F.1 管理コマンドの実行

すべての管理コマンドを実行するには、tfactlへのrootアクセス、またはsudoアクセスが必要です。

表F-1 基本的なTFACTLコマンド

コマンド 説明

tfactl start

ローカル・ノードでOracle Trace File Analyzerデーモンを起動します。

tfactl stop

ローカル・ノードでOracle Trace File Analyzerデーモンを停止します。

tfactl enable

障害またはシステム再起動後のOracle Trace File Analyzerデーモンの自動再起動を有効にします。

tfactl disable

実行中のOracle Trace File Analyzerデーモンを停止して、自動再起動を無効にします。

tfactl uninstall

ローカル・ノードからOracle Trace File Analyzerを削除します。

tfactl syncnodes

Oracle Trace File Analyzerの証明書を生成して、別のOracle Trace File Analyzerノードにコピーします。

tfactl restrictprotocol

特定のプロトコルの使用を制限します。

tfactl status

Oracle Trace File Analyzerプロセスのステータスをチェックします。

出力は、tfactl print statusと同じです。

トピック:

F.1.1 tfactl diagnosetfa

tfactl diagnosetfaコマンドは、Oracle Trace File Analyzerの問題を特定するために、ローカル・ノードからOracle Trace File Analyzerの診断データを収集する場合に使用します。

構文

tfactl diagnosetfa [-repo repository] [-tag tag_name] [-local]

パラメータ

表F-2 tfactl diagnosetfaコマンドのパラメータ

パラメータ 説明

-repo repository

Oracle Trace File Analyzerの診断収集のリポジトリ・ディレクトリを指定します。

-tag tag_name

Oracle Trace File Analyzerは、tag_nameディレクトリにファイルを収集します。

-local

Oracle Trace File Analyzerの診断をローカル・ノードのみで実行します。

F.1.2 tfactl host

tfactl hostコマンドを使用して、Oracle Trace File Analyzerの構成に対してホストを追加したり、ホストを削除します。

構文

tfactl host [add host_name | remove host_name]
次の例に示すように、追加または削除するホスト名を指定します。
$ tfactl host add myhost.example.com

使用上の注意

Oracle Trace File Analyzerの構成内のホストの現在のリストを表示するには、tfactl print hostsコマンドを使用します。tfactl print hostsコマンドは、Oracle Trace File Analyzerクラスタに含まれるホストをリストします。
$ tfactl print hosts
Host Name : node1
Host Name : node2

新しいホストが追加されると、Oracle Trace File Analyzerは他のホスト上のOracle Trace File Analyzerインスタンスと通信します。Oracle Trace File Analyzerは証明書を使用して新しいホストを認証し、両方のOracle Trace File Analyzerインスタンスがそれぞれのホスト・リストを同期化します。証明書が同期化されるまで、Oracle Trace File Analyzerは新しいホストを追加しません。

ホストが正常に追加されると、Berkeleyデータベースに登録されているすべてのノードでクラスタ全体のコマンドすべてがアクティブになります。

F.1.3 tfactl set

tfactl setコマンドを使用して、Oracle Trace File Analyzerの様々な機能を有効または無効にしたり、変更します。

構文

tfactl set [autodiagcollect=ON | OFF] [cookie=UID] [autopurge=ON | OFF] [minagetopurge=n] 
[trimfiles=ON | OFF] [tracelevel=COLLECT | SCAN | INVENTORY | OTHER:1 | 2 | 3 | 4] 
[manageLogsAutoPurge=ON | OFF] [manageLogsAutoPurgePolicyAge=nd|h] 
[manageLogsAutoPurgeInterval=minutes] [diskUsageMon=ON|OFF] 
[diskUsageMonInterval=minutes] [reposizeMB=number] 
[repositorydir=directory] [logsize=n [-local]] [logcount=n 
[-local]] [-c]

パラメータ

表F-3 tfactl setコマンドのパラメータ

パラメータ 説明

autodiagcollect=ON | OFF

OFFに設定すると(デフォルト)、自動診断収集は無効になります。ONに設定すると、アラート・ログのスキャン中に特定のパターンが発生した場合、Oracle Trace File Analyzerは自動的に診断を収集します。

Oracle Trace File Analyzerクラスタのすべてのノードに対して自動収集を設定するには、-cパラメータを指定する必要があります。

autopurge

ONに設定すると、Oracle Trace File Analyzerがリポジトリの容量が少ないことを確認した場合に収集の自動消去が有効になります(デフォルトはON)。

minagetopurge=n

Oracle Trace File Analyzerが収集の消去を検討するまでの最小経過期間(時間単位)を設定します(デフォルトは12時間)。

trimfiles=ON | OFF

ONに設定すると、スキャンの一部として診断収集を行うときに、Oracle Trace File Analyzerは関連データのみを含むようにファイルを切り捨てます。

注意: tfactl diagcollectを使用する場合、パラメータを指定して切捨ての時間範囲を指定します。切り捨てられていないデータは多くの領域を使用する可能性があるため、このパラメータをOFFに設定しないことをお薦めします。

tracelevel=COLLECT | SCAN | INVENTORY | OTHER: 1 | 2 | 3 | 4

INVENTORY:nSCAN:nCOLLECT:nOTHER:nなど、特定の操作のトレース・レベルを設定できます。この構文では、nは1から4の数字で、OTHERには、最初の3つの要素に関連しないすべてのメッセージが含まれます。

注意: My Oracle Supportから指示されないかぎり、トレース・レベルを変更しないでください。

diskUsageMon=ON|OFF

ディスク使用状況の監視およびスナップショットの記録をON (デフォルト)またはOFFにします。

Oracle Trace File Analyzerは、tfa/repository/suptools/node/managelogs/usage_snapshot/にスナップショットを格納します。

diskUsageMonInterval=minutes

スナップショットの時間間隔を指定します(デフォルトでは60分)。

manageLogsAutoPurge=ON | OFF

自動消去をオンまたはオフにします(DSCではデフォルトでON、それ以外ではデフォルトでOFF)。

manageLogsAutoPurgePolicyAge=nd|h

消去対象のログの経過期間(デフォルトでは30日)。

manageLogsAutoPurgeInterval=minutes

消去の頻度を指定します(デフォルトは60分)。

reposizeMB=number

収集リポジトリの最大サイズ(MB単位)を設定します。

repositorydir=directory

収集リポジトリ・ディレクトリを指定します。

logsize=n [-local]

Oracle Trace File Analyzerが新しいログにローテーションするまでの各ログの最大サイズ(MB単位)を設定します(デフォルトは50 MB)。ローカル・ノードのみに変更を適用するには、-localパラメータを使用します。

logcount=n [-local]

Oracle Trace File Analyzerが保持する、指定サイズのログの最大数を設定します(デフォルトは10)。ローカル・ノードのみに変更を適用するには、-localパラメータを使用します。

-c

Oracle Trace File Analyzerの構成内のすべてのノードに設定を伝播します。

次の例では、自動診断収集を有効にして、トレース・レベルを設定し、収集リポジトリの上限を設定します。

$ tfactl set autodiagcollect=ON reposizeMB=20480

F.1.4 tfactl access

tfactl accessコマンドは、非rootユーザーにOracle Trace File Analyzerへの制御されたアクセスと、診断収集の実行を許可する場合に使用します。

非rootユーザーは、tfactlコマンドのサブセットを実行できます。コマンドのサブセットを実行すると、非rootユーザーはOracle Trace File Analyzerへの制御されたアクセスが可能になり、診断収集を実行できます。ただし、Oracle Trace File Analyzerをインストールおよび管理するには、依然としてrootアクセスが必要です。tfactl accessコマンドを使用して、非rootユーザーおよびグループを制御します。ビジネス要件に応じて、非rootユーザーおよびグループを追加または削除してください。

注意:

デフォルトでは、Oracle Trace File Analyzerのインストールまたはアップグレード中に、すべてのOracleホーム所有者、OS DBAグループおよびASMグループがOracle Trace File Analyzerのアクセス・マネージャ・リストに追加されます。

構文

tfactl access [ lsusers | add -user user_name [ -group group_name ] 
[ -local ] | remove -user user_name [ -group group_name ] 
[ -all ] [ -local ] | block -user user_name [ -local ] | unblock -user user_name 
[-local] | enable [ -local ] | disable [ -local ] | reset [ -local ] | removeall [ -local ]

パラメータ

表F-4 tfactl accessコマンドのパラメータ

パラメータ 説明

lsusers

Oracle Trace File Analyzerのすべてのユーザーおよびグループをリストします。

enable

非rootユーザーに対してOracle Trace File Analyzerアクセスを有効にします。

ローカル・ノードのみで設定を変更するには、–localフラグを使用します。

disable

非rootユーザーに対してOracle Trace File Analyzerアクセスを無効にします。

ただし、非rootユーザーのアクセスを後で有効にすると、Oracle Trace File Analyzerへのアクセスが許可されていたユーザーのリストが保存されます。

ローカル・ノードのみで設定を変更するには、–localフラグを使用します。

add

Oracle Trace File Analyzerアクセス・リストにユーザーまたはグループを追加します。

remove

Oracle Trace File Analyzerアクセス・リストからユーザーまたはグループを削除します。

block

非rootユーザーのOracle Trace File Analyzerアクセスをブロックします。

このコマンドは、ユーザーがOracle Trace File Analyzerへのアクセスを許可されているグループのメンバーであっても、この特定のユーザーをブロックする場合に使用します。

unblock

以前にブロックした非rootユーザーに対してOracle Trace File Analyzerアクセスを有効にします。

このコマンドは、以前にtfactl access blockコマンドを実行してブロックしたユーザーのブロックを解除する場合に使用します。

reset

すべてのOracleホーム所有者およびDBAグループを含むデフォルトのアクセス・リストにリセットします。

removeall

すべてのOracle Trace File Analyzerユーザーおよびグループを削除します。

デフォルトのユーザーおよびグループを含め、すべてのユーザーがOracle Trace File Analyzerアクセス・リストから削除されます。

Oracle Trace File Analyzerアクセス・リストにユーザー(例: abc)を追加して、クラスタ全体でOracle Trace File Analyzerへのアクセスを有効にします。

/u01/app/tfa/bin/tfactl access add -user abc

Oracle Trace File Analyzerアクセス・リストにグループ(例: xyz)のすべてのメンバーを追加して、ローカル・ホストでOracle Trace File Analyzerへのアクセスを有効にします。

/u01/app/tfa/bin/tfactl access add -group xyz -local

Oracle Trace File Analyzerアクセス・リストからユーザー(例: abc)を削除します。

/u01/app/tfa/bin/tfactl access remove -user abc

Oracle Trace File Analyzerにアクセスできないようにユーザー(例: xyz)をブロックします。

/u01/app/tfa/bin/tfactl access block -user xyz

すべてのOracle Trace File Analyzerユーザーおよびグループを削除します。

/u01/app/tfa/bin/tfactl access removeall