Oracle Java Cloud Serviceは、容量単位を使用してOracle WebLogic ServerおよびOracle Coherence環境をプロビジョニングします。これにより、事前構成されたCoherenceキャッシュ容量が提供されます。 容量単位は、複数のJVM (管理対象Coherence Server)を実行する仮想マシン(VM)のグループであり、アプリケーションのコンテキストで直線的にスケーリングされます。 容量は、Coherenceに割り当てる固定量のプライマリ・キャッシュ記憶域として定義され、一般的にはJVMヒープ・サイズを3つに分割するルールに基づき、プライマリ・キャッシュ記憶域、バックアップ記憶域およびスクラッチ領域にそれぞれ1/3ずつ使用されます。
内容は次のとおりです。
Oracle Java Cloud Service-Coherenceインスタンスをプロビジョニングする際に、サービス・インスタンスに対して容量単位を宣言する必要があります。 容量単位は、VMおよびJVMの明確に定義された単位であり、指定するプロパティによって事前構成されます。
WebLogic ServerドメインのCoherenceデータ層でプロビジョニングするVMの処理能力
Coherenceに割り当てるプライマリ・キャッシュ記憶域量
Java Cloud Serviceの作成ウィザードを使用してサービス・インスタンスをプロビジョニングする場合、デフォルト容量単位定義(基本、小、中または大など)のリストから選択したり、リソース要件を満たすカスタム容量単位を定義できます。 各デフォルト容量単位定義により、その単位で構成されるVMやJVMの数に基づき、Coherenceに異なる量のプライマリ・キャッシュ容量が提供されます。 各デフォルト容量単位(基本構成を除く)は、高可用性(HA)単位を提供する3台のVM (Coherence HAを実現するVMの最小単位は3)のグループとして定義されます。 カスタム容量単位を使用する場合、カスタム単位ごとに3台のVMを指定するとCoherence HAが実現します。 サービス・インスタンスのプロビジョニング後は、使用したデフォルト容量単位または定義したカスタム容量単位の構成を変更することはできません。
注意:
Oracle Java Cloud Service-Coherenceインスタンスを最初に作成したときにプロビジョニングされるのは1つの容量単位のみです。 プロビジョニングの際に選択したデフォルト容量単位または定義したカスタム単位によって、Coherenceデータ層でスケーリング操作を開始するときのOracle Java Cloud Serviceによるサービス・インスタンスのスケーリング方法が決まります。
サービス・インスタンスに宣言した容量単位宣言に基づき、スケーリング操作では、VMグループを一度に追加または削除して、事前構成された固定量の分だけCoherenceの合計キャッシュ容量を増減します。
Oracle Java Cloud Serviceでは、プロビジョニングでサービス・インスタンスに対してOracle Coherenceを有効にする際に、容量単位を使用してCoherenceデータ層を作成します。 容量単位定義には、VM、JVMおよびJVMヒープの構成に基づき、提供するCoherenceキャッシュ容量を決定するプロパティがあります。
Oracle Java Cloud Service-Coherenceインスタンスを作成する場合、デフォルト容量単位を使用すればプロパティの定義を気にする必要はありません。
(プロビジョニングの際に高度な構成を使用して)カスタム容量単位の各自の構成を定義する場合、カスタム容量の一連のプロパティを指定する必要があります。
デフォルトまたはカスタム容量単位定義のプロパティは次のとおりです。
VM count: 各容量単位には、事前定義された数のVMがあります。
VM shape: 各VMのシェイプは同じです。 シェイプは、Oracle Compute Unit (OCPU)の数とRAMの量を示し、VMの処理能力およびJVMヒープに使用可能なメモリー量を決定します。 たとえば、シェイプoc3
の場合、1台のOCPUと7.5GBのメモリーがあります。
JVM count: 各VMは、同じ数のJVM (管理対象Coherence Server)を実行するように構成されます。
JVM heap: 同じヒープ・サイズが各JVMで構成されます。 ヒープに使用可能なメモリーは、オペレーティング・システムに1.5GBが予約された後に残るシェイプ・メモリーの75%になります。 JVM当たりのヒープ・サイズは、使用可能なメモリーを、容量単位ごとのJVMの数で割った量になります。 一般的には、プライマリ・キャッシュ記憶域にヒープの1/3を使用します。
容量単位のキャッシュ・サイズまたはキャッシュ容量は、Coherenceに構成するプライマリ・キャッシュ記憶域量であり、次の内容に基づきます。
各VM上の事前定義されたJVM (管理対象Coherence Server)の数
各JVM (管理対象Coherence Server)上の事前定義されたヒープ・サイズ
注意:
Oracle Java Cloud Service-Coherenceインスタンスを最初に作成するときにプロビジョニングおよび構成されるのは、1つの容量単位のVMとJVMのみです。 サービス・インスタンスで提供されるキャッシュ容量を増やすには、一度に1つの容量単位を追加してCoherenceデータ層をスケール・アウトします。Java Cloud Serviceの作成ウィザードを使用してOracle Java Cloud Serviceインスタンスをプロビジョニングする場合、デフォルト容量単位を使用して、サービス・インスタンスに対してOracle Coherenceを有効化できます。 Oracle Java Cloud Serviceは、様々なユース・ケースに適した一連のデフォルト容量単位を備えています。
各デフォルト容量単位定義により、大部分のアプリケーションやワークフロー要件に合うプライマリ・キャッシュ記憶域およびVM処理能力の様々な組合せが実現します。
デフォルト容量単位の内容は次のとおりです。
名前(「基本」、「小」、「中」、「大」など)
シェイプ(低または高処理能力、標準メモリーまたはメモリー集約型など)
Coherenceに割り当てる固定量のプライマリ・キャッシュ記憶域であるキャッシュ容量またはキャッシュ・サイズ。VMの数、VM当たりのJVMの数、各JVMのヒープ・サイズに関する単位の事前定義プロパティに基づきます。
「基本」定義を除き、デフォルト容量単位は、Coherenceの高可用性を実現する最小単位である3台のVMで構成されるグループになります。 「基本」定義は、1台のVMのみで構成されます。
次の容量単位プロパティを使用すると、使用するデフォルト容量単位定義の決定に役立ちます。
デフォルト容量単位名 | 単位当たりのVMの数 | シェイプ | OCPU | メモリー(GB単位のRAM) | VM当たりのJVMの数 | JVM当たりのヒープ・サイズ(MB) | 単位当たりの合計プライマリ・キャッシュ(MB) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
基本(非HA) |
1 |
oc3 |
1 |
7.5 |
1 |
4608 |
1536 |
小 |
3 |
oc3 |
1 |
7.5 |
1 |
4608 |
4608 |
中 |
3 |
oc4 |
2 |
15 |
2 |
5120 |
10240 |
大 |
3 |
oc5 |
4 |
30 |
4 |
5632 |
22528 |
デフォルト容量単位を使用する場合は次の点に注意してください。
JVMヒープのメモリー量は、シェイプのメモリー(RAM)に基づきます。 ヒープ構成に使用される合計メモリーは、オペレーティング・システムに1.5GBが予約された後に残るシェイプ・メモリーの75%になります。 JVM当たりのヒープ・サイズは、使用可能なメモリーを、容量単位ごとのJVMの数で割った量になります。
Coherenceに割り当てる合計プライマリ・キャッシュ記憶域は、一般的にJVMヒープ・サイズを3つに分割するルールに基づき、プライマリ・キャッシュ記憶域、バックアップ記憶域およびスクラッチ領域にそれぞれ1/3ずつ使用されます。
Oracle Java Cloud Service-Coherenceインスタンスを最初に作成するときにプロビジョニングおよび構成されるのは、1つの容量単位のVMとJVMのみです。 サービス・インスタンスで提供されるキャッシュ容量を増やすには、一度に1つの容量単位を追加してCoherenceデータ層をスケール・アウトします。
容量単位のキャッシュ・サイズ(合計プライマリ・キャッシュ容量)が小さくなればなるほど、キャッシュ増分(または減分)も小さくなります。クラスタでスケーリング操作を開始する場合、クラスタはこの単位で拡大(または縮小)します。
データ・センター・サイトでサポートされる最大キャッシュ容量までクラスタをスケール・アウトできます。
Java Cloud Serviceの作成ウィザードを使用してOracle Java Cloud Service-Coherenceインスタンスをプロビジョニングする場合、デフォルト容量単位ではなく、詳細オプションを選択してカスタム容量単位の各自のプロパティを定義できます。
Java Cloud Serviceの作成ウィザードでカスタム容量単位を定義する場合、次のプロパティを指定する際にこれらのガイドラインを使用します。
プロパティ | 説明 | ガイドライン |
---|---|---|
シェイプ |
Coherenceデータ層でVMに使用するコンピューティング・シェイプ。 すべてのVMのシェイプは同じです。これは、Oracle Compute Unit (OCPU)の数と、VMインスタンスに使用可能なRAM (システム・メモリー)の量を表します。 |
定義済みコンピューティング形態の詳細は、Oracle Cloud管理者に問い合わせてください。 |
ノード |
容量単位ごとに構成するVMの数。 |
指定のコンピューティング・シェイプに応じて、1から3の数字を使用します。 Coherence高可用性を実現するには、3を選択します。 これは、Coherence高可用性を実現するVMの最小数が3であるためです。 |
ノードごとの管理対象サーバー |
選択したコンピューティング・シェイプに対して各VMで起動するJVMまたは管理対象Coherence Serverの数。 すべてのVMには同じ数のJVMがあります。 |
指定のシェイプに応じて、1から8の数字を使用します。 使用するサーバーの数が多くなると、並行処理とメモリー管理が改善されますが、必要なプロセッサも多くなります。 VMごとに構成可能なサーバーの最大数は、各JVMヒープ・サイズに少なくとも1GBが使用されることに基づき決まります。 たとえば、ヒープに使用可能なメモリーが4.5GBの場合、選択可能なサーバーの最大数は4になります。 |
カスタム容量単位を定義する場合は次の点を考慮してください。
JVMヒープ構成に使用可能なメモリーは、シェイプのメモリー(RAM)に基づきます。 使用可能な合計メモリーは、オペレーティング・システムに1.5GBが予約された後に残るシェイプ・メモリーの75%になります。 各JVMに構成するヒープ・サイズは、使用可能なメモリーを、単位ごとのJVMの数で割った量になります。
たとえば、メモリーが7.5GBのシェイプを容量単位で使用する場合、ヒープ構成に使用可能なメモリーは、6GBの75%、つまり4.5GBになります。 容量単位が1台のVMで事前定義され、VMごとに2台のJVMを実行するように構成される場合、JVM当たりのヒープ・サイズは、4.5GBの半分、つまり2.25GBになります。
Oracle Java Cloud Service Consoleから使用可能なサービスの作成ウィザードを使用してサービス・インスタンスをプロビジョニングする場合、構成される最大ヒープ・サイズはそれぞれ16GBです。 サービス・インスタンスの作成後、WebLogic Server管理コンソールを使用してヒープ・サイズを増やすことはできますが、変更内容はOracle Java Cloud Service Consoleまたはサービス・インスタンスの容量単位定義には反映されません。 スケール・アウト操作を開始すると、新しいJVMには元のヒープ・サイズが構成されます。
デフォルト容量単位と同様に、ドメインのCoherenceに割り当てる合計プライマリ・キャッシュ記憶域の合計量は、一般的にJVMヒープ・サイズを3つに分割するルールに基づき、プライマリ・キャッシュ記憶域、バックアップ記憶域およびスクラッチ領域にそれぞれ1/3ずつ使用されます。
前述の例に従い、1つの容量単位をプロビジョニングすると、Coherenceに割り当てるプライマリ・キャッシュは4.5/3、つまり1.5GBが提供されます。
ただし、カスタム容量単位が単一のVMで構成される場合、Coherenceデータのバックアップ・コピーを格納する領域がないため、実際の使用可能なデータは、JVMヒープ・サイズの1/3以上になります。
容量単位のキャッシュ・サイズ(合計プライマリ・キャッシュ容量)が大きくなればなるほど、キャッシュ増分(または減分)も大きくなります。クラスタでスケーリング操作を開始する場合、クラスタはこの単位で拡大(または縮小)します。
注意:
Oracle Java Cloud Service-Coherenceインスタンスを最初に作成するときにプロビジョニングおよび構成されるのは、1つの容量単位のVMとJVMのみです。 サービス・インスタンスで提供されるキャッシュ容量を増やすには、一度に1つの容量単位を追加してCoherenceデータ層をスケール・アウトします。