9.3 メトリックの概要

Oracle Database Quality of Service (QoS) Managementは、作業リクエストがリソースの待機に費やす時間の長さの観察データに基づいて決定します。

作業リクエストが待機するリソースの例として、CPUサイクル、ディスクI/Oキュー、グローバル・キャッシュ・ブロックなどのハードウェア・リソースがあります。ラッチ、ロック、ピンなど、データベース内で発生する待機もあります。データベース内でのリソース待機はOracle Database QoS Managementメトリックで考慮されますが、タイプ別には管理または指定されません。

作業リクエストのレスポンス時間は、実行時間と様々な待機時間で構成されます。実行時間を変更または改善するには、一般にアプリケーション・ソース・コードの変更が必要です。このため、Oracle Database QoS Managementでは待機時間のみを監視および管理します。

Oracle Database QoS Managementは、システム内のすべてのサーバーによって収集される標準化されたメトリックのセットを使用します。作業リクエストのレスポンス時間の測定に使用されるメトリックには、パフォーマンス・メトリックとリソース・メトリックの2種類があります。これらのメトリックを使用すると、リクエストされたリソースごとに各パフォーマンス・クラスの作業リクエストによって発生した待機時間を直接観察できます。作業リクエストはシステムを構成するサーバー、ネットワークおよび記憶域デバイスを横断するためです。別のタイプのメトリックであるパフォーマンス満足度メトリックは、パフォーマンス・クラスのパフォーマンス目標がどの程度満たされているかを測定します。