30 DBMS_AUTO_TASK_ADMIN

DBMS_AUTO_TASK_ADMINパッケージは、AUTOTASK機能へのインタフェースを提供します。このインタフェースは、AUTOTASKコントロールにアクセスするために、DBAおよびEnterprise Managerによって使用されます。Enterprise ManagerではAUTOTASKアドバイザも使用します。

参照:

自動メンテナンス・タスクの構成の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

この章の構成は、次のとおりです。

30.1 DBMS_AUTO_TASK_ADMINの推奨されないサブプログラム

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN OVERRIDE_PRIORITYサブプログラムは非推奨となっています。

ノート:

新しいアプリケーションでは、推奨されないプロシージャは使用しないことをお薦めします。推奨されない機能は、下位互換性を維持する目的のみでサポートされています。

30.2 DBMS_AUTO_TASK_ADMINのセキュリティ・モデル

DBMS_AUTO_TASK_ADMINは定義者の権限パッケージで、EXECUTEDBAIMP_FULL_DATABASE、およびDATAPUMP_IMP_FULL_DATABASEに自動的に付与されます。

30.3 DBMS_AUTO_TASK_ADMINの定数

DBMS_AUTO_TASK_ADMINパッケージは、パラメータ値の指定に使用できるいくつかの定数を定義します。

これらの定数を、次の表に示します。

表30-1 DBMS_AUTO_TASK_ADMINの定数

名前 タイプ 説明

PRIORITY_MEDIUM

VARCHAR2

'MEDIUM'

この優先順位を持つタスクは、時間の許す範囲で実行する必要があります。

PRIORITY_HIGH

VARCHAR2

'HIGH'

この優先順位を持つタスクは、現在のメンテナンス・ウィンドウ内で実行する必要があります。

PRIORITY_URGENT

VARCHAR2

'URGENT'

この優先順位を持つタスクは、できるだけ早く実行する必要があります。

30.4 DBMS_AUTO_TASK_ADMINサブプログラムの要約

この表は、DBMS_AUTO_TASK_ADMINサブプログラムを示し、簡単に説明しています。

表30-2 DBMS_AUTO_TASK_ADMINパッケージのサブプログラム

メソッド 説明

DISABLEプロシージャ

AUTOTASKが、指定したクライアントまたは操作による要求を実行しないようにします。

ENABLEプロシージャ

以前に使用禁止にしたクライアント、操作、ターゲット・タイプまたは個々のターゲットをAUTOTASKコントロールの下で使用可能にします。

GET_CLIENT_ATTRIBUTESプロシージャ

選択したクライアント属性の値を戻します。

GET_P1_RESOURCESプロシージャ

優先順位の高いAUTOTASKコンシューマ・グループにそれぞれ割り当てられたリソースの割合。

OVERRIDE_PRIORITYプロシージャ

タスクの優先順位を手動で上書きします。

SET_CLIENT_SERVICEプロシージャ

指定したサービスにAUTOTASKクライアントを関連付けます。

SET_P1_RESOURCESプロシージャ

AUTOTASKクライアントで使用される優先順位の高いコンシューマ・グループにそれぞれ割り当てるリソースの割合を設定します。

30.4.1 DISABLEプロシージャ

このプロシージャは、AUTOTASKが、指定したクライアントまたは操作による要求を実行しないようにします。

構文

すべてのAUTOTASK機能を使用禁止にします。

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.DISABLE;

クライアントまたは操作に対するすべてのタスクを使用禁止にします。

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.DISABLE (
   client_name       IN    VARCHAR2,
   operation         IN    VARCHAR2,
   window_name       IN    VARCHAR2);

パラメータ

表30-3 DISABLEプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

client_name

クライアント名。DBA_AUTOTASK_CLIENTビューにあります。

operation

操作名。DBA_AUTOTASK_OPERATIONビューにあります。

window_name

クライアントが使用禁止になるウィンドウの名前(オプション)。

使用上のノート

  • operationおよびwindow_nameの両方がNULLの場合、クライアントは使用禁止になります。

  • operationNULL以外の場合、window_nameは無視され、操作は使用禁止になります。

  • operationNULLwindow_nameNULL以外の場合、クライアントは指定したウィンドウ内で使用禁止になります。

30.4.2 ENABLEプロシージャ

このプロシージャは、以前に使用禁止にしたクライアント、操作、ターゲット・タイプまたは個々のターゲットを、AUTOTASKコントロールの下で使用可能にします。

DEFERREDオプションを指定すると、次のメンテナンス・ウィンドウの開始までこのコールは有効になりません。IMMEDIATEオプションを指定すると、現在オープンしているメンテナンス・ウィンドウがある場合にかぎり、このコールは即時に有効になります。

構文

AUTOTASKを再度使用可能にします。このバージョンでは、指定したクライアントを使用可能にします。明示的にタスクまたは操作を使用禁止にした場合は、個別に再度使用可能にする必要があります。

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.ENABLE;

クライアントまたは操作を再度使用可能にします。明示的にタスクまたは操作を使用禁止にした場合は、個別に再度使用可能にする必要があります。

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.ENABLE (
   client_name       IN    VARCHAR2,
   operation         IN    VARCHAR2,
   window_name       IN    VARCHAR2);

パラメータ

表30-4 ENABLEプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

client_name

クライアント名。DBA_AUTOTASK_CLIENTビューにあります。

operation

操作名。DBA_AUTOTASK_OPERATIONビューにあります。

window_name

クライアントが使用可能になるウィンドウの名前(オプション)。

使用上のノート

  • operationおよびwindow_nameの両方がNULLの場合、クライアントは使用可能になります。

  • operationNULL以外の場合、window_nameは無視され、指定した操作は使用可能になります。

  • operationNULLwindow_nameNULL以外の場合、クライアントは指定したウィンドウ内で使用可能になります。

30.4.3 GET_CLIENT_ATTRIBUTESプロシージャ

このプロシージャは、選択したクライアント属性の値を戻します。

構文

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.GET_CLIENT_ATTRIBUTES(
   client_name        IN    VARCHAR2,   service_name       OUT   VARCHAR2,   window_group       OUT   VARCHAR2);

パラメータ

表30-5 GET_CLIENT_ATTRIBUTESプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

client_name

クライアント名。DBA_AUTOTASK_CLIENTビューにあります。

service_name

クライアントのサービス名。NULLの場合があります。

window_group

クライアントがアクティブなウィンドウ・グループの名前。

30.4.4 GET_P1_RESOURCESプロシージャ

このプロシージャは、優先順位の高いAUTOTASKコンシューマ・グループにそれぞれ割り当てられたリソースの割合を戻します。

構文

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.GET_P1_RESOURCES(
   stats_group_pct     OUT   NUMBER,
   seg_group_pct       OUT   NUMBER,
   tune_group_pct      OUT   NUMBER,
   health_group_pct    OUT   NUMBER);

パラメータ

表30-6 GET_P1_RESOURCESプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

stats_group_pct

統計情報収集に割り当てられたリソース(%)

seq_group_pct

領域管理に割り当てられたリソース(%)

tune_group_pct

SQLチューニングに割り当てられたリソース(%)

health_group_pct

ヘルス・チェックに割り当てられたリソース(%)

使用上のノート

合計値は、100%です。

30.4.5 OVERRIDE_PRIORITYプロシージャ

この推奨されないプロシージャは、タスクの優先順位を手動で上書きする場合に使用します。

ノート:

このサブプログラムの使用は推奨されておらず、Oracle Database 12cでは動作しなくなります。

これは、クライアント、操作または個別のタスクのレベルで行うことができます。この優先順位の割当ては、指定したクライアントがアクティブな次のメンテナンス・ウィンドウ時に有効になります。具体的には、priorityをURGENTに設定すると、メンテナンス・ウィンドウの開始時に優先順位の高いジョブが生成されます。priorityCLEARに設定すると、その上書きが削除されます。

構文

クライアントの優先順位を上書きします。

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.OVERRIDE_PRIORITY (
   client_name       IN    VARCHAR2,
   priority          IN    VARCHAR2);

操作の優先順位を上書きします。

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.OVERRIDE_PRIORITY (
   client_name       IN    VARCHAR2,
   operation         IN    VARCHAR2,
   priority          IN    VARCHAR2);

タスクの優先順位を上書きします。

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.OVERRIDE_PRIORITY (
   client_name       IN    VARCHAR2,
   operation         IN    VARCHAR2,
   task_target_type  IN    VARCHAR2,
   task_target_name  IN    VARCHAR2,
   priority          IN    VARCHAR2);

パラメータ

表30-7 OVERRIDE_PRIORITYプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

client_name

クライアント名。DBA_AUTOTASK_CLIENTビューにあります。

priority

URGENTHIGHMEDIUMまたはLOW

operation

操作名。DBA_AUTOTASK_OPERATIONビューにあります。

task_target_type

影響を受けるターゲットのタイプ。V$AUTOTASK_TARGET_TYPEビューにあります。

task_target_name

影響を受ける特定のターゲットの名前。

30.4.6 SET_CLIENT_SERVICEプロシージャ

このプロシージャは、指定したサービスにAUTOTASKクライアントを関連付けます。

構文

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.SET_CLIENT_SERVICE(
   client_name        IN    VARCHAR2,
   service_name       IN   VARCHAR2);

パラメータ

表30-8 SET_CLIENT_SERVICEプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

client_name

クライアント名。DBA_AUTOTASK_CLIENTビューにあります。

service_name

クライアントのサービス名。NULLの場合があります。

使用上のノート

クライアントにかわって実行されるすべての作業は、サービスが使用可能なインスタンス上でのみ行われます。

30.4.7 SET_P1_RESOURCESプロシージャ

このプロシージャは、AUTOTASKクライアントで使用される優先順位の高いコンシューマ・グループにそれぞれ割り当てるリソースの割合を設定します。

構文

DBMS_AUTO_TASK_ADMIN.SET_P1_RESOURCES(
   stats_group_pct     OUT   NUMBER,
   seg_group_pct       OUT   NUMBER,
   tune_group_pct      OUT   NUMBER,
   health_group_pct    OUT   NUMBER);

パラメータ

表30-9 SET_P1_RESOURCESプロシージャのパラメータ

パラメータ 説明

stats_group_pct

統計情報収集に割り当てられたリソース(%)

seq_group_pct

領域管理に割り当てられたリソース(%)

tune_group_pct

SQLチューニングに割り当てられたリソース(%)

health_group_pct

ヘルス・チェックに割り当てられたリソース(%)

使用上のノート

値は0から100の整数である必要があります。また、合計値は100(パーセント)になる必要があります。それ以外の場合は、例外が発生します。