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Oracle® Fusion Middleware Oracle WebCenter Sitesの管理
12c (12.2.1.1)
E77293-01
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27 コンテンツ管理サイトのレプリケート

次の各トピックでは、サイト・ランチャの概要、レプリケーションのガイドライン、要件およびオプション、さらにサイト・ランチャを有効化および使用する手順について説明します。Site Launcherは準備済のコンテンツ管理(CM)サイトをレプリケートし、そのコンポーネントを共有するか、新しいサイトにコピーします。さらに、新規サイトを変更して、デプロイできます。

27.1 サイト・ランチャの概要

WebCenter Sitesでは、新規サイトを作成する労力をできるだけ少なくするために、サイト・ランチャというサイトレプリケーション・ユーティリティを提供しています。このユーティリティはCMサイトのバックアップ用ではなく、CMサイトをスピンオフさせるために設計されています。

たとえば、管理システムが、Productsという名前の部門に専用のCMサイトをホストしているとします。最近Servicesという新しい部門が設立され、迅速に公開する必要があります。Servicesは、サイズと構造がProductsと類似していますが、メンバーは宣伝担当者ではなく、広報の専門家です。Services CMサイトを最初から作成するのではなく、管理システム上でProducts CMサイトを直接レプリケートして、新しく設立されたServices部門に対応するようにレプリケートされたサイトを変更できます。

サイト・ランチャは、既存のデータベース・スキーマを再利用し、ソース・サイトをネイティブWebCenter Sitesシステム上で直接レプリケートします。サイトが、すばやく簡単にレプリケートされ、コーディングも必要ありません。ただし、レプリケーション自体は、直接的で迅速な手順ですが、管理者の作業では事前準備と事後処理が必要になります。どの程度の負担になるかは、コンテンツ管理の要求によって異なります。

この章の以降の部分では、1:1、1:n、x:nなど(コンテンツ管理モデルを参照)、あらゆるコンテンツ管理モデルで使用できるように、正しくサイトをレプリケートするために従う必要がある手順を説明します。

注意:

サイトのレプリケーションを実施できるのは一般管理者のみです。サイト管理者とワークフロー管理者は、サイト・ランチャへのアクセス権限がないため管理しているサイトをレプリケートできません。

27.2 レプリケーションの準備

サイトのレプリケーションを試みる前に、サイトやレプリケートされたサイトの特性に関するいくつかの推奨事項を考慮する必要があります。さらに、コピーまたは共有するコンポーネントを決定する必要があり、最終的にはソース・サイトがレプリケーションのシステム要件を満たすようにする必要があります。この項では、推奨事項、選択できる方法およびシステム要件について概要を説明します。

27.2.1 ソース・サイトのレプリケーション要件

サイト・ランチャは、ほぼすべてのCMサイトのレプリケートに使用できます。小規模、大規模、機能しているサイトや、不完全なサイト、他のサイトから独立したサイトおよびコンポーネントの共有により他のサイトと重複するものなどです。

ただし、Site Launcherを最も効率的に使用するには、小規模で、機能的で、必要なサイトと類似しているサイトから始めるのが最適です。一般に、ソース・サイトは骨格のようなもの、つまり構造とデザインはありますが、コンテンツはほとんどないものにします。これらの特性があると、レプリケートが扱いやすくなるだけでなく、リソースを保存して、レプリケーション時間を短縮しやすくなります。

さらに、ソース・サイトが管理システムに配置されていることを確認します。(レプリケート可能なソース・サイトを先に作成する必要がある場合、WebCenter Sitesの管理のロードマップの手順に従います。)

27.2.2 新規サイトの計画

次の各トピックでは、サイトのレプリケーション・オプションとシステム要件の概要を説明します。

27.2.2.1 コピーと共有

ソース・サイトを指定する場合、特定のサイト・コンポーネントをコピーまたは共有するかどうかを決定する必要があるため、最初から、新しいサイトがソース・サイトとの関連でどのように機能するかを決めておきます(複製またはサブセットとして、独立したサイトまたは重複したサイトとして)。(より大きいスケールでは、新しいサイトがコンテンツ管理モデル内の他のサイトとの関連でどのように機能するかも決定します。)

次の表は、ソース・サイトがレプリケートされるとき、多くのコンポーネントがデフォルトで共有されることを示しています。その他のコンポーネントは、任意に共有またはコピーできます。ユーザーは、コピーも共有もされません。

表27-1 コンポーネントとレプリケーション

ソース・サイトのコンポーネント レプリケーション方法

アセット・サブタイプ

共有

アセット・タイプ

共有

アセット

コピーまたは共有(管理者により決定)

関連付け

共有

パブリッシュの宛先

共有

ロール

共有

スタート・メニュー・アイテム

共有

テンプレート(デザイン・アセット)

コピーまたは共有(管理者により決定)

ツリー・タブ

共有

ユーザー

共有もコピーもされない

ワークフロー・プロセス

共有

アセットのコピーおよび共有は、アセット・タイプ・レベルで選択できますが、アセット・レベルではできません。コピーする(または共有する)アセット・タイプを選択すると、そのタイプのすべてのアセットがコピー(または共有)されます。これはテンプレート(デザイン・アセット)についても同様です。

アセットとテンプレートに関して、管理者固有のタスクは、次の点について決定することです。

  • アセットをコピーまたは共有する必要があるアセット・タイプはどれか。

  • テンプレート・アセットをコピーまたは共有する必要はあるか。

  • 新規サイトでアセットを書式設定されたコンテンツとしてプレビューするか。

アセットとテンプレートをコピーまたは共有する必要があるかどうかを決定するには、次のガイドラインを使用してください。

  • アセットを共有するために、アセットをレンダリングするテンプレートを共有する必要はありません。テンプレートはコピーできます。

    アセットを共有するのかあるいはコピーするのかは、テンプレートのレンダリング・ロジックがアセット名をどのように処理するかによります。たとえば、テンプレート・ロジックを共有テンプレート(render:satellitepageおよびrender:callelementタグで、明示的なテンプレート名で構成)と、コピー・テンプレート(render:satellitepageおよびcallelementタグで、前にVariables.siteを付けたテンプレート名で構成)のいずれかを仮定するように記述できます。

    同じ論理が他のアセット・タイプにも適用されます。レンダリング・ロジックで、フレックス属性名やイメージ名などのアセット名を使用すると、テンプレート・ロジックがアセット・タイプを共有(明示的な名前)またはコピー(構成された名前)のいずれかとして処理し、それに応じてソース・サイトを指定する必要があります。

    テンプレート・アセットをコピーすると決定した場合、そのテンプレート・アセットにハードコードされたテンプレート名が含まれておらず、テンプレートがいずれのスタート・メニュー・アイテムの「デフォルト値」リストでも指定されていないことを確認します。

  • アセットがサイト・ランチャによって新規サイトと共有されている場合、そのデータは変更されません。例外はテンプレート・アセットです。テンプレート・アセットでは、そのアセットを共有するサイトごとにSiteCatalogエントリが維持されます。テンプレートが共有されると、エントリのテンプレートのリストが更新されます(新規サイトがSiteCatalogエントリのリストに追加されます)。

  • 共有アセット内のデータが変更されないため、そのアセットのアセット参照も変更されないまま維持されます。アセット参照を持つアセットが共有される場合は、アセット参照も共有される必要があります。たとえば、ImageFileアセットへの参照を持っている記事アセットがある場合、両方のアセット・タイプを共有し、両方のアセット・タイプをコピーして、記事をコピーし、ImageFilesを共有することができます。

    ただし、記事を共有し、ImageFileをコピーすることはできません。これを行うと、サイトのコピーを起動するときエラーが表示されます。

  • スタート・メニューは、ソース・サイトとレプリケートされたサイト間で共有されます。したがって、ワークフロー・プロセスがソース・サイトのスタート・メニューで設定されている場合、そのワークフローはレプリケート・サイトでも設定されます。新規サイトでユーザーがアセットを作成するためにスタート・メニュー・アイテムをコールした場合、ワークフローが実行されます。

計画ステージでの決定は、インストール時の指定や、独自のWebCenter Sites環境の管理方法によって左右されます。レプリケーションによって作成されたサイトは、最終的には、管理システムのコンテンツ管理モデルにあわせる必要があります。サイトのモデリングの詳細は、コンテンツ管理モデルを参照してください。

27.2.2.2 アセット名の接頭辞

新規サイトにコピーされるアセットは、次のように接頭辞を使用し、アルゴリズムによって命名されます。

  • ソースの接頭辞は、サイトをサイト・ランチャのソース・サイトとして設定するときに指定し、デフォルトではそのサイトの名前になります。

  • 新規サイトの接頭辞は、サイト・ランチャ自体で指定し、デフォルトでは、新規サイトの名前です。接頭辞を指定するときには、短いものを指定してください。

  • ソース・アセットに接頭辞がある場合、またはアセット・タイプに一意の名前が必要な場合、接頭辞が新規アセットの名前に使用されます。ソース・アセットに接頭辞がある場合、新規アセットでは、古い接頭辞にかわって新しい接頭辞が使用されます。

  • ソース・アセットに接頭辞がない場合、新規アセットの名前を生成するためにアセット名の先頭に接頭辞が追加されます。

27.2.2.3 ユーザーの計画

ユーザーがレプリケーション時に新規サイトでコピーまたは共有されない場合、手動でユーザーを新規サイトに追加する必要があります。

ユーザーがソース・サイトのユーザーと異なる場合、ユーザー・アカウントを作成する必要があります。このプロセスでは、新規サイトでのユーザーの機能、必要なロール、スタート・メニュー・アイテムへのアクセス、ワークフロー、ツリー・タブなどを検討してください。

コンポーネント間の元のアソシエーションは、新規サイトで維持されます。ユーザーの機能を再定義する場合、そのサイトでのその他のコンポーネントとのアソシエーションを再定義することが必要になる可能性があります。

27.2.2.4 レプリケーション・スケジュール

通常の処理がサイトのレプリケーションに影響を与えるため、ソース・サイトが頻繁に編集されていないときにサイト・ランチャを実行することをお薦めします。さらに、レプリケーション前に、ソース・サイトのすべてのアセットがデータベースにチェックインされていることを確認してください。そうしないと、リビジョン追跡が有効で、共有するアセットがチェックアウトされている場合、アセットの共有に失敗します。

27.3 サイト・レプリケーションの有効化

この項では、サイト・ランチャの有効化と使用方法を示します。ソース・サイトと計画しているサイトが要件を満たすことを確認したら(レプリケーションの準備を参照)、ソース・サイトを構成およびレプリケートできます。

27.3.1 サイト・ランチャに対するソース・サイトの構成

サイト・ランチャを構成するには::

この項の手順を完了したら、すぐにソース・サイトのレプリケートの手順を使用して事後処理を行います。即座の事後処理により、ソース・サイトの条件が変更されないことが保証されます。

  1. 「一般的な管理」ツリーで、「管理」ノードを開き、続いて「サイト」を開き、続いてレプリケートするサイトをダブルクリックします。これがソース・サイトになります。

    「調査」フォームが開きます。

  2. 「このサイトのサイト・ランチャの構成」をクリックします。

    「サイト・ランチャの構成」フォームが開きます。

    図27-1 「サイト・ランチャの構成」フォーム

    図27-1の説明が続きます
    「図27-1 「サイト・ランチャの構成」フォーム」の説明
  3. アセットをコピーするには、「アセット接頭辞」フィールドに移動し、アセットの接頭辞を入力するか、デフォルト(ソース・サイトの名前)を受け入れます。
  4. 「有効なアセット・タイプ」セクションで、そのアセットをコピーまたは共有するアセット・タイプを見つけて、対応する「コピー」または「共有」ラジオ・ボタンをクリックします。
  5. 「保存」をクリックします。

27.3.2 ソース・サイトのレプリケート

ソース・サイトをレプリケーションできるようにしたら、サイト・ランチャを使用して必要な数だけソース・サイトのコピーを作成できます。

ソース・サイトをレプリケートするには::

  1. サイト・ランチャに対するソース・サイトの構成の手順を完了していることを確認します。

  2. 「調査」フォームの下部にある「コピーの起動」をクリックします。

    「サイト・ランチャ」フォームが開きます。

    図27-2 「サイト・ランチャ」フォーム

    図27-2の説明が続きます
    「図27-2 「サイト・ランチャ」フォーム」の説明
  3. 「名前」フィールドに、新規サイトの名前を入力します。サイトに名前を付ける際は、次の規則に注意してください。

    • 1から255文字で指定する必要があります。

    • 次の文字は使用できません。一重引用符(')、二重引用符(")、セミコロン(;)、コロン(:)、疑問符(?)、アンパサンド記号(&)、小なり記号(<)、大なり記号(>)。さらに、名前の末尾にバックスラッシュは使用できません。

    • 名前に空白を含めることはできません。

  4. 「説明」フィールドに、新規サイトの説明を入力します。

  5. 「パブリッシュの宛先」領域で次の手順を実行します。

    1. 必要に応じてチェック・ボックスを選択し、宛先を初期化します。

    2. 新規サイトに使用するパブリッシュの宛先を選択します。

  6. 「サイトの追加」をクリックしてサイトをコピーします。

    新しいサイトが作成された後で、次の内容を示す概要が表示されます。

    • どのアセットがコピーまたは共有されたか。共有されているアセットごとに、WebCenter Sitesにより、AssetPublication表に新規サイトのサイトID (パブリケーションID)を示す行が追加されます。コピーされたアセットごとに、WebCenter Sitesにより、元のアセットが格納されている表にコピーが入力されます。

    • 新規サイトで共有されるスタート・メニュー・アイテムの数、ワークフロー・プロセスおよびパブリッシュの宛先。

  7. この時点で、ユーザーを追加するか、その他の方法で新しいサイトが正しく構成されたことを確認する必要があります。手順とガイドラインは、ポストレプリケーション・タスクの実行を参照してください。

27.4 ポストレプリケーション・タスクの実行

新規サイトの作成後、次の手順を実行して新規サイトの構成を完了する必要があります。

  1. 既存のユーザーを新規サイトに追加するのか、新規ユーザーを作成するのかは、新規サイトをどのように計画しているかによります。
  2. ワークフロー・プロセスが存在する場合は、正しいアセット・タイプとロールがスタート・メニュー・アイテムのプロセスに関連付けられていることを確認します。
  3. 新規サイトをテストします。
  4. 必要に応じて、サイト管理者を作成します。xceladmin ACLをユーザー・アカウントに割り当てて、ユーザーに新規サイトのSiteAdminロールを付与します。