1 StorageTek VSM コンソールとは

Oracle の StorageTek Virtual Storage Manager コンソールは、VSM 6 または VSM 7 ソリューションの追加機能として提供されるハードウェアとソフトウェアのアプライアンスです。

VSM コンソールは、T5-2 プラットフォーム上の 2 つの Solaris サーバーで構成されます (冗長性のため 1 つはプライマリサーバー、もう 1 つはセカンダリサーバー)。これらのサーバーは、既存の Oracle Sun Rack II モデル 1242 に設置され、同じラックに設置されている VSM に接続されます。これらのサーバーは、1 つの VSM ラック内または 2 つの別々の VSM サーバーに設置できます。

注記:

  • このドキュメントには、特に VSM コンソールに関連する情報が含まれています。VSM コンソールは VSM 6 または VSM 7 でサポートされる機能であり、それより前の VSM リリースでは使用できないため、追加情報については該当する『VSM 計画ガイド』を参照してください。

  • VSM コンソールアプライアンスは Oracle フィールドサービスによって設置されます。

図1-1は、VSM コンソールサーバーの主要コンポーネントを示しています。これらのコンポーネントについては、以降のセクションで説明します。

図1-1 VSM コンソールサーバー

図1-1 については、周囲のテキストで説明しています。

プリインストールされているソフトウェア

VSM コンソールサーバーには、次の Oracle StorageTek ソフトウェアがプリインストールされています。

  • StorageTek 仮想テープ制御ソフトウェア (VTCS) Release 7.3 (Solaris オペレーティング環境で動作するようにカスタマイズ済み)

    このソフトウェアは仮想テープボリューム (VTV) の管理を可能にします。VSM コンソールに接続されたクライアントからの仮想テープボリューム要求を処理します。VSM コンソールは既存の VTCS インタフェースを使用することにより、既存の MVS の顧客に簡単な移行パスを提供します。VSM コンソール上で実行されるこのバージョンの VTCS は oVTCS と呼ばれます。

  • XAPI サーバーのサポートに対応している StorageTek 自動カートリッジシステムライブラリソフトウェア (ACSLS) Release 8.4

    このソフトウェアは、VSM コンソールに接続されたクライアントからの実テープボリューム要求を処理します。

  • StorageTek VSM GUI Release 1.1 (Solaris オペレーティング環境で動作するようにカスタマイズ済み)

    このソフトウェアは、VSM コンソール上の oVTCS のグラフィカルユーザーインタフェース管理コンソールを提供します。VSM 7 OSA (オープンシステム接続) 機能を使用した構成をサポートするための追加機能が含まれています。

論理ドメイン (LDOM) の管理

VSM コンソールプラットフォームは、複数の Oracle StorageTek ソフトウェアアプリケーションを実行するように設計されています。そのためには、VSM コンソールサーバー上に複数の SPARC 論理ドメイン (LDOM) を配備する必要があります。Oracle StorageTek ソフトウェアアプリケーションの各インスタンスに、それぞれ専用の LDOM が必要です。各 LDOM は、それぞれ専用の Solaris オペレーティングシステム、仮想 CPU、メモリー、ディスク、およびネットワークインタフェースを使用します。

VSM コンソールは、LDOM リソースを物理ハードウェアにマップする、ハイパーバイザと呼ばれる制御ドメインを提供します。さらに、VSM コンソールでは、ユーザーがハイパーバイザと個々の LDOM を構成および管理できるように、メニュー駆動型の端末ユーザーインタフェースアプリケーション (TUI) が用意されています。