『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』のこのリリースでの変更点

Oracle Databaseの新機能および非推奨の機能を説明し、それらの詳細の参照先を示します。

Oracle Database 12cリリース2 (12.2)での変更点

次の点がOracle Database 12cリリース2 (12.2)の『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』で変更されています。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • Windows Resilient File System

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降では、Resilient File System (ReFS)がサポートされます。ReFSは、より信頼性がありスケーラブルな、Windowsの新しいローカル・ファイル・システムです。ReFSは、標準のNTFSボリュームで発生するファイル・メタデータの破損(データがアクセス不能になります)を防ぎます。ReFSは、ファイル・メタデータのチェックサムを使用し、書き込み時に割り当てる方法でデータを更新することにより、破損のリスクを最小化します。

  • Windows Direct NFSクライアントが受け付けられるすべてのNFSパス形式をサポート

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)から、Windows Direct NFSクライアントは、WindowsスタイルとUNIXスタイル両方のNFSパスも含め、広く普及しているすべてのNFSパス形式をサポートするようになりました。

  • Windowsグループ管理対象サービス・アカウントと仮想アカウントのサポート

    Oracle Database 12c リリース2 (12.2)以降では、Oracle Databaseのインストールに対するグループ管理対象サービス・アカウント(gMSA)と仮想アカウントのサポートにより、パスワードなしでデータベース・サービスを作成して管理するための追加のオプションが提供されています。gMSAは、ドメイン内の複数のサーバーから、このアカウントを使用してサービスを実行するために使用できるドメイン・レベルのアカウントです。仮想アカウントは自動管理されます。

  • Microsoft管理コンソール・スナップインとしてのOracle Databaseインスタンス管理

    Oracle Database 12cリリース2 (12.2)以降では、管理者は、Microsoft管理コンソール(MMC)スナップインを使用して、Oracle Databaseインスタンスの作成、編集、削除、起動、停止などの基本的なOracle Database管理タスクを実行できます。

    Windows管理者も、MMCのグラフィカル・ユーザー・インタフェースでOracle管理タスクを実行できます。

非推奨となった機能

サポート対象外となった機能

次の機能は、Oracle Database 12c リリース2 (12.2)ではサポートが終了しました。

  • アドバンスト・レプリケーションのサポート終了

    アドバンスト・レプリケーションは、Oracle Database 12cリリース2 (12.2)でサポートが終了しました。

関連項目:

サポート対象外の機能のすべてのリストは、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照してください。

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)での変更点

次の点が『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』のOracle Database 12cリリース1 (12.1)で変更されています。

新機能

このリリースの新機能は次のとおりです。

  • WindowsでのOracleホーム・ユーザーのサポート

    Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以降、Oracle Databaseでは、インストール時に指定されるOracleホーム・ユーザーの使用がサポートされます。Oracleホーム・ユーザーはOracleホームのWindowsサービスの実行に使用されます。Oracleホーム・ユーザーはOracleホームに関連付けられており、インストール後に変更することはできません。1つのシステム上の異なるOracleホームが、同じOracleホーム・ユーザーを共有するか、様々なOracleホーム・ユーザー名を使用することができます。

    Oracleホーム・ユーザーには、組込みアカウントまたはWindowsユーザー・アカウントを指定できます。セキュリティ強化のため、Oracle Databaseのインストールでは、Oracleホーム・ユーザーとして標準のWindowsユーザー・アカウントを使用することをお薦めします。Oracleホーム・ユーザーの主な目的は、WindowsサービスをWindowsユーザー・アカウントで実行することです。このユーザー・アカウント(Oracleホーム・ユーザー)は、標準のWindowsユーザー・アカウント(管理者アカウント以外)である必要があります。Windowsユーザー・アカウントには、ローカル・ユーザー、ドメイン・ユーザーまたは管理対象サービス・アカウントを指定できます。

    グループ管理対象サービス・アカウント(gMSA)と仮想アカウントは、Oracleホーム・ユーザーのための新しいオプションです。

    注意:

    様々なタイプのWindowsユーザー・アカウントの詳細は、Microsoftのドキュメントを参照してください。

    このリリースでは、Oracleホーム・ユーザー・コントロールと呼ばれる新しいWindowsユーティリティも導入されました。これは現在のOracleホームに関連付けられたOracleホーム・ユーザー名を表示し、Windowsユーザー・アカウント(Oracleホーム・ユーザーとして使用)のパスワードを更新する、コマンドライン・ツールです。

    関連項目:

  • WindowsでのOracle ASMファイル・アクセス制御

    Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)ファイル・アクセス制御では、ファイルのアクセスが、SYSDBAとして接続する特定のOracle ASMクライアントに制約されます。通常、Oracle ASMクライアントはデータベースで、データベース・インスタンス・ホームを所有するユーザーとして識別されます。

    Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以降、Oracleは、Oracle Databaseサービスを実行するために、ローカル・システム・アカウントのかわりに標準のWindowsユーザー・アカウントの使用をサポートします。こうすることで、様々なOracle Databaseごとにユーザーを分けることができます。このリリースでは、Oracle ASMディスク・グループのファイルレベル・アクセス制御と権限分離もサポートされます。

    Oracle ASMのファイル・アクセス制御機能により、現在のユーザーを新しいユーザーで置き換えることができ、ファイルが1つ以上のOracle ASMクライアントによって開かれているときに、ユーザーがファイルの所有権、グループ・メンバーシップおよび権限を変更できます。このリリース以降では、Oracleホーム・ユーザーとして使用されるWindowsユーザー・アカウントは、Oracle ASMストレージ・デバイスへの直接アクセスを制約されます。アクセスするには、サービスを実行する十分な権限があるOracle Databaseサービスを使用します。

    現在、Oracle ASMディスク・グループ・ユーザーは、新しいASMCMDコマンドとSQL文を使用してASMディスク・グループ・ユーザーの置換を管理します。

    関連項目:

  • Oracle Enterprise Manager Database Express 12c

    Oracle Database 12cには、Oracle Databaseに組み込まれたWebベースの管理ツールであるOracle Enterprise Manager Database Express 12cが導入されており、特別なインストールや管理は必要ありません。Oracle Enterprise Manager Database Express 12cを使用して、ユーザー、パフォーマンス、メモリー、領域管理などの基本的な管理タスクを実行できます。また、データベースのパフォーマンスおよびステータス情報を表示できます。

    関連項目:

  • Oracle Net ServicesでのOracleホーム・ユーザーのサポート

    Oracle Database 12cでは、Oracle Net Services (Oracleリスナー、CMADMIN、CMANプロキシ・リスナーなど)を、Oracle Databaseのインストール時に指定されたOracleホーム・ユーザー・アカウントとして実行できます。以前のリリースでは、Oracle Net Servicesは、権限の高いWindowsの組込みローカル・システム・アカウント(LSA)として実行していました。

    関連項目:

  • 外部プロシージャの保護

    Oracle Database 12cリリース1 (12.1)から、LIBRARYオブジェクトを明示的なパスまたはDIRECTORYオブジェクトのいずれかを使用して定義できます。CREDENTIAL句を使用してオペレーティング・システム・ユーザーも指定できます。

    関連項目:

  • データベース管理義務の分離のサポート

    Oracle Database 12cでは、SYSDBA管理権限を必要としない、タスク固有で最小限の権限に制限された管理権限を導入することにより、Oracle Databaseのデータベース管理義務の分離がサポートされるようになりました。これらの新しい権限は、SYSBACKUP (バックアップおよびリカバリ用)、SYSDG (Oracle Data Guard用)、およびSYSKM (暗号化鍵管理用)です。

    関連項目:

非推奨となった機能

次の機能はこのリリースでは非推奨となりました。将来のリリースではサポートされなくなる可能性があります。

NTLMプロトコルを使用したWindows NTS認証

NTS認証アダプタはWindowsドメイン・ユーザーの認証にNT LAN Manager (NTLM)プロトコルの使用をサポートしなくなりました。そのため、NTSアダプタを使用して、以前のWindows NTドメインまたは以前のWindows NTドメイン・コントローラを含むドメインのユーザーを認証することはできません。ただし、ローカル接続およびWindowsローカル・ユーザーとして実行しているOracle Databaseサービスは、引き続きNTLMを使用して認証されます。新しいクライアント側sqlnet.oraブール・パラメータ、no_ntlm (デフォルト値はFALSE)により、NTLMをNTS認証で使用できるかどうかを制御できます。このパラメータがTRUEに設定されている場合、NTLMをNTS認証で使用することはできません。

サポート対象外となった機能

このガイドでこれまで記述されていた次の機能はサポートされなくなりました。

  • Oracle Enterprise Manager Database Control

  • Oracle COM Automation

  • Oracle Objects for OLE

  • Oracle Counters for Windows Performance Monitor

  • RAWデバイス

関連項目:

サポート対象外機能のリストは、Oracle Databaseアップグレード・ガイド を参照してください