インストール後の推奨作業

インストールの完了後、次の項で説明する作業を実行することをお薦めします。

Instant Client Lightの構成

Instant Client Lightを構成するには、これをInstant Clientのかわりにデフォルトにする必要があります。

Instant Client Lightを構成するには:
  1. ORACLE_BASE\ORACLE_CLIENT_HOMEディレクトリで、oraociei12.dllファイルの名前を変更するか削除します。

    oraociei12.dllファイルは、Instant Client用のメイン・バイナリです。

  2. ORACLE_BASE\ORACLE_CLIENT_HOME\install\instantclient\lightディレクトリから、oraociicus12.dllファイルをORACLE_BASE\ORACLE_CLIENT_HOMEディレクトリにコピーします。

    oraociicus12.dllファイルは、Instant Client Light用のバイナリです。

  3. PATH環境変数がORACLE_BASE\ORACLE_CLIENT_HOMEディレクトリを指していることを確認します。

    注意:

    Instant ClientのPATHが設定されていない場合、アプリケーションでは最初に、通常のInstant Clientライブラリのロードを試行します。これらが見つからなかった場合、アプリケーションは、次にInstant Client Lightライブラリのロードを試行します。

Oracle DatabaseへのOracle Database Clientの接続

Oracle Universal Installerを実行してOracle Database Clientをインストールした後、Net Configuration Assistant(NetCA)を使用して、Oracleデータベースに接続するようにOracle Database Clientを構成する必要があります。

インストールの最後に、Oracle Universal Installerからデータベース接続を構成するように要求されます。このオプションを省略した場合、またはデータベース接続を後で変更する必要がある場合、「管理者」「ランタイム」または「カスタム」インストール・タイプでインストールしたときは、次の手順を実行します。
Oracle Database ClientをOracle Databaseに接続するには:
  1. 「スタート」メニューから、「Oracle - HOME_NAME」「コンフィグレーションおよび移行ツール」「Net Configuration Assistant」を選択します。
  2. ようこそウィンドウで「ローカル・ネット・サービス名構成」を選択し、「次へ」をクリックします。
  3. ネット・サービス名の構成ウィンドウで「追加」を選択し、「次へ」をクリックします。
  4. サービス名ウィンドウで接続するOracleデータベースの名前を入力し、「次へ」をクリックします。
  5. プロトコルの選択ウィンドウで使用するプロトコルを選択し、「次へ」をクリックします。
  6. プロトコル・ウィンドウで選択したプロトコルに応じて適切な情報を入力し、「次へ」をクリックします。
  7. ネット・テスト・ウィンドウで接続をテストするかどうかを選択し、「次へ」をクリックします。
  8. ネット・サービス名ウィンドウでネット・サービスの名前を入力し、「次へ」をクリックします。
  9. 他のネット・サービス名の構成するための残りの質問に答え、「終了」をクリックして構成を完了します。

    Net Configuration Assistantにより、次の場所にtnsnames.oraファイルが作成されます。

    ORACLE_HOME\network\admin\tnsnames.ora

Instant ClientまたはInstant Client LightのOracle Databaseへの接続

Instant ClientまたはInstant Client LightをOracleデータベースに接続する前に、Instant Clientライブラリを含むディレクトリがPATH環境変数で指定されていることを確認します。

簡易接続ネーミング・メソッドを使用した接続の指定

Instant Clientのtnsnames設定を構成せずに、クライアント・アプリケーションから直接、Oracle Databaseに対する接続アドレスを指定できます。

この方法は、tnsnames.oraファイルを作成および管理する必要がないという点で便利です。ただし、アプリケーション・ユーザーは、アプリケーションにログインするときにホスト名およびポート番号を指定する必要があります。

たとえば、クライアント・コンピュータでSQL*Plusを実行しており、ホスト名がshobeen、ポート番号が1521のサーバーにあるsales_usデータベースへ接続するとします。SQL*Plusをコマンドラインから起動した場合、次のようにしてログインします。

sqlplus system/admin@//shobeen:1521/sales_us

同様に、アプリケーション・コードでOracle Call Interfaceネット・ネーミング・メソッドを使用して、Instant ClientとOracle Databaseの接続を作成できます。たとえば、OCIServerAttach()コール内の次の形式により、接続情報を指定します。

  • 次の形式でSQL接続URL文字列を指定します。

    //host[:port][/service_name]

    次に例を示します。

    //shobeen:1521/sales_us

  • あるいは、SQL接続情報をOracle Netキーワード値ペアとして指定します。次に例を示します。

    "(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp) (HOST=shobeen) (PORT=1521))

    (CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales_us)))"

tnsnames.oraファイルの構成による接続の指定

デフォルトでは、Instant Clientをインストールする場合、Oracle Universal Installerには、サンプルのtnsnames.oraファイルも、通常このファイルの作成に使用されるOracle Net Configuration Assistantユーティリティも含まれません。

ただし、ユーザーが実際のホスト名およびポート番号を指定する必要をなくす場合は、tnsnames.oraファイルを使用してInstant ClientとOracle Databaseの接続を設定することを検討してください。
別のOracleインストールからこのファイルをコピーして変更することによって、tnsnames.oraファイルを手動で作成するか、またはOracle Net Configuration Assistantを使用して、このファイルを自動的に作成および管理できます。
Oracle Net Configuration Assistantをインストールするには:
  1. Oracle Universal Installerを実行します。
  2. 「カスタム」インストール・タイプを選択します。
  3. 「使用可能な製品コンポーネント」リストで、Oracle Network Utilitiesを選択し、「次へ」を選択します。
  4. 「サマリー」画面で「インストール」をクリックしてから、「終了」および「はい」をクリックしてOracle Universal Installerを終了します。

    次に、各クライアント・コンピュータ上で、次のいずれかの設定を構成します。

    • TNS_ADMIN環境変数を設定してtnsnames.oraファイルの場所を指定し、そのファイルからサービス名を指定します。

    • tnsnames.oraファイルをORACLE_HOME\network\adminディレクトリ内に格納し、ORACLE_HOME環境がこのOracleホームに設定されていることを確認します。

空の接続文字列およびLOCAL変数を使用した接続の指定

空の接続文字列に接続を指定して、LOCAL環境変数を設定する方法を説明します。

接続文字列を空の接続文字列("")に設定してから、LOCAL環境変数を次のいずれかの値に設定できます。

  • 直接アドレス

  • Oracle Netキーワード値ペア

  • tnsnames.oraエントリおよびTNS_ADMINがtnsnames.oraの場所に設定されています

  • tnsnames.oraエントリおよび次のとおりです:

    • ORACLE_HOME/network/adminにあるtnsnames.ora

    • このOracleホームに設定されているORACLE_HOME環境変数

      この方法により、アプリケーションは、アプリケーション・コードが空の接続文字列を使用する場合に、接続文字列を内部的に指定できます。空の接続文字列のメリットは、アプリケーションがtnsnames.oraエントリを指定する必要がないという点です。かわりに、ユーザーがアプリケーションを起動した場合、データベースの場所は、スクリプトまたは環境、つまりLOCAL環境変数をどこに設定したかによって決定されます。空の文字列を使用するデメリットは、アプリケーションがデータベースに接続するためにこの追加情報を構成する必要があるという点です。

ユーザー・アカウントの設定

ユーザー・アカウントの設定方法を説明します。

Oracleホーム・ユーザーのパスワードの変更

Oracleホームのユーザー・コントロールは、管理者がOracleホーム・ユーザーのパスワードを更新できるコマンドライン・ユーティリティです。

このツールを使用して、Oracleホーム内のWindowsサービスのパスワードを更新します。入力パスワードはOracleホーム・ユーザーとして使用されるWindowsユーザー・アカウントのパスワードと一致する必要があります。そのため、最初にWindowsオペレーティング・システム・ツールを使用してWindowsパスワードを変更してから、このツールでOracleホーム内のWindowsサービスを更新し、同じパスワードに設定します。

注意:

このOracleホーム・ユーザー・コントロール・ユーティリティを実行するには、管理者権限が必要です。

構文の概要:

コマンド構文は次のとおりです。

orahomeuserctl list | updpwd [-user username] [-host hostname1, hostname2, . . .] [-log logfilename]

ここで、

  • orahomeuserctlは、現在のOracleホームに関連付けられているOracleホーム・ユーザー名の表示、またはOracleホーム・ユーザー・パスワードの更新に使用されます。

  • listは、現在のOracleホームに関連付けられているOracleホーム・ユーザー名を表示します。

  • updpwdは、新しいパスワードを要求し、指定されたOracleサービス・ユーザーのパスワードを更新します。updpwdのオプションは次のとおりです。

    • -user username

      このオプションは、Oracleホーム・ユーザー名を決定します。このオプションが存在しない場合、現在のOracleホームに関連付けられたユーザー名が使用されます。usernameまたは現在のOracleホームのユーザーに関係なく、指定された名前がMSAまたはWindows組込みアカウントの場合は、エラー・メッセージが表示され、コマンドが終了します。

    • -host hostname1, hostname2,. . .

      このオプションが存在する場合、ユーティリティは、指定されたホストにある指定のOracleホーム・ユーザーに属するすべてのサービスのパスワードを更新します。それ以外の場合、Oracleホーム・ユーザー・コントロール・ユーティリティは、単一インスタンスをインストールした指定されたホストにある指定のOracleホーム・ユーザーに属するすべてのサービスのパスワードを更新するか、指定されたすべてのホストにある指定のOracleホーム・ユーザーに属するすべてのサービスのパスワードを更新します。

      更新が完了すると、ユーティリティは、成功した更新の数と、新しいパスワードで更新に失敗したサービスを表示します。

    • -log logfilename

      このオプションは、新しいパスワードを受け入れる各サービス名に対して、パスワード更新操作の結果をログ・ファイルに追加します。デフォルトでは、ログ・ファイルはORACLE_HOME\logディレクトリにあります。logfilenameがファイル名のみを指定する場合、ログはデフォルト・ディレクトリの指定されたファイルに格納されます。ただし、logfilenameにパスが含まれている場合、そのパスは変更されずに使用されます。

Oracle Database 12cでのOracle9iの言語および定義ファイルの使用

Oracle Database 10g以降のリリースでは、一部の言語および地域定義ファイルの内容に変更が加えられました。

Oracle Database 10g以降のリリースでは、一部の言語および地域定義ファイルの内容に変更が加えられました。Oracleでサポートされている言語および地域の一部では、ローカルの表記規則と一致しなくなったレガシー定義を修正するために、これらの更新が必要です。
Oracle Database 12cカスタマは、既存のアプリケーション・コードを調べて、Oracle Database 10gで導入され定義された正しい文化的規則が使用されていることを確認する必要があります。
アプリケーションのサポートに必要なコード変更を行えないユーザーのために、Oracleデータベースには、Oracle9iのロケール定義ファイルが付属しています。Oracle DatabaseサーバーがOracle9iファイルを使用するように構成されている場合は、各クライアント・インストールでも同様にこの機能を有効にする必要があります。
この機能を有効にするには、次のステップを実行します。
  1. デフォルトで次の場所にあるcr9idata.plスクリプトを実行します。

    ORACLE_HOME\nls\data\old

    選択したインストール・タイプにこのディレクトリが含まれていない場合、cr9idata.plスクリプトは、デフォルトのOracle Database Clientインストール内の同じディレクトリ・パスにあります。

  2. ORA_NLS10 環境変数がディレクトリORACLE_HOME\nls\data\9idataを指すように設定します。cr9idata.plは、言語および地域の新規定義ファイルをここにコピーします。影響を受けたクライアント・プログラムが起動されるたびに、ORA_NLS10にこの値を設定する必要があります。そのため、起動スクリプトで永続的にこの変数を設定するか、Microsoft Windowsプラットフォームでは、Windowsレジストリにこの変数を設定します。