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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Portalでのポータルの構築
12c (12.2.1.1)
E77297-02
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28 ビジネス・オブジェクトの使用

この章では、ビジネス・オブジェクトを作成、編集および管理する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

権限

この章のタスクを実行するには、次のいずれかのポータル・レベルの権限が必要です。

  • Assets: Create, Edit, and Delete Assets、またはCreate AssetsおよびEdit Assets (標準権限)

    または
  • Application Integration Visualization: Manage Application Integration Visualization (アドバンスト権限)。

権限の詳細は、「ポータルのロールと権限について」を参照してください。

28.1 ビジネス・オブジェクトについて

WebCenter Portal 12c (12.2.1)では、ビジネス・オブジェクトを使用してRESTまたはSQLのデータ・ソースからデータを取得する機能が導入され、アプリケーション統合の複雑さが軽減されました。取得されたデータは、データ視覚化視覚化テンプレートを使用して、ポータル・ページにレンダリングできます。たとえば、いずれかの組込み視覚化テンプレートでデータを表示したり、開発者がJDeveloperでカスタム視覚化テンプレートを作成することができます。

これを実現するための基本手順は、次のとおりです。

  1. データ・ソースを作成します。ページに表示するデータの取得元となるRESTまたはSQLのデータ・ソースを作成します(「RESTデータ・ソースの作成」および「SQLデータ・ソースの作成」を参照)。

  2. (オプション)ビジネス・オブジェクトを作成します。データ・ソースから取得された属性およびメソッドをフィルタリングする必要がある場合は、ビジネス・オブジェクトを作成します(「ビジネス・オブジェクトの作成」を参照)。独自のビジネス・オブジェクトを作成しない場合は、データ視覚化の定義ウィザードでデータ・ソースが選択されたときに自動的にビジネス・オブジェクトが1つ作成され、そのデータ・ソースのすべての属性およびメソッドがそのビジネス・オブジェクトに追加されます。手動で作成したビジネス・オブジェクトは、ポータルの「アセット」ページおよびデータ視覚化の定義ウィザードにリストされますが、自動的に作成されたビジネス・オブジェクトは内部的なもので、一切公開されません。

  3. 視覚化テンプレートを決定します。組込み視覚化テンプレートのいずれかを使用できるか(「組込み視覚化テンプレートについて」を参照)、または開発者と連携してカスタム視覚化テンプレートを作成する必要があるかを決定します。ポータルにアップロードされたカスタム視覚化テンプレートは、ポータルの「アセット」ページに表示されます。これをすべてのポータルで使用できる共有アセットとして使用可能にすることもできます。

  4. データ視覚化を構成します。ページにデータ視覚化コンポーネント(データ・プレゼンタの視覚化)を追加した後、コンポーネントを構成して、ページでレンダリングするデータ視覚化を定義します(「データ視覚化の構成」を参照)。

ビジネス・オブジェクトの主な機能は、ポータル・ページ上に表示するデータのソースを単純化することです。データ・ソースが複雑ではない場合、ビジネス・オブジェクトは、データ・ソースがデータ視覚化の定義ウィザードで選択されたときに、WebCenter Portalによって自動的に作成されます。自動的に作成されたビジネス・オブジェクトの場合、そのデータ・ソースのすべての属性とメソッドがビジネス・オブジェクトに追加されます。この場合、各属性および各メソッドの表示名と説明を構成することはできません。通常、上級ユーザーは、データ視覚化の構築に関連する制限された属性セットを使用して、ポータル・アセットとしてビジネス・オブジェクトを手動で作成します。ビジネス・オブジェクトはポータル・レベルでのみ(ポータル・アセットとして)作成でき、アプリケーション・レベルで(共有アセットとして)作成することはできません。

ビジネス・オブジェクトでは、複数のスカラー属性およびコレクション属性を公開できます。RESTでは、基礎となるRESTデータ・ソースからのサポートに基づいて、GETPUTPOSTDELETEなどの複数のメソッドをサポートできます。各ビジネス・オブジェクトには対応するデータ・サービスへの参照が含まれ、データ・サービスには、バックエンド・データ・ソースにアクセスするための実際のモデルを提供する、基礎となるデータ・コントロールへの参照が含まれます。

28.2 ビジネス・オブジェクトの作成

ビジネス・オブジェクトを作成する前に、「ビジネス・オブジェクトについて」を参照してください。

データ・ソースからのすべての属性とメソッドを含む自動で作成されたビジネス・オブジェクトを使用することも、指定するデータのみを取得するビジネス・オブジェクトを手動で作成することもできます。データ・ソースに複数の階層レベルおよび様々なレベルのデータが含まれている場合、1つのレベルのみを選択して視覚化を作成できます。たとえば、データ・ソースから2つのイテレータ(電話番号などの繰返しデータ)が戻される場合、ビジネス・オブジェクトに両方のイテレータを含めることができますが、データ視覚化では、最初のイテレータのみが使用されます。両方のイテレータを使用する必要がある場合は、2つの個別のビジネス・オブジェクトを作成する必要があります。手動で作成されたビジネス・オブジェクトは、単純であると考えられます。

ビジネス・オブジェクトは特定のポータルに関連付けられているため、ポータル・レベルでのみ(ポータル・アセットとして)作成でき、アプリケーション・レベルで(共有アセットとして)作成することはできません。データ・ソースから取得した属性とメソッドをフィルタリングするためにビジネス・オブジェクトを作成する場合、最初から作成することも、既存のビジネス・オブジェクトのコピーを作成して編集することもできます。新しいビジネス・オブジェクトを最初から作成するには、この項内の手順に従います。既存のビジネス・オブジェクトをコピーして新しいコピーを編集するには、次の項を参照してください。

ビジネス・オブジェクトを作成するには:

  1. ビジネス・オブジェクトを作成するポータル「アセット」ページに移動します。

    詳細は、「ポータル・アセットへのアクセス」を参照してください。

  2. 左側のペインで、「統合」の下の「ビジネス・オブジェクト」をクリックします。
  3. ツールバーで「作成」をクリックし(図28-1)、新規ビジネス・オブジェクトの作成ウィザードを開いて、ビジネス・オブジェクトに含めるデータ要素を定義します。

    図28-1 ビジネス・オブジェクトの作成

    図28-1の説明が続きます
    「図28-1 ビジネス・オブジェクトの作成」の説明
  4. 新規ビジネス・オブジェクトの作成ウィザード(図28-2)の「名前」フィールドで、ビジネス・オブジェクトの名前を入力します。
    ビジネス・オブジェクトを選択すると、名前がリストに表示されます。

    注意:

    ビジネス・オブジェクト名には、予約語Business Objectを含めることはできません。

    図28-2 新規ビジネス・オブジェクトの作成ウィザード

    新規ビジネス・オブジェクトの作成ウィザード
  5. (オプション)「説明」フィールドに、ビジネス・オブジェクトの説明を入力します。

    この説明は、「アセット」ページ内の名前の下に表示されます。ユーザーがこの特定のビジネス・オブジェクトを使用するかどうかを判断する際に説明が役立つことを確認します。

  6. 「データ・ソース」タブで、データ・ソースを定義してビジネス・オブジェクトのデータを取得します。

    注意:

    既存のRESTデータ・ソースを選択する必要があり、かつ、基礎となるデータが変更されたことがわかっている場合は、データ・ソースを編集するために、ウィザードを終了してポータルの「アセット」ページに移動でき(「RESTデータ・ソースの編集」を参照)、ここで、「スキーマのリフレッシュ」を選択して、属性の追加、削除、名前変更などの変更が加えられたデータ・ソースおよびビジネス・オブジェクトをリフレッシュできます。より重大な構造上の変更を行う場合は、データ・ソースと、それが使用されるすべてのデータ視覚化を再作成する必要があります。

    1. 「タイプ」リストから、ビジネス・オブジェクトのデータ取得元となるデータ・ソースのタイプ(RESTまたはSQL)を選択します。
      生成されるリストには、選択したタイプのポータル・アセットであるすべてのデータ・ソースが示されます。
    2. データ・ソースの生成されたリストから、必要なデータ・ソースを選択します。
    3. 「メソッド」リストから、データを取得するために使用するメソッド(GETなど)を選択します。
    4. 生成されたメソッドのリストで、メソッドの「展開」アイコンをクリックして、選択したデータ・ソースに関連付けられている属性を表示し、チェック・ボックスを選択してビジネス・オブジェクトに必要な各属性を選択します(図28-3)。すべてのチェック・ボックスを選択解除するには、「子の選択解除」アイコンをクリックします。

      図28-3 新規ビジネス・オブジェクトの作成: 属性

      新規ビジネス・オブジェクトの作成: 属性
  7. 「構成」タブで、次の手順を実行します。
    1. メソッドまたは属性の横にある「編集」アイコンをクリックして、データ・ソースから取得されたソースの名前または説明を変更します。
    2. メソッドまたは属性の横にある「削除」アイコンをクリックして、ビジネス・オブジェクトによって取得するデータからそれらを削除します。
  8. パラメータが存在する場合は、「パラメータ」タブで「編集」をクリックし、パラメータの名前や値を変更します。

    リストされているパラメータは、データ・ソースから取得されたものです。たとえば、バインド変数を含む問合せを使用してSQLデータ・ソースを作成すると、すべてのバインド変数がパラメータとして表示されます。同様に、RESTデータ・ソースの場合、パラメータはリソースURL (http://example.com/stocks?symbol=ORCLなどで、この場合symbolはパラメータです)で指定されます。ビジネス・オブジェクト内のパラメータ名は、構文paramName_methodの形式で表記されています。たとえば、前述のRESTデータ・ソースの例を使用すると、デフォルト・ビジネス・オブジェクトのパラメータ名はsymbol_GETとなります。必要に応じて、パラメータの名前を変更できます。

  9. 「プレビュー」タブで「テスト」をクリックし、選択に基づいたデータ・ソースから取得されたデータをプレビューします。
  10. 「保存」をクリックします。
    新規作成されたビジネス・オブジェクトが、アセット・ページにリストされます(図28-4)。「使用可能」列のチェック・ボックスはデフォルトで選択され、このことは、このビジネス・オブジェクトが公開され、ユーザーがデータ視覚化へのバインドにこのビジネス・オブジェクトを使用できることを示します(「データ視覚化の構成」を参照)。

    図28-4 「アセット」ページでの新規ビジネス・オブジェクト

    「アセット」ページでの新規ビジネス・オブジェクト

28.3 ビジネス・オブジェクトの編集

ビジネス・オブジェクトを編集して、その構成設定を変更できます。

ビジネス・オブジェクトを編集するには、次の手順を実行します。

  1. ビジネス・オブジェクトを所有するポータル「アセット」ページに移動します。詳細は、「ポータル・アセットへのアクセス」を参照してください。
  2. 左側のペインで、「統合」の下の「ビジネス・オブジェクト」をクリックします。
  3. 編集するビジネス・オブジェクトの「アクション」列で、「編集」クイック・リンク(図28-5)をクリックし、ビジネス・オブジェクトの編集ウィザードを開きます。

    図28-5 ビジネス・オブジェクト・アセットの編集

    ビジネス・オブジェクト・アセットの編集
  4. ビジネス・オブジェクトの編集ウィザード(図28-6)で、「名前」「説明」「データ・ソース」「構成」および「パラメータ」の各タブでの設定について必要な変更を行います。設定の詳細は、「ビジネス・オブジェクトの作成」を参照してください。

    図28-6 ビジネス・オブジェクトの編集ウィザード

    ビジネス・オブジェクトの編集ウィザード
  5. 「保存」をクリックしてビジネス・オブジェクトへの変更を保存し、ウィザードを閉じます。

28.4 ビジネス・オブジェクトの管理

次のオプションは、アセット・ページに表示され、ビジネス・オブジェクトの管理に使用できます。 ,
  • 作成: ビジネス・オブジェクトの作成ウィザードで新規ビジネス・オブジェクトを作成できます。

    詳細は、「ビジネス・オブジェクトの作成」を参照してください。

  • 削除: 不要になったビジネス・オブジェクトを削除できます。

    詳細は、「アセットの削除」を参照してください。

  • アクション

    • コピー: 新規ビジネス・オブジェクトのベースとして使用するために、既存のビジネス・オブジェクトのコピーを作成できます。

      詳細は、「アセットのコピー」を参照してください。

    • プロパティの編集: 各ビジネス・オブジェクトには、特定のプロパティが関連付けられており、このプロパティでポータルでの表示方法を制御します。これらのプロパティは、「プロパティの編集」ダイアログで編集できます。

      詳細は、「アセットのプロパティの設定」を参照してください。

    • プロパティの表示: 各ビジネス・オブジェクトには、そのビジネス・オブジェクトについての有用な情報がまとめられた「プロパティの表示」ダイアログが関連付けられています。

      詳細は、「アセットに関する情報の表示」を参照してください。

  • 使用可能: このチェック・ボックスを選択または選択解除することにより、ポータルでビジネス・オブジェクトを使用できるかどうかを制御できます。

    詳細は、「アセットの表示および非表示」を参照してください。

  • 編集: ビジネス・オブジェクトの編集ウィザードで既存のビジネス・オブジェクトを編集できます。

    詳細は、「ビジネス・オブジェクトの編集」を参照してください。