2 Oracle Databaseのインストールとデータベースの作成
この章では、Oracle Databaseソフトウェアをインストールし、単一インスタンスのOracle Databaseを作成する方法について説明します。
以前のリリースのOracle Databaseを使用しており、最新リリースのOracle Databaseをインストールする必要がある場合は、既存のデータベースを新しいデータベースにアップグレードし、新しいリリースのデータベース・ソフトウェアで使用するように指定します。詳細は、「データベースのアップグレード」を参照してください。
この章の構成は、次のとおりです。
注意:
この章では、Oracle Databaseソフトウェアをインストールし、単一インスタンスのOracle Databaseを作成する方法の概要を提供します。この章はOracle Databaseの完全なインストレーション・ガイドではありません。
Oracle Databaseソフトウェアのインストールの詳細は、ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
2.1 Oracle Databaseソフトウェアのインストールとデータベースの作成の概要
データベースは、インストール中に作成できます。データベースの作成を選択すると、データベースの作成から構成までのプロセスをガイドするOracle Database Configuration Assistant(DBCA)がOUIにより自動的に起動します。
インストール・プロセスを開始する前に、前提条件とインストール時の選択項目を次の項で確認してください。
インストール中にデータベースを作成しない場合は、インストールの後、データベースを作成するときにDBCAを実行する必要があります。
注意:
インストール中またはインストール後に単独のプロセスとしてデータベースを作成すると、新しくデータベースを作成する必要はありません。複数のアプリケーションでデータベースを使用する場合も、複数のデータベースを作成するのではなく、単一のOracle Database内の複数のスキーマにデータを分割します。スキーマの詳細は、「ユーザー・アカウントについて」を参照してください。
Oracle Database 12c以降、0、1または多数のユーザー作成のプラガブル・データベース(PDB)をサポートするマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)も作成できるようになりました。Oracle Database 12cより前に作成されたOracleデータベースはすべて非CDBです。このマニュアルでは、CDBおよびPDBの作成に関するOUIおよびDBCAオプションについて説明します(CDBおよびPDBの管理については後続の章で説明)。CDBおよびPDBの詳細は、『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
2.1.1 Oracle Databaseのインストールの前提条件のチェック
要件は使用しているコンピュータおよびオペレーティング・システムのタイプによって異なりますが、前提条件には次のようなものがあります。
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十分なページング領域が使用可能である。
-
オペレーティング・システムの適切なサービス・パックまたはパッチがインストールされている。
-
適切なファイル・システム形式が使用されている。
関連項目:
インストール前の要件およびタスクの詳細は、ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
2.1.2 Oracle Databaseのインストールの選択項目の決定
Oracle Universal Installer (OUI)からの質問のフェーズで、インストールおよびデータベース作成のための選択を行います。ご使用のオペレーティング・システムによって、手順が異なります。インストール・プロセスを進めていくと、データベースの構成方法について選択項目が示されます。
2.1.2.1 Oracle Databaseのインストール・オプション
データベースを作成して構成するか、またはデータベース・ソフトウェアのインストールのみを行うかを選択できます。
インストール時に、事前構成済データベースまたはカスタム構成済データベースを作成できます。インストール中にデータベースを作成するよう選択しなかった場合、インストール後にDatabase Configuration Assistant (DBCA)を実行してデータベースを作成する必要があります。
注意:
データベースを作成および構成するように選択した場合は、インストールの完了後に、Oracle Universal Installer (OUI)によってDBCAが起動され、データベースが構成されます。
OUIを使用してデータベース・ソフトウェアのみをインストールするように選択した場合は、インストール後に手動でDBCAを実行して、データベースを作成および構成する必要があります。この方法では、データベース構成の制御に詳細オプションを使用できます。
事前構成済データベースは、Oracleで提供するテンプレートまたはユーザーが作成したテンプレートに基づいています。Oracleで提供する各テンプレートは、特定のワークロード・タイプ用に最適化されています。事前構成済データベースのタイプの詳細は、表2-2を参照してください。
デスクトップ・クラス・インストールの使用を選択した場合は、汎用データベース・テンプレートが使用されます。独自のデータベース構造を構成するカスタム・データベースを作成する場合は、「Oracle Databaseの拡張インストールについて」を参照してください。
注意:
新しいデータベースを作成する必要がある場合は、より高速で簡単な事前構成済データベースのインストールをお薦めします。このデータベースは、作成後にカスタマイズできます。
2.1.2.2 Oracle Databaseのインストール・クラス
インストール・クラスは、デスクトップ・クラスとサーバー・クラスです。
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デスクトップ・クラス: このインストール・クラスはラップトップ・コンピュータまたはデスクトップ・コンピュータに最適です。これには初期データベースが含まれ、最小限の構成が必要です。
-
サーバー・クラス: このインストール・クラスは、データ・センターなどにあるサーバーや、企業レベルのアプリケーションをサポートするために使用するサーバーに適しています。拡張構成オプションにアクセスする必要がある場合は、このインストール・クラスを選択します。
デスクトップ・クラス・インストールでは、標準項目のみを選択します。サーバー・クラス・インストールでは、標準インストール(標準項目のみを選択するインストール)または拡張インストールを選択します。
デスクトップ・クラス・インストールまたは標準インストールの実行時に、Oracle Databaseによってサンプル・スキーマが自動的にインストールされます。
2.1.2.3 Oracle Databaseのインストール・エディション
基本インストールおよび拡張インストールの実行時にOracle Databaseをインストールする場合は、次のデータベース・ディションを選択できます。
たとえば、これらのデータベース・エディションの1つを選択できます。
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Enterprise Edition: このインストール・タイプは、企業レベルのアプリケーションのデータ管理が可能な、完全な機能を備えたOracle Database製品です。ミッション・クリティカル、高度なセキュリティのオンライン・トランザクション処理(OLTP)およびデータ・ウェアハウス環境を対象としています。
-
Standard Edition 2: このインストール・タイプは、部門レベルやワークグループ・レベルのアプリケーション向け、および中小企業(SME)向けに設計されています。コア・リレーショナル・データベース管理サービスおよびオプションを提供するように設計されています。管理ツール、完全分散、レプリケーション、Web機能およびビジネス集中型アプリケーション構築機能の統合セットがインストールされます。
2.1.2.4 Oracle Databaseのソフトウェア・インストール・ディレクトリ
サーバーにインストールされるすべてのOracleソフトウェア製品によって使用されるOracleベース・ディレクトリの場所も指定します。初めてOracleソフトウェアをサーバーにインストールする場合、oraInventory
というインベントリ・ディレクトリの場所を指定するように求められます。このディレクトリは、サーバーにインストールされるすべてのOracleソフトウェア製品の集中インベントリを提供します。サーバーへのOracleソフトウェア・インストールを実行するたびに、Oracleインベントリ・ディレクトリとして同じ値を使用する必要があります。
2.1.2.5 Oracle Databaseのデータベース・ファイルの場所
データベースには、ユーザー・データ、データベース・メタデータ、および障害からリカバリするために必要な情報を格納する複数のファイルが含まれます。管理者は、これらのファイルにどのような種類の記憶域サブシステムを使用するかを決定します。
次のオプションから選択できます。
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ファイルシステム: オペレーティング・システムのファイル・システムで管理されるデータベース・ファイルを作成するデフォルトのオプションです。データベース・ファイルが格納されるディレクトリ・パスを指定できます。Oracle Databaseは、実際のファイルを作成および管理できます。
どのオプションが適切か判断できない場合は、デフォルトの「ファイルシステム」(デフォルト)を選択します。
-
自動ストレージ管理: このオプションでは、データファイルをOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループに配置できます。Oracle ASMを選択すると、Oracle Databaseはデータベース・ファイルの配置とネーミングを自動的に管理します。多数のディスクを持つ環境では、このオプションを使用すると、データベース管理が簡単になり、パフォーマンスが向上します。Oracle ASMは、ファイル・レベルでソフトウェアのストライプ化とミラー化を行い、記憶域の柔軟性、パフォーマンスおよび可用性を最大限に高めます。
Oracle ASMは、(データベース・インスタンスとは異なる)Oracle ASMインスタンスを使用して、ディスク・グループを構成および管理します。1つのOracle ASMインスタンスで、同じサーバー上に複数のデータベース用の記憶域を提供できます。
詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
注意:
以前のリリースでは、Oracle ASMはOracle Databaseインストールの一部としてインストールされていました。Oracle Database 11g リリース2(11.2)では、Oracle ASMはOracle Grid Infrastructureのインストールの一部となりました。
データベース・ファイルの格納にOracle ASMを使用するには、Oracle Databaseのインストールを実行する前にOracle ASMをインストールして、1つ以上のディスク・グループを作成しておく必要があります。
2.1.2.6 Oracle Databaseのデータベース識別子
グローバル・データベース名は、その他のデータベースと一意に識別されるデータベースの完全名です。グローバル・データベース名は、database_name.database_domain
の形式、たとえばsales.example.com
のようになります。データベース名の部分sales
は、データベースを呼び出すときに使用する単純な名前です。データベースのドメインの部分example.com
は、データベースが配置されるデータベース・ドメインを表します。このように、データベース名とドメインの組合せでグローバル・データベース名が構成されます。
2.1.2.7 Oracle Databaseの拡張インストールについて
このガイドでは、これらの追加の拡張インストール選択項目について説明しますが、詳細な説明は行いません。詳細は、ご使用のプラットフォームの『Oracle Databaseインストレーション・ガイド』を参照してください。
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インストール後のソフトウェアで使用する言語を選択します。複数の言語を選択できます。デフォルトの言語は英語です。英語以外の言語を選択しても、インストールに使用される言語は変更されません。
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データベース構成タイプ
データベースを構成するときに使用するテンプレートを選択します。「汎用目的/トランザクション処理」または「データ・ウェアハウス」のいずれかを選択できます。
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インストーラによって作成されたデータベースの構成方法を選択できます。メモリー・サイズと管理オプション、データの格納に使用するキャラクタ・セット、データベース・アクセス用のセキュリティ・オプション、サンプル・スキーマをインストールするかどうかなどを選択できます。
このガイドおよび関連する教材の例を実行するには、サンプル・スキーマをインストールする必要があります。また、このデータは、Oracle Databaseのドキュメントのほぼすべての例で使用されます。サンプル・スキーマをインストールすることをお薦めします。
これは、拡張インストールの実行時にのみ選択可能な構成オプションです。サンプル・スキーマは、標準またはデスクトップ・クラス・インストールの実行時はデフォルトでインストールされます。
-
リカバリ・オプション
拡張インストール時に、データベースのバックアップおよびリカバリ・オプションを構成できます。このオプションを選択する場合は、リカバリ領域をローカル・ファイルシステムとOracle ASMディスク・グループのどちらに格納するかを指定する必要があります。
注意:
リカバリ領域の記憶域としてOracle ASMを使用するには、Oracle Databaseのインストールを実行する前にOracle Grid Infrastructureインストールの一部としてOracle ASMをインストールし、1つ以上のディスク・グループを作成しておく必要があります。
-
スキーマ・パスワード
データベースを作成する際、いくつかの管理ユーザー・アカウントが自動的に作成されます。管理アカウント(
SYS
、SYSTEM
などのアカウント)のパスワードの入力を求められます(これにより、データベースの管理が可能になります)。すべてのアカウントに同じパスワードを使用するか、または各アカウントに異なるパスワードを指定することができます。安全なパスワードを入力しないと、インストール中に警告メッセージが表示されます。 -
データベースへの管理アクセス権は、特定のオペレーティング・システム・グループのメンバーシップによって付与されます。
SYSDBA
アクセス(通常はdba
)およびSYSOPER
アクセス(通常はoper
)に使用するオペレーティング・システム・グループを選択できます。SYSDBA
グループは、データベース管理権限があり、SYSDBA
アクセスによってログインできるオペレーティング・システムのユーザー・アカウントを識別します。SYSOPER
グループは、制限されたデータベース管理権限が必要なユーザー用のオプションのグループです。これらのグループと権限の詳細は、「SYSDBAおよびSYSOPERシステム権限」を参照してください。
2.2 Oracle Databaseソフトウェアのインストール
注意:
次の手順は、以前のOracleソフトウェアがインストールされていないホスト・コンピュータでのOUIのワークフローを示しています。ホスト・コンピュータにOracleソフトウェアがインストールされている場合は、別のワークフローとなる可能性があります。
基本インストールを実行する手順は、次のとおりです。
2.3 DBCAを使用したデータベースの作成および管理
注意:
通常、Oracle Databaseでは、1つのデータベースで複数のアプリケーションをホストします。異なるアプリケーションを実行するために複数のデータベースは必要ありません。かわりに、各アプリケーションをサポートするオブジェクトを同じデータベースの別のスキーマに配置できます。ただし、同じホスト・コンピュータに複数のOracle Databaseを作成する場合もあります。通常、DBCAを使用してこれを行うと、新しいデータベースでは1つ目のデータベースと同じOracleホームディレクトリが使用されますが、データベースのデータファイルは1つ目のデータベースのデータファイルとは別に格納されます。
また、DBCAを使用してデータベース構成の変更、データベースの削除なども行うことができます。 次のDBCAタスクを実行できます。
オンライン・ヘルプを使用するには、「ヘルプ」をクリックします。構成オプションを選択するための情報を確認できます。
2.3.1 DBCAの起動
この項では、Database Configuration Assistant (DBCA)の起動方法について説明します。
注意:
Oracle Databaseソフトウェアのインストール時に初期データベースを作成することを選択した場合、Oracle Universal Installer (OUI)によってDBCAが自動的に起動されます。
DBCAを起動するには、次の手順を実行します。
2.3.2 DBCAを使用したデータベースの作成
Database Configuration Assistant (DBCA)を使用すると、段階的なガイド付きのワークフローに従ってOracle Databaseを作成できます。
DBCAを使用してデータベースを作成するには、次の手順を実行します。
- 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。
- 「データベース操作」ウィンドウで、「データベースの作成」を選択して「次へ」をクリックし、データベースを作成するためのガイド付きワークフローを開始します。「拡張モード」を選択し、「次へ」をクリックすると、このワークフローでは次のウィンドウでの入力が要求されます。
これら大部分のウィンドウではデフォルト設定が提供されます。DBCAで選択したオプションによっては、これらのウィンドウの中には表示されないものもあります。
2.3.2.1 DBCAの「作成モード」ウィンドウ
Database Configuration Assistant (DBCA)の「作成モード」ウィンドウでは、標準構成または拡張構成でデータベースを作成できます。
「拡張構成」を選択すると、記憶域の場所、管理オプション、データベース・オプションおよび管理者ユーザー・アカウントの様々なパスワードをカスタマイズできます。
「標準構成」を選択すると、データベースのオプションの選択項目が少なくなるため、データベースをより早く作成することができます。
「標準構成」を選択する場合は、次のオプションを選択できます。
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グローバル・データベース名: database_name.domain_nameという形式でデータベース名を入力します。
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記憶域のタイプ: 「ファイルシステム」または「自動ストレージ管理」のいずれかを選択します。
「ファイルシステム」を選択すると、データベース・ファイルはオペレーティング・システムのファイル・システムで管理されます。
「自動ストレージ管理」を選択する場合、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループにデータファイルを配置します。
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データベース・ファイルの位置: 「記憶域のタイプ」オプションで選択した内容によって、「データベース・ファイルの位置」オプションで指定する内容が決まります。
「記憶域のタイプ」フィールドで「ファイルシステム」を選択した場合、「データベース・ファイルの位置」フィールドでデータベース・ファイルを格納するディレクトリ・パスを指定します。Oracle Databaseは、実際のファイルを作成および管理できます。
「記憶域のタイプ」フィールドで「自動ストレージ管理」を選択した場合、「データベース・ファイルの位置」フィールドで使用するディスク・グループを指定します(ディスク・グループはすでに存在している必要があります)。Oracle ASMでは、Oracle Databaseはデータベース・ファイルの配置とネーミングを自動的に管理します。
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高速リカバリ領域 (FRA): バックアップおよびリカバリの領域を指定します。
-
データベース・キャラクタ・セット: データベースに使用するキャラクタ・セットを選択します。キャラクタ・セットの詳細は、「キャラクタ・セット」を参照してください。
-
管理パスワード: (
SYS
、SYSTEM
アカウントなどの)データベース管理パスワードに使用するパスワードを入力します。 -
ユーザーの"Oracleホーム・ユーザー"パスワード (Microsoft Windowsオペレーティング・システムのみ): インストール時に、管理者ではない権限の低いWindowsユーザー・アカウントを指定して(Oracleホーム・ユーザーとして)データベース・サービスを実行した場合は、そのユーザー・アカウントのパスワードの入力を求められます。
-
コンテナ・データベースとして作成: このオプションを選択すると、0、1または複数のユーザー作成のプラガブル・データベース(PDB)をサポートできるマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)としてデータベースを作成できます。
DBCAがCDBを作成する際にPDBも作成するようにする場合は、「プラガブル・データベース名」フィールドにPDB名を指定します。
関連項目:
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Oracleホーム・ユーザー機能の詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください
-
CDBおよびPDBの詳細は、『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
2.3.2.2 DBCAの「デプロイメント・タイプ」ウィンドウ
-
データ・ウェアハウス
-
汎用またはトランザクション処理
-
カスタム・データベース
Oracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)は、非CDBを含むOracle単一インスタンス・データベース、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)およびプラガブル・データベース(PDB)をサポートしています。
DBCAを使用して、オラクル社提供のテンプレートまたは管理者が作成したテンプレートからデータベースを作成できます。このテンプレートには、特定のタイプのワークロードに最適化された設定が含まれています。
次の2つのタイプのワークロードのテンプレートが提供されています。
-
汎用またはトランザクション処理
-
データ・ウェアハウス
使用するデータベースでサポートされるワークロードのタイプに適したテンプレートを選択します。選択するテンプレートが不明な場合は、デフォルトの「汎用またはトランザクション処理」テンプレートを選択します。
注意:
汎用またはトランザクション・テンプレートとデータ・ウェアハウス・テンプレートでは、COMPATIBLE
初期化パラメータが12.2.0.0.0
に設定されたデータベースを作成します。
より複雑な環境では、「カスタム・データベース」オプションを選択できます。このオプションはテンプレートを使用しないため、より広範囲なインタビューが行われます。これによって、データベースを作成する時間が長くなります。
関連項目:
-
Oracle Real Application Clustersデータベースの詳細は、『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』を参照してください。
-
COMPATIBLE
初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 -
データベース・テンプレートの使用方法の詳細は、「DBCAを使用したテンプレートの管理」を参照してください
2.3.2.3 DBCAの「データベース識別情報」ウィンドウ
Database Configuration Assistant (DBCA)の「データベース識別情報」ウィンドウの「グローバル・データベース名」では、database_name.domain_nameの形式でデータベース名を入力します。
「SID」フィールドにシステム識別子を入力します。SIDはデータベースを実行するインスタンスを一意に識別するためのものであり、デフォルトではデータベース名です。
「コンテナ・データベースとして作成」オプションを有効にすると、ゼロ、1つまたは複数のユーザー作成のプラガブル・データベース(PDB)をサポートできるマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)としてデータベースが作成されます。
DBCAがCDBを作成する際にPDBも作成するようにしない場合は、「空のコンテナ・データベースの作成」オプションを有効にします。
DBCAがCDBを作成する際に1つ以上のPDBも作成するようにする場合は、「1つ以上のPDBを含むコンテナ・データベースの作成」オプションを有効にします。次に、「PDBの数」フィールドに作成するPDBの数を入力します。「PDB名」フィールドで、作成するPDBまたはPDBSに使用する名前を指定します。複数のPDBを作成する場合、指定したPDB名が作成するPDBの接頭辞として使用されます。たとえば、3つのPDBを作成するように要求し、PDB名としてSANDBOXPDBを指定すると、作成されるPDBの名前はSANDBOXPDB1、SANDBOXPDB2およびSANDBOXPDB3になります。
関連項目:
CDBおよびPDBの詳細は、『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
2.3.2.4 DBCAの「記憶域オプション」ウィンドウ
Database Configuration Assistant (DBCA)の「記憶域オプション」ウィンドウで、データベースの記憶域オプションを指定します。
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データベース記憶域属性のテンプレート・ファイルを使用: このオプションを選択すると、DBCAは、テンプレートに設定されているディレクトリ情報を使用します。
-
データベース記憶域属性に次を使用: このオプションでは、データベース・ファイルの格納場所を指定する必要があります。
このオプションでは、データベース・ファイルの管理方法を選択する必要があります。
「ファイルシステム」を選択すると、データベース・ファイルはオペレーティング・システムのファイル・システムで管理されます。
「自動ストレージ管理(ASM)」を選択する場合、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループにデータファイルを配置します。
「Oracle Managed Filesの使用(OMF)」オプションを指定すると、Oracle Databaseを構成するオペレーティング・システム・ファイルをOracle Databaseで直接管理できます。すべてのファイルに対して、「データベース領域」と呼ばれるデフォルトの場所を指定します。Oracle Databaseは、必要に応じて、この場所でファイルを自動的に作成または削除します。このオプションを選択すると、データベース・ファイルの管理をデータベースに完全に委任できます。ファイル名、ファイルの場所、ファイル・サイズなどを指定する必要はありません。
2.3.2.5 DBCAのFast Recovery Option・ウィンドウ
DBCAのFast Recovery Option・ウィンドウでは、データベースのバックアップおよびリカバリ領域を構成できます。
次に、Oracle Databaseファイルの場所を指定します。次のいずれかのオプションを選択します。
新規データベースの作成時には、システム障害が発生した場合にデータをリカバリできるようにデータベースを構成することが重要です。オンラインREDOログ・ファイルには、データファイルに加えられた変更の記録が含まれます。オンラインREDOログ・ファイルはオンラインREDOログ・グループに格納されます。データベースには2つ以上のオンラインREDOログ・グループが必要です。グループのオンラインREDOログ・ファイルが一杯になると、ログ・ライター・プロセス(LGWR)では、REDOレコードの書込み先を新しいオンラインREDOログ・グループに切り替えます。Oracle Databaseでは、非アクティブなオンラインREDOログ・ファイル・グループを、総称でアーカイブREDOログ(またはアーカイブ・ログ)と呼ばれる1つ以上のオフラインの保存先に自動的に保存できます。オンラインREDOログ・ファイルをアーカイブREDOログ・ファイルに変更するプロセスは、アーカイブと呼ばれます。
アーカイブは、データベースがARCHIVELOG
モードで実行されている場合にのみ実行できます。グループがアーカイブされるまで、ログ・ライター(LGWR)・プロセスではオンラインREDOログ・ファイルのグループを再利用できません。データベースがNOARCHIVELOG
モードで実行されている場合は、LGWRプロセスが新しいグループに切り替わった後にグループが非アクティブになると、LGWRプロセスでは非アクティブなグループをすぐに再利用できます。
NOARCHIVELOG
モードでは、メディア障害からデータベースを保護することはできませんが、インスタンス障害から保護することはできます。オンラインREDOログ・ファイルに格納された、データベースの最新の変更内容のみを使用して、インスタンス・リカバリを実行します。NOARCHIVELOG
モードで運用しているデータベースをリストアする場合、使用できるバックアップは、データベースの終了中に作成したデータベース全体のバックアップのみです。このため、NOARCHIVELOG
モードでデータベースを運用する場合は、データベース全体のバックアップを定期的かつ頻繁に作成します。
オンラインREDOログ・ファイルのアーカイブには、次の利点があります。
-
オペレーティング・システムやハードウェアで障害が発生した場合は、データベース・バックアップとオンラインREDOログ・ファイルおよびアーカイブREDOログ・ファイルを使用して、コミットされたすべてのトランザクションのリカバリを実行できます。
-
データベースの稼働時に作成したバックアップを使用すると、データベースのリカバリを実行できます。ただし、この場合、このデータベースのバックアップ時にアーカイブ・ログ・ファイルのコピーを作成しておくことが条件となります。
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オンライン表領域バックアップを実行できます。メディア障害が発生した場合は、これらのバックアップを使用して、表領域をリストアできます。
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スタンバイ・データベースに、元のデータベースのアーカイブREDOログ・ファイルを繰り返し適用することにより、スタンバイ・データベースを元のデータベースで最新の状態にしておくことができます。
オンラインREDOログ・ファイルをアーカイブする前に、アーカイブ先を決定する必要があります。データベースのバックアップおよびリカバリ操作を簡略化できるため、アーカイブ・ログは高速リカバリ領域に格納することをお薦めします。高速リカバリ領域は、Oracle Databaseがバックアップおよびリカバリに関連するファイルを格納および管理するディスクの場所です。これは、現在のデータベース・ファイル(データファイル、制御ファイルおよびオンラインREDOログ・ファイル)の場所であるデータベース領域とは別です。
データベースの作成時には、次のオプションを選択できます。
-
高速リカバリ領域の指定: このオプションは、バックアップおよびリカバリ領域とそのディレクトリ位置およびサイズを指定する場合に選択します。標準的な位置の指定には、変数を使用できます。
このオプションでは、次のフィールドでも選択を行います。-
リカバリ・ファイルの記憶域タイプ: 高速リカバリ領域に使用するディレクトリを指定します。
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高速リカバリ領域: データベースのリカバリ関連ファイルに使用する記憶域のタイプを指定します。
-
高速リカバリ領域のサイズ: 高速リカバリ領域のサイズを指定します。
-
-
アーカイブ有効化: このオプションは、データベースのリカバリに使用できるデータベース・オンラインREDOログ・ファイルのアーカイブを有効にする場合に選択します。このオプションを選択すると、データベースを
ARCHIVELOG
モードで実行した場合と同じ結果が得られます。「アーカイブ有効化」を選択することをお薦めします。このオプションを選択すると、ソフトウェアまたはハードウェア障害に対するデータベースの保護が強化されます。このオプションを今すぐ選択しない場合は、後でARCHIVELOGモードを有効にできます。詳細は、「基本バックアップおよびリカバリのためのデータベースの構成」を参照してください。
2.3.2.6 DBCAの「ネットワーク構成」ウィンドウ
2.3.2.7 DBCAのDatabase Vaultオプション・ウィンドウ
Database Configuration Assistant (DBCA)のDatabase Vaultオプション・ウィンドウでは、データベースのOracle Database VaultおよびOracle Database Label Securityを構成できます。
このウィンドウでOracle Database VaultおよびOracle Label Securityを構成するか、「次へ」をクリックしてOracle Database VaultおよびOracle Label Securityを構成せずにDBCAを続行できます。
関連項目:
-
Oracle Database Vaultの詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。
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Oracle Label Securityの詳細は、『Oracle Label Security管理者ガイド』を参照してください。
2.3.2.8 DBCAの「構成オプション」ウィンドウ
Database Configuration Assistant (DBCA)の「構成オプション」ウィンドウ内のリンクを使用すると、さらにデータベースを構成できる追加ウィンドウにアクセスできます。
たとえば、このウィンドウを使用して、データベースについて次を構成できます。
2.3.2.8.1 メモリー
Database Configuration Assistant (DBCA)の「構成オプション」ウィンドウの「メモリー」タブを使用して、データベースでメモリーを管理する方法を制御します。
メモリー管理方法として、次から選択できます。
-
自動共有メモリー管理の使用
この方法では、特定の量のメモリーをSGAおよび集計PGAに割り当てることができます。SGAの自動共有メモリー管理が有効になり、必要に応じて個々のPGAにメモリーが割り当てられます。
SGAおよびPGAの詳細は、「インスタンス・メモリー構造について」を参照してください。
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手動共有メモリー管理の使用
この方法では、各SGAコンポーネントおよび集計PGAについて特定の値を入力する必要があります。SGAメモリーをSGAメモリー・コンポーネント間に分散する方法を決定します。この方法は、熟練したOracle Database管理者を対象としています。
-
自動メモリー管理の使用
この方法では、Oracleシステム全体で使用可能なメモリーを「メモリー・ターゲット」フィールドで設定する必要があり、SGAのメモリー・コンポーネントの多くをシステムが自動的に調整し、必要に応じて個々のPGAにメモリーを割り当てます。SGAまたは集計PGAに割当て済の合計メモリー量は、処理ニーズに応じて動的に増減されます。データベース・インスタンスの合計メモリー使用量が、ユーザーが指定したメモリー量を超えることはありません。
注意:
データベース・インスタンスの合計物理メモリーが4GBを超える場合は、「自動メモリー管理の使用」オプションを選択できません。かわりに自動共有メモリー管理を使用します。自動共有メモリー管理によって、必要に応じて使用可能なメモリーが様々なコンポーネントに自動的に配分されるため、システムでは使用可能なすべてのSGAメモリーを最大限に使用できます。
関連項目:
メモリー管理オプションの詳細は、「Oracleインスタンスの管理」を参照してください
2.3.2.8.2 サイズ指定
Database Configuration Assistant (DBCA)の「構成オプション」ウィンドウの「サイズ指定」タブでは、最小のブロック・サイズを指定したり、データベースに同時に接続できるオペレーティング・システム・ユーザー・プロセスの最大数を指定します。
-
ブロック・サイズ: このリストを使用して、ブロック・サイズを選択したり、デフォルトのブロック・サイズにすることができます。Oracle Databaseのデータは、指定のサイズのデータ・ブロックとして格納されます。1つのデータ・ブロックは、ディスク上の特定のバイト数の物理領域に対応します。デフォルトの8KB以外のブロック・サイズを選択するには高度な知識が必要なため、どうしても必要な場合にのみ実行してください。
事前定義されたテンプレートを使用している間は、データベースがデフォルトの8KBのブロック・サイズで作成されるため、このリストは無効になっています。
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プロセス数: このフィールドでは、同時にデータベースに接続できる最大プロセス数を指定します。数を入力するか、またはデフォルト値の320を受け入れます。このパラメータのデフォルト値は、多くの環境に適した値です。すべてのバックグラウンド・プロセス、ユーザー・プロセスおよびパラレル実行プロセスを考慮して値を選択してください。
2.3.2.8.3 キャラクタ・セット
データベースのキャラクタ・セットには、Unicode(AL32UTF8)を使用することをお薦めします。AL32UTF8とは、Unicode標準であるUTF-8エンコードに対してOracleで使用している名前です。Unicode標準は、現在世界で使用されている言語のほとんどをサポートする汎用キャラクタ・セットです。Unicode標準を使用することは、データベース処理を含め、すべての多言語テクノロジにおいて不可欠です。
データベースが作成され、本番データが累積された後にデータベース・キャラクタ・セットを変更することは、時間がかかる複雑なプロジェクトになります。そのため、インストール時に適切なキャラクタ・セットを選択することが重要です。データベースに現在多言語データが格納されていなくても、数年内に多言語データを格納する予定がある場合、通常は、データベース・キャラクタ・セットにAL32UTF8を選択することのみが、適切な判断となります。
マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を作成する場合、選択するキャラクタ・セットによって、他のどのデータベースを後でCDBに接続できるかが決まることを考慮してください。互換性のあるデータベース・キャラクタ・セットを使用するデータベースのみをCDBに接続できます。
UNIX、LinuxおよびMicrosoft Windowsの各プラットフォーム用のOracle Universal Installer (OUI)とDBCAで使用されるデフォルトのキャラクタ・セットは、AL32UTF8ではなく、ANSIコード・ページと呼ばれるMicrosoft Windowsキャラクタ・セットです。キャラクタ・セットは、OUIまたはDBCAを起動したオペレーティング・システム・セッションの現在の言語(ロケール)に基づいて選択されます。言語がアメリカ英語または西ヨーロッパ言語である場合、デフォルトのキャラクタ・セットはWE8MSWIN1252になります。各Microsoft Windows ANSIコード・ページには、西ヨーロッパ言語、東ヨーロッパ言語、日本語のような1つの言語または限定された言語グループのデータのみ格納できます。
クライアント・ワークステーションのプラットフォームとしてMicrosoft Windowsが普及しているため、UNIXおよびLinuxの各プラットフォームで作成されたデータベースの場合にも、Microsoft Windowsのキャラクタ・セットがデフォルトとなっています。Oracle Clientライブラリでは、データベース・キャラクタ・セットと、Windows以外のクライアント・アプリケーションで使用されるキャラクタ・セットとの間で必要なキャラクタ・セット変換が自動的に実行されます。
表示されるキャラクタ・セットのリストから、他のキャラクタ・セットを選択して使用することも可能です。このオプションは、アプリケーション・ベンダーで必要な特定のキャラクタ・セットを選択したり、データベースに接続しているすべてのクライアントが共通して使用しているキャラクタ・セットを選択するときに使用できます。
AL32UTF8はマルチバイト・キャラクタ・セットであるため、文字データに対するデータベース操作の速度は、WE8MSWIN1252などのシングルバイト・データベース・キャラクタ・セットと比較すると若干遅い可能性があります。使用する文字がASCIIの対象外である大部分の言語について、その言語のテキストに必要な記憶領域をみると、その言語をサポートしているレガシー・キャラクタ・セットを使用した場合よりもAL32UTF8を使用した場合の方が大きくなります。記憶域の増加は文字データと英語以外のデータのみに影響することに注意してください。Unicodeでは、汎用性や柔軟性があるために、通常はこうした過剰な負担が生じます。
データベース・キャラクタ・セットについて次のいずれかを選択します。
-
Unicode(AL32UTF8)を使用: データベース・ユーザーおよびデータベース・アプリケーションに対して複数の言語をサポートする場合は、このオプションを選択します。
-
OSキャラクタ・セット(WE8MSWIN1252)を使用: すべてのデータベース・ユーザーおよびデータベース・アプリケーションに対して、オペレーティング・システムが現在使用している言語のみを選択する場合は、このオプションを選択します。
-
次のキャラクタ・セットから選択: Oracle Databaseで、オペレーティング・システムが使用するデフォルトのキャラクタ・セット以外のキャラクタ・セットを使用する場合は、このオプションを選択します。
注意:
AL32UTF8は、可変幅のマルチバイト・キャラクタ・セットです。文字データの処理にAL32UTF8を使用するデータベースに接続するアプリケーションは、そのキャラクタ・セットと連携して機能するように適切にプログラムされている必要があります。データベースを使用するアプリケーションのキャラクタ・セット要件は常に確認する必要があります。現在のアプリケーション・バージョンがUnicode標準をサポートしていない場合は、アプリケーション・ベンダーに連絡してUnicode対応バージョンについて問い合せてください。
各国語キャラクタ・セットの選択:
-
各国語キャラクタ・セット: このリストでは、キャラクタ・セットを選択するか、またはデフォルト値をそのまま使用します。
NCHAR
キャラクタ・セットとも呼ばれる各国語キャラクタ・セットは、データ型NVARCHAR2
、NCHAR
およびNCLOB
のデータを格納および処理するために使用されるキャラクタ・セットです。これらのデータ型によって、Unicodeデータベース・キャラクタ・セットがないデータベースにUnicode文字を格納できます。使用しているアプリケーションのインストール要件で別途指定されていないかぎり、各国語キャラクタ・セットとしてデフォルト値AL16UTF16をそのまま使用します。注意:
このキャラクタ・セットはSQL標準(ISO/IEC 9075)に従い、「各国語」と呼ばれますが、データベース・キャラクタ・セットよりもグローバルなアプリケーションに適しているわけではありません。各国語キャラクタ・セットと連携させるにはクライアント・アプリケーションで追加のAPIコールが必要であり、Oracle Textなどの一部のデータベース・コンポーネントでは各国語キャラクタ・セットがサポートされていないため、多言語アプリケーションでは
VARCHAR2
、CHAR
およびCLOB
データ型とデータベース・キャラクタ・セットAL32UTF8を含むOracle Databaseを使用することをお薦めします。 -
デフォルト言語: このリストでは、デフォルトのデータベース言語を選択するか、デフォルトをそのまま使用します。デフォルトの言語は、日および月の省略形、文字データのデフォルトのソート順序、記述の方向(左または右)など、ロケールに依存する情報をデータベースがサポートする方法を指定します。
-
デフォルト地域: このリストでは、日および週の表記規則として従う地域名を選択するか、デフォルトを受け入れます。デフォルトの地域によって、デフォルトの日付書式、デフォルトの小数点文字とグループ・セパレータ、デフォルトの国際標準化機構(ISO)およびローカル通貨記号が決定されます。たとえば、イギリスではデフォルトの日付書式はDD-MON-YYYYです(DDは日付(1-31)を示し、MONは月の短縮名を示し、YYYYは4桁の年を示します)。
2.3.2.8.4 接続モード
-
専用サーバー・モード: このモードでは、各ユーザー・プロセスで専用のサーバー・プロセスを使用できます。クライアントの総数が50以下など、少ないと予想される場合は、このオプションを選択します。時間のかかる要求を継続的にデータベースに送信する場合も、このオプションを選択できます。デフォルトでは、データベースは専用サーバー・プロセス用に構成されます。
-
共有サーバー・モード: このモードでは、データベースによって割り当てられたリソース・プールを複数のクライアント接続で共有できます。このモードは、メモリーおよびその他のリソースに対してクライアント・ロードの負荷が高いと予想される構成で使用します。共有サーバー・モードを選択した場合は、データベース・インスタンスの起動時に作成するサーバー・プロセスの数も指定する必要があります。このパラメータの設定の詳細を確認するには、「ヘルプ」をクリックします。
2.3.2.9 DBCAの「管理オプション」ウィンドウ
-
データベースをローカルで管理する場合は、「Enterprise Manager (EM) Database Expressの構成」を選択します。EM Expressに割り当てられたポートを受け入れるか、別の未使用ポートを入力できます。
-
ホスト・コンピュータにOracle Management Agentがインストールされている場合は、「Enterprise Manager (EM) Cloud Controlへの登録」を選択し、「管理サービス」のホストとポートおよびEM管理ユーザー名とパスワードを指定できます。
関連項目:
Oracle Enterprise Manager Cloud Controlの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
2.3.2.10 DBCAの「ユーザー資格証明」ウィンドウ
Database Configuration Assistant (DBCA)の「ユーザー資格証明」ウィンドウでは、SYS
、SYSTEM
、PDBADMIN
などの管理アカウントのパスワードを指定します。
Microsoft Windowsオペレーティング・システムでのみ: インストール時に、管理者ではない、権限が制限されたWindowsユーザー・アカウントをOracleホーム・ユーザーとして指定した場合、そのユーザー・アカウントのパスワードの入力を求められます。
2.3.2.11 DBCAの作成オプション・ウィンドウ
Database Configuration Assistant (DBCA)の「作成オプション」ウィンドウでは、データベースの作成用として様々なオプションを選択できます。
たとえば、Database Configuration Assistant (DBCA)の「作成オプション」ウィンドウでは、データベースの作成用として次のいずれかのオプションを選択します。
-
データベースの作成: この時点でデータベースを作成する場合に、このオプションを選択します。
-
データベース・テンプレートとして保存: 後で使用するテンプレートとしてデータベースの定義を保存する場合に、このオプションを選択します。
-
データベース作成スクリプトの生成: 後で実行可能なSQLのデータベース作成スクリプトを生成する場合に、このオプションを選択します。
2.3.2.12 DBCAの「サマリー」ウィンドウ
これらのオプションのいずれかを変更する場合は、「戻る」をクリックしてウィンドウに戻り、オプションを変更できます。
「終了」をクリックすると、DBCAによって、指定した構成オプションを使用したデータベースの作成が開始されます。
2.3.3 DBCAを使用したデータベースの構成の変更
-
構成されていないデータベース・オプション(Oracle Label Security、Oracle OLAPなど)の追加
-
デフォルト・セキュリティ設定の変更
-
専用から共有(または共有から専用)へのサーバー・モードの変更
DBCAを使用してデータベースの構成を変更するには、次の手順を実行します。
- 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。
- 「データベース操作」ウィンドウで、「既存データベースの構成」を選択し、「次へ」をクリックします。
- DBCAのガイド付きワークフローの手順に従います。
2.3.4 DBCAを使用したデータベースの削除
DBCAを使用してデータベースを削除するには、次の手順を実行します。
- 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。
- 「データベース操作」ウィンドウで、「データベースの削除」を選択し、「次へ」をクリックします。
- 削除するデータベースを選択して「次へ」をクリックします。
- DBCAのガイド付きワークフローの手順に従います。
2.3.5 DBCAを使用したテンプレートの管理
テンプレートは、スクリプトと同様に使用できますが、データベースの複製もできるため、スクリプトよりも強力です。複製では、シード・データベースと呼ばれる既存のデータベースのファイルを正しい場所にコピーするため、時間を節約できます。
テンプレートは、次のディレクトリに格納されています。
ORACLE_HOME
/assistants/dbca/templates
2.3.5.1 DBCAテンプレートを使用することの利点
-
時間の節約。テンプレートを使用すると、データベースを定義する必要がありません。
-
容易な複製作業。使用するデータベースの設定を含むテンプレートを作成すると、パラメータをもう一度指定しなくても、データベースの複製を容易に作成できます。
-
容易な編集作業。データベース・オプションは、テンプレートの設定から簡単に変更できます。
-
容易な共有作業。一方のコンピュータからもう一方のコンピュータにテンプレートをコピーできます。
2.3.5.2 DBCAテンプレートのタイプ
Database Configuration Assistant (DBCA)テンプレートには、シード・テンプレートと非シード・テンプレートがあります。
表2-1に、それぞれの特性を示します。
表2-1 DBCAテンプレートのタイプ
タイプ | ファイル拡張子 | データファイル | データベース構造 |
---|---|---|---|
シード |
|
あり |
このタイプのテンプレートには、既存のデータベース(シード・データベース)の構造および物理データファイルの両方が含まれています。新しいデータベースは、シード・データベースのコピーとして起動し、次の変更のみを必要とします。
これ以外の設定は、データベースの作成後にカスタム・スクリプトを使用して変更できます。スクリプトは、DBCA、コマンドラインのSQL文、またはOracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)によって起動できます。 シード・データベースのデータファイルは、Recovery Manager (RMAN)バックアップの圧縮形式で、拡張子が.dfbのファイルに格納されます。シード・データベースの制御ファイルは、拡張子が.ctlのファイルに格納されます。(このファイルは、データファイルをOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ディスク・グループに格納する場合またはデータファイルをOracle Managed Filesとして格納する場合にのみ必要となります。).dbcファイルには、シード・データベースのデータファイルの場所、および制御ファイルをマウントする場合に使用するソース・データベースの名前が含まれています。 |
非シード |
|
なし |
このタイプのテンプレートは新しいデータベースを作成するために使用されます。これには作成するデータベースの特性が含まれます。非シード・テンプレートは、すべてのデータファイルおよびオンラインREDOログ・ファイルがユーザーの仕様に合わせて作成され、名前、サイズ、その他の属性を必要に応じて変更できるため、シード・テンプレートより柔軟です。 |
2.3.5.3 オラクル社によって提供されるDBCAテンプレート
表2-2 オラクル社提供のDBCAのテンプレートおよび対応するワークロード
テンプレート | ワークロード |
---|---|
データ・ウェアハウス |
ユーザーは非常に多数の複雑な問合せを実行して、大量のデータを処理します。したがって、応答時間、精度および可用性が重視されます。 数レコードのフェッチから、多数の異なる表の何千ものレコードをソートする問合せまで、様々な問合せ( |
汎用またはトランザクション処理 |
多くのユーザーが非常に多数のトランザクションを同時に実行するため、データに迅速にアクセスすることが要求されます。可用性、速度、同時実行性およびリカバリ能力が重視されます。 トランザクションは、データベース表内のデータの読取り( |
カスタム・データベース |
このテンプレートを使用すると、最も柔軟にデータベースを定義できます。作成したデータベースのあらゆる設定を変更できます。 |
2.3.5.4 DBCAを使用したテンプレートの作成
この項の手順に従って、独自のDatabase Configuration Assistant (DBCA)テンプレートを作成します。
テンプレートを作成するには、次の手順を実行します。
2.3.5.5 DBCAテンプレートの削除
Database Configuration Assistant (DBCA)テンプレートを削除すると、新しいデータベースまたは新しいテンプレートを作成する場合に使用できなくなります。
テンプレートを削除するには、次の手順を実行します。
- 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。
- 「データベース操作」ウィンドウで、「テンプレートの管理」を選択して「次へ」をクリックします。
- 「テンプレート管理」ウィンドウで、「データベース・テンプレートの削除」を選択して「次へ」をクリックします。
- 削除するテンプレートを選択して「次へ」をクリックします。
- DBCAのガイド付きワークフローの手順に従います。
2.3.6 DBCAを使用したPDBの管理
-
PDBの作成
このオプションでは、CDBに新しいPDBを作成します。
-
PDBの削除
このオプションでは、PDBを削除します。
-
PDBの切断
このオプションでは、PDBを切断します。切断されたPDBは、同じCDBまたは別のCDBに接続できます。
-
PDBの構成
このオプションを使用すると、PDBに対してOracle Enterprise Manager Database Express (EM Express)ポートを指定できるため、EM Expressを使用してPDBを管理できます。また、その他のデータベース・オプションをPDBに構成することもできます。
2.3.6.1 DBCAを使用したCDBでのPDBの管理
Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して、既存のマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)内でプラガブル・データベース(PDB)を作成、切断、削除または構成できます。
注意:
PDB操作はCDBでのみ実行できます。CDB以外のデータベースでPDB操作を実行しようとすると、DBCAによってエラー・メッセージが発行されます。
DBCAを使用してPDBを管理するには、次の手順を実行します。
- 「DBCAの起動」の説明に従って、DBCAを起動します。
- 「データベース操作」ウィンドウで、「プラガブル・データベースの管理」を選択し、「次へ」をクリックします。
- 「プラガブル・データベースの管理」ウィンドウで、PDB操作のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。
- 「データベースの選択」ウィンドウで、選択したPDB操作を実行するCDBを選択し、「次へ」をクリックします。
- 選択したPDB操作のDBCAのガイド付きワークフローの手順に従います。
関連項目:
CDBおよびPDBの詳細は、『Oracle Database概要』および『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
2.4 データベースのサンプル・スキーマの手動インストール(インストール後)
データベースの初期インストール後に、データベースのサンプル・スキーマをインストールする場合があります。サンプル・スキーマは、SQLスクリプトを実行して手動で作成できます。
関連項目:
SQLスクリプトを使用したサンプル・スキーマの手動作成の詳細は、『Oracle Databaseサンプル・スキーマ』を参照してください。
2.5 インストール: Oracle by Example Series
Oracle by Example(OBE)には、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』に関するシリーズが含まれています。このOBEでは、この章のタスクを段階的に説明し、注釈付きのスクリーンショットを使用します。
Oracle Databaseのインストールとデータベースの作成に関するOBEを参照するには、Webブラウザに次のURLを入力します。
https://apexapps.oracle.com/pls/apex/f?p=44785:24:::NO:24:P24_CONTENT_ID:16826