよびサブフォルダを含むことができます。ライブラリには、次のようなタイプがあります。

  • システム・ライブラリ: チェックアウト済のドキュメントや期限切れのドキュメントなど、システム・プロセス内にあるドキュメントを整理するためにOracle WebCenter Contentによって作成および管理されます。ドキュメントをシステム・ライブラリにアップロードすることはできません。

  • エンタープライズ・ライブラリ: 組織全体で使用される柔軟なセキュリティと包括的なドキュメント管理を提供するためにユーザーが作成します。

ドキュメントは、WebCenter Contentでライブラリまたはフォルダのコンテキストにアップロードされます。特定のライブラリまたはフォルダにドキュメントをアップロードするには、ライブラリおよびフォルダにナビゲートしてから、ドキュメントをアップロードする必要があリます。これにより、ドキュメントは適切なメタデータが適用され、自分や他のユーザーが検索できるようにOracle WebCenter Contentで整理されます。ライブラリおよびフォルダの詳細は、「ライブラリの理解」および「フォルダの理解」を参照してください。

1.4.3 フォルダとは

Oracle WebCenter Contentのフォルダは、フォルダ構造を参照してドキュメントをすばやく見つけることができるように、ドキュメントを整理するために使用されます。Oracle WebCenter Contentのフォルダには、主に次の3種類があります。

  • 従来のフォルダ。このフォルダは、コンピュータのファイル・システムでファイルを整理するために使用するフォルダと同様です。

  • クラウド・フォルダはOracle Documents Cloudサーバーに対してコンテンツをコピーできる特別な種類のフォルダです。

  • 保存された検索。これは、保存した検索条件に基づいたドキュメントの集まりです。

Oracle WebCenter Contentの従来のフォルダは、コンピュータ上のフォルダと同様ですが、関連付けられているメタデータがあるという重要な違いが1つのあります。フォルダ内に編成されたドキュメントにデフォルトのフォルダ・メタデータを自動的に割り当てることができ、フォルダ・レベルに割り当てられたメタデータをその中のドキュメントに伝播することで、複数のドキュメントのメタデータを簡単に変更できます。デフォルトのメタデータがあることや伝播によってドキュメントのグループに対してメタデータを変更できることによって時間が節約できます。フォルダにドキュメントをアップロードするだけで、セキュリティやその他のメタデータを手動で割り当てなくてもドキュメントがセキュアで容易に検索できるようになり、情報が変更されたときに複数のドキュメントのメタデータを簡単に変更できます。

クラウド・フォルダは、クラウド・サーバーに対してコンテンツをコピーできるように作成される特別な種類のフォルダです。Oracle Documents Cloud Service(ODCS)のフォルダへのリンクとして機能します。企業がODCSと統合している場合、クラウド・フォルダを使用してファイルをクラウドにコピーまたはアップロードしたり、出先でクラウド・ユーザー・インタフェースからコンテンツにアクセスしたりすることができます。

保存された検索は、実際には従来の意味でのフォルダではなく、保存された検索をクリックすると実行される保存済の検索条件です。これにより、ファイル・システムを参照しているような感覚で、実際にはメタデータを使用してコンテンツを検索できます。たとえば、2015年10月以降リリースされたドキュメントという保存された検索を作成して、クリックすると、2015年10月1日から現在の日付の間にリリースされたすべてのドキュメントが表示されるようにすることができます。ユーザーがドキュメントを特定のフォルダにアップロードしなくても、コンテンツは毎日変更されます。これは、フォルダをクリックすれば2015年10月以降リリースされたすべてのドキュメントがOracle WebCenter Contentによって検索され、リストに表示されるからです。

1.4.4 ショートカットとは

Oracle WebCenter Content内でアクセスを持つすべてのアイテム(ライブラリ、フォルダまたはドキュメント)へのショートカットを作成できます。ショートカットはアイテムを指示しており、ユーザーは関係のあるアイテムにアクセスする方法を簡単に整理できます。たとえば、複数のプロジェクトで作業していて、それぞれのプロジェクトに仕様ドキュメントが必要で、それぞれの仕様ドキュメントは関連したプロジェクト・フォルダに保管されているとします。この場合は、それぞれの仕様ドキュメントへのショートカットを含むフォルダを作成できます。このようにすれば、複数のプロジェクト・フォルダを検索して目的のドキュメントを見つけるかわりに、フォルダをクリックすればすべての仕様ドキュメントのショートカットが一覧表示されるので、目的のドキュメントにすばやく便利にアクセスできます。

1.4.5 お気に入りとは

各ユーザーのお気に入りリストはプライベートで、サイド・バーでいつでも使用できます。Favoritesフォルダには、ドキュメント・リストまたはドキュメントのプロパティ・ページでスターをクリックすることで簡単に追加できます。お気に入りは、頻繁に使用するアイテムや後ですばやく検索したいアイテムにナビゲートするための簡単ですばやい方法を提供します。

1.4.6 コンテンツをどのように検索しますか。

Oracle WebCenter Contentのドキュメントを検索するには、次の2つの方法があります。

  • 参照

  • 検索

WebCenter Contentユーザー・インタフェースでは、サイド・バーの「検索」「参照」および「お気に入り」の各リンクを使用してコンテンツを検索します。Oracle WebCenter Contentへの初回ログイン時には、サイド・バーの「検索」リンクがアクティブの状態で、Oracle WebCenter Content内のアクセス可能なすべてのドキュメントの最新リビジョンがコンテンツ領域に表示されます。このビューでは、編成されているライブラリまたはフォルダに関係なく、すべてのドキュメントが単一のフラット・リストで表示されます。コンテンツ領域でドキュメントの確認やコンテンツ領域の上にある検索ボックスを使用して結果をフィルタ処理できます。このページをパーソナライズすることで、次回のログイン時には、すべてのドキュメント、すべてのライブラリ、またはお気に入りが表示されるようになります。

ネイティブ・インタフェースでは、サイド・バーにある「コンテンツの参照」トレイまたは「コンテンツ管理」トレイでコンテンツを参照するか、「検索」トレイ、「クイック検索」フィールドまたはその他の検索フォームを使用してコンテンツを検索します。

ドキュメントを、そのメタデータ、フルテキストまたはそれらの組合せによって検索できます。結果リストには、表示権限があるドキュメントのみが表示されます。

1つ以上のメタデータ・フィールドに対して検索語を指定できます。システムの構成方法によって、検索語が語全体と一致するか一部と一致するか、フィールドの先頭または末尾に出現するかを指定する検索演算子を使用できます。また、検索語の1つ以上の文字と一致するワイルドカード文字を使用することもできます。

検索フォームを簡略化またはカスタマイズするために、管理者は、1つ以上のメタデータ・プロファイルを作成して、フォームに含めるメタデータ・フィールドを指定できます。

クイック検索機能を使用して、ホームページからいつでも検索できます。選択したフィールドまたはサポートされているすべてのフィールドに対して検索語を指定できます。システムがフルテキスト検索用に構成されている場合は、クイック検索でもドキュメントのテキストで検索語が検索されます。

1.4.7 イメージおよびビデオを管理できますか。

イメージやビデオなどのデジタル・アセットを管理するようにOracle WebCenter Contentを構成している場合、ネイティブ・ユーザー・インタフェースを使用して、ビジネス・ニーズを満たす様々なサイズ、フォーマットおよび解像度のイメージやビデオを迅速に検索、グループ化、変換およびダウンロードできます。これは、組織全体で使用するものの一貫性を維持するために役立ちます。たとえば、組織のロゴは、広告、Webページ、プレゼンテーションなど、様々なサイズで使用できます。あるいは、会社の研修ビデオは、対象者に提供したり、テープをコピーするために、イントラネット上で様々なストリーミング・フォーマットで利用できます。

1.4.8 Officeアプリケーションを使用してコンテンツを管理できますか。

Windowsエクスプローラ、Microsoft Outlook、Lotus Notesおよびその他のアプリケーションとのより密接な統合によりWebDAVクライアント環境を拡張できるOracle WebCenter Content: Desktopもまた用意されています。詳細は、「デスクトップ・アプリケーションからの管理対象コンテンツへの直接アクセス」を参照してください。

1.4.9 フォリオとはどういうもので、コンテンツのグループ化にどのように使用されるのですか。

フォリオは、Oracle WebCenter Contentに保存されたコンテンツを編成するための論理グループ(フレームワーク)です。フォリオはネイティブ・ユーザー・インタフェースを介して使用でき、契約や売上情報など、コンポーネントの一部が共通で一部が固有であるドキュメントのグループを編成し、標準化された順序と階層に収集する場合に役立ちます。また、1つ以上のワークフロー・プロセスの一部としてドキュメントのグループを作成およびレビューする場合にも役立ちます。

簡易フォリオでは、1つ以上のアイテムを単一レベルに収集します。詳細フォリオでは、コンテンツをフォルダの階層に編成できます。

拡張フォリオには、フォルダ(ノードと呼ばれる)、コンテンツのプレースホルダ(スロットと呼ばれる)、およびドキュメントを入れることができます。これらのエレメントは、デフォルトでは標準のファイル・システムと似た階層構造で表示されます。

1.4.10 ワークフローとはどういうもので、コンテンツの回付にどのように使用されるのですか。

Oracle WebCenter Contentにおいて、ワークフロー処理では、コンテンツ・リポジトリにリリースする前に、レビューおよび承認のためにファイルを回付します。レビューするファイルがあるユーザーには、電子メールで通知されます。

オプションで、電子シグネチャを使用してファイルに署名し、承認することもできます。電子シグネチャは、ファイルのコンテンツを特定のリビジョンで一意に識別し、シグネチャと特定のレビューアを関連付けます。

Oracle WebCenter Contentでは、次の2種類のワークフローを作成できます。

  • 基準ワークフローでは、チェックイン時にメタデータ・フィールドに入力された値が一定の条件を満たすと、ファイルが自動的にワークフローに含められます。基準ワークフローは、ニュースレターの記事など、個別のドキュメントを同じレビューアが定期的に承認する場合に役立ちます。

  • 基本ワークフローでは、ファイル、コントリビュータ、レビューアおよびステップが具体的に指定されます。このタイプのワークフローは、管理者が処理を開始する必要があり、ワークフローに含めるドキュメントのグループ、または固有のワークフロー要件がある個別のドキュメントに最適です。

1.5 WebCenter Contentの基本タスク

デスクトップ、モバイル機器またはWebブラウザからWebCenter Contentインタフェースまたはネイティブ・ユーザー・インタフェースのどちらを使用してOracle WebCenter Contentにアクセスするかにかかわらず、ドキュメントの管理には、次のように共通する要素がいくつかあります。

  • ドキュメントにアクセスするためにログインする

  • 必要なドキュメントを検索する

  • ドキュメントとそのプロパティを表示する

  • 管理するドキュメントをアップロードする

  • 必要なドキュメントをダウンロードする

  • ドキュメントを使いやすいように整理する

  • ワークフローを使用して他のユーザーとドキュメントを共有する