Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cリリース5 (12.1.0.5)にはハイブリッド・クラウド管理が組み込まれており、それを使用すると、オンプレミス・データベースに使用するのと同じ管理コンソールからOracle Database Cloud ServiceのOracle Databaseを管理できます。
Oracle Enterprise Managerは、Oracleの統合エンタープライズIT管理製品ラインであり、業界で唯一の完全に統合されたビジネス駆動型のエンタープライズ・クラウド管理ソリューションを提供します。 Oracle Enterprise Manager 12cには、ハイブリッド・クラウドでアプリケーションおよびワークロードを管理、移行、テストおよびデプロイするための包括的な機能が付属しています。 ハイブリッド・クラウドの特徴の詳細は、EMハイブリッド・クラウド管理を参照してください。
ハイブリッド・クラウド管理機能を使用してDatabase Cloud ServiceのOracle Databaseを管理するには、概略的には次のようなタスクを実行します。
オンプレミスEnterprise Manager Cloud Control Oracle Management Service (OMS)がリリース12.1.0.5であり、企業内に12.1.0.5の管理エージェントが1つ以上あることを確認します。
Database Cloud Serviceの計算ノードとオンプレミスOMS間でSSHベースの通信チャネルを提供するハイブリッド・クラウド・ゲートウェイ・エージェントとして機能するように、企業内でリリース12.1.0.5の管理エージェントを1つ以上構成します。
ハイブリッド・クラウド・ゲートウェイ・エージェントおよびオンプレミスOMSがDatabase Cloud Serviceの計算ノードと通信できることを確認します。
Add Host TargetsウィザードまたはEnterprise Managerコマンドライン・インタフェースを使用して、管理エージェントをDatabase Cloud Serviceの計算ノードにデプロイします。
このようなタスクを実行するための詳細な手順は、『Oracle Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド 12c リリース5 (12.1.0.5)』のハイブリッド・クラウド管理の有効化に関する項を参照してください。
Database Cloud Serviceデプロイメントのパッチ適用時におけるHybrid Cloudエージェントのホームの維持
Oracle Enterprise Manager Cloud Controlエージェントを/u01/app/oracle
(Oracle Baseディレクトリ)の下にインストールした場合、クラウド・ツールを使用してデータベース・パッチをデータベース・デプロイメントに適用する際、エージェントのホームは/u01/app.ORG/oracle
に移動されます。
エージェントのホームが/u01/app.ORG/oracle
にすでに移動されている場合は、それを/u01/app/oracle
にコピーしてリストアできます。
エージェントのホームが/u01/app.ORG/oracle
に移動されないようにパッチ適用ツールを構成するには、次の手順を実行します。
oracle
ユーザーとして、計算ノードに接続します。
詳細な手順は、「Secure Shell (SSH)経由での計算ノードへの接続」を参照してください。
/var/opt/oracle/patch/files_to_save.ora
という名前のファイルを作成します。
/var/opt/oracle/patch/files_to_save.ora
ファイルにエージェントのディレクトリの完全パスを追加します。
計算ノードから切断し、opc
ユーザーとして再接続します。
rootユーザーのコマンド・シェルを起動します。
$ sudo -s
#
パッチ適用構成ファイルの/var/opt/oracle/patch/dbpatchm.cfg
を編集し、次の行を検索します。
# create /var/opt/oracle/patch/files_to_save.ora with full path of directory or # files to preserve any special files you may have in your /u01/app directory. # set this to yes, if you have files_to_save.ora special_files="no"
special_files="no"
をspecial_files="yes"
に変更します。
ファイルを保存して閉じます。
rootユーザーのコマンド・シェルを終了し、計算ノードから切断します。
これらの手順の実行後は、データベース・デプロイメントにパッチを適用するたびに、エージェントのホームは元の場所で維持されるようになります。