D Oracle Interface Configurationツール(OIFCFG)のコマンド・リファレンス
Oracle Interface Configurationツール(OIFCFG)のコマンドライン・インタフェースにより、ネットワーク・インタフェースを定義および管理できます。Oracle Clusterware環境では、次の作業に対してOIFCFGコマンドを使用できます。
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ネットワーク・インタフェースのコンポーネントへの割当ておよび割当て解除
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特定のネットワーク・インタフェースを使用するようにコンポーネントを設定
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コンポーネント構成情報の取得
この付録の内容は次のとおりです。
D.1 OIFCFGコマンドライン・インタフェースの起動
OIFCFGを起動する前に、コマンド構文に-global
オプションを含める場合は、少なくともローカル・ノード(できればすべてのノード)でOracle Clusterwareを起動してください。
注意:
グローバル・ネットワーク・インタフェースを変更するには、Oracle Clusterwareがすべてのクラスタ・ノードで実行されている必要があります。
Oracle Clusterwareソフトウェアをインストールしたユーザーとして、Grid_home
/bin/
ディレクトリからOIFCFGを実行します。次に例を示します。
$ ./oifcfg
OIFCFGのオンライン・ヘルプを表示するには、oifcfg -help
コマンドを実行します。
$ ./oifcfg -help
D.2 OIFCFGの使用方法の概要
この項では、次の項目について説明します。
D.2.1 OIFCFGコマンドの書式
oifcfg iflist [-p] [-n] oifcfg setif {-node nodename | -global} {if_name/subnet:if_type[,if_type]}[,...] oifcfg getif [-node nodename | -global] [ -if if_name[/subnet] [-type if_type]] oifcfg delif {{-node nodename | -global} [if_name[/subnet]] [-force] | -force} oifcfg [-help]
D.2.2 OIFCFGコマンド
これらのコマンドを使用して、ネットワーク・インタフェースを定義および管理します。
表D-1に示されたOIFCFGコマンドのいずれかを入力できます。
表D-1 OIFCFGコマンド
コマンド | 説明 |
---|---|
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インタフェースにIPv6ネットワークがある場合、OIFCFGは、次のように別個の行にIPv6サブネットを出力します。 eth1 fec0::80 PUBLIC 64 eth1 10.229.184.0 PUBLIC 255.255.248.0 |
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インタフェースのインタフェース・タイプ(パブリック、クラスタ・インターコネクトまたはOracle ASM)を設定します。 |
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注意: このコマンドで使用できる |
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グローバル・インタフェースまたはノード固有のインタフェースとして格納されたネットワーク構成を削除します。クラスタのすべてのノードから格納されたネットワーク構成を削除するには、 |
D.2.3 OIFCFGコマンドのパラメータ
この項では、OIFCFG
コマンドのパラメータを示します。実行するコマンドによっては、一部のパラメータがオプションとなることに注意してください。
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-node node_name
:olsnodes
コマンドの出力結果にリストされるOracle Clusterwareノードの名前。olsnodes
コマンドの詳細は、「OLSNODESのコマンド・リファレンス」を参照してください。 -
-global
: ネットワーク・インタフェースは、グローバル・インタフェース(iflist
コマンドによってレポートされる)としても、ノード固有のインタフェースとしても格納できます。-
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)クラスタのすべてのノードが同じサブネットに接続された同じインタフェースを使用している場合、インタフェースはグローバル・インタフェースとして格納されます。グローバル・インタフェース(各パブリック・サブネットのすべてのノード、および各プライベート・サブネットのすべてのノードが、それぞれ同一ネットワーク・インタフェースを持つ構成)は、推奨構成であるだけでなく、デフォルトのインストール構成です。
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インタフェースは、ノード固有の(ローカル)インタフェースとして格納できます。
注意:
ノード間の異なるインタフェース名に対して、インタフェース名のワイルドカードを使用できます。異なるノード上の異なる具体的なインタフェース名を構成する場合には、-nodeは使用
できません
。
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-if if_name
: システムでインタフェースが構成されるときの名前。 -
subnet
: インタフェースのサブネット・アドレス。 -
-type if_type
: 1つ以上のカンマ区切りのインタフェースのタイプ:public
、cluster_interconnect
またはasm
。 -
-help
: OIFCFGコマンドのオンライン・ヘルプを表示します。
関連トピック
D.2.4 OIFCFGの使用上の注意
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ネットワーク・インタフェースの指定には、次の形式を使用します。
if_name
/subnet
:if_type
この指定では、次の項目を使用して、ネットワーク・インタフェースを一意に識別します。
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インタフェース名
oifcfg setif
コマンドを使用する場合、インタフェース名には、任意の文字列に一致するアスタリスク(*)などのワイルドカード文字を含めることができます。ただし、ワイルドカードを含むインタフェース名は二重引用符(""
)で囲む必要があります。注意:
Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2)データベースより前のクラスタではワイルドカードを使用しないことをお薦めします。Oracleでは、ローカル・ノード上でワイルドカードを拡張することでインタフェース名を解決し、
oifcfg getif
コマンドを実行するたびにPRIF-0029警告も発行するためです。11gリリース2 (11.2.0.2)より前のOracle Databasesでワイルドカードを使用する場合、これらのデータベースではかわりに
CLUSTER_INTERCONNECTS
パラメータを使用する必要があります。 -
関連付けられたサブネット
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インタフェース・タイプ
インタフェース・タイプは、ネットワークを構成する目的を示します。サポートされるインタフェース・タイプは次のとおりです。
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public
: Oracle Netや仮想インターネット・プロトコル(VIP)・アドレスなど、Oracle RACインスタンスの外部にあるコンポーネントと通信するために使用できるインタフェース -
cluster_interconnect
: インスタンス間の通信やキャッシュ・フュージョン脚注1通信を提供するため、クラスタ・インターコネクトに使用されるプライベート・インタフェース
cluster_interconnect
のインタフェース・タイプを設定すると、それは起動時にインスタンスに適用されます。変更内容はインスタンスを再起動するまで反映されません。 -
次の指定では、アドレス204.152.65.0にあるクラスタ・インターコネクトとして
qfe0
を識別します。qfe0/204.152.65.0:cluster_interconnect
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Oracle Universal Installerは、OIFCFGを使用して、使用可能なインタフェースの識別および表示を行います。
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インタフェース名の変更による影響は、どの名前を変更するか、またIPアドレスも変更するかどうかによって異なります。インタフェース名のみを変更する場合、影響はわずかです。Oracle Cluster Registry(OCR)内に格納されたパブリック・インタフェースの名前を変更する場合、各ノードのnodeappsを変更する必要があります。したがって、この変更を有効にするために、nodeappsを停止する必要があります。
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グローバル変更を実行する場合は、クラスタのすべてのメンバー上でOracle Clusterwareを再起動する必要があります。ローカル変更の場合は、ノードの再起動のみ実行する必要があります。データベースのインターコネクトの変更は、インスタンスの起動時に行われます。ただし、Oracle Clusterwareのインターコネクトは、異なる場合があります。
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インターコネクトはインスタンスの起動時に選択されるため、OIFCFGコマンドの発行のみで、実行中のシステムにすぐに影響することはありません。そのかわり、このコマンドにより影響される可能性のあるコンポーネントの再起動後に、変更内容は有効になります。
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OIFCFGを使用してクラスタ全体のネットワーク分類を変更するには、そのグリッド・プラグ・アンド・プレイ・プロファイルが更新可能になるように、既知のすべてクラスタ・ノードが起動されている必要があります。
D.2.5 OIFCFGの例
次の例では、OIFCFGコマンドの一般的な使用方法をいくつか示します。
ネットワーク・インタフェースの名前のリスト
ローカル・ノード上で使用可能なすべてのインタフェースのインタフェース名とサブネットを表示するには、OIFCFGを使用して、次の例に示すようにiflist
キーワードを実行します。
oifcfg iflist
eth0 172.19.141.0
eth1 172.21.65.0
ネットワーク情報の取得
また、getif
コマンドを使用すると、特定のOIFCFG情報を取得できます。
たとえば、Oracle Clusterwareのインストール後に、次のコマンドを入力することで、パブリックおよびクラスタ・インターコネクトが適切な値に設定されているかどうかを確認できます。
$ oifcfg getif
このコマンドは、次のようなglobal public
およびcluster_interconnect
の値を戻します。
eth0 172.19.141.0 global public
eth1 172.21.65.0 global cluster_interconnect
グローバル・インタフェースの格納
インタフェースを格納するには、setif
キーワードを使用します。たとえば、サブネットが172.19.141.0のインタフェースeth0
をグローバル・インタフェース(クラスタおよびOracle Clusterware内のすべてのOracle RACインスタンスに対するインターコネクトとして使用するインタフェース)として格納するには、次のコマンドを使用します。
oifcfg setif -global eth0/172.19.141.0:cluster_interconnect
注意:
実行されていないノードでグリッド・プラグ・アンド・プレイ・プロファイルを更新できないため、setif
コマンドを実行するときはすべてのノードが実行されていることを確認します。
格納されたインタフェースの削除
グローバルまたはノード固有のインタフェースとして格納された構成を削除するには、oifcfg delif
コマンドを使用します。特定のノード固有のインタフェースまたはグローバル・インタフェースは、コマンドラインにインタフェース名を指定することで(オプションでサブネットを指定して)削除できます。
注意:
コマンドラインでoifcfg delif
のみを入力し、他の引数を指定しない場合、OIFCFGはクラスタ内のすべてのノードですべてのインタフェースを削除します。
たとえば、次のコマンドでは、サブネット172.21.65.0のグローバル・インタフェースeth1
が削除されます。
oifcfg delif -global eth1/172.21.65.0
次の例では、コマンドによって、OIFCFGで割り当てられたすべてのグローバル・インタフェースが削除されます。
oifcfg delif -global
脚注の凡例
脚注1:キャッシュ・フュージョンは、ブロックを保持しているインスタンスのメモリー・キャッシュから要求側インスタンスのメモリー・キャッシュにブロックを直接コピーするディスク不要のキャッシュ一貫性メカニズムです。