2 VSM コンソールの計画

この章では、次に示す VSM コンソールの計画のトピックに関する情報を提供します。

メインフレームホストのソフトウェア要件を満たす

VSM コンソールに接続された MVS クライアントとして SMC を使用する場合、VSM コンソールサーバー上の oVTCS には次のものが必要です。

  • VTSS として VSM 6 または VSM 7

  • SMC 7.3 以上 (XAPI サポートに対応)。VSM コンソールに対する MVS クライアントとして機能します

ネットワークインフラストラクチャー要件を満たす

可能であれば、VSM コンソールが到着する前に、設置時間を最小限に抑えるため、IP アドレス、VLAN 用ネットワークスイッチ、またはその他の設定 (ケーブルの配線など) の構成を行います。

各 VSM コンソールサーバーについて、次のようにネットワークで VSM コンソールに接続する準備ができていることを確認します。VSM コンソールに直接接続するすべてのネットワークスイッチおよびルーターには、1/10GBase-T (1Gb または 10Gb 銅 RJ45 Ethernet 接続) が必要です。各 VSM コンソールに最大 2 つの物理 Ethernet 接続があります。

注記:

VSM コンソールの構成時に、VSM コンソールごとに最大 2 つのタイムサーバーを指定できます。

適切な (お客様提供の) 1GigE Ethernet ケーブルを使用していることを確認してください。

  • CAT5 以下のケーブルは GigE 伝送では許容されません。

  • CAT5E ケーブル: パッチパネルを通す場合は 90 m、ストレートケーブルの場合は 100 m 許容可能です。

  • CAT6 ケーブル: パッチパネル構成に関係なく、100 m 許容可能です。

このリリースでは、VSM コンソールから 1 台のルーターへの単一の接続がサポートされています。

保守性要件を満たす

VSM コンソール製品では、ほかの Oracle 製品と共通の標準 Oracle サービス戦略を使用します。自動サービスリクエスト (ASR) は、Oracle Premier Support for Systems および Oracle 限定保証の機能であり、特定のハードウェア障害が発生したときに Oracle サービスを自動的にリクエストするように設計されています。ASR を使用して、サービスケースの作成を手動または自動的にリクエストできます。デバイスのサービス契約が結ばれている必要があります。

オプションで、ASR と組み合わせて、Oracle サポートで ASR イベントの詳細を含む電子メールの送信を構成できます。詳細は、Oracle サポートにお問い合わせください。

ASR 機能の利点は、My Oracle Support サイトのナレッジ記事ドキュメント ID 1285574.1、ASR FAQ にも記載されています。

顧客から提供される情報

VSM コンソールは、送信 ASR と Oracle サポートとの電子メール通信を許可するように構成されます。VSM コンソールの送信 ASR 通知をサポートするには、設置を実施する Oracle フィールドエンジニアに表2-1 から表2-3 までの情報をお客様から提供していただく必要があります。

表2-1 全般構成 - サイトの情報

構成値

会社名

Company Inc

サイト名

Site A

市区町村

AnyTown


表2-2 全般構成 - 連絡先情報

構成値

Joe

Companyperson

連絡先電子メール

joecompanyperson@company.com


表2-3 ASR 設定 - Oracle オンラインアカウント情報

構成値

顧客の Oracle CSI ログイン名

joecompanyperson@company.com

顧客の Oracle CSI ログインパスワード

********


注記:

My Oracle Support (MOS) にログインして、VSM コンソールの登録を承認する必要があります。この承認が完了するまで、VSM コンソールは MOS からのケースの自動生成ができません。

イベントおよびログ情報の電子メール通知のために、ASR アラートを通知する電子メール ID のリストも提供していただく必要があります。

インストール時に送信通信ステップが完了していない場合、またはまったく許可されない場合、Oracle サービスチームのサポートを必要とするイベントへのタイムリーな対応のための Oracle のオプションは著しく少なくなります。VSM コンソールは、イベントとログ情報を含む電子メールを、指定したお客様の内部電子メールアドレスに直接送信するように構成できます。この電子メールの受信者は Oracle とのサービスリクエストを直接開始して、VSM コンソールから受信したすべての電子メールを Oracle サポートに転送できます。このケースでは、VSM コンソールの電子メールが送信される電子メールアドレスをお客様から提供していただく必要があり、この電子メールアドレスでは最大 5M の電子メールを受け取れることが必要です。

ASR 構成情報

ASR は、次の情報を使用して構成されます。

  • お客様の MOS 資格証明

  • ASR イベントの URL。これは MOS です

VSM コンソール構成値の決定

次のセクションでは、VSM コンソールの構成値を決定する方法について説明します。

VSM コンソールの Ethernet ポート

図2-1に、サーバーの背面の 1GigE Ethernet ポートを示します。

注記:

NET0 のみを使用して接続してください。

図2-1 VSM コンソールの 1GigE Ethernet データポート

図2-1 については、周囲のテキストで説明しています。

1GigE Ethernet ポートは、データトラフィック用および管理用のネットワークへの接続に使用される汎用ポートです。

ポートのホスト名

この値は、ネットワークに接続される各 IP アドレスのマシン (ホスト) 名です。文字は英数字 (A-Z、a-z、0-9) または「.」または「-」を使用できます。文字列の先頭と末尾の文字は、「.」または「-」にできません。名前はすべて数値にすることはできません。ホスト名 (ドメイン名を含まない) は 8 文字以下である必要があります。

IP アドレス

サーバーのネットワークアドレスは 1 つしかありません。IP アドレスには IPv4 または IPv6 アドレスを指定でき、標準の表記法を使用します。

CIDR

VSM コンソールは、ネットワークおよびホストアドレスを管理するために CIDR 表記を使用します。VSM コンソールの接続先となるネットワークの CIDR がわかっている必要があります。

Oracle への構成情報の提供

Oracle フィールド担当者が VSM コンソールを構成する準備をするときに、次の情報を提供してください。

  • データベースの形式

  • データディスクサイズ

データベース形式の選択

VSM コンソールの構成の前に、Oracle フィールド担当者に次の情報を提供する必要があります

  • データベースのモード。HSC ベースまたは SQL

    • HSC ベースのデータベースでは、既存の MVS VTCS システムと VSM コンソール oVTCS システムの両方で同じ CDS を使用できます。

      HSC CDS を使用すると、パフォーマンスが制限されます。

    • SQL データベースは複数のシステム間でレプリケートできます。SQL データベースは、VSM コンソールのプライマリノードとセカンダリノードの両方で oVTCS ノードが実行される HA (高可用性) ソリューションになるように設計されています。

  • SQL データベースのオプションを選択した場合は、どちらの oVTCS ノードがプライマリでどちらがセカンダリかを Oracle に通知する必要があります。

    SQL データベースは複数のシステム間でレプリケートでき、VSM コンソールのプライマリノードとセカンダリノードの両方で oVTCS ノードが実行される HA (高可用性) ソリューションになるように設計されています。

データディスクサイズの決定

LDOM の作成時に、VSM コンソールはデータディスクサイズの入力を求めます。

初期構成の場合は、次の見積りに基づいてデータディスクサイズの情報を指定する必要があります

  • ACSLS LDOM の場合、合計データディスクサイズは次のように約 21G バイトになります。

    • データベースに 1G バイト

    • バックアップイメージに 10G バイト

    • ログやトレースなどの診断材料に 10G バイト。データディスクが大きいほど、より多くの診断材料を保持できることに注意してください。

      注記:

      十分な領域を確保するには、25G バイトを割り当てることをお勧めします。
  • oVTCS LDOM の場合、1,000,000 個の VTV を含む構成の例を使用すると、合計データディスクサイズは次のように約 21G バイトになります。

    • CDS のサイズは構成のサイズによって異なります。

      • VTV 当たり 500 バイトと仮定

      • 1,000,000 個の VTV には 500M バイト

    • CDS バックアップに 5G バイト (1,000,000 個の VTV の CDS サイズ * 10 に基づく)。

    • ログやトレースなどの診断材料に 15G バイト。データディスクが大きいほど、より多くの診断材料を保持できることに注意してください。

  • VSM GUI LDOM の場合、合計データディスクサイズは約 48G バイトになります。

注記:

ディスクサイズは、必要に応じてあとで動的に変更できます。