J Oracle Cluster Registryユーティリティ・リファレンス
この付録はOracle Cluster Registry(OCR)構成ユーティリティOCRCONFIGの構文およびOCRのトラブルシューティングについて説明します。OCRCHECKとOCRDUMPに関する説明および使用情報も含まれています。
この付録の内容は次のとおりです。
J.1 OCRCONFIGについて
ocrconfig
コマンドを使用して、OCRを管理します。このユーティリティを使用すると、OCRのインポート、エクスポート、追加、削除、リストア、上書き、バックアップ、修復、置換、移動、アップグレードまたはダウングレードを行うことができます。
使用方法
-
OCRCONFIG実行可能ファイルは、
Grid_home/bin
ディレクトリに格納されています。 -
ocrconfig
コマンドの構文は次のとおりです。ocrconfig -option
ユーティリティ・ヘルプの使用
OCRCONFIGユーティリティのヘルプ出力を表示するには、次のコマンドを使用します。
ocrconfig -help
権限およびセキュリティ
OCRCONFIGユーティリティを使用するには、管理権限を持つユーザーとしてオペレーティング・システムにログインする必要があります。
ログ・ファイル
OCRCONFIGユーティリティでは、ログ・ファイルがORACLE_BASE/diag/crs/host_name/crs
内に作成されます。
ロギングの量を変更するには、ORACLE_BASE/crsdata/host_name/crsdiag/ocrconfig.ini
ファイルでパスを編集します。この場合、ORACLE_BASE
はOracle Grid Infrastructureソフトウェア・ホームに対応しています。
J.2 OCRCONFIGコマンド・リファレンス
この項では、次のOCRCONFIGコマンドについて説明します。
J.2.1 ocrconfig -add
構文
ocrconfig -add +diskgroup_name
使用上の注意
-
追加するOCRの場所が存在し、十分な権限を所有している必要があり、また、追加する前に、この場所をマウントしておく必要があります。
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
diskgroup_name
変数は、Oracle ASMディスク・グループの名前です。次に例を示します。-
+newdg
: ディスク・グループが存在し、マウントされていることを確認します。ディスク・グループの名前の前に、プラス記号(
+
)を付ける必要があります。
関連項目:
-
OCRの場所の作成、および適切な権限の設定の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーションおよびアップグレード・ガイド』を参照してください
-
Oracle ASMディスク・グループ管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
-
例
data
というOracle ASMのデフォルトの場所にOCRの場所を追加するには、次のコマンドを使用します。# ocrconfig -add +data
J.2.2 ocrconfig -backuploc
構文
ocrconfig -backuploc +disk_group_name
ocrconfig -local -backuploc dir_name
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
-local
オプションを使用して、OLRバックアップ・ディレクトリの場所を指定します。 -
OCRバックアップの場所の
disk_group_name
変数は、Oracle ASMディスク・グループにする必要があります。次に例を示します。+bkupdg
: Oracle ASMディスク・グループが存在し、すべてのノードにマウントされていることを確認しますOracle ASMディスク・グループの名前の前に、プラス記号(+)を付ける必要があります。
-
OLRバックアップの場所の
dir_name
変数は、ディレクトリのフルパス名にすることができます。次に例を示します。-
Grid_home/cdata/cluster3/
: 場所が存在することを確認します -
d:\cdata\cluster3
: 場所が存在することを確認します
LinuxまたはUNIXシステムでOLRバックアップが生成されるデフォルトの場所は
Grid_home/cdata/host_name
で、host_name
は、バックアップ対象のOLRが存在するノードの名前です。WindowsでOLRバックアップが生成されるデフォルトの場所は、同じパス構造を使用します。 -
例
OCRバックアップの場所をOracle ASMディスク・グループに指定するには、次のようにします。
# ocrconfig –backuploc +bkupdg
OLRバックアップの場所を指定するには、次のようにします。
# ocrconfig -local -backuploc full_directory_path
J.2.3 ocrconfig -copy
構文
ocrconfig -copy source_file_name destination_file_name
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
source_file_name
には有効なOCRバックアップ・ファイルを指定する必要があります。次に例を示します。-
/oradbocfs/crs/BACKUP00.ocr
-
d:\oracle\BACKUP01.ocr
-
+bkupdg:/aimev1/ocrbackup/day.ocr.260.739756845
Oracle ASMディスク・グループを指定した場合は、そのディスク・グループが存在し、マウントされていることを確認します。
有効な
destination_file_name
値の例を次に示します。-
/oradbocfs/crs/mybkp01.ocr
-
d:\oracle\mybkp01.ocr
-
+bkupdg:mybkp01
Oracle ASMディスク・グループの名前の前にプラス記号(+)を付ける必要があります。
-
例
# ocrconfig -copy /oradbocfs/crs/BACKUP00.ocr +bkupdg:mybkp01.ocr
# ocrconfig -copy +bkupdg:/aimev1/ocrbackup/day.ocr.260.739756845 /oradbocfs/crs/mybkp01.ocr
# ocrconfig -copy +bkupdg01:/aimev1/ocrbackup/day.ocr.260.739756845 +bkupdg02:mybkp01.ocr
J.2.4 ocrconfig -delete
構文
ocrconfig -delete +diskgroup_name
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
+diskgroup_name
変数は、Oracle ASMディスク・グループの名前です。例:+olddg
ディスク・グループの名前の前に、プラス記号(
+
)を付ける必要があります。
例
# ocrconfig -delete +olddg
J.2.5 ocrconfig -downgrade
構文
ocrconfig -downgrade
使用上の注意
このコマンドにはオプションはありません。
J.2.6 ocrconfig -export
構文
ocrconfig [-local] -export file_name
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
-local
オプションを使用して、OLRの内容をエクスポートします。 -
file_name
変数は、ファイル名またはOracle ASMディスク・グループの名前です(名前の前にプラス記号(+
)を付ける必要があります)。次に例を示します。-
/oradbocfs/crs/data.ocr
-
d:\oracle\data.ocr
-
+bkupdg:data.ocr
-
例
# ocrconfig -export d:\tmp\a
J.2.7 ocrconfig -import
構文
ocrconfig [-local] -import file_name
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
-local
オプションを使用して、OLRの内容をファイルからインポートします。 -
file_name
変数は、ファイル名またはOracle ASMディスク・グループの名前です(名前の前にプラス記号(+
)を付ける必要があります)。次に例を示します。/oradbocfs/crs/data.ocr
d:\oracle\data.ocr
+bkupdg:/aimev1/ocrbackup/data.ocr.260.739756845
-
このコマンドを実行する前にOracle Clusterwareを停止する必要があります。
例
# ocrconfig -import d:\tmp\a
J.2.8 ocrconfig -manualbackup
前提条件
ocrconfig -backuploc
を使用して、オンデマンド・バックアップの場所を確認します。
構文
ocrconfig [-local] -manualbackup
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
-local
オプションを使用して、OLRの手動バックアップを実行します。
J.2.9 ocrconfig -overwrite
構文
ocrconfig -overwrite
使用上の注意
このコマンドは、root
で実行する必要があります。
J.2.10 ocrconfig -repair
このコマンドを使用して、クラスタのOCR構成の変更中に停止していた可能性のあるノードのOCRの場所を追加、削除または置換します。追加するOCRの場所が存在し、十分な権限を所有している必要があり、また、追加する前に、この場所をマウントしておく必要があります。
前提条件
-
修復を正常に完了させるには、Oracle高可用性サービスを起動する必要があります。
-
ocrconfig -repair
を実行する前にクラスタ・レディ・サービス・デーモンを停止する必要があります。
構文
ocrconfig -repair -add +diskgroup_name | -delete +diskgroup_name | -replace
+current_diskgroup_name -replacement +new_diskgroup_name
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
+diskgroup_name
変数は、Oracle ASMディスク・グループの名前です。例:+newdg/mycluster/OCRFILE/registry.255.842574125
Oracle ASMディスク・グループを指定する場合は、ディスク・グループの名前の前にプラス記号(
+
)を付ける必要があります。Oracle ASMディスク・グループの名前を取得するには、OCR構成を修復する必要がないノードで
ocrcheck -config -details
コマンドを実行します。関連項目:
-
OCRの作成および適切な権限の設定の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーションおよびアップグレード・ガイド』を参照してください
-
Oracle ASMディスク・グループ管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
-
ocrcheck -config -details
コマンドの詳細は、「OCRCHECKユーティリティの使用」を参照してください。
-
-
ocrconfig -repair
と同時に使用できるオプションは1つのみです。 -
このコマンドの実行によって変更されるのはローカル構成のみであり、影響を受けるのは現行のノードのみです。
例
# ocrconfig -repair -delete +olddg
J.2.11 ocrconfig -replace
前提条件
-
追加するOCRの場所が存在し、十分な権限を所有している必要があり、また、追加する前に、この場所をマウントしておく必要があります。
-
このコマンドを使用するには2つ以上のOCRデバイスが必要です。OCRデバイスが2つ未満の場合、
ocrconfig -add
コマンドを実行して新しいOCRデバイスを追加してからocrconfig -delete
コマンドを実行し、置換するOCRデバイスを削除します。
構文
ocrconfig -replace +current_diskgroup_name -replacement +new_diskgroup_name
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
+diskgroup_name
変数は、Oracle ASMディスク・グループの名前です(名前の前にプラス記号(+
)を付ける必要があります)。例:+newdg
。ディスク・グループは存在し、マウントされている必要があります。関連項目:
-
OCRの作成および適切な権限の設定の詳細は、『Oracle Grid Infrastructureインストレーションおよびアップグレード・ガイド』を参照してください
-
Oracle ASMディスク・グループ管理の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。
-
例
# ocrconfig -replace +olddg -replacement +newdg
J.2.12 ocrconfig -restore
前提条件
-
このコマンドを実行する前に、元のOCRファイルまたはOLRファイルが存在することを確認します。元のファイルが存在しない場合、空のファイルを作成する必要があります。
注意:
ocrconfig -export
コマンドによって生成されたファイルを使用してOCRをリストアすることはできません。ファイルは手動バックアップまたは自動バックアップである必要があります。 -
OCRがOracle ASMディスク・グループに存在する場合、ディスク・グループが存在し、マウントされていることを確認します。
構文
ocrconfig [-local] -restore file_name
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります。 -
OCRバックアップ・ファイルがOracle ASMディスク・グループにある場合、ディスク・グループが存在し、マウントされていることを確認します。
-
Oracle ASMディスク・グループの名前の前に、プラス記号(
+
)を付ける必要があります。 -
-local
オプションを使用して、OLRのバックアップをリストアします。 -
次にファイル名の例を示します。
-
/oradbocfs/crs/BACKUP00.ocr
-
d:\oracle\BACKUP01.ocr
-
+bkupdg:/aimev1/ocrbackup/day.ocr.260.739756845
-
例
# ocrconfig -restore /oradbocfs/crs/BACKUP00.ocr
J.2.13 ocrconfig -showbackup
構文
ocrconfig [-local] -showbackup [auto | manual]
使用上の注意
-
-local
オプションを使用して、手動のOLRバックアップ情報を表示します。-local
フラグは、manual
オプションとあわせて指定した場合にのみ機能します。 -
必要に応じて
auto
またはmanual
を指定して、自動バックアップまたは手動バックアップのいずれかの情報のみを表示することもできます。-
auto
: 過去4時間、8時間、12時間、前日および先週に作成された自動バックアップの情報を表示します。 -
manual
:ocrconfig -manualbackup
コマンドを使用して、最後から最大5つの手動バックアップの情報を表示します。
-
例
$ ocrconfig -local -showbackup manual
cc40524 2017/05/08 15:06:57 /mjk_has5/oracle/log/srvm/backup_20170508_150657.olr 0
J.2.14 ocrconfig -showbackuploc
構文
ocrconfig [-local] -showbackuploc
使用上の注意
-
このコマンドは、
root
で実行する必要があります -
-local
オプションを使用して、OLRバックアップの場所を表示します。
例
# ocrconfig -showbackuploc
The Oracle Cluster Registry backup location is [+bkupdg]
# ocrconfig -local -showbackuploc
The Oracle Local Registry backup location is [/gridhome/oracle/log/srvm]
J.3 Oracle Cluster Registryのトラブルシューティングおよび診断出力
この項では、OCRに関する問題のトラブルシューティングを行う様々な方法およびOCRの管理に使用されるユーティリティから診断情報を取得する様々な方法について説明します。これらのユーティリティは、OLRのトラブルシューティングにも使用できます。
この項では、次の項目について説明します。
J.3.1 Oracle Cluster Registryのトラブルシューティング
表J-1に、OCRの一般的な問題およびそれに対応する推奨の解決策を示します。
表J-1 Oracle Cluster Registryの一般的な問題および解決策
問題 | 解決策 |
---|---|
現在使用されていないOCRのミラー化を有効にする必要があります。 |
|
OCRに障害が発生したため、置換する必要があります。Oracle Enterprise ManagerまたはOCRのログ・ファイルにエラー・メッセージが書き込まれます。 |
|
OCRの構成が不適切です。 |
説明されているように、 |
OCRの処理によってパフォーマンスに重大な影響が及ぼされたか、または他の理由のためにOCRを削除します。 |
説明されているように、 |
OCRに障害が発生したため、修正する前に、1つのOCRのみを使用してノードを再起動する必要があります。 |
|
J.3.2 OCRCHECKユーティリティの使用
OCRCHECKユーティリティを実行すると、構成したOCRのブロック形式のバージョン、使用可能な領域の合計、使用済の領域、OCRのIDおよび場所が表示されます。
OCRCHECKでは、構成したすべてのOCRにあるすべてのブロックに対して、ブロック単位のchecksum
操作が実行されます。各ファイルごとのステータスと、OCR全体の整合性チェックの結果も返されます。
注意:
Oracleでは、最低でもOracleクラスタ・レディ・サービス・スタックがクラスタ内のすべてのノードでOFFLINEの場合、ocrcheck
の使用がサポートされています。これは、スタックがONLINEの場合でもコマンドは実行されますが、OCRの更新が進行中のときにチェックが実行されると、OCRは破損していると誤って示されることがあるためです。
関連項目:
Oracleクラスタ・レディ・サービス・スタックの詳細は、「Oracle Clusterware技術スタック」を参照してください。
J.3.2.1 構文
ocrcheck [-local] [-config | -backupfile <backup_file_name>] [-details] [-help]
ocrcheck -help
コマンドを実行して、このユーティリティの使用方法を表示します。
-details
オプションを指定すると、Oracle ASMディスク・グループの名前を含む、詳しいOCR構成情報が表示されます。
J.3.2.2 例
次の例に、OCRCHECKコマンドの出力とコマンドの使用方法のサンプルを示します。
例J-1 OCRCHECKユーティリティのサンプル出力
# ocrcheck
Status of Oracle Cluster Registry is as follows :
Version : 4
Total space (kbytes) : 409568
Used space (kbytes) : 17012
Available space (kbytes) : 392556
ID : 467263828
Device/File Name : +ocrdg1
Device/File integrity check succeeded
Device/File Name : +ocrdg2
Device/File integrity check succeeded
Device/File not configured
Device/File not configured
Device/File not configured
Cluster registry integrity check succeeded
Logical corruption check succeeded
注意:
論理破損チェックは、root
としてocrcheck
コマンドが実行される場合のみ実行されます。
例J-2では、ocrcheck -local -config
コマンドを使用してOLR情報を取得します。
注意:
Oracleクラスタ・レディ・サービス・スタックとOracle高可用性サービス・スタックの両方がローカル・ノードでOFFLINEの場合、Oracleでは、ocrcheck -local
コマンドの使用がサポートされています。
関連項目:
Oracleクラスタ・レディ・サービス・スタックおよびOracle高可用性サービス・スタックの詳細は、「Oracle Clusterware技術スタック」を参照してください。
例J-2 OLR情報を取得するOCRCHECKの使用
$ ocrcheck -local -config
Oracle Local Registry configuration is :
Device/File Name : /scratch/oracle/crshome/cdata/rwsbg08.olr
例J-3では、ocrcheck -config -details
コマンドを使用して、Oracle ASMディスク・グループでのOCRの場所を取得します。
例J-3 OCR情報を取得するOCRCHECKの使用
$ ocrcheck -config -details
Oracle Cluster Registry configuration is :
Device/File Name : +ocrvd11/mjk_1/OCRFILE/registry.255.842574113
Device/File Name : +ocrdv2/mjk_1/OCRFILE/registry.255.842574125
例J-4では、ocrcheck -details
コマンドを使用して、さらに詳しいOCR構成を取得します。
例J-4 OCRの詳細情報を取得するOCRCHECKの使用
$ ocrcheck -details
Status of Oracle Cluster Registry is as follows :
Version : 4
Total space (kbytes) : 409568
Used space (kbytes) : 17012
Available space (kbytes) : 392556
ID : 467263828
Device/File Name : +OCRVD11/mycluster/OCRFILE/registry.255.842574113
Device/File integrity check succeeded
Device/File Name : +OCRVD2/mycluster/OCRFILE/registry.255.842574125
Device/File integrity check succeeded
Device/File not configured
Device/File not configured
Device/File not configured
Cluster registry integrity check succeeded
Logical corruption check succeeded
例J-5では、ocrcheck -details
コマンドを使用してバックアップ・ファイル情報を取得します。
例J-5 バックアップ・ファイル情報を取得するOCRCHECKの使用
% ocrcheck -backupfile +bkupdg:/sbezawadhtest/OCRBACKUP/backup00.ocr.258.919047805
Status of backup file is as follows:
Version : 4
Used space (kbytes) : 17012
Device/File Name : +bkupdg:/sbezawadhtest/OCRBACKUP/backup00.ocr.258.919047805
Device/File integrity check succeeded
Backup file integrity check succeeded
Logical corruption check succeeded
Consistency check of entities managed by Cluster Ready Services succeeded.
OCRCHECKでは、ログ・ファイルがORACLE_BASE/diag/crs/host_name/crs
ディレクトリ内に作成されます。ログ・レベルを変更するには、ORACLE_BASE/crsdata/host_name/crsdiag/ocrcheck.ini
ファイルを編集します。この場合、ORACLE_BASE
はOracle Grid Infrastructureソフトウェア・ホームに対応しています。
J.3.3 OCRDUMPユーティリティを使用したOracle Cluster Registryの内容の表示
OCRDUMPユーティリティを使用すると、OCRおよびOLRの内容を読みやすい形式でファイルまたはstdout
に書き込むことによって表示できます。
この項では、OCRDUMPユーティリティを使用してトラブルシューティングのためにOCRおよびOracle Local Registry(OLR)の内容を表示する方法について説明します。
OCRDUMPにはいくつかのオプションを使用できます。たとえば、出力をキーおよびその子に制限できます。ブラウザを使用して表示可能なXMLファイルに内容を書き込むこともできます。OCRDUMPは、ASCII文字列およびデータ型形式の値としてOCRのキーを書き込みます。OCRDUMPは、ベスト・エフォート原則に基づいてヘッダー情報を取得します。
OCRDUMPでは、ログ・ファイルがORACLE_BASE/diag/crs/host_name/crs
内に作成されます。ログ・レベルを変更するには、ORACLE_BASE/crsdata/host_name/crsdiag/ocrlog.ini
ファイルを編集します。この場合、ORACLE_BASE
はOracle Grid Infrastructureソフトウェア・ホームに対応しています。
ロギング・コンポーネントを変更するには、comploglvl=
エントリを含むエントリを編集します。たとえば、OCRAPI
コンポーネントのログ・レベルを3に変更し、OCRRAW
コンポーネントのログ・レベルを5に変更するには、ocrlog.ini
ファイルに次のエントリを作成します。
comploglvl="OCRAPI:3;OCRRAW:5"
注意:
OCRDUMPユーティリティを使用する前に、Grid_home
ディレクトリにファイルを作成する権限を持っていることを確認してください。
この項には次のトピックが含まれます:
J.3.3.1 OCRDUMPユーティリティの構文およびオプション
この項では、OCRDUMPユーティリティのコマンド構文および使用方法について説明します。次の構文を使用してocrdump
コマンドを実行します(この場合、file_name
にはOracle Cluster Registryの出力を書き込むターゲット・ファイルの名前、key_name
にはOracle Cluster Registryのサブツリーの内容を書き込むキーの名前を指定します)。
$ ocrdump [file_name | -stdout] [-local] [-backupfile backup_file_name [-keyname key_name] [-xml] [-noheader] ]
表J-2に、OCRDUMPユーティリティのオプションおよびオプションの説明を示します。
表J-2 OCRDUMPのオプションおよびオプションの説明
オプション | 説明 |
---|---|
|
OCRDUMPによって出力を書き込むファイルの名前です。 デフォルトでは、OCRDUMPによって、事前定義された出力ファイル |
|
このオプションを使用して、プログラムを起動したテキスト端末にOCRDUMP出力をリダイレクトできます。 出力をリダイレクトしない場合、OCRDUMPによって、事前定義された出力ファイル |
|
OLRの内容をダンプするには、このオプションを使用します。 |
|
OCRバックアップ・ファイルの内容を表示するには、このオプションを使用します。 |
|
表示する内容を含むバックアップ・ファイルの名前です。 |
|
サブツリーがダンプされるOracle Cluster Registryキーの名前です。 |
|
出力をXML形式で書き込むにはこのオプションを使用します。 |
|
コマンドを実行した時間およびOracle Cluster Registry構成が作成された時間を出力しません。 |
J.3.3.2 OCRDUMPユーティリティの例
次に示すocrdump
ユーティリティの例では、様々なタイプのOCR情報を抽出し、様々なターゲットに書き込みます。
ocrdump
OCRの内容を現在のディレクトリのOCRDUMPFILE
というファイルに書き込みます。
ocrdump MYFILE
OCRの内容を現在のディレクトリのMYFILE
というファイルに書き込みます。
ocrdump -stdout -keyname SYSTEM
OCRの内容をSYSTEM
キーのサブツリーから端末ウィンドウに表示します。
ocrdump -stdout -xml
OCRの内容をXML形式で端末ウィンドウに表示します。
ocrdump -stdout -backupfile Grid_home/cdata/cluster_name/file_name
Grid_home
/cdata/
cluster_name
/file_name
ディレクトリのコンテンツを表示します。すべてのキーを表示できるようにするには、このコマンドをroot
で実行する必要があります。OCRバックアップ・ファイルであることを認識できるように、ファイルにはBACKUPOO.ocr
などの適切な名前を付けてください。
J.3.3.3 OCRDUMPユーティリティの出力例
次のOCRDUMPの例は、ocrdump
コマンドの2つの実行例について、KEYNAME
、VALUE TYPE
、VALUE
、権限のセット(user
、group
、world
)およびアクセス権を示します。テキスト値がAMERICAN_AMERICA.WE8ASCII37
であるSYSTEM.language
キーの出力を次に示します。
[SYSTEM.language] ORATEXT : AMERICAN_AMERICA.WE8ASCII37 SECURITY : {USER_PERMISSION : PROCR_ALL_ACCESS, GROUP_PERMISSION : PROCR_READ, OTHER_PERMISSION : PROCR_READ, USER_NAME : user, GROUP_NAME : group}
3
という整数値を持つSYSTEM.version
キーの出力を次に示します。
[SYSTEM.version] UB4 (10) : 3 SECURITY : {USER_PERMISSION : PROCR_ALL_ACCESS, GROUP_PERMISSION : PROCR_READ, OTHER_PERMISSION : PROCR_READ, USER_NAME : user, GROUP_NAME : group}