12 ORD_DICOM_ADMINパッケージのリファレンス
Oracle Multimedia DICOMには、ORD_DICOM_ADMINパッケージ内にORD_DICOM_ADMINデータ・モデル・リポジトリ・インタフェースが用意されています。Oracle Multimedia DICOMでは、DICOM管理者が使用するDICOMリポジトリのビューも定義されています。
ORD_DICOM_ADMINパッケージは、DICOM管理者がOracle Multimedia DICOMリポジトリの保守に使用するデータ・モデル・リポジトリ・インタフェースを提供します。データ・モデル・リポジトリは、ドキュメントのコレクションです。インストール中に1セットのドキュメントがロードされます。インストール後、DICOM管理者はORD_DICOM_ADMINパッケージ内のプロシージャおよびファンクションを使用して、データ・モデル・リポジトリにさらにドキュメントを追加できます。
さらに、Oracle Multimediaには値ロケータが存在し、管理者はこれを使用してDICOMコンテンツ内、および匿名ドキュメント、制約ドキュメント、マッピング・ドキュメントのDICOM属性またはその子コンポーネントを指定できます。
ORD_DICOM_ADMINパッケージは、ordcrpsp.sqlファイルに定義されています。インストール後、このファイルは次のOracleホーム・ディレクトリに格納されています。
<ORACLE_HOME>/ord/im/admin (LinuxおよびUNIXの場合)
<ORACLE_HOME>\ord\im\admin (Windowsの場合)
この章では、ORD_DICOM_ADMINデータ・モデル・リポジトリ・インタフェースのファンクション、プロシージャおよびビューについて説明します。また、DICOM値ロケータの構文についても説明します。
この章では、次の内容を説明します。
関連項目:
他のDICOMアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)については、表3-1を参照してください。
12.1 ORD_DICOM_ADMINのディレクトリ定義および設定の例
この章の一部の例では、c:\mydir\workを使用して、テスト・ファイルを配置できるディレクトリ指定を表します。その他の例では、DICOMDIRを使用して、テスト・ファイルのディレクトリの指定を表します。また、いくつかの例では、dcmadminを使用して管理者として機能するユーザーを表します。DICOMデータ・ファイルに固有のディレクトリ定義、およびファンクションやプロシージャに固有のその他の詳細は、各ファンクションおよびプロシージャの例を参照してください。
12.2 DICOMリポジトリ管理者のための重要な注意事項
次のガイドラインは、Oracle Multimedia DICOMデータ・モデル・リポジトリに関連する管理操作に適用されます。
-
管理者にはORDADMINロールが割り当てられている必要があります。管理者権限の詳細は、管理者ロールおよび権限の割当てを参照してください。
-
データベース・セッションを開始するたびに、管理者は、データベースからメモリー構造にデータ・モデル・リポジトリをロードする必要があります。データ・モデルをロードするには、管理者が次のような状況に応じてsetDataModel( )プロシージャまたはeditDataModel( )プロシージャのいずれかをコールします。
-
データ・モデルを変更しない場合は、setDataModel( )プロシージャをコールします(setDataModel( )プロシージャを参照)。
-
データ・モデルを変更する場合、editDataModel( )プロシージャをコールします(editDataModel( )プロシージャを参照)。
-
12.3 DICOMデータ・モデル・リポジトリの管理者用ファンクション
ORD_DICOM_ADMINパッケージには、次のORD_DICOM_ADMINデータ・モデル・リポジトリのファンクションが定義されています。
12.3.1 generateTagListDocument( )ファンクション
形式
generateTagListDocument(docSet in varchar2 default 'USER') return XMLType
説明
データ・モデル・リポジトリに格納されているマッピング・ドキュメントおよび制約ドキュメントからの属性タグを含み、XMLスキーマordcmstl.xsdに準拠するXMLTypeデータ型として、格納タグ・リスト・ドキュメントを返します。
パラメータ
- docSet
-
リポジトリ内の指定されたドキュメントのセットをリストする文字列。有効値は、
USER、ALLおよびORACLEです。デフォルトはUSERです。このパラメータの値が
USERの場合、生成された格納タグ・リスト・ドキュメントにユーザー定義のマッピング・ドキュメントおよび制約ドキュメントからの属性タグがリストされます。ユーザー定義の制約ドキュメントまたはマッピング・ドキュメントがリポジトリ内に存在しない場合、null値が返されます。値がALLに設定された場合、すべてのマッピング・ドキュメントおよび制約ドキュメントからの属性タグがリストされます。値がORACLEに設定された場合、Oracleによって定義されたマッピング・ドキュメントおよび制約ドキュメントからの属性タグのみがリストされます。
プラグマ
なし。
例外
なし。
使用上の注意
このファンクションを使用して、リポジトリのドキュメントと整合性のある格納タグ・リスト・ドキュメントを生成します。(格納タグ・リスト・ドキュメントの作成の詳細は、格納タグ・リスト・ドキュメントの作成を参照してください。)
このファンクションをコールする前に、setDataModel( )プロシージャをコールします(setDataModel( )プロシージャを参照)。
例
リポジトリ内のユーザー定義のマッピング・ドキュメントおよび制約ドキュメントに対する格納タグ・リスト・ドキュメントを生成します。
exec ord_dicom.setDataModel; set long 50000; set pagesize 1000; select ord_dicom_admin.generateTagListDocument from dual;
12.3.2 getDocumentContent( )ファンクション
形式
getDocumentContent(docName IN VARCHAR2) RETURN XMLTYPE
説明
ドキュメントをデータ型XMLTypeとして戻します。このファンクションは、元のドキュメントの内容を変更せずに、データ・モデル・リポジトリ内のドキュメントのコピーを作成する場合に使用できます。
パラメータ
プラグマ
なし。
例外
なし。
使用上の注意
次の状況では、このファンクションをコールする前に、setDataModel( )プロシージャまたはeditDataModel( )プロシージャのいずれかをコールしてください。
-
getDocumentContent( )プロシージャまたはexportDocument( )プロシージャのみをコールするなど、データ・モデルに対して変更を行わない場合は、setDataModel( )プロシージャをコールしてください。
-
ドキュメントの挿入や削除など、データ・モデルに対して変更を行う場合は、editDataModel( )プロシージャをコールしてください。
詳細は、setDataModel( )プロシージャおよびeditDataModel( )プロシージャを参照してください。
例
リポジトリ内の指定したドキュメント(ordcmpf.xml)の内容を取得します。
exec ord_dicom.setDataModel;
set long 5000;
set pagesize 1000;
select ord_dicom_admin.getDocumentContent('ordcmpf.xml') from dual;12.4 DICOMデータ・モデル・リポジトリの管理者用プロシージャ
ORD_DICOM_ADMINパッケージには、次のORD_DICOM_ADMINデータ・モデル・リポジトリのプロシージャが定義されています。
12.4.1 deleteDocument( )プロシージャ
形式
deleteDocument(docName IN VARCHAR2)
説明
指定されたドキュメントをデータ・モデル・リポジトリから削除します。Oracleでインストールされたドキュメントは、デフォルト・ドキュメントとして扱われる、削除できないドキュメントです。
構成ドキュメントの削除の詳細は、リポジトリからのドキュメントの削除を参照してください。
プラグマ
なし。
例外
なし。
使用上の注意
このプロシージャをコールする前に、editDataModel( )プロシージャコールしてください(editDataModel()プロシージャを参照)。
また、ドキュメントをリポジトリから削除する前に、exportDocument( )プロシージャをコールして指定したドキュメントのコピーを作成することをお薦めします(exportDocument( )プロシージャを参照)。
ローリング・アップグレード中はデータ・モデルを変更できません。そのため、ローリング・アップグレードが進行中の場合は、このプロシージャをコールしないでください。
例
ドキュメント(sample_pf.xml)をコピーした後、リポジトリから削除します。
exec ord_dicom_admin.editDataModel();
select doc_name from orddcm_documents order by doc_id asc;
exec ord_dicom_admin.exportDocument('sample_pf.xml', 'DICOMDIR',
'sample_pf_export.xml');
exec ord_dicom_admin.deleteDocument('sample_pf.xml');
select doc_name from orddcm_documents order by doc_id asc;
exec ord_dicom_admin.publishDataModel();
各項目の意味は次のとおりです。
-
DICOMDIR: 管理者が書込み権限を持っており、指定したファイルの内容のコピー先になるOracleディレクトリ・オブジェクト。
12.4.2 editDataModel( )プロシージャ
形式
editDataModel( )
説明
データ・モデル・リポジトリに対する変更を行う管理者の編集セッションを開始します。リポジトリは、publishDataModel( )プロシージャまたはrollbackDataModel( )プロシージャがコールされるまで、または管理者セッションが終了するまで、管理者セッションによってロックされます。リポジトリに対する変更を行う前に、このプロシージャをコールしてください。正常終了の場合、このプロシージャは現行のトランザクションを暗黙的にコミットします。
パラメータ
なし。
プラグマ
なし。
例外
なし。
使用上の注意
ローリング・アップグレード中はデータ・モデルを編集できません。このプロシージャをコールした後にローリング・アップグレードを開始する場合、rollbackDataModel( )プロシージャをコールして編集セッションを終了します。
例
他の管理者からリポジトリをロックして、リポジトリでの編集セッションを開始します。
exec ord_dicom_admin.editDataModel();
12.4.3 exportDocument( )プロシージャ
形式
exportDocument(docName IN VARCHAR2,
dirName IN VARCHAR2,
fileName IN VARCHAR2)説明
docNameパラメータで指定されたドキュメントの内容を、指定されたファイルにエクスポートします。このプロシージャでは、管理者が書込み権限を持つディレクトリ内のファイルにデータが書き込まれます。
パラメータ
プラグマ
なし。
例外
なし。
使用上の注意
次の状況の場合、このプロシージャをコールする前に、setDataModel( )プロシージャまたはeditDataModel( )プロシージャのいずれかをコールしてください。
-
getDocumentContent( )プロシージャまたはexportDocument( )プロシージャのみをコールするなど、データ・モデルに対して変更を行わない場合は、setDataModel( )プロシージャをコールしてください。
-
ドキュメントの挿入や削除など、データ・モデルに対して変更を行う場合は、editDataModel( )プロシージャをコールしてください。
詳細は、setDataModel( )プロシージャおよびeditDataModel( )プロシージャを参照してください。
例
リポジトリ内にある既存のファイル(sample_map.xml)の内容を、外部ファイル(sample_map_export.xml)にエクスポートします。
exec ord_dicom.setDataModel();
exec ord_dicom_admin.exportDocument('ordcmpf.xml', 'DICOMDIR', 'ordcmpf_exp.xml');
各項目の意味は次のとおりです。
-
DICOMDIR: 指定したファイルの内容のコピー先になるOracleディレクトリ・オブジェクト。
12.4.4 insertDocument( )プロシージャ
形式
insertDocument(docName IN VARCHAR2,
docType IN VARCHAR2,
xmlDoc IN XMLType)説明
指定されたXML構成ドキュメントを、データ・モデル・リポジトリにロードします。ドキュメント名は、一意であることが必要です。サポートされるドキュメント・タイプはパブリック・ビューorddcm_document_typesにリストされています。ドキュメントは、ドキュメント・タイプに関連付けられた登録済スキーマに対して検証されます。
ドキュメントは、次の順序でリポジトリにロードする必要があります。
-
標準データ・ディクショナリ・ドキュメント
-
プライベート・データ・ディクショナリ・ドキュメント
-
次に示す、その他の構成ドキュメント
-
制約ドキュメント
-
XMLマッピング・ドキュメント
-
匿名ドキュメント
-
プリファレンス・ドキュメント
-
UID定義ドキュメント
-
DICOMプロトコル・ドキュメント
その他の構成ドキュメントは、任意の順序でロードできます。ただし、制約ドキュメント間に依存性がある場合を除きます。
-
ドキュメント間には、セマンティック上の依存性があります。たとえば、XMLマッピング・ドキュメントで参照される要素は、標準データ・ディクショナリ・ドキュメントまたはプライベート・データ・ディクショナリ・ドキュメントに存在している必要があります。ビューorddcm_documentsには、リポジトリ内のドキュメントの詳細が含まれます。
パラメータ
- docName
-
指定されたドキュメントの一意の名前。名前の長さは100文字を超えることはできず、予約済の接頭辞
ORDを含めることはできません。 - docType
-
リポジトリにロードするドキュメント・タイプを指定します。サポートされる値はパブリック・ビューorddcm_document_typesにリストされます。このパラメータの値にNULLを指定することはできません。
- xmlDoc
-
リポジトリにロードするXML文書を指定します。このパラメータの値にNULLを指定することはできません。
プラグマ
なし。
例外
なし。
使用上の注意
このプロシージャをコールする前に、editDataModel( )プロシージャコールしてください(editDataModel()プロシージャを参照)。
ユーザー定義のマッピング・ドキュメントをリポジトリに挿入する前に、マッピング・ドキュメントに関連付けられたメタデータ・スキーマを、グローバルまたはローカル・スキーマとしてOracle XML DBに登録しておく必要があります。(デフォルトのマッピング・ドキュメントに関連付けられたメタデータ・スキーマは、Oracle Multimedia DICOMのインストール時にOracle XML DBに登録されます。詳細は、DICOM XMLスキーマを参照してください。)
関連項目:
XMLスキーマの登録の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください
ローリング・アップグレード中はデータ・モデルを変更できません。そのため、ローリング・アップグレードが進行中の場合は、このプロシージャをコールしないでください。
例
マッピング・ドキュメント(sample_map.xml)をリポジトリに挿入します。
exec ord_dicom_admin.editDataModel();
exec ord_dicom_admin.insertDocument('sample_map.xml', 'MAPPING',
xmltype(bfilename('DICOMDIR', 'sample_map.xml'),
nls_charset_id('AL32UTF8')));
select * from orddcm_documents order by doc_id asc;
exec ord_dicom_admin.publishDataModel();
各項目の意味は次のとおりです。
-
MAPPING: リポジトリにロードするドキュメント・タイプ
-
DICOMDIR: ロードするファイルが含まれるOracleディレクトリ・オブジェクト
12.4.5 publishDataModel( )プロシージャ
形式
publishDataModel( )
説明
データ・モデル・リポジトリに対する変更をパブリッシュします。このプロシージャにより、リポジトリのロック解除も行われ、他の管理者が更新できるようになります。ユーザーは、setDataModel( )プロシージャをコールしてデータ・モデル・リポジトリをリフレッシュすることにより、リポジトリに対してパブリッシュされた最新の変更内容にアクセスできます。正常終了の場合、このプロシージャは現行のトランザクションを暗黙的にコミットします。
パラメータ
なし。
プラグマ
なし。
例外
なし。
使用上の注意
このプロシージャをコールする前に、editDataModel( )プロシージャコールしてください(editDataModel()プロシージャを参照)。
管理者がデータ・モデル・リポジトリへの変更をパブリッシュしたタイミングによっては、リポジトリに接続しているユーザーが最新の変更内容を確認するために、setDataModel( )プロシージャを複数回コールする必要が生じる場合があります。また、2人のユーザーが接続しているデータ・モデル・リポジトリが同じであっても、それぞれがsetDataModel( )プロシージャをコールしたタイミングによって、異なるバージョンのリポジトリにアクセスする可能性があります。この状態が発生する可能性のある例の詳細は、図2-5を参照してください。setDataModel( )プロシージャも参照してください。
ローリング・アップグレード中はデータ・モデルを変更できません。そのため、ローリング・アップグレードが進行中の場合は、このプロシージャをコールしないでください。
例
リポジトリへの変更をパブリッシュします。
exec ord_dicom_admin.editDataModel();
select doc_name from orddcm_documents order by doc_id asc;
exec ord_dicom_admin.insertDocument( 'sample_pf.xml', 'PREFERENCE',
xmltype(bfilename('DICOMDIR', 'sample_pf.xml'),
nls_charset_id('AL32UTF8') ) );
select doc_name from orddcm_documents order by doc_id asc;
exec ord_dicom_admin.publishDataModel();12.4.6 rollbackDataModel( )プロシージャ
形式
rollbackDataModel( )
説明
editDataModel( )プロシージャヘの前回のコール以降に行った、データ・モデルに対する変更を中止します。このプロシージャをコールして、変更のロールバックとデータ・モデルのロックの解除を行うことにより、他の管理者がデータ・モデルを更新できるようになります。正常終了の場合、このプロシージャは現行のトランザクションを暗黙的にコミットします。
パラメータ
なし。
プラグマ
なし。
例外
なし。
使用上の注意
このプロシージャをコールする前に、editDataModel( )プロシージャコールしてください(editDataModel()プロシージャを参照)。
データベース・セッションの最後にこのプロシージャをコールしてデータ・モデルをロールバックします。データ・モデルへの変更はパブリッシュされずに終了されるため、ビューには、すでにパブリッシュ済のデータ・モデルからデータが移入されます。
ローリング・アップグレード中はデータ・モデルを変更できません。そのため、ローリング・アップグレードを開始する前にデータ・モデル編集セッションが進行中であった場合は、このプロシージャを使用して、データ・モデルをロールバックして編集セッションを終了する必要があります。
例
データ・モデルへの変更をリポジトリにパブリッシュせずに終了します。
exec ord_dicom_admin.editDataModel();
select doc_name from orddcm_documents order by doc_id asc;
exec ord_dicom_admin.deleteDocument('sample_pf.xml');
select doc_name from orddcm_documents order by doc_id asc;
exec ord_dicom_admin.rollbackDataModel();12.5 DICOMリポジトリの管理者用ビュー
この項では、次に示す管理者用のOracle Multimedia DICOMリポジトリ・ビューについて説明します。
Oracle Multimedia DICOMリポジトリ・パブリック・ビューの詳細は、DICOMリポジトリのパブリック・ビューを参照してください。
12.5.1 orddcm_document_refs
形式
| 列名 | データ型 | 説明 |
|---|---|---|
|
doc_name |
VARCHAR2(100) |
ドキュメント名 |
|
ref_by_doc_name |
VARCHAR2(100) |
参照されているドキュメント名 |
説明
読取り専用のこのビューには、他のドキュメントから参照されているドキュメントがリストされます。ORDADMINロールには、このビューのSELECT権限が付与されています。このビューは、管理者のみが利用できます。
使用上の注意
このビューを問い合せる前に、次のようにしてsetDataModel( )プロシージャまたはeditDataModel( )プロシージャのいずれかをコールできます。
-
getDocumentContent( )プロシージャまたはexportDocument( )プロシージャのみをコールするなど、データ・モデルに対して変更を行わない場合は、setDataModel( )プロシージャをコールしてください。
-
ドキュメントの挿入や削除など、データ・モデルに対して変更を行う場合は、editDataModel( )プロシージャをコールしてください。
setDataModel( )プロシージャをコールする場合、データ・モデルの新しい変更がアプリケーションで必要になるときはいつでもこのプロシージャをコールしなおします。
詳細は、setDataModel( )プロシージャおよびeditDataModel( )プロシージャを参照してください。
例
Oracleでインストールされた構成ドキュメント・セット間の参照状況を表示します。
------------------------------------------------------------------------------- DOC_NAME REF_BY_DOC_NAME ------------------------------------------------------------------------------- ordcmpv.xml ordcmcmc.xml ordcmpv.xml ordcmcmd.xml ordcmsd.xml ordcman.xml ordcmsd.xml ordcmcmc.xml ordcmsd.xml ordcmcmd.xml
12.6 DICOM値ロケータの一般的な書式
12.6.2 説明
DICOMコンテンツの属性を、ルート・レベル、またはルートから下のレベルのいずれかで指定します。ツリー階層内の各レベルはサブロケータで表されます。DICOM値ロケータには、DICOMコンテンツの属性のレベルに応じて1つ以上のサブロケータを含めることができます。
DICOM値ロケータを匿名ドキュメント内で使用すると、生成されるDICOMコンテンツ内で匿名化する属性を指定できます。
DICOM値ロケータを制約ドキュメント内で使用する場合、制約ドキュメントのリポジトリへのロード時に、置換用のマクロを含めることができます。マクロ置換文字列を、有効なDICOM値ロケータとして、またはトークン・セパレータを持たないDICOM値ロケータ・パラメータのいずれかとして定義します。
DICOM値ロケータをマッピング・ドキュメント内で使用すると、生成されるDICOM XMLドキュメントのメタデータから取得または抽出される属性を指定できます。
12.6.3 パラメータ
- tag
-
8桁の16進数形式の、DICOM標準規格準のタグ。
例1: ルート・レベル属性用の16進数タグ
0040A730
例2: ルート・レベル属性用の16進数タグ
0040A123
- . (ドット文字)
-
サブロケータ・セパレータ、0または一連のサブロケータに一致する特殊なワイルドカード・タグ。(DICOM値ロケータの例4を参照してください。)
- 定義者
-
タグを作成する組織を識別する文字列。DICOM標準規格によって定義されたタグの場合、デフォルトは
DICOM(省略可能)です。プライベート・タグの場合、各プライベート属性を一意に識別するための定義者文字列(空にできます)を含める必要があります。このパラメータは省略可能です。定義者文字列には、エスケープされていないトークン・セパレータ文字
'(', ')'、'[', ']'、'{', '}'、'$'、'#'、および'*'を含めることはできません。これらの文字を含む定義者文字列を指定できますが、エスケープ・メカニズムを使用して、これらの文字を使用した定義者文字列を表現する必要があります。具体的には、単一の"#"(エスケープ文字)が、指定された属性の定義者文字列内の各トークン・セパレータ文字の前に使用される必要があります。例1: プライベート組織の定義者文字列
ORACLE
例2: エスケープされたトークン・セパレータを使用する定義者文字列。元の文字列は
$abc(#def)[ghi]です。#$abc#(##def#)#[ghi#]
- item_num
-
属性内のデータ要素を識別する整数、または属性内のすべてのデータ要素を識別するワイルドカード文字(
"*")。デフォルトは1で、属性の最初のデータ要素です。このパラメータは省略可能です。-
バイナリ・データ型のOF、OW、OBおよびUNの場合(データ型定義スキーマ
ordcmrdt.xsdで定義)。このパラメータは、次の表に示すようにデータ値のリストを含むDICOM属性内の単一のデータ値を識別します。
バイナリ・データ型 データ値の識別 OF浮動小数点数
OW単語
OBバイト
UNバイト
-
データ型SQの場合:
このパラメータは、1つのシーケンス・アイテムを識別します。
-
データ型ST、LTおよびUTの場合:
これらのデータ型には常に単一値が含まれるため、このパラメータの値は常に
1です。
注意:
アイテム番号の概念は、DICOM標準規格で十分に定義されていません。DICOM値の多重性と混同しないでください。
特殊なワイルドカードタグ「
.」を含むDICOM値ロケータの直後にitem_numパラメータを続けることはできません。データ要素は、DICOM標準規格のパート5で定義されています。
例1: 属性内で特定のシーケンス・アイテムを表す整数
属性
0040A730の2番目のシーケンス・アイテム:0040A730 [2]
例2: 属性のすべてのデータ要素を表すワイルドカード文字を持つ整数
シーケンス属性
0040A730内のすべてのアイテム:0040A730[*]
-
- tag_field
-
属性内で導出された値を識別する文字列。この文字列を含むタグは、DICOM値ロケータの最後のタグである必要があります。デフォルトは
NONEです。このパラメータは省略可能です。次の表は、tag_fieldパラメータでサポートされる値を示しています。
値 意味 NONE該当なし
UnibyteFamilyユニバイト文字の姓脚注1
UnibyteGivenユニバイト文字の名前脚注1
UnibyteMiddleユニバイト文字のミドル・ネーム脚注1
UnibytePrefixユニバイト文字の接頭辞、脚注1
UnibyteSuffixユニバイト文字の接尾辞脚注1
IdeographicFamily漢字構成文字の姓脚注1
IdeographicGiven漢字構成文字の名前脚注1
IdeographicMiddle漢字構成文字のミドル・ネーム脚注1
IdeographicPrefix漢字構成文字の接頭辞脚注1
IdeographicSuffix漢字構成文字の接尾辞脚注1
PhoneticFamilyカナ文字の姓脚注1
PhoneticGivenカナ文字の名前脚注1
PhoneticMiddleカナ文字のミドル・ネーム脚注1
PhoneticPrefixカナ文字の接頭辞脚注1
PhoneticSuffixカナ文字の接尾辞脚注1
PersonName個人名、5コンポーネントの3グループの命名規則に従う文字の連結文字列による
AgeString年齢、文字列
AgeInDays日数単位の年齢
ByteLengthパスのバイナリ長
ByteOffsetパスのバイト・オフセット
NumEntry属性内のデータ要素の合計数
VR脚注2属性のインストリーム値表現(VR)
脚注1
この値は、属性
Person Nameのコンポーネントです。脚注2
データ型の詳細は、item_numパラメータの説明を参照してください。
前述の表の値の完全な定義については、次の場所にある米国電機工業会(National Electrical Manufacturers Association: NEMA)のWebサイトでDICOM標準規格のPart 5を参照してください。
注意:
tag_fieldパラメータを使用したDICOM値ロケータは、匿名ドキュメントおよび制約ドキュメントでサポートされていません。
特殊なワイルドカード・タグ「
.」を持つDICOM値ロケータの直後にtag_fieldパラメータを続けることはできません。
12.6.4 例
12.6.4.1 DICOM値ロケータの例1
必須のタグ・パラメータのみが指定されたDICOM値ロケータ
00080096.00401101.00080100
各項目の意味は次のとおりです。
-
00080096.00401101.00080100: 参照している医師識別シーケンスの個人識別コード・シーケンスのコード値。
12.6.4.2 DICOM値ロケータの例2
必須のタグ・パラメータおよびオプションのitem_numパラメータが指定されたDICOM値ロケータ
00080096[1].00401101[1].00080100[1]
各項目の意味は次のとおりです。
-
[1]: 属性の最初のデータ要素。このDICOM値ロケータは、DICOM値ロケータの例1に示されているDICOM値ロケータに相当します。
12.6.4.3 DICOM値ロケータの例3
必須のタグ・パラメータとオプションの定義者およびitem_numパラメータが指定されたDICOM値ロケータ
00080096(DICOM)[1].00401101(DICOM)[1].00080100(DICOM)[1]
各項目の意味は次のとおりです。
-
(DICOM): デフォルトの定義者文字列。タグはDICOM標準規格で定義されるため、DICOM値ロケータは、定義者の文字列を使用せずにDICOM値ロケータの例2のように表すことができます。このDICOM値ロケータは、DICOM値ロケータの例1に示されているDICOM値ロケータに相当します。
12.6.4.5 DICOM値ロケータの例5
DICOMコンテンツ内のすべての0040A730シーケンス・アイテムのすべてのコード値に対して特殊なワイルドカード・タグ(".")が指定されたDICOM値ロケータ:
0040A730[*]...00080100

