A 非対話型インストールでのレスポンス・ファイルの使用方法

次のトピックでは、レスポンス・ファイルを使用してOracle製品をインストールおよび構成する方法について説明します。

A.1 概要

通常、Oracle Universal Installerは対話モードで実行されます。つまり、Graphical User Interface(GUI)画面で情報の入力を要求されます。もう一つの方法として、非対話型モードでOracle Universal Installerを実行できます。非対話型モードは、サイレント・モードまたはサイレント・インストールとも呼ばれます。

次のような場合に、非対話型モードを使用してMicrosoft Windows(64-bit)にOracle Database Gatewayをインストールできます。

  • 自動的に複数のノードにOracleコンポーネントをデプロイする必要がある場合。非対話型インストール・モードは、オペレーティング・システムのスケジューラや、現在のサイトで通常使用している他のジョブ・サブシステムを使用してスケジュールできます。

  • ユーザーとの対話をすべて省略する場合。

  • Oracle Universal Installerを対話型モードで実行するためのグラフィカル機能が使用できない場合。(Oracle Universal InstallerはMicrosoft Windowsでは常に使用できますが、UNIXシステムでは使用できないこともあります。)

この項の各項目では、レスポンス・ファイルを使用して非対話型モードでOracle Universal Installerを実行する方法について説明します。

A.2 レスポンス・ファイルを使用した非対話型モードでのOracleコンポーネントのインストール

非対話型モードを使用するには、Oracle Universal Installerをレスポンス・ファイルとともに実行します。レスポンス・ファイルは、インストール・プロセス中にOracle Universal Installerが使用する変数および値を格納したテキスト・ファイルです。オラクル社提供のサンプル・レスポンス・ファイルのセットをカスタマイズすることも、インストールの選択を記録することで、独自のレスポンス・ファイルを作成することもできます。

関連項目:

レスポンス・ファイルの形式の詳細は、Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Windows and UNIXを参照してください。

A.3 サンプル・レスポンス・ファイルのカスタマイズ

Oracleには、製品、インストール・タイプおよび構成ツールごとに、レスポンス・ファイルのテンプレートが用意されています。Oracle Gatewayのレスポンス・ファイルtg.rspおよびnetca.rspは、メディアのresponseディレクトリにあります。

注意:

ハード・ディスクにソフトウェアをコピーしている場合、レスポンス・ファイルはDisk1\responseディレクトリにあります。

レスポンス・ファイルをコピーして変更するには、次の手順を実行します。

  1. 必要なレスポンス・ファイルをインストール・メディアの\Responseディレクトリからハード・ディスクにコピーします。
  2. 「スタート」メニューで、「プログラム」「Oracle - HOME_NAME」「Oracle Installation Products」「Universal Installer Concepts Guide」を選択します。

    Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイドfor Windows and UNIXがHTML形式で表示されます。

  3. レスポンス・ファイルとOracle Universal InstallerおよびOPatchユーザーズ・ガイドfor Windows and UNIXの両方の説明に従って、テキスト・ファイル・エディタでレスポンス・ファイルを変更します。
  4. Oracle Universal Installerの実行とレスポンス・ファイルの指定の指示に従ってレスポンス・ファイルを実行します。

A.4 新規レスポンス・ファイルの作成

対話型モードでOracle Universal Installerを実行する際に、インストール中の選択項目をレスポンス・ファイルに記録できます。これを行うには、Oracle Universal Installerを記録モードで実行します。「サマリー」ページが完了するとOracle Universal Installerによって即座にレスポンス・ファイルが生成されるため、ゲートウェイを実際にインストールしてレスポンス・ファイルを作成する必要はありません。

非対話型インストールで記録モードを使用すると、元のソース・レスポンス・ファイルに指定されている変数の値が新しいレスポンス・ファイルに記録されます。

注意:

記録モードを使用して、基本インストール・タイプに基づくレスポンス・ファイルを作成することはできません。

新規レスポンス・ファイルを作成するには、次の手順を実行します。

  1. レスポンス・ファイルの作成場所となるコンピュータが、ゲートウェイのインストールに関する各章に記載された要件を満たしていることを確認します。
  2. コマンド・プロンプトでcdコマンドを使用して、Oracle Universal Installerのsetup.exe実行可能ファイルを格納するディレクトリに移動します。

    インストール・メディアでは、setup.exeはDisk 1に存在します。既存のゲートウェイ・インストール環境からOracle Universal Installerを実行する場合、setup.exeORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oui\binにあります。

  3. 次のコマンドを入力します。
    setup -record -destinationFile response_file_name
    

    response_file_nameは、新規レスポンス・ファイルの完全なパスで置き換えます。次に例を示します。

    setup -record -destinationFile C:\response_files\install_oracle11g
    
  4. Oracle Universal Installerが起動したら、インストール設定を入力します(この設定はレスポンス・ファイルに記録されます)。
  5. 「サマリー」ページが表示されたら、次のいずれかを実行します。
    • 「インストール」をクリックしてインストールを続行します。

    • 「取消」をクリックしてレスポンス・ファイルのみを作成し、インストールは続行しません。インストールは停止しますが、入力した設定はレスポンス・ファイルに記録されます。

    これにより、コマンドラインで指定したパスとファイル名を使用して、新規レスポンス・ファイルが保存されます。

  6. 必要であれば、実行するコンピュータに合せて環境固有の変更をレスポンス・ファイルに加えます。
  7. Oracle Universal Installerの実行とレスポンス・ファイルの指定の指示に従ってレスポンス・ファイルを実行します。

A.5 Oracle Universal Installerの実行とレスポンス・ファイルの指定

コマンドラインでOracle Universal Installerを実行し、レスポンス・ファイルを指定します。Oracle Universal Installerの実行可能ファイルsetup.exeには、いくつかのオプションが用意されています。これらのオプションの完全なセットに関するヘルプ情報を参照するには、次のように-helpオプション付きでsetup.exeを実行します。

C:\ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oui\bin> setup.exe -help

Oracle Universal Installerを実行してレスポンス・ファイルを指定する手順は次のとおりです。

  1. コマンド・プロンプトを起動します。
  2. Oracle Universal Installerのインストール先のディレクトリに移動します。
  3. コマンドラインで適切なレスポンス・ファイルを使用してOracle Universal Installerを実行します。次に例を示します。

    C:\ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\oui\bin> setup.exe [-silent] [-nowelcome] [-nowait] -responseFile filename

場所 説明

filename

レスポンス・ファイルのフルパスを指定します。

-silent

Oracle Universal Installerをサイレント・モードで実行し、「ようこそ」画面を抑止します。-silentを使用する場合、-nowelcomeは不要です。

-nowelcome

インストール時に表示される「ようこそ」画面を抑止します。

–nowait

サイレント・インストールの完了時にコンソール・ウィンドウを閉じます。