1.3 Oracleによる同期的な情報統合ソリューションのメリット

Oracle Database Gatewayの処理能力はデータベースに統合されます。

これにより効率的な情報統合ソリューションが提供され、Oracleデータベースの処理能力と機能を全面的に活用できます。これには、強力なSQL解析や分散最適化などの機能が含まれます。

次の各項では、異機種間環境におけるOracleの課題解決アプローチのメリットについて説明します。

トピック:

1.3.1 リモート・データに透過的にアクセス可能

Oracle Database Gatewayには、Oracle環境からOracle以外のデータベースのデータに透過的にアクセスする機能が用意されています。

Oracle以外のデータベース内のオブジェクトについてシノニムを作成して、物理位置を指定せずに参照できます。この透過性により、アプリケーション開発者がアプリケーションをカスタマイズしてOracle以外の他のシステムのデータにアクセスできるようにする必要はなくなるため、開発の労力は減り、アプリケーションの移動性は高まります。

アプリケーションで(アプリケーション側処理への集中を招く可能性のある)システム固有のインタフェースを使用してOracle以外のシステムと相互操作する必要がなく、OracleシステムとOracle以外のシステムの両方に使用可能な一貫したOracleインタフェースに基づくアプリケーションを作成できます。

1.3.2 不要なデータ複製の排除

Oracle Database Gatewayにより、アプリケーションからOracle以外のデータベースのデータに直接アクセスできるためデータ複製が減少します。

アプリケーションからOracle以外のデータベースのデータに直接アクセスできることにより、大量のデータを異なる場所にアップロードおよびダウンロードする必要がなくなるため、データ複製が減少し、ディスク記憶領域の節約になります。大量のデータのアップロードおよびダウンロードが行われないため、同期化されていないデータや一貫性のないデータに伴うリスクが低減します。

1.3.3 SQL文で複数の異なるデータベースに問合せ可能

Oracleデータベースは、複数の異なるデータベースに格納されたデータを問い合せるSQL文を受け入れます。

異機種間サービス・コンポーネントがインストールされているOracleデータベースでは、SQL文が処理されて他のOracleデータベースには直接、Oracle以外のデータベースにはゲートウェイを介して、該当するSQLコードが渡されます。Oracleデータベースにより結果が結合されてクライアントに戻されます。

1.3.4 Oracleのアプリケーション開発ツールおよびエンド・ユーザー・ツールが使用可能

Oracle Database Gatewayにより、Oracleのデータベースおよびアプリケーション開発ツールの範囲が拡張されます。

Oracleには、プロトタイプ、開発およびメンテナンス時間の短縮によりアプリケーション開発とユーザーの生産性を高めるツールが用意されています。

Oracle以外のデータベースに格納されているデータにアクセスするために、新規ツールを開発したり他のツールの使用方法を学習する必要はありません。かわりに、1セットのOracleツールを使用してOracleデータとOracle以外のデータにアクセスできます。これらのツールは、Oracle Net Servicesを介してOracleデータベースに接続されているリモート・システム上で実行できます。

1.3.5 ユーザーは独自言語によりリモート・データベースとの通信が可能

異機種間サービスのパススルー機能を使用すると、Oracleの問合せプロセッサを迂回して、リモート・データベースと、そのデータベース独自の言語で通信できます。

Oracleでは、SQL文を使用してOracle以外のシステムに透過的にアクセスできます。ただし、Oracle以外のシステムにアクセスするために、そのシステムのSQLの使用が必要になる場合があります。