この方法では、トランスポータブル表領域をクロス・プラットフォーム増分バックアップと組み合せて使用します。 この組合せを使用することで移行に必要なダウンタイムは大幅に削減されますが、全体的な管理および処理リソースは増します。 広範なクロスプラットフォーム移行サポート、ソースと宛先のデータベースの文字セットが異なる場合の限定的サポート、新しいバージョンのOracle Databaseへのデータの移行機能といったトランスポータブル表領域に伴う利点も得られます。
トランスポータブル表領域をクロス・プラットフォーム増分バックアップと組み合せて使用する移行は、3フェーズで行われます。
準備。
RMANを使用してソース表領域をバックアップします。
バックアップをExadata Cloud Machine計算ノードに転送します。
Exadata Cloud Machine計算ノードで表領域データ・ファイルをASMおよびExadata Storage Serverにロードします。 この段階で、必要に応じてエンディアン形式の変換を行います。
RMAN CONVERT
コマンドまたはDBMS_FILE_TRANSFER
パッケージのPUT_FILE
プロシージャを使用して、データ・ファイルのロードおよび変換を行えます。
ロール・フォワード。
RMANを使用して、ソース・システムで増分バックアップを作成します。
増分バックアップをExadata Cloud Machine計算ノードに転送します。
Exadata Cloud Machine計算ノードでRMANを使用して増分バックアップをターゲット・システムのエンディアン形式に変換し、ターゲット・データ・ファイルに適用します。
ターゲット・データベースの最新性がソース・データベースと合うまでロール・フォワード・タスクを繰り返します。
この方法は、増分バックアップは各バックアップにかかる時間より短時間で作成、トランスポートおよび適用できるという考えに基づいています。 これが真の場合、各バックアップが次第に小さくなって、ターゲット・システムがソース・システムに追い付きます。 増分バックアップの生成および適用に非常に時間がかかる場合、ターゲット・システムが追い付くことはなく、この方法は使用できません。
最終的なロール・フォワードおよびメタデータ・トランスポート。
ソース・データベースでソース表領域を読取り専用モードにします。
ソース・データベース・ホストでRMANを使用して最終的な増分バックアップを作成します。
ソース・データベース・ホストでData Pump Exportを実行し、表領域セットに関連付けられているメタデータをアンロードします。
最終的な増分バックアップおよびData Pumpダンプ・ファイルをExadata Cloud Machine計算ノードに転送します。
Exadata Cloud Machine計算ノードでRMANを使用して最終的な増分バックアップをターゲット・システムのエンディアン形式に変換し、ターゲット・データ・ファイルに適用します。
Exadata Cloud Machine計算ノードでData Pump Importを使用して、表領域セットに関連付けられているメタデータをロードします。
Exadata Cloud Machineデータベース上の表領域を読取り/書込みモードに設定します。
この方法を使用することによって、データ・トランスポートの大半が行われる準備およびロール・フォワード・フェーズでダウンタイムは発生しません。 ダウンタイムは、最終的なロール・フォワードおよびメタデータ・トランスポート・フェーズでのみ発生します。 つまり、必要なダウンタイムは、ソース・データベース全体のサイズではなく、その変更の割合とメタデータの量によって異なります。 したがって、トランスポータブル表領域をクロス・プラットフォーム増分バックアップと組み合せた使用は、それ以外の方法ではデータ・ファイルの転送および変換に許容できないほど長時間のダウンタイムを必要とする場合に適しています。
クロス・プラットフォーム増分バックアップは、メタデータのエクスポートおよびインポートの実行にかかる時間に影響しないことに注意してください。 そのため、メタデータの量が非常に多いデータベースでは、データ・ファイルの転送や変換ではなくメタデータの操作に移行時間の大半が費やされている場合、利点は限られます。
このオプションについては、「クロス・プラットフォーム・インクリメンタル・バックアップを使用して、トランスポータブル表領域のダウンタイムを削減」を参照してください。