135 DBMS_RESULT_CACHE
DBMS_RESULT_CACHE
パッケージでは、DBAが、SQL結果キャッシュおよびPL/SQLファンクション結果キャッシュによって使用される共有プールのその部分を管理できるインタフェースが提供されます。
これらのキャッシュは同じインフラストラクチャを使用します。このため、たとえば、DBMS_RESULT_CACHE
.BYPASS
では、両方のキャッシュに対してバイパスまたは使用が設定され、DBMS_RESULT_CACHE
.FLUSH
では、SQL文の問合せおよびPL/SQLファンクションの両方について、キャッシュされた結果がすべてフラッシュされます。
この章のトピックは、次のとおりです:
参照:
-
クロスセッションのPL/SQLファンクションの結果キャッシュを使用する方法に関する詳細は、『Oracle Database PL/SQL言語リファレンス』を参照してください。
-
結果キャッシュの概念の詳細は、『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。
135.2 DBMS_RESULT_CACHEの定数
DBMS_RESULT_CACHE
パッケージは、パラメータ値の指定に使用するいくつかの定数を定義します。
次の表に、これらの定数を示します。
表135-1 DBMS_RESULT_CACHEの定数
定数 | 定義 | 説明 |
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キャッシュは一時的に利用できませんでした。 |
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結果キャッシュは使用不可の状態です。 |
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キャッシュは使用できません。 |
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キャッシュは使用できます。 |
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キャッシュは使用できますが、Oracle RACノードと同期化されます。 |
135.3 DBMS_RESULT_CACHEサブプログラムの要約
この表は、DBMS_RESULT_CACHE
サブプログラムを示し、簡単に説明しています。
表135-2 DBMS_RESULT_CACHEパッケージのサブプログラム
サブプログラム | 説明 |
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パイプラインBL_TABTを戻します。 |
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ブラックリストに |
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ブラックリストからすべてのcache_idを削除します。 |
|
ブラックリストからcache_idを削除します。 |
|
結果キャッシュのバイパス・モードを設定します。 |
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結果キャッシュからすべてのオブジェクトを削除しようとします。引数に応じて、メモリーを保持または解放し、統計を保持またはクリアします。 |
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指定した依存オブジェクトに依存するすべての結果セットのオブジェクトを無効化します。 |
|
指定した結果セットのオブジェクトを無効化します。 |
|
結果キャッシュのメモリー使用量のレポートを作成します。 |
|
結果キャッシュのステータスをチェックします。 |
135.3.1 BLACK_LISTファンクション
このテーブル・ファンクションは、ブロックリストに記載された、ローカル・インスタンスのすべてのキャッシュIDを戻します。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.BLACK_LIST RETURN BL_TABT;
135.3.2 BLACK_LIST_ADDプロシージャ
このプロシージャは、ブロックリストにcache_idを追加します。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.BLACK_LIST_ADD ( cache_id IN VARCHAR2, global IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
パラメータ
表135-3 BLACK_LIST_ADDプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
ブロックリストに |
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|
135.3.3 BLACK_LIST_CLEARプロシージャ
このプロシージャは、ブロックリストからすべてのcache_idを削除します。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.BLACK_LIST_CLEAR ( global IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
パラメータ
表135-4 BLACK_LIST_CLEARプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
|
|
135.3.4 BLACK_LIST_REMOVEプロシージャ
このプロシージャは、ブロックリストからcache_idを削除します。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.BLACK_LIST_REMOVE ( cache_id IN VARCHAR2, global IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
パラメータ
表135-5 BLACK_LIST_REMOVEプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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ブロックリストから |
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135.3.5 BYPASSプロシージャ
このプロシージャは、結果キャッシュのバイパス・モードを設定します。
次のいずれかのバイパス・モードを設定します。
-
バイパス・モードをオンにすると、キャッシュされた結果は使用されなくなり、新しい結果はキャッシュに保存されません。
-
バイパス・モードをオフにすると、キャッシュは通常の操作を再開します。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.BYPASS ( bypass_mode IN BOOLEAN, session IN BOOLEAN);
パラメータ
表135-6 BYPASSプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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使用上のノート
この操作は、データベース・インスタンス固有です。
例
この操作は、実行中のシステムでPL/SQLコードにホット・パッチを適用する必要がある場合に使用できます。結果がキャッシュされたファンクションが直接または推移的に依存しているPL/SQLモジュールにコード・パッチが適用された場合、結果キャッシュのファンクションに関連付けられているキャッシュされた結果は自動的にはフラッシュされません(インスタンスが再開またはバウンスしない場合)。フラッシュは手動で行う必要があります。
パッチ・プロセスを正常に行うには、次のステップを実行します。
-
結果キャッシュをバイパス・モードに設定し、既存の結果をフラッシュします。
BEGIN DBMS_RESULT_CACHE.BYPASS(TRUE); DBMS_RESULT_CACHE.FLUSH; END; /
Oracle Real Application Clusters環境では、インスタンスごとにこのステップを実行する必要があります。
-
PL/SQLコード・パッチを適用します。
-
キャッシュのバイパス・モードを無効にして、結果キャッシュの使用を再開します。
BEGIN DBMS_RESULT_CACHE.BYPASS(FALSE); END; /
Oracle Real Application Clusters環境では、インスタンスごとにこのステップを実行する必要があります。
135.3.6 FLUSHファンクションおよびプロシージャ
このファンクションおよびプロシージャは、結果キャッシュからすべてのオブジェクトを削除しようとします。引数に応じて、メモリーを保持または解放し、統計を保持またはクリアします。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.FLUSH ( retainMem IN BOOLEAN DEFAULT FALSE, retainSta IN BOOLEAN DEFAULT FALSE) RETURN BOOLEAN;
DBMS_RESULT_CACHE.FLUSH ( retainMem IN BOOLEAN DEFAULT FALSE, retainSta IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
パラメータ
表135-7 FLUSHファンクションおよびプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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戻り値
すべてのオブジェクトの削除が成功した場合はTRUE
。
135.3.7 INVALIDATEファンクションおよびプロシージャ
このファンクションおよびプロシージャは、指定した依存オブジェクトに依存するすべての結果セットのオブジェクトを無効化します。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.INVALIDATE ( owner IN VARCHAR2, name IN VARCHAR2) RETURN NUMBER;
DBMS_RESULT_CACHE.INVALIDATE ( owner IN VARCHAR2, name IN VARCHAR2);
DBMS_RESULT_CACHE.INVALIDATE ( object_id IN BINARY_INTEGER) RETURN NUMBER;
DBMS_RESULT_CACHE.INVALIDATE ( object_id IN BINARY_INTEGER);
パラメータ
表135-8 INVALIDATEファンクションおよびプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
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スキーマ名。 |
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オブジェクト名 |
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ディクショナリのオブジェクト番号 |
戻り値
無効化されているオブジェクトの名前。
135.3.8 INVALIDATE_OBJECTファンクションおよびプロシージャ
このファンクションおよびプロシージャは、指定した結果セットのオブジェクトを無効化します。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.INVALIDATE_OBJECT ( id IN BINARY_INTEGER) RETURN NUMBER;
DBMS_RESULT_CACHE.INVALIDATE_OBJECT ( id IN BINARY_INTEGER);
DBMS_RESULT_CACHE.INVALIDATE_OBJECT ( cache_id IN VARCHAR2) RETURN NUMBER;
DBMS_RESULT_CACHE.INVALIDATE_OBJECT ( cache_id IN VARCHAR2);
パラメータ
表135-9 INVALIDATE_OBJECTファンクションおよびプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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結果キャッシュ内のキャッシュ・オブジェクトのアドレス。 |
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SQLカーソルまたはPL/SQLファンクションの結果キャッシュ識別子。 |
戻り値
無効化されているオブジェクトの名前。
135.3.9 MEMORY_REPORTプロシージャ
このプロシージャは、結果キャッシュのメモリー使用量のレポートを作成します。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.MEMORY_REPORT ( detailed IN BOOLEAN DEFAULT FALSE);
パラメータ
表135-10 MEMORY_REPORTプロシージャのパラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
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使用上のノート
SQL*Plusからこのプロシージャを起動するには、SERVEROUTPUTがオンになっている必要があります。
例
SET SERVEROUTPUT ON
EXECUTE DBMS_RESULT_CACHE.MEMORY_REPORT;
135.3.10 STATUSファンクション
このファンクションは、結果キャッシュのステータスをチェックします。
構文
DBMS_RESULT_CACHE.STATUS RETURN VARCHAR2;
ノート:
定数の詳細は、DBMS_RESULT_CACHEの定数を参照してください。