6 他の Oracle機能で透過的データ暗号化を使用
Oracle Data Encryptionは、Oracle Data GuardやOracle Real Application ClustersなどのOracle機能とともに使用できます。
- 透過的データ暗号化とエクスポートおよびインポート操作との連携
Oracle Data Pumpによって、暗号化列を含む表をエクスポートおよびインポートしたり、ダンプ・セット全体を暗号化することができます。 - 透過的データ暗号化とOracle Data Guardとの連携
Oracle Data Guardプライマリ・データベースおよびセカンダリ・データベースは、ソフトウェア・キーストアと外部キーストアの両方を共有できます。 - 透過的データ暗号化とOracle Real Application Clustersとの連携
Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)ノードでは、ソフトウェア・キーストアと外部キーストアの両方を共有できます。 - 透過的データ暗号化とSecureFilesとの連携
LOBが格納されるSecureFilesには、圧縮、重複除外および暗号化の3つの機能があります。 - 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
マルチテナント環境では、実行できるTDE操作はrootにいるかPDBにいるかによって変わります。 - 透過的データ暗号化とOracle Call Interfaceとの連携
透過的データ暗号化は、Oracle Call Interface (OCI)の動作に影響しません。 - 透過的データ暗号化とエディションとの連携
透過的データ暗号化は、Oracle Databaseのエディション機能に影響しません。 - マルチデータベース環境で機能するように透過的データ暗号化を構成
同じサーバー上の各Oracle Database (同じOracleバイナリを共有しているが異なるデータ・ファイルを使用しているデータベースなど)は、それぞれ独自のTDEキーストアにアクセスする必要があります。
親トピック: 透過的データ暗号化の使用
6.1 透過的データ暗号化とエクスポートおよびインポート操作との連携
Oracle Data Pumpによって、暗号化列を含む表をエクスポートおよびインポートしたり、ダンプ・セット全体を暗号化することができます。
- 暗号化データされたデータのエクスポートおよびインポートについて
暗号化列を持つ表のエクスポートとインポートには、Oracle Data Pumpを使用できます。 - 暗号化された列のある表のエクスポートおよびインポート
ENCRYPTION=ENCRYPTED_COLUMNS_ONLY
設定を使用して、暗号化された列のある表をエクスポートおよびインポートできます。 - Oracle Data Pumpを使用してダンプ・セット全体を暗号化
Oracle Data Pumpによって、透過的データ暗号化列のみではなく、ダンプ・セット全体を暗号化できます。
親トピック: 他の Oracle機能における透過的データ暗号化の使用
6.1.1 暗号化データされたデータのエクスポートおよびインポートについて
暗号化列を持つ表のエクスポートとインポートには、Oracle Data Pumpを使用できます。
ソフトウェア・キーストアと外部キーストアのどちらについても、暗号化された列を含む表をエクスポートする必要がある場合には次の点が重要となります。
-
転送中も機密データが解読されないように保つ必要があります。
-
権限のあるユーザーは、宛先にインポートされたデータを復号化できる必要があります。
Oracle Data Pumpを使用して暗号化列を含む表をエクスポートおよびインポートする場合、ENCRYPTION
パラメータを使用してダンプ・ファイル・セットのデータを暗号化できるようにします。ENCRYPTION
パラメータには、次の値を指定できます。
-
ENCRYPTED_COLUMNS_ONLY
: 暗号化列が暗号化された形式でダンプ・ファイル・セットに書き込まれます。 -
DATA_ONLY
: すべてのデータが暗号化された形式でダンプ・ファイル・セットに書き込まれます。 -
METADATA_ONLY
: すべてのメタデータがダンプ・ファイル・セットに暗号化された形式で書き込まれます。 -
ALL
: すべてのデータとメタデータが暗号化された形式でダンプ・ファイル・セットに書き込まれます。 -
NONE
: ダンプ・ファイル・セットに対して暗号化は使用されません。
6.1.2 暗号化された列のある表のエクスポートおよびインポート
ENCRYPTION=ENCRYPTED_COLUMNS_ONLY
設定を使用して、暗号化された列のある表をエクスポートおよびインポートできます。
-
暗号化列を含む表のエクスポートを試行する前に、キーストアが開いていることを確認します。
マルチテナント環境では、プラガブル・データベース(PDB)内のデータをエクスポートする場合、ウォレットがPDB内でオープン状態であることを確認します。rootにエクスポートする場合、ウォレットがroot内でオープン状態であることを確認します。
キーストアが開いているかどうかを確認するには、
V$ENCRYPTION_WALLET
ビューのSTATUS
列を問い合せます。キーストアを開く必要がある場合は、次のSQL文を実行します。ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET KEYSTORE OPEN IDENTIFIED BY software_keystore_password [CONTAINER = ALL | CURRENT];
software_keystore_password
設定は、キーストアのパスワードです。キーストアが開いている必要があるのは、暗号化列の復号化にはTDE表キーを使用する必要があり、そのためにはTDEマスター暗号化キーへのアクセスが必要なためです。列は、エクスポートされる前にパスワードを使用して再暗号化されます。 -
エクスポート・ダンプ・ファイル・セットの列データを暗号化する際に使用するパスワードを、
ENCRYPTION_PASSWORD
パラメータを使用して指定し、EXPDP
コマンドを実行します。次に、
employee_data
表をエクスポートする例を示します。ENCRYPTION_PWD_PROMPT = YES
設定によって、対話式でパスワードを求めるプロンプトの表示が可能となり、これは推奨されるセキュリティ上の措置となっています。expdp hr TABLES=employee_data DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=dpcd2be1.dmp ENCRYPTION=ENCRYPTED_COLUMNS_ONLY ENCRYPTION_PWD_PROMPT = YES Password: password_for_hr
-
エクスポートされたデータをターゲット・データベースにインポートするには、
ENCRYPTION_PASSWORD
パラメータによって設定されエクスポート操作に使用したものと同じパスワードを確実に指定してください。このパスワードは、データの復号化に使用されます。データは、ターゲット・データベースに生成された新しいTDE表キーを使用して再暗号化されます。ターゲット・データベースがTDEマスター暗号化キーにアクセスするためには、キーストアが開いている必要があります。次に、
employee_data
表をインポートする例を示します。impdp hr TABLES=employee_data DIRECTORY=dpump_dir DUMPFILE=dpcd2be1.dmp ENCRYPTION_PWD_PROMPT = YES Password: password_for_hr
6.1.3 Oracle Data Pumpを使用してダンプ・セット全体を暗号化
Oracle Data Pumpによって、透過的データ暗号化列のみではなく、ダンプ・セット全体を暗号化できます。
インポートでは、パスワードまたはキーストアTDEマスター暗号化キーのいずれかを使用してデータを復号化できます。パスワードを指定しなかった場合、データの復号化にはキーストアのTDEマスター暗号化キーが使用されます。ターゲット・データベースにおいて、キーストアが存在して開いている必要があります。この開いているキーストアは、ターゲット・データベースで列暗号化データを再暗号化する際にも必要です。
ENCRYPTION_MODE=TRANSPARENT
設定を使用すると、キーストアに格納されているTDEマスター暗号化キーを使用してダンプ・ファイル・セットを透過的に暗号化できます。この場合、パスワードは不要です。キーストアは、ターゲット・データベースに存在して開かれている必要があり、インポート操作中に列暗号化メタデータを正常に復号化するためにソース・データベースのTDEマスター暗号化キーを含んでいる必要があります。
この開いているキーストアは、ターゲット・データベースで列暗号化メタデータを再暗号化する際にも必要です。キーストアがすでにターゲット・データベースに存在している場合には、ソース・データベースのキーストアから現在のTDEマスター暗号化キーをエクスポートし、ターゲット・データベースのキーストアにインポートできます。
-
ENCRYPTION_MODE
パラメータを使用して、暗号化モードを指定します。ENCRYPTION_MODE=DUAL
によって、キーストアに格納されているTDEマスター暗号化キーと指定したパスワードを使用してダンプ・セットが暗号化されます。
たとえば、二重暗号化モードを使用して、暗号化されたデータをエクスポートする場合、次のようにします。
expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=hr_enc.dmp ENCRYPTION=all ENCRYPTION_PASSWORD=encryption_password ENCRYPTION_ALGORITHM=AES256 ENCRYPTION_MODE=dual Password: password_for_hr
関連項目:
-
Oracle Data Pumpおよびこれに関連する暗号化パラメータの使用に関する詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』を参照してください。
6.2 透過的データ暗号化とOracle Data Guardとの連携
Oracle Data Guardプライマリ・データベースおよびセカンダリ・データベースは、ソフトウェア・キーストアと外部キーストアの両方を共有できます。
- Oracle Data Guardでの透過的データ暗号化の使用について
Oracle Data Guardでは、ソフトウェア・キーストアと外部キーストアのどちらについても、透過的データ暗号化(TDE)がサポートされています。 - Oracle Data Guard環境でのTDEおよびOracle Key Vaultの構成
TDEおよびOracle Key Vaultと連携できるように、マルチテナント環境でOracle Data Guardを構成できます。
親トピック: 他の Oracle機能における透過的データ暗号化の使用
6.2.1 Oracle Data Guardでの透過的データ暗号化の使用について
Oracle Data Guardでは、ソフトウェア・キーストアと外部キーストアのどちらについても、透過的データ暗号化(TDE)がサポートされています。
プライマリ・データベースでTDEを使用する場合、Data Guard構成の各スタンバイ・データベースには、プライマリ・データベースからの暗号化キーストアのコピーが必要です。プライマリ・データベースでTDEマスター暗号化キーを再設定した場合は、そのTDEマスター暗号化キーが格納されているプライマリ・データベースから各スタンバイ・データベースにキーストアをコピーする必要があります。
次の点に注意してください。
-
ウォレットベースのTDEによるキー更新操作では、新しいTDEマスター暗号化キーがまだ使用可能でないため、スタンバイ・データベースでの管理リカバリ・プロセス(MRP)が失敗します。この問題を回避するには、プライマリ・データベースで
ADMINISTER KEY MANAGEMENT CREATE KEY
文を使用して、新しいTDEマスター暗号化キーをウォレットに挿入します。ウォレットをスタンバイ・データベースにコピーしてから、プライマリでADMINISTER KEY MANAGEMENT USE KEY
文を実行します。 -
データをスタンバイ・データベースに転送する場合、ログ・ファイル内の暗号化データは暗号化されたままです。暗号化データは転送中も暗号化されたままです。
関連項目
6.2.2 Oracle Data Guard環境でのTDEおよびOracle Key Vaultの構成
TDEおよびOracle Key Vaultと連携できるように、マルチテナント環境でOracle Data Guardを構成できます。
6.3 透過的データ暗号化とOracle Real Application Clustersとの連携
Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)ノードでは、ソフトウェア・キーストアと外部キーストアの両方を共有できます。
- Oracle Real Application Clustersでの透過的データ暗号化の使用について
Oracleは、クラスタ・インスタンス間に、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)の共有ソフトウェア・キーストア、つまり、Oracle Key Vaultで共有される共通の仮想ウォレットを必要とします。 - Oracle Real Application ClustersにおけるOracle Key Vault用のTDEの構成
Oracle Exadata Cloud at Customer (ExaCC)およびその他のサーバーのOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)でTDEを、Oracle Key Vaultによって実現される一元管理されたキー管理のために構成できます。
親トピック: 他の Oracle機能における透過的データ暗号化の使用
6.3.1 Oracle Real Application Clustersでの透過的データ暗号化の使用について
Oracleは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)の共有ソフトウェア・キーストア、つまり、クラスタ・インスタンス間で共有されるOracle Key Vault内の共通の仮想ウォレットを必要とします。
Oracle Key Vaultを使用するTDE構成では、データベースの各インスタンスから外部キー・マネージャへのネットワーク接続が使用されます。Oracle Key Vaultでは、Oracle RAC対応データベースのインスタンスごとに1つのエンドポイントを作成し、Oracle RAC対応データベースごとに1つの仮想ウォレットを作成する必要があります。次に、その仮想ウォレットを、そのデータベースに属するすべてのエンドポイントのデフォルト・ウォレットにします。Oracle RAC対応のData Guard構成では、すべてのインスタンス(プライマリおよびすべてのスタンバイ・データベース)で1つの仮想ウォレットが共有されます。この構成では、関連するすべてのインスタンスが自動的に同期されるため、キー設定操作とキー更新操作は完全に透過的に行われます。これにより、クラスタ内のその他の各ノードにソフトウェア・キーストアを手動でコピーする必要がなくなります。
Oracleでは、Oracle RACノードごとの個別のTDEウォレットの使用はサポートされていません。かわりに、Oracle RAC環境でTDE用の共有ウォレットを使用してください。これによってすべてのインスタンスが、同じ共有ソフトウェア・キーストアにアクセスできます。対象の環境でOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)を使用している場合は、これが共有ウォレットの推奨される場所です。Oracle ACFSを使用できない場合は、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)でウォレットを直接共有する(+DATA/$ORACLE_UNQNAME/WALLETS
など)という方法もあります。
キーストア操作(キーストアの開閉、TDEマスター暗号化キーのキー更新など)は、任意の1つのOracle RACインスタンスで実行可能です。内部的には、Oracleデータベースにより、各Oracle RACノードでキーストアのコンテキストが同期されます。こうすることで、キーストア操作の結果が、クラスタ内の他のすべてのOracle RACインスタンスに表示されます。同様に、TDEマスター暗号化キーのキー更新操作が実行されると、新しいキーが各Oracle RACインスタンスで使用可能になります。TDEマスター暗号化キーのエクスポート、キーストアのパスワードのローテーション、キーストアのマージ、キーストアのバックアップを含む他のキーストア操作なども、1つのインスタンスのみから実行できます。
共有ファイル・システムを使用する場合は、すべてのOracle RACインスタンスのsqlnet.ora
ファイルにおけるENCRYPTION_WALLET_LOCATION
パラメータ設定が、必ず同じ共有ソフトウェア・キーストアの場所を指すようにします。また、適切なディレクトリ権限を割り当てることによって、共有ソフトウェア・キーストアのセキュリティを確保する必要もあります。
ノート:
Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)インスタンスごとの個別のウォレットでのTDEマスター暗号化キーの格納はサポートされていません。かわりに、オンプレミスまたはクラウドベースのデータベース・デプロイメント、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)またはOracle ASM Cluster File System (Oracle ACFS)間の集中キー管理用のOracle Key Vaultを使用してローカル共有ウォレットを提供します。6.3.2 Oracle Real Application ClustersにおけるOracle Key Vault用のTDEの構成
Oracle Exadata Cloud at Customer (ExaCC)およびその他のサーバーのOracle Real Application Clusters (Oracle RAC)でTDEを、Oracle Key Vaultによって実現される一元管理されたキー管理のために構成できます。
provision
コマンドには、OracleデータベースのJavaホームを指す/usr/bin/java
内のシンボリック・リンクが必要です。たとえば: # ln -sv $ORACLE_HOME/jdk/jre/java /usr/bin/java
6.4 透過的データ暗号化とSecureFilesとの連携
LOBが格納されるSecureFilesには、圧縮、重複除外および暗号化の3つの機能があります。
- 透過的データ暗号化およびSecureFilesについて
SecureFilesの暗号化では、LOBの暗号化機能を提供するためにTDEを使用します。 - 例: 特定の暗号化アルゴリズムを使用したSecureFiles LOBの作成
CREATE TABLE
文によって、暗号化を指定してSecureFiles LOBを作成できます。 - 例: 列パスワードを指定したSecureFiles LOBの作成
CREATE TABLE
文によって、列パスワードを指定してSecureFiles LOBを作成できます。
親トピック: 他の Oracle機能における透過的データ暗号化の使用
6.4.1 透過的データ暗号化およびSecureFilesについて
SecureFilesの暗号化では、LOBの暗号化機能を提供するためにTDEを使用します。
表を作成または変更する際に、SecureFiles記憶域を使用する必要があるSecureFiles暗号化やLOB列を指定できます。現在の透過的データ暗号化(TDE)構文を使用するか、またはLOB列に関するLOBパラメータの一部としてENCRYPT
句を使用することによって、LOB列の暗号化を有効化できます。現在の構文またはLOBパラメータにおけるDECRYPT
オプションによって、暗号化を無効化できます。
親トピック: 透過的データ暗号化とSecureFilesとの連携
6.4.2 例: 特定の暗号化アルゴリズムを使用したSecureFiles LOBの作成
CREATE TABLE
文によって、暗号化を指定してSecureFiles LOBを作成できます。
例6-1では、CREATE TABLE
文でSecureFiles LOBを作成する方法を示しています。
例6-1 特定の暗号化アルゴリズムを使用したSecureFiles LOBの作成
CREATE TABLE table1 ( a BLOB ENCRYPT USING 'AES256') LOB(a) STORE AS SECUREFILE ( CACHE );
親トピック: 透過的データ暗号化とSecureFilesとの連携
6.4.3 例: 列パスワードを指定したSecureFiles LOBの作成
CREATE TABLE
文によって、列パスワードを指定してSecureFiles LOBを作成できます。
例6-2では、暗号化された列に対してパスワード保護を使用するSecureFiles LOBの作成例を示しています。
LOB列のすべてのLOBが、同じ暗号化の指定で暗号化されます。
例6-2 列パスワードを指定したSecureFiles LOBの作成
CREATE TABLE table1 (a VARCHAR2(20), b BLOB)
LOB(b) STORE AS SECUREFILE (
CACHE
ENCRYPT USING 'AES192' IDENTIFIED BY password
);
親トピック: 透過的データ暗号化とSecureFilesとの連携
6.5 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
マルチテナント環境では、実行できるTDE操作はrootにいるかPDBにいるかによって変わります。
- マルチテナント環境における透過的データ暗号化の使用について
マルチテナント環境では、列と表領域の両方にTDEを使用できます。 - rootで実行される必要がある操作
特定のADMINISTER KEY MANAGEMENT
キーストア操作は、rootでのみ実行される必要があります。 - rootまたはPDBで実行可能な操作
rootまたはPDBのいずれかで、次の一部のキーストア操作を実行できます。 - あるCDBから別のCDBへのPDBの移動
暗号化されたPDBを同じコンテナ・データベース内、またはコンテナ・データベース間でクローニングまたは再配置できます。 - PDB向けのTDEマスター暗号化キーのエクスポートおよびインポート
ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT
のEXPORT
およびIMPORT
句によって、PDB向けのTDEマスター暗号化キーをエクスポートまたはインポートできます。 - 暗号化データのあるPDBをCDBでプラグおよびアンプラグ
暗号化されたデータのあるPDBを、CDBに追加またはCDBから削除できます。 - 暗号化データを含むクローニングされたPDBの管理
CDBで暗号化されたデータのあるPDBをクローニングできます。 - マルチテナント環境でのキーストアの開閉操作の機能
マルチテナント環境でキーストアの開閉操作がどのように機能するかを知っておく必要があります。 - マルチテナント環境のすべてのPDBのキーストアのステータスの確認
V$ENCRYPTION_WALLET
ビューを使用する便利なファンクションを作成して、CDBにおけるすべてのPDBのキーストアのステータスを確認できます。
親トピック: 他の Oracle機能における透過的データ暗号化の使用
6.5.1 マルチテナント環境における透過的データ暗号化の使用について
マルチテナント環境では、列と表領域の両方にTDEを使用できます。
次の点に注意してください。
-
作成するキーストアは、特定のPDB内ではなくホストのマルチテナント環境に存在します。複数のPDBはこのホスト上で動作中に、単一のキーストアにアクセス可能です。暗号化を使用する各PDBには、このキーストアに格納されている透過的データ暗号化のTDEマスター暗号化キーがあります。
-
各PDBには個別のTDEマスター暗号化キーがあります。PDB固有のキー管理の
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文を使用して、PDB内でのみ各PDB用のTDEマスター暗号化キーを管理する必要があります。rootまたはPDBから、CDBにおけるPDBのTDEマスター暗号化キーについての情報を確認するために適切なビューを問合せできます。たとえば、V$ENCYRYPTION_KEYS
ビューのPDBID
列は、TDEマスター暗号化キーが属するPDBを示しています。 -
各PDBのキーストア内で、透過的データ暗号化のTDEマスター暗号化キーを個別に管理できます。各PDB向けのTDEマスター暗号化キーを、個別にローテーションできます。詳細は、TDEマスター暗号化キーのエクスポートおよびインポートを参照してください。
-
rootからキーストア操作の大部分を実行します。キーストア・パスワードのローテーションやキーストアのマージなどのキーストア操作は、rootで実行する必要があります。キーを開く、閉じる、リセットする、作成するなど、PDB内で実行できるキー管理の操作がいくつかあります。rootからすべてのPDBに操作を実行することもできます。適用可能な場合には、
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文にCONTAINER
句があります。CONTAINER=ALL
と設定すると、すべてのPDBにアクションが実行されます。 -
自動ログイン・キーストアが(たとえば、ルートで)開いているか、キーストアが閉じている場合。このシナリオでは、次の操作の場合に
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文にFORCE KEYSTORE
句を含めます。キーストア・パスワードのローテーション。暗号化キーの作成、使用、キー更新、タグ付け、インポート、エクスポート、移行または逆移行。キーストアのオープンまたはバックアップ。シークレット・キーストアの追加、更新または削除。 -
マルチテナント環境では、パスワード用に外部ストアを使用できます。パスワードベースのソフトウェア・キーストアが外部ストアを使用するように構成している場合、次の操作の場合に
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文にIDENTIFIED BY EXTERNAL STORE
句を含めます。キーストアのバックアップ、オープンまたはクローズ。シークレット・キーストアの追加、更新または削除。暗号化キーの作成、使用、キー更新、タグ付け、インポートまたはエクスポート。 -
透過的データ暗号化を使用するPDBを、新しいホスト・コンピュータに移動する予定の場合、TDEマスター暗号化キーも移動する必要があります。あるホスト・コンピュータから別のコンピュータにTDEマスター暗号化キーを移動するには、TDEマスター暗号化キーのエクスポートおよびインポートに記載されている手順を使用します。
6.5.2 rootで実行される必要がある操作
特定のADMINISTER KEY MANAGEMENT
キーストア操作は、rootでのみ実行される必要があります。
操作は次のとおりです。
-
ADMINISTER KEY MANAGEMENT CREATE KEYSTORE
文を使用したパスワードベースのソフトウェア・キーストアの作成 -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT CREATE [LOCAL] AUTO_LOGIN KEYSTORE FROM KEYSTORE
文を使用した自動ログインのソフトウェア・キーストアの作成 -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT ALTER KEYSTORE PASSWORD
文を使用したソフトウェア・キーストアのパスワードの変更 -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT MERGE KEYSTORE
文を使用したソフトウェア・キーストアのマージ -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT BACKUP KEYSTORE
キーストアを使用したソフトウェア・キーストアのバックアップ -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET ENCRYPTION KEY ... MIGRATE USING
文を使用したソフトウェア・キーストアから外部キーストアへの移行 -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET ENCRYPTION KEY... REVERSE MIGRATE
文の使用による外部キーストアからソフトウェア・キーストアへの逆移行 -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT ADD|UPDATE|DELETE SECRET
文を使用したシークレットの追加、更新および削除 -
問合せまたは識別子リストに基づいた、キーの選択的なエクスポートおよびインポート
キーおよびキーストア操作に関するCONTAINER=ALL設定の動作状況
この項に記載されているキーおよびキーストア操作に関して、CONTAINER=ALL
設定を指定できます。CONTAINER=ALL
設定を指定することによって、CDB内のすべてのPDBで同じ操作が実行されます。rootでのみCONTAINER=ALL
設定を使用できることに留意してください。CONTAINER
句はオプションです。CONTAINER
句を省略すると、デフォルトはCONTAINER = CURRENT
になります。
許可されているCONTAINER=ALL
操作は次のとおりです。
-
キーストアを開く。
CONTAINER=ALL
設定を使用してキーストアを開くと、関連するすべてのPDBのキーストアが開きます。 -
キーストアを閉じる。
CONTAINER=ALL
設定を使用してキーストアを閉じると、関連するすべてのPDBのキーストアが閉じます。 -
TDEマスター暗号化キーを作成する。
CONTAINER=ALL
設定を使用してTDEマスター暗号化キーを作成すると、開いているすべてのPDBにキーが作成されます。最近作成されたキーを確認するには、V$ENCRYPTION_KEYS
ビューのCREATION_TIME
列を問い合せます。CONTAINER=ALL
操作でタグの指定もできますが、この操作によってすべてのPDBのキーが同じタグで作成されることに注意してください。各TDEマスター暗号化キーに個別のタグを作成する必要があり、これは、エラー発生時にキー作成操作が成功したPDBがこのタグによって識別可能であるためです。ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET TAG
文を使用して、後でタグを変更できます。 -
キー更新操作を実行する。
CONTAINER=ALL
設定でキー更新操作を実行することによって、開いているすべてのPDBでキーが作成され、有効化されます。最近作成されたキーを確認するには、V$ENCRYPTION_KEYS
ビューのCREATION_TIME
列を問い合せます。最近アクティブ化されたキーを確認するには、V$ENCRYPTION_KEYS
ビューのACTIVATION_TIME
列を問い合せます。CONTAINER=ALL
操作でタグの指定もできますが、この操作によってすべてのPDBのキーが同じタグで作成されることに注意してください。このタグは、エラー時にキー作成操作が成功したPDBの識別にも役立ちます。ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET TAG
文を使用して、後でタグを変更できます。
親トピック: 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
6.5.3 rootまたはPDBで実行可能な操作
rootまたはPDBのいずれかで、次の一部のキーストア操作を実行できます。
操作は次のとおりです。
-
ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET KEYSTORE OPEN
文を使用して、キーストアを開く -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET KEYSTORE CLOSE
文を使用して、キーストアを閉じる
rootまたはPDBのいずれかで、次のキー管理操作を実行できます。
-
ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET TAG
文を使用した、TDEマスター暗号化キーのタグの作成 -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT CREATE KEY
文を使用した、TDEマスター暗号化キーの作成 -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET ENCRYPTION KEY
文を使用した、TDEマスター暗号化キーの再設定またはローテーション -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT USE KEY
文を使用した、TDEマスター暗号化キーのアクティブ化 -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT ENCRYPTION KEYS
文を使用した、TDEマスター暗号化キーのエクスポート -
ADMINISTER KEY MANAGEMENT IMPORT ENCRYPTION KEYS
文を使用した、TDEマスター暗号化キーのインポート
親トピック: 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
6.5.4 あるCDBから別のCDBへのPDBの移動
暗号化されたPDBを同じコンテナ・データベース内またはコンテナ・データベース間でクローニングまたは再配置できます。
SYSTEM
、SYSAUX
、UNDO
またはTEMP
表領域が暗号化されている非CDBまたはPDBを移動し、キーの手動エクスポートまたはインポートを使用する場合は、まずPDBを作成する前に、ターゲット・データベースのCDB$ROOT
にある非CDBまたはPDBのキーをインポートする必要があります。キーをPDBに関連付けるには、PDB内でキーのインポートが再度必要です。
親トピック: 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
6.5.5 PDB向けのTDEマスター暗号化キーのエクスポートおよびインポート
ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT
のEXPORT
およびIMPORT
句によって、PDB向けのTDEマスター暗号化キーをエクスポートまたはインポートできます。
- PDB向けのTDEマスター暗号化キーのエクスポートおよびインポートについて
CDB以外のデータベースでこのキーをエクスポートおよびインポートする場合と同じ方法で、rootからTDEマスター暗号化キーをエクスポートおよびインポートできます。 - PDB向けのTDEマスター暗号化キーのエクスポートまたはインポート
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文によって、PDB向けのTDEマスター暗号化キーをエクスポートまたはインポートできます。 - 例: PDBからTDEマスター暗号化キーをエクスポート
ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT ENCRYPTION KEYS
文によって、PDBのTDEマスター暗号化キーをエクスポートできます。 - 例: PDBにTDEマスター暗号化キーをインポート
ADMINISTER KEY MANAGEMENT IMPORT ENCRYPTION KEYS
文によって、PDBにTDEマスター暗号化キーをインポートできます。
親トピック: 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
6.5.5.1 PDB向けのTDEマスター暗号化キーのエクスポートおよびインポートについて
CDB以外のデータベースでこのキーをエクスポートおよびインポートする場合と同じ方法で、rootからTDEマスター暗号化キーをエクスポートおよびインポートできます。
PDB内からTDEマスター暗号化キーをエクスポートおよびインポートすることで、PDBに属するすべてのTDEマスター暗号化キーをエクスポートおよびインポートできます。PDBのTDEマスター暗号化キーのエクスポートおよびインポートでは、PDBのアンプラグとプラグ操作がサポートされます。PDBのアンプラグとプラグでは、PDBに属するすべてのTDEマスター暗号化キー、およびメタデータが対象になります。したがって、PDB内からキーをエクスポートする場合、ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT
文のWITH IDENTIFIER
句は許可されません。WITH IDENTIFIER
句は、rootでのみ許可されます。
ルートに自動ログイン・キーストアがある場合、またはキーストアが閉じている場合は、FORCE KEYSTORE
句を含める必要があります。キーストアがパスワードに外部ストアを使用するように構成されている場合、IDENTIFIED BY EXTERNAL STORE
句を使用します。たとえば、このシナリオにおいてエクスポート操作を実行するには、次のようにします。
ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT KEYS WITH SECRET "my_secret" TO '/etc/TDE/export.exp' FORCE KEYSTORE IDENTIFIED BY EXTERNAL STORE;
このADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT
操作では、キーがエクスポートされるだけでなく、PDB環境(およびクローニング操作)に必要なメタデータも作成されます。
PDBの内部では、TDEマスター暗号化キーのエクスポート操作によって、キーがエクスポートされるPDBと同じGUIDを持つPDBにより作成またはアクティブ化されたキーがエクスポートされます。基本的に、エクスポートが実行されるPDBに属しているすべてのキーがエクスポートされます。
PDB内のエクスポート・ファイルからTDEマスター暗号化キーがインポートされるのは、そのTDEマスター暗号化キーが同じGUIDを持つ別のPDBからエクスポートされている場合のみです。CDBへのPDBのプラグインをサポートするため、インポートでは、WITH IDENTIFIER
句なしでエクスポートされたCDB以外のTDEマスター暗号化キーを含むエクスポート・ファイルからもTDEマスター暗号化キーがインポートされます。PDB名やデータベースIDなどのPDB固有の詳細は、CDBごとに変化する可能性があるため、PDB固有の情報は、更新されたPDB情報を反映するようにインポート時に変更されます。
ノート:
PDB内では、PDB全体のキーのみエクスポートできます。問合せまたは識別子に基づいた選択的なエクスポート機能はrootに制限されています。
6.5.5.2 PDB向けのTDEマスター暗号化キーのエクスポートまたはインポート
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文によって、PDB向けのTDEマスター暗号化キーをエクスポートまたはインポートできます。
-
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
またはSYSKM
権限を付与されたユーザーとしてPDBにログインします。たとえば:
sqlplus sec_admin@hr_pdb as syskm Enter password: password Connected.
利用可能なPDBを検索するには、
DBA_PDBS
データ・ディクショナリ・ビューを問い合せます。現在のPDBを確認するには、show con_name
コマンドを実行します。 -
キーストアが開いていることを確認します。
V$ENCRYPTION_WALLET
ビューのSTATUS
列を問い合せると、キーストアが開いているかどうかを確認できます。ソフトウェア・キーストアを開く必要がある場合は、エクスポートまたはインポート操作を実行する際に、オプションでADMINISTER KEY MANAGEMENT
文にFORCE KEYSTORE
句を含めることができます。この句を使用すると、自動ログイン・キーストアまたはパスワードベースのキーストアを個別に開く必要なく、操作中にソフトウェア・キーストアを開くことができます。たとえば:
ADMINISTER KEY MANAGEMENT SET KEYSTORE OPEN FORCE KEYSTORE IDENTIFIED BY keystore_password;
-
エクスポートまたはインポート操作を実行します。
6.5.5.3 例: PDBからTDEマスター暗号化キーをエクスポート
ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT ENCRYPTION KEYS
文によって、PDBのTDEマスター暗号化キーをエクスポートできます。
例6-3では、PDB hr_pdb1
からTDEマスター暗号化キーをエクスポートする方法を示しています。この例では、自動ログイン・キーストアが使用されているか、キーストアが閉じている場合に、FORCE KEYSTORE句が含められます。
例6-3 PDBからTDEマスター暗号化キーをエクスポート
sqlplus sec_admin@hr_pdb1 as syskm Enter password: password Connected. ADMINISTER KEY MANAGEMENT EXPORT ENCRYPTION KEYS WITH SECRET "my_secret" TO '/export.p12' FORCE KEYSTORE IDENTIFIED BY password_cdb1;
6.5.5.4 例: PDBにTDEマスター暗号化キーをインポート
ADMINISTER KEY MANAGEMENT IMPORT ENCRYPTION KEYS
文によって、PDBにTDEマスター暗号化キーをインポートできます。
例6-4では、PDB hr_pdb2
へTDEマスター暗号化キーをインポートする方法を示しています。
例6-4 PDBにTDEマスター暗号化キーをインポート
sqlplus sec_admin@hr_pdb2 as syskm Enter password: password Connected. ADMINISTER KEY MANAGEMENT IMPORT ENCRYPTION KEYS WITH SECRET "my_secret" FROM '/tmp/export.p12' FORCE KEYSTORE IDENTIFIED BY password_cdb2 WITH BACKUP;
6.5.6 暗号化データのあるPDBをCDBでプラグおよびアンプラグ
暗号化されたデータのあるPDBを、CDBに追加またはCDBから削除できます。
- 暗号化データを含むPDBのアンプラグ
1つのCDBからPDBをアンプラグして、別のCDBにプラグインできます。 - 暗号化データを含むPDBのCDBへのプラグイン
暗号化データを含むPDBをCDBにプラグインするには、まずPDBにプラグインしてから、その暗号化キーを構成します。 - マスター・キーが外部キーストアに格納されているPDBのアンプラグ
外部キーストアを使用するように構成されたCDBからPDBをアンプラグした後、外部キーストアを使用するように構成された別のCDBにプラグインできます。 - マスター・キーが外部キーストアに格納されているPDBのプラグイン
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文を使用すると、外部キーストアのマスター・キーを、別のCDBに移されたPDBにインポートできます。
親トピック: 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
6.5.6.1 暗号化データを含むPDBのアンプラグ
1つのCDBからPDBをアンプラグして、別のCDBにプラグインできます。
- 『Oracle Database管理者ガイド』の説明に従って、PDBを通常どおりアンプラグします。
親トピック: 暗号化データのあるPDBをCDBでプラグおよびアンプラグ
6.5.6.2 暗号化データを含むPDBのCDBへのプラグイン
暗号化データを含むPDBをCDBにプラグインするには、まずPDBにプラグインしてから、その暗号化キーを構成します。
0
に設定されます。キー・バージョンは、V$ENCRYPTED_TABLESPACES
動的ビューのKEY_VERSION
を問い合せて確認できます。同様に、制御ファイルが失われ再作成された場合、以前のキーの履歴は0
にリセットされます。
-
Oracle Database管理者ガイドの説明に従って、アンプラグされたPDBをCDBにプラグインすることによって、PDBを作成します。
プラグ操作後のPDBのオープン操作中に、Oracle DatabaseによってPDBに暗号化データが含まれるかどうかが判別されます。その場合、PDBは
RESTRICTED
モードでオープンされます。PDBのオープン・モードの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。別のPDBをクローニングしてPDBを作成するか、非CDBからPDBを作成するときに、ソース・データベースに暗号化されたデータまたはキーストア・セットがある場合、
CREATE PLUGGABLE DATABASE ... FROM
SQL文のkeystore_password句によって識別されるキーストア
を含めることによって、キーストアのパスワードを提供する必要があります。このパスワードは、ソース・データベースが自動ログイン・ソフトウェア・キーストアを使用している場合であっても指定する必要があります。ソース・データベースに暗号化されたデータまたはキーストアがあるかどうかについては、DBA_ENCRYPTED_COLUMNS
データ・ディクショナリ・ビューを問い合せて確認できます。 -
TDEマスター暗号化キーをPDBにインポートします。
PDB向けのTDEマスター暗号化キーのエクスポートおよびインポートを参照してください。
-
Oracle Database管理者ガイドの説明に従って、PDBをクローズしてからPDBを再オープンします。
-
キーストアを開きます。
次の項を参照してください。
-
PDBにTDEマスター暗号化キーを設定します。
次のトピックを参照してください。
親トピック: 暗号化データのあるPDBをCDBでプラグおよびアンプラグ
6.5.6.3 マスター・キーが外部キーストアに格納されているPDBのアンプラグ
外部キーストアを使用するように構成されたCDBからPDBをアンプラグした後、それを同様に外部キーストアを使用するように構成された別のCDBにプラグインできます。
- PDBをアンプラグします。
- ソースCDBで使用されていた外部キーストア内のアンプラグされたPDBのマスター・キーを、宛先CDBで使用中の外部キーストアに移動します。
関連項目:
PDBのアンプラグの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください親トピック: 暗号化データのあるPDBをCDBでプラグおよびアンプラグ
6.5.6.4 マスター・キーが外部キーストアに格納されているPDBのプラグイン
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文を使用すると、外部キーストアのマスター・キーを、別のCDBに移されたPDBにインポートできます。
関連項目:
PDBのプラグの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください親トピック: 暗号化データのあるPDBをCDBでプラグおよびアンプラグ
6.5.7 暗号化データを含むクローニングされたPDBの管理
CDBで暗号化されたデータのあるPDBをクローニングできます。
- 暗号化データを含むクローニングされたPDBの管理について
PDBをクローニングする際、ソースPDBのマスター・キーをクローニングされたPDBが使用できるようにしておく必要があります。 - CDBでの暗号化データを含むPDBのクローニング
KEYSTORE IDENTIFIED BY
句を含むCREATE PLUGGABLE DATABASE
文によって、暗号化データを含むPDBをクローニングできます。 - TDE Academyビデオ: 暗号化されたPDBのリモートでのクローニングおよびアップグレード
Oracle TDE Academyでは、暗号化されたプラガブル・データベース(PDB)をリモートでクローニングおよびアップグレードする方法についてのビデオを提供しています。
親トピック: 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
6.5.7.1 暗号化データを含むクローニングされたPDBの管理について
PDBをクローニングする際、ソースPDBのマスター・キーをクローニングされたPDBが使用できるようにしておく必要があります。
これにより、クローニングされたPDBが暗号化データに対して操作を行うことができます。クローニングされたPDBがリモートのCDBにある場合であっても、Oracle Databaseがキーを転送するため、クローニングを実行するためにキーをエクスポートまたはインポートする必要はありません。ただし、クローンを作成するCDBのキーストア・パスワードは指定する必要があります。
親トピック: 暗号化データを含むクローニングされたPDBの管理
6.5.7.2 CDBでの暗号化データを含むPDBのクローニング
KEYSTORE IDENTIFIED BY
句を含むCREATE PLUGGABLE DATABASE
文によって、暗号化データを含むPDBをクローニングできます。
関連項目:
-
PDBのクローニングの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください
親トピック: 暗号化データを含むクローニングされたPDBの管理
6.5.7.3 TDE Academyビデオ: 暗号化されたPDBのリモートでのクローニングおよびアップグレード
Oracle TDE Academyでは、暗号化されたプラガブル・データベース(PDB)をリモートでクローニングおよびアップグレードする方法についてのビデオを提供しています。
親トピック: 暗号化データを含むクローニングされたPDBの管理
6.5.8 マルチテナント環境でのキーストアの開閉操作の機能
マルチテナント環境でキーストアの開閉操作がどのように機能するかを知っておく必要があります。
マルチテナント環境の各PDBについては、透過的データ暗号化の操作を続行できるように、PDBにおいてパスワードベースのソフトウェア・キーストアまたは外部キーストアを明示的に開く必要があります。(自動ログイン・ソフトウェア・キーストアおよびローカル自動ログイン・ソフトウェア・キーストアは自動的に開きます。)PDBのキーストアを閉じることによって、PDBのすべての透過的データ暗号化操作がブロックされます。
CDBにおいて、PDBにおけるキーストア操作の開閉操作は、rootにおけるキーストアの開閉状態に依存します。
次の点に注意してください。
-
マルチテナント環境では、各PDBについて個別のキーストア・パスワードを作成できます。
-
個々のPDBにおいてパスワードベースのソフトウェア・キーストアまたは外部キーストアを手動で開くには、事前にrootでそのキーストアを開いている必要があります。
-
自動ログイン・キーストアが使用されているか、キーストアが閉じている場合は、キーストアを開くまたは閉じるときに、
ADMINISTER KEY MANAGEMENT
文にFORCE KEYSTORE
句を含めます。 -
キーストアが、パスワード用に外部ストアを使用するパスワードベースのソフトウェア・キーストアの場合、
EXTERNAL STORE
にIDENTIFIED BY
句を設定します。 -
個々のPDBでTDEマスター暗号化キーを設定する前に、rootでキーを設定する必要があります。
-
(自動ログイン・ソフトウェア・キーストアおよびローカル自動ログイン・ソフトウェア・キーストアは自動的に開きます。)これらを最初にrootからまたはPDBから、手動で開く必要はありません。
-
rootでキーストアを閉じると、これに依存するPDBのキーストアも閉じられます。rootにおいてキーストアを閉じる操作は、
CONTAINER
句がALL
に設定されていてキーストアを閉じる操作を実行することと同等です。 -
rootでキーストアを開いて
CONTAINER
をALL
に設定すると、これに依存するPDBのキーストアも開きます。
親トピック: 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
6.5.9 マルチテナント環境のすべてのPDBのキーストアのステータスの確認
V$ENCRYPTION_WALLET
ビューを使用する便利なファンクションを作成して、CDBにおけるすべてのPDBのキーストアのステータスを確認できます。
V$ENCRYPTION_WALLET
ビューでは、PDB内のキーストアのステータス(それが開いているか、閉じているか、ソフトウェア・キーストアまたは外部キーストアのどちらを使用しているかなど)が表示されます。
-
V$ENCRYPTION_WALLET
ビューを使用してキーストアのステータスを検出するファンクションを作成するには、CREATE PROCEDURE
PL/SQL文を使用します。
例6-5では、このファンクションを作成する方法を示しています。
例6-5 CDBにおけるすべてのPDBに関するキーストアのステータスを確認するファンクション
CREATE OR REPLACE PROCEDURE all_pdb_v$encryption_wallet IS err_occ BOOLEAN; curr_pdb VARCHAR2(30); pdb_name VARCHAR2(30); wrl_type VARCHAR2(20); status VARCHAR2(30); wallet_type VARCHAR2(20); wallet_order VARCHAR2(12); fully_backed_up VARCHAR2(15); wrl_parameter VARCHAR2(4000); cursor sel_pdbs IS SELECT NAME FROM V$CONTAINERS WHERE NAME <> 'PDB$SEED' order by con_id desc; BEGIN -- Store the original PDB name SELECT sys_context('userenv', 'con_name') INTO curr_pdb FROM DUAL; IF curr_pdb <> 'CDB$ROOT' THEN dbms_output.put_line('Operation valid in ROOT only'); END IF; err_occ := FALSE; dbms_output.put_line('---'); dbms_output.put_line('PDB_NAME WRL_TYPE STATUS '); dbms_output.put_line('------------------------------ -------- ------------------------------'); dbms_output.put_line('WALLET_TYPE WALLET_ORDER FULLY_BACKED_UP'); dbms_output.put_line('-------------------- ------------ ---------------'); dbms_output.put_line('WRL_PARAMETER'); dbms_output.put_line('--------------------------------------------------------------------------'); FOR pdbinfo IN sel_pdbs LOOP pdb_name := DBMS_ASSERT.ENQUOTE_NAME(pdbinfo.name, FALSE); EXECUTE IMMEDIATE 'ALTER SESSION SET CONTAINER = ' || pdb_name; BEGIN pdb_name := rpad(substr(pdb_name,1,30), 30, ' '); EXECUTE IMMEDIATE 'SELECT wrl_type from V$ENCRYPTION_WALLET' into wrl_type; wrl_type := rpad(substr(wrl_type,1,8), 8, ' '); EXECUTE IMMEDIATE 'SELECT status from V$ENCRYPTION_WALLET' into status; status := rpad(substr(status,1,30), 30, ' '); EXECUTE IMMEDIATE 'SELECT wallet_type from V$ENCRYPTION_WALLET' into wallet_type; wallet_type := rpad(substr(wallet_type,1,20), 20, ' '); EXECUTE IMMEDIATE 'SELECT wallet_order from V$ENCRYPTION_WALLET' into wallet_order; wallet_order := rpad(substr(wallet_order,1,9), 12, ' '); EXECUTE IMMEDIATE 'SELECT fully_backed_up from V$ENCRYPTION_WALLET' into fully_backed_up; fully_backed_up := rpad(substr(fully_backed_up,1,9), 15, ' '); EXECUTE IMMEDIATE 'SELECT wrl_parameter from V$ENCRYPTION_WALLET' into wrl_parameter; wrl_parameter := rpad(substr(wrl_parameter,1,79), 79, ' '); dbms_output.put_line(pdb_name || ' ' || wrl_type || ' ' || status); dbms_output.put_line(wallet_type || ' ' || wallet_order || ' ' || fully_backed_up); dbms_output.put_line(wrl_parameter); EXCEPTION WHEN OTHERS THEN err_occ := TRUE; END; END LOOP; IF err_occ = TRUE THEN dbms_output.put_line('One or more PDB resulted in an error'); END IF; END; . / set serveroutput on exec all_pdb_v$encryption_wallet;
親トピック: 透過的データ暗号化のマルチテナント環境での使用
6.6 透過的データ暗号化とOracle Call Interfaceとの連携
透過的データ暗号化は、Oracle Call Interface (OCI)の動作に影響しません。
多くの実用的な目的のために、TDEは行の受渡し機能を除き、OCIに対して透過的です。行を使用可能にするキーは受信ポイントでは使用できないため、OCIの行の受渡し機能をTDEで使用できません。
親トピック: 他の Oracle機能における透過的データ暗号化の使用
6.7 透過的データ暗号化とエディションとの連携
透過的データ暗号化は、Oracle Databaseのエディション機能に影響しません。
多くの実用的な目的のために、TDEはエディションに対して透過的です。表は常に非エディション化オブジェクトです。TDEの列暗号化によって、表の列が暗号化されます。エディションは、TDEの表領域の暗号化によって影響されません。
親トピック: 他の Oracle機能における透過的データ暗号化の使用
6.8 マルチデータベース環境で機能するように透過的データ暗号化を構成
同じサーバー上の各Oracle Database (同じOracleバイナリを共有しているが異なるデータ・ファイルを使用しているデータベースなど)は、それぞれ独自のTDEキーストアにアクセスする必要があります。
キーストアは、データベース間で共有されるようには設計されていません。設計によって、データベースごとに1つのキーストアが必要となっています。複数のデータベースには同じキーストアを使用できません。
-
複数データベース環境に対して
sqlnet.ora
ファイルを構成するには、次のオプションを使用します。-
オプション1: データベースが同じOracleホームを共有する場合、
sqlnet.ora
ファイルをデフォルトの場所(ORACLE_HOME
/network/admin
ディレクトリ)に保持します。この場合、デフォルトの場所を使用することをお薦めします。
sqlnet.ora
ファイルに、WALLET_LOCATION
またはENCRYPTION_WALLET_LOCATION
エントリがないことを確認します。これらの2つのエントリがsqlnet.ora
ファイルにない場合、透過的データ暗号化は、デフォルトのsqlnet.ora
の場所からキーストアにアクセスします。 -
オプション2: オプション1がご使用のサイトで実行可能な場合、
ORACLE_SID
のような環境変数設定に基づき、キーストアの場所を指定できます。たとえば:
ENCRYPTION_WALLET_LOCATION = (SOURCE = (METHOD = FILE) (METHOD_DATA = (DIRECTORY = /home/oracle/wallet/$ORACLE_SID)
-
オプション3: オプション1および2が実行可能でない場合、個別の
sqlnet.ora
ファイルを各データベースにつき1つ使用します。TNS_ADMIN
環境変数が、正しいデータベース構成を指すように正確に設定されていることを確認します。
-
注意:
他のデータベースからキーストアを使用することによって、データの一部または全部が失われる可能性があります。
親トピック: 他の Oracle機能における透過的データ暗号化の使用