17 LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータの属性
これは、LOG_ARCHIVE_DEST_
n
初期化パラメータの属性のリストです(n
は1から31の間の整数)。
-
LOCATIONおよびSERVICE(
LOCATION
はLOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
ではサポートされない) -
MANDATORY(
LOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
ではサポートされない) -
SYNCおよびASYNC(
SYNC
はLOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
ではサポートされない)
使用方法
-
Oracle Data Guard構成の各データベースは、通常、オンラインおよびスタンバイREDOログのアーカイブ用の
LOCATION
属性を持つ宛先を1つと、構成にあるその他のデータベース用のREMOTE
属性を持つ宛先を1つ持ちます。 -
構成されている場合、
LOG_ARCHIVE_DEST_1
からLOG_ARCHIVE_DEST_10
の各宛先には、ローカル・ディスクのディレクトリまたはリモートからアクセスするデータベースを指定する、LOCATION
またはSERVICE
属性が含まれている必要があります。LOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
の各宛先にはSERVICE
属性が含まれている必要があります。その他のすべての属性は省略可能です。
-
LOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
は、COMPATIBLE
初期化パラメータが11.2.0.0以上に設定されている場合のみ使用できます。
注意:
LOG_ARCHIVE_DEST_
n
初期化パラメータの複数の属性が非推奨になりました。これらの属性は下位互換用にサポートされており、『Oracle Databaseリファレンス』で説明しています。
関連項目:
LOG_ARCHIVE_DEST_
n
宛先を定義してREDO転送サービスを設定する方法の詳細は、「REDO転送サービス」を参照してください。
17.1 AFFIRMおよびNOAFFIRM
AFFIRM
およびNOAFFIRM
属性は、REDO転送先が、受信済REDOデータをスタンバイREDOログに書き込む前または書き込んだ後に、受信済REDOデータを確認するかどうかを制御します。
各オプションの定義は次のとおりです。
-
AFFIRM
: REDO転送先で受信したREDOデータをスタンバイREDOログに書き込んだ後に確認するように指定します。 -
NOAFFIRM
: REDO転送先で受信したREDOデータをスタンバイREDOログに書き込む前に確認するように指定します。
カテゴリ | AFFIRM | NOAFFIRM |
---|---|---|
データ型 |
キーワード |
キーワード |
有効な値 |
該当なし |
該当なし |
デフォルト値 |
該当なし |
該当なし |
必須属性 |
|
|
属性との競合 |
|
|
対応先 |
|
|
使用上の注意
-
AFFIRM
属性およびNOAFFIRM
属性が指定されていない場合、デフォルトは、SYNC
属性が指定されているときはAFFIRM
、ASYNC
属性が指定されているときはNOAFFIRM
です。 -
SYNC
属性を使用しないAFFIRM
属性の指定は非推奨であり、今後のリリースではサポートされません。
関連項目:
例
次の例は、リモート宛先のAFFIRM
属性を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1 SYNC AFFIRM' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
17.2 ALTERNATE
ALTERNATE
属性は、元のアーカイブ先で障害が発生したときに使用する代替アーカイブ先を指定します。
注意:
Oracle Database 12cリリース2 (12.2.0.1)以降、代替アーカイブ先の数と機能を、リモート・ログ・アーカイブ先のALTERNATE
属性のかわりにGROUP
およびPRIORITY
属性を使用することで拡張できます。この新しい方法はALTERNATE
属性の方法とともには使用できません。詳細は、代替宛先を参照してください。
ALTERNATE
属性は、代替ローカル・アーカイブ先を構成するために予約されています。下位互換性のために、ALTERNATE
をリモート・ログ・アーカイブに使用する例がALTERNATE属性を使用したリモート代替宛先の構成に提供されています。
カテゴリ | ALTERNATE=LOG_ARCHIVE_DEST_n |
---|---|
データ型 |
文字列 |
有効な値 |
|
デフォルト値 |
なし。代替宛先が指定されていない場合、REDO転送サービスでは自動的に別のアーカイブ先に変更されません。 |
必須属性 |
なし脚注1 |
属性との競合 |
|
対応先 |
|
脚注1
MAX_FAILURE
がALTERNATE
で使用されることは必須ではありませんが、代替宛先がアクティブになるには、ゼロ以外のMAX_FAILURE
値が必要です。ALTERNATE
をMAX_FAILURE
のデフォルト値(ゼロ)とともに使用すると、動作は変わりません。
脚注2
REOPEN
属性にゼロ以外の値を指定すると、試行間の最小時間がREOPEN
の値(秒)と等しくなり、エラーの回数がMAX_FAILURE
の値と等しいか超えるまで代替宛先はアクティブになりません。
使用上の注意
-
ALTERNATE
属性はオプションです。代替宛先が指定されていない場合、元のアーカイブ先に障害が発生しても、アーカイブ・サービスでは自動的に別のアーカイブ先に変更されません。 -
ローカルの
LOG_ARCHIVE_DEST_n
パラメータごとに指定できる代替宛先は、1つのみです(LOCATION=
…)。 -
代替宛先には、次の例に示されているように同じローカル・プライマリ・データベース・システムまたはローカル・スタンバイ・データベース・システム上の異なるディスクの場所を指定する必要があります。
-
代替宛先を構成するには、
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_n
パラメータをALTERNATE
に設定します。 -
代替宛先を手動で有効化するには、
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_n
パラメータをENABLE
に設定します。 -
有効化された宛先が代替宛先を参照していない場合は、代替宛先を自動的に有効化する方法はないため、代替宛先は保留になることを意味しています。ただし、
ALTER SYSTEM
文を使用して実行時に代替宛先を有効化できます。 -
代替宛先に指定できる宛先には、次の制限事項があります。
-
ローカル宛先を少なくとも1つは有効にする。
-
有効な宛先数は、
LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST
パラメータでの定義と一致させる必要がある。 -
宛先をそれ自身の代替先にすることはできない。
-
-
宛先に障害がある場合、次のアーカイブ操作で代替宛先が有効化されます。アーカイブ操作中に代替宛先を有効化するには処理済のブロックを再度読み取る必要があるので、これはサポートされていません。
-
代替宛先が指定されていない場合、または
MAX_FAILURE
がゼロ(デフォルト)に設定されている場合、元の宛先に障害が発生しても、アーカイブ・サービスでは自動的に別の宛先に変更されません。
例
これらの例は、基本的な概念を示しており、示しているように使用することを意図しているわけではありません。ローカルのアーカイブ設定によって構成は異なります。
次の例に、サンプル初期化パラメータ・ファイルを示します。このサンプル・ファイルでは、書込み失敗や割当て失敗などのエラーが発生したり、デバイスがいっぱいになった場合、次回のアーカイブ操作で、ローカル・アーカイブ先LOG_ARCHIVE_DEST_1
は代替宛先LOG_ARCHIVE_DEST_2
に自動的にフェイルオーバーします。
例17-1 代替ローカル宛先への自動フェイルオーバー
LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/disk1 MANDATORY MAX_FAILURE=1
ALTERNATE=LOG_ARCHIVE_DEST_2'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ALTERNATE
LOG_ARCHIVE_DEST_2='LOCATION=/disk2 MANDATORY'
元の宛先LOG_ARCHIVE_DEST_1
へのアーカイブを再開するには、手動で再度有効にする必要があります。次に、LOG_ARCHIVE_DEST_2
を前の代替状態にリセットしてアクティブなローカル・アーカイブ先が2つにならないようにする必要があります。そのためには、次のようにしてLOG_ARCHIVE_DEST_STATE_n
パラメータを元の値に設定します。
ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE ALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ALTERNATE
このフォールバック・メカニズムは自動化できます。例17-2のサンプル初期化パラメータ・ファイルで示すように、優先宛先を指すALTERNATE
属性を指定して、元の宛先と代替宛先のペアを作成します。
例17-2 自動ローカル代替フォールバック
LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/disk1 MANDATORY MAX_FAILURE=1
ALTERNATE=LOG_ARCHIVE_DEST_2'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ALTERNATE
LOG_ARCHIVE_DEST_2='LOCATION=/disk2 MANDATORY
ALTERNATE=LOG_ARCHIVE_DEST_1'
LOG_ARCHIVE_DEST_1
が再度使用できるようになると、Oracle Data Guardはアクティブなローカル・アーカイブ宛先になるように自動的に設定し、LOG_ARCHIVE_DEST_2
をその代替としてリセットします。
17.3 COMPRESSION
COMPRESSION
属性は、REDOデータをREDO転送先に転送する前に圧縮するかどうかを指定するために使用します。
注意:
REDO転送の圧縮は、Oracle Advanced Compressionオプションの機能です。REDO転送の圧縮機能を使用する前に、このオプションのライセンスを購入する必要があります。
カテゴリ | COMPRESSION=[ENABLE | DISABLE | ZLIB | LZO] |
---|---|
データ型 |
ブール |
有効な値 |
|
デフォルト値 |
|
必須属性 |
なし |
属性との競合 |
なし |
対応先 |
|
使用上の注意
-
ENABLE
オプションを指定すると圧縮が可能になり、デフォルトでZLIB圧縮アルゴリズムが使用されます。 -
COMPRESSION
属性はオプションです。指定されていない場合、デフォルトの圧縮動作はDISABLE
です。 -
Oracle Data Guardの
COMPRESSION
属性も使用するSYNC
接続文字列の場合、sqlnet.ora
ファイルでSQLNET.COMPRESSION
構成パラメータを無効に設定します(オフにします)。SQLNET.COMPRESSION
パラメータの詳細は、『Oracle Database Net Servicesリファレンス』を参照してください。
例
次の例は、COMPRESSION
属性が指定されているLOG_ARCHIVE_DEST_
n
パラメータを示しています。ENABLE
オプションが指定されているため、ZLIB圧縮アルゴリズムが使用されます。
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=denver SYNC COMPRESSION=ENABLE' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
17.4 DB_UNIQUE_NAME
DB_UNIQUE_NAME
属性は、この宛先にあるデータベースの一意の名前を指定します。
カテゴリ | DB_UNIQUE_NAME=name |
---|---|
データ型 |
String |
有効な値 |
nameは、 |
デフォルト値 |
なし |
必須属性 |
なし |
属性との競合 |
なし |
対応先 |
|
使用上の注意
-
この属性は、次の場合にはオプションです。
-
LOG_ARCHIVE_CONFIG=DG_CONFIG
初期化パラメータが指定されていない場合。 -
これがローカル宛先(
LOCATION
属性で指定)の場合。
-
-
この属性が必須となるのは、
LOG_ARCHIVE_CONFIG=DG_CONFIG
初期化パラメータが指定されており、かつ、これがリモート宛先(SERVICE
属性で指定)の場合です。 -
プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースの関係を明確に識別するには、
DB_UNIQUE_NAME
属性を使用します。この属性は、Oracle Data Guard構成に複数のスタンバイ・データベースが存在する場合に特に有用です。 -
DB_UNIQUE_NAME
で指定する名前は、DG_CONFIG
リストのDB_UNIQUE_NAME
値の1つと一致している必要があります。REDO転送サービスにより、指定された宛先のデータベースのDB_UNIQUE_NAME
属性がDB_UNIQUE_NAME
属性と一致していること、またはその宛先への接続が拒否されていることが検証されます。 -
DB_UNIQUE_NAME
属性で指定する名前は、宛先で識別されるデータベースのDB_UNIQUE_NAME
初期化パラメータで指定されている名前と一致している必要があります。
例
次の例では、DB_UNIQUE_NAME
パラメータではboston
(DB_UNIQUE_NAME=boston
)が指定されており、これはLOG_ARCHIVE_DEST_1
パラメータのDB_UNIQUE_NAME
属性にも指定されています。LOG_ARCHIVE_DEST_2
パラメータのDB_UNIQUE_NAME
属性は、宛先としてchicago
を指定しています。boston
とchicago
は、どちらもLOG_ARCHIVE_CONFIG=DG_CONFIG
パラメータにリストされています。
DB_UNIQUE_NAME=boston LOG_ARCHIVE_CONFIG='DG_CONFIG=(chicago,boston,denver)' LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arch1/ VALID_FOR=(ALL_LOGFILES,ALL_ROLES) DB_UNIQUE_NAME=boston' LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=Sales_DR VALID_FOR=(ONLINE_LOGFILES,PRIMARY_ROLE) DB_UNIQUE_NAME=chicago'
17.5 DELAY
DELAY
属性は、スタンバイ・サイトでプライマリ・サイトからのREDOデータがアーカイブされてから、スタンバイ・データベースまたはそこからカスケードされたスタンバイにアーカイブREDOログ・ファイルが適用されるまでの最小タイム・ラグを指定します。
カテゴリ | DELAY[=minutes] |
---|---|
データ型 |
数値 |
有効な値 |
0分以上 |
デフォルト値 |
30分 |
必須属性 |
|
属性との競合 |
|
対応先 |
|
使用上の注意
-
DELAY
属性はオプションです。デフォルトでは、遅延は発生しません。 -
DELAY
属性は、スタンバイ宛先のアーカイブREDOログ・ファイルが、指定した時間が経過するまでリカバリに利用されないことを示します。時間間隔は分で表され、転送されたREDOデータがスタンバイ・サイトに正常に到達した時点から計測されます。 -
DELAY
属性を使用すると、破損したプライマリ・データまたは誤ったプライマリ・データからスタンバイ・データベースを保護できます。ただし、フェイルオーバー中は、破損が発生した時点までのすべてのREDOを適用するための所要時間が長くなるため、トレードオフを伴います。 -
DELAY
属性は、REDOデータのスタンバイ宛先への転送に影響しません。 -
リアルタイム適用が使用可能になっている場合、設定した遅延は無視されます。
-
DELAY
属性の変更は、次にREDOデータをアーカイブすると(ログ・スイッチ後に)有効になります。進行中のアーカイブ操作には、影響しません。 -
指定した遅延間隔は、スタンバイ・サイトで次のように上書きできます。
-
フィジカル・スタンバイ・データベース用
SQL> ALTER DATABASE RECOVER MANAGED STANDBY DATABASE NODELAY;
-
ロジカル・スタンバイ・データベース用
SQL> ALTER DATABASE START LOGICAL STANDBY APPLY NODELAY;
-
-
カスケードされたスタンバイが使用する
DELAY
値は、カスケードしているスタンバイにREDOを送信したプライマリのLOG_ARCHIVE_DEST_
n
パラメータに設定された値です。
関連項目:
これらのALTER DATABASE
文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
例
DELAY
属性を使用すれば、プライマリ・データベースと様々なレベルで同期させる複数のスタンバイ・データベースを維持する構成を設定できます。ただし、REDO Applyで破損時点までのすべてのREDOを適用するまでにかかる時間が長くなるため、フェイルオーバー中は、この保護はなんらかのオーバーヘッドを伴います。
たとえば、プライマリ・データベースAにスタンバイ・データベースBおよびCがあると仮定します。スタンバイ・データベースBは障害時リカバリ・データベースとして設定されているため、タイム・ラグはありません。スタンバイ・データベースCには2時間の遅延が設定されています。2時間あれば、スタンバイ・データベースに伝播する前に、ユーザー・エラーを検出できます。
次の例は、この構成用にDELAY
属性を指定する方法を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arch/dest MANDATORY' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=stbyB SYNC AFFIRM' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stbyC DELAY=120' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
注意:
または、十分なフラッシュバック・ログ・データがあれば、フラッシュバック・データベースを使用して、データベースを障害発生時点または他のデータベース・インカネーションのSCNまで戻すこともできます。フラッシュバック・データベースの使用については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』で説明しています。
17.6 ENCRYPTION
ENCRYPTION
属性は、Zero Data Loss Recovery Appliance (リカバリ・アプライアンス)に転送する前にREDOデータを暗号化するかどうかを指定するために使用されます。
注意:
REDO転送の暗号化はリカバリ・アプライアンスへの接続でのみ許可されます。リカバリ・アプライアンス以外のログ・アーカイブ先で暗号化を構成しようとするとエラーになります。
カテゴリ | ENCRYPTION=ENABLEまたはDISABLE |
---|---|
データ型 |
ブール |
有効な値 |
|
デフォルト値 |
|
必須属性 |
|
属性との競合 |
|
対応先 |
|
使用上の注意
-
ENCRYPTION
属性はオプションです。指定しない場合、デフォルトの暗号化動作はDISABLE
です。 -
ENCRYPTION
属性を使用するには、保護されたデータベースでCOMPATIBLE
初期化パラメータを11.2.0.4以上に設定する必要があります。
例
次の例に、LOG_ARCHIVE_DEST_
n
パラメータに指定したENCRYPTION
属性を示します。
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=denver ENCRYPTION=ENABLE' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
17.7 GROUP
GROUP
属性を使用して、ログのアーカイブ先の特定のコレクションでメンバーシップを指定します。
グループは1から8まで番号付けされます。デフォルトのグループ(GROUP=0
)は、割り当てることができないという点において特殊です。デフォルトのグループには、明示的にグループに割り当てられないすべての宛先が移入されます。
カテゴリ | GROUP=integer |
---|---|
データ型 | 整数 |
有効な値 | 1から8 |
デフォルト値 | 0 |
必須属性 | SERVICE |
属性との競合 | ALTERNATE
|
対応先 | 該当なし |
使用上の注意
-
なし
例
DB_UNIQUE_NAME
などの他の必須パラメータが存在する場合もあります。 LOG_ARCHIVE_DEST_1='SERVICE=FS1 GROUP=1'
LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=FS2 GROUP=1'
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=FS3 GROUP=2'
LOG_ARCHIVE_DEST_4='SERVICE=FS4 GROUP=2'
関連項目:
17.8 LOCATIONおよびSERVICE
各宛先にはLOCATION
属性またはSERVICE
属性を指定して、REDO転送サービスがローカル・ディスクのディレクトリまたはリモート・データベースの宛先のどちらにREDOデータを転送できるかを明示する必要があります。
LOG_ARCHIVE_DEST_1
からLOG_ARCHIVE_DEST_10
の宛先は、LOCATION
属性またはSERVICE
属性を含むことができます。
LOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
の宛先は、SERVICE
属性しか含むことができません。
カテゴリ | LOCATION=local_disk_directoryまたはUSE_DB_RECOVERY_FILE_DEST | SERVICE=net_service_name |
---|---|---|
データ型 |
文字列値 |
文字列値 |
有効な値 |
該当なし |
該当なし |
デフォルト値 |
なし |
なし |
必須属性 |
該当なし |
該当なし |
属性との競合 |
|
|
対応先 |
|
|
使用上の注意
-
LOCATION
またはSERVICE
属性を指定する必要があります。デフォルトはありません。 -
LOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
パラメータでは、LOCATION
属性はサポートされません。 -
複数の属性を指定している場合は、属性のリストの最初に
LOCATION
属性またはSERVICE
属性を指定します。 -
LOCATION
属性で少なくとも1つのローカル・ディスクのディレクトリを指定する必要があります。これにより、データベースのメディア・リカバリが必要になる場合、ローカルのアーカイブREDOログ・ファイルに確実にアクセスできるようになります。ローカルまたはリモートの追加宛先は最大30個まで指定できます。 -
LOCATION
属性には、次のいずれかを指定できます。-
LOCATION=
local_disk_directory
これは、データベースを置くシステム上のディスク・ディレクトリの一意のディレクトリ・パス名を指定します。これは、アーカイブREDOログ・ファイルのローカル宛先です。
-
LOCATION=USE_DB_RECOVERY_FILE_DEST
高速リカバリ領域を構成するには、
DB_RECOVERY_FILE_DEST
初期化パラメータを使用して、高速リカバリ領域として機能するディレクトリまたはOracle Storage Managerのディスク・グループを指定します。
-
-
SERVICE
属性を指定する場合は、次のようにします。-
SERVICE
属性と、REDOデータの送信先となるリモートOracleデータベース・インスタンスを識別する有効なOracle Netサービス名(SERVICE=
net_service_name
)を指定して、リモート宛先を識別します。SERVICE
属性で指定するOracle Netサービス名は、リモート・データベースへの接続に必要な情報を含む接続記述子に変換されます。関連項目:
Oracle Netサービス名の設定の詳細は、『Oracle Database Net Services管理者ガイド』を参照してください。
-
リモート宛先にREDOデータを転送するには、着信するアーカイブREDOデータを受け取るために、ネットワーク接続と、リモート宛先に対応付けられたOracleデータベース・インスタンスが必要です。
-
-
LOCATION
およびSERVICE
属性の現行の設定を確認するには、V$ARCHIVE_DEST
固定ビューを問い合せます。-
TARGET
列は、宛先がプライマリ・データベースにとってローカルかリモートかを示します。 -
DESTINATION
列は、宛先に指定されている値を示します。たとえば、宛先パラメータ値は、アーカイブREDOログ・ファイルが配置されているリモートのOracleインスタンスを示すOracle Netサービス名を指定します。
-
例
次の例は、LOCATION属性の指定方法を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_2='LOCATION=/disk1/oracle/oradata/payroll/arch/' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE
次の例は、SERVICE
属性の指定方法を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
17.9 MANDATORY
MANDATORY
属性は、書き込まれたオンライン・ログ・ファイルが再使用できるためには、その前に宛先に正常にアーカイブされる必要があることを指定します。
カテゴリ | MANDATORY |
---|---|
データ型 |
キーワード |
有効な値 |
該当なし |
デフォルト値 |
該当なし |
必須属性 |
該当なし |
属性との競合 |
オプション |
対応先 |
|
使用上の注意
-
LOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
パラメータでは、MANDATORY
属性はサポートされません。 -
MANDATORY
が指定されていない場合、デフォルトでは、宛先はオプションとみなされます。すべての宛先がオプションである場合にも、最低1つの宛先は成功する必要があります。オプションの宛先へのアーカイブが失敗した場合、オンラインREDOログ・ファイルは再利用可能なままで、最終的に上書きされる可能性があります。しかし、必須の宛先へのアーカイブ操作が失敗した場合、オンラインREDOログ・ファイルは上書きされません。
-
LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST=
nパラメータ(nは1から10の整数)は、オンラインREDOログ・ファイルを上書きできるようになる前に、正常にアーカイブしておく必要がある宛先の数を指定します。LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST=
nの件数は、すべてのMANDATORY
の宛先とオプションのローカル宛先によって満たされます。LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST
パラメータに設定した値が一致すると、オンラインREDOログ・ファイルは再利用可能になります。たとえば、次のようにパラメータを設定できます。# Database must archive to at least two locations before # overwriting the online redo log files. LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST = 2
-
1つ以上のローカル宛先が必要であり、それらに
MANDATORY
を宣言するか、またはオプションのままにしておくことができます。LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST
パラメータの最小値は1のため、最低1つのローカル宛先が操作上必須です。 -
必須の宛先のいずれかに障害が発生すると、
LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST
パラメータは不適切になります。 -
LOG_ARCHIVE_MIN_SUCCEED_DEST
パラメータ値を、必須の宛先数にオプションのローカル宛先数を加えた数よりも大きく設定することはできません。 -
V$ARCHIVE_DEST
固定ビューのBINDING
列は、アーカイブ操作に障害がどのように影響するのかを指定します。
例
次の例は、MANDATORY
属性を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arch/dest MANDATORY' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=denver MANDATORY' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
17.10 MAX_CONNECTIONS
MAX_CONNECTIONS
属性は、アーカイブREDOログ・ファイルをREDO転送先に送信する際に、複数のネットワーク接続を使用できるようにします。
複数のネットワーク接続を使用すると、待機時間が長いネットワーク・リンクを介したREDO転送のパフォーマンスを向上させることができます。
カテゴリ | 説明 |
---|---|
データ型 |
整数 |
有効な値 |
1から20 |
デフォルト値 |
1 |
必須属性 |
なし |
属性との競合 |
なし |
対応先 |
プライマリ・データベースの |
使用上の注意
-
MAX_CONNECTIONS
属性はオプションです。指定した場合は、REDO転送サービスでARCnプロセスをアーカイブに使用する場合にのみ使用されます。-
MAX_CONNECTIONS
を1(デフォルト)に設定すると、REDO転送サービスでは、1つのARCnプロセスを使用してリモート宛先にREDOデータを転送します。 -
MAX_CONNECTIONS
を1より大きな値に設定すると、REDO転送サービスでは、複数のARCnプロセスを使用してリモート宛先のアーカイブREDOログ・ファイルにパラレルでREDOを転送します。各アーカイバ(ARCn)プロセスでは、個別のネットワーク接続を使用します。
-
-
複数のARCnプロセスを使用すると、REDO転送はパラレルで行われるため、REDOがリモート宛先に転送される速度は向上します。
-
ARCnプロセスから受信するREDOは、アーカイブREDOログ・ファイルに直接書き込まれます。したがって、受信時にリアルタイムで適用できません。
-
常に使用されているアーカイバ・プロセスの実際の数は、アーカイバのワークロードおよび
LOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES
初期化パラメータの値によって異なります。たとえば、すべての宛先のMAX_CONNECTIONS
属性の合計がLOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES
の値を超えている場合、Oracle Data Guardではできるだけ多数のARCnプロセスが使用されますが、その数はMAX_CONNECTIONS
属性に指定されている値より少ない場合があります。 -
複数のARCnプロセスをOracle RAC環境で使用する場合は、REDOデータをシングル・スタンバイ・データベース・インスタンスに転送するように、プライマリ・インスタンスを構成します。このようにREDO転送を構成しておかなかった場合、アーカイブ操作がリモート・アーカイブへのデフォルト動作に戻り、シングルARCnプロセスを使用してREDOデータを転送します。
例
次の例は、MAX_CONNECTIONS
属性を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arch/dest' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=denver MAX_CONNECTIONS=3' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
17.11 MAX_FAILURE
MAX_FAILURE
属性は、プライマリ・データベースが失敗した宛先を放棄する前に、REDO転送サービスが通信を再確立してその宛先へのREDOデータを転送するログ・スイッチ時の連続試行回数を制御します。
MAX_FAILURE
属性は、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)とOracle Database 12cリリース2 (12.2)の間で処理が異なります。この違いを理解しておくことが重要です。詳細は、次の「使用上の注意」を参照してください。
カテゴリ | MAX_FAILURE=count |
---|---|
データ型 |
数値 |
有効な値 |
>=0 |
デフォルト値 |
デフォルトのグループ宛先のデフォルト値は0です。デフォルト以外のログ・アーカイブ先のグループ宛先のデフォルト値は1です。 |
必須属性 |
|
属性との競合 |
なし |
対応先 |
|
Oracle Database 12cリリース2 (12.2)でのMAX_FAILUREの使用上の注意
-
新しい
GROUP
属性とPRIORITY
属性を使用するREDO宛先では、エラー件数がMAX_FAILURE
属性に指定された値に達した場合、宛先はERROR状態になり、アクセス可能になるまでその状態を継続します。これは、REOPEN
属性に指定された値に応じて定期的にチェックされます。 -
ログ・アーカイブ・グループのデフォルト宛先(新しい
GROUP
属性とPRIORITY
属性を使用しないそのREDO宛先)では、MAX_FAILURE
属性の動作はOracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)の場合と同じです
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)でのMAX_FAILUREの使用上の注意
-
MAX_FAILURE
属性はオプションです。デフォルトでは、失敗した宛先に対するアーカイブの試行回数に制限はありません。 -
この属性は、失敗後に回数制限付きでREDOデータの転送を再試行するように、宛先に対する障害の解決方法を指定するときに役立ちます。
-
MAX_FAILURE
属性を指定した場合は、REOPEN
属性も設定する必要があります。指定したログ・スイッチ時の連続試行回数を超過すると、その宛先はREOPEN
属性が指定されていないものとして処理されます。 -
V$ARCHIVE_DEST
固定ビューのFAILURE_COUNT
列で障害件数を確認できます。関連するREOPEN_SECS
列は、REOPEN
属性値を示します。注意:
宛先の障害件数が、指定した
MAX_FAILURE
属性の値に達した場合、その宛先を再利用するための方法は、LOG_ARCHIVE_DEST_n
パラメータを設定するのみです。この結果、障害件数がゼロ(0)にリセットされます。 -
ALTER SYSTEM SET
文によって宛先が変更されると、障害件数は0(ゼロ)にリセットされます。このため、現在の障害件数の値よりも小さな値にMAX_FAILURE
属性を設定する問題が回避されます。 -
障害件数が
MAX_FAILURE
属性に設定された値以上になると、REOPEN
属性値は暗黙的に0(ゼロ)に設定されます。これによって、REDO転送サービスは、次のアーカイブ操作ではREDOデータを代替宛先(ALTERNATE
属性で指定)に転送するようになります。 -
MAX_FAILURE
属性を指定せずに(またはMAX_FAILURE=0
を指定し)、REOPEN
属性に0(ゼロ)ではない値を指定すると、REDO転送サービスは、失敗した宛先に対して無制限にアーカイブを試行します。宛先がMANDATORY
属性を持つ場合、オンラインREDOログ・ファイルはこの宛先にアーカイブされるまで再利用できません。 -
優先代替として構成されていないログ・アーカイブ先では、エラー件数が
MAX_FAILURE
属性に指定された値に達した場合、宛先は無効化され、その宛先が手動で再度有効化されるまでそれ以上のアクセスはありません。 -
優先代替として構成されているログ・アーカイブ先では、エラー件数が
MAX_FAILURE
属性に指定された値に達した場合、代替宛先は有効化され、障害が発生した宛先はALTERNATE
状態にスイッチされます。この宛先は優先代替のため、(REOPEN
属性の値に応じて)定期的にチェックされます。 -
非優先代替として構成されているログ・アーカイブ先では、エラー件数が
MAX_FAILURE
属性に指定された値に達した場合、宛先は無効化され、その宛先が手動で再度有効化されるまでそれ以上のアクセスはありません。また、以前に優先されていた宛先(現在は使用不可でALTERNATE
状態)はALTERNATE
状態を継続し、手動で明示的に再度有効化されるまではサービスに戻りません。
例
次の例では、REDO転送サービスが障害の発生した宛先へのログ・スイッチ時に、各ログ・スイッチの間隔が5秒を超えているかぎり最大3回までの再接続を連続再試行できます。3回目の試行後アーカイブ操作に失敗すると、その宛先はREOPEN
属性が指定されていないものとして扱われ、リセットされるまで永久障害としてマークされます。
LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arc_dest REOPEN=5 MAX_FAILURE=3' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE
17.12 NET_TIMEOUT
NET_TIMEOUT
属性は、REDO転送先に送信されたREDOデータの確認待ちをLGWRバックグラウンド・プロセスがブロックする時間を秒数で指定します。
確認がNET_TIMEOUT
の秒数内に受信されない場合は、エラーがログに記録され、その宛先へのREDO転送セッションは終了します。
カテゴリ | NET_TIMEOUT=seconds |
---|---|
データ型 |
数値 |
有効な値 |
1脚注 3から1200 |
デフォルト値 |
30秒 |
必須属性 |
|
属性との競合 |
|
対応先 |
プライマリ・データベースの |
脚注3
最小値は1秒に設定できますが、一時的なネットワーク・エラーによるスタンバイ・データベースからの切断を回避するために、最小値は8から10秒に設定することをお薦めします。
使用上の注意
-
NET_TIMEOUT
属性はオプションです。ただし、NET_TIMEOUT
属性を指定しないと30秒に設定されますが、プライマリ・データベースが停止する可能性があります。この状況を回避するには、NET_TIMEOUT
属性に0(ゼロ)以外の小さい値を指定することによって、ネットワーク・サーバーからのステータスを待機する際、ユーザーが指定したタイムアウト時間の期限が切れた後に、プライマリ・データベースが操作を続行できます。 -
Oracle Database 12cリリース12.2 (12.2.0.1)より、すべての同期スタンバイ宛先に対してグローバルな、データベース初期化パラメータ
DATA_GUARD_SYNC_LATENCY
があります。少なくとも1つの同期スタンバイがREDOの受信を確認した後、後続の宛先を切断するまで、プライマリ・データベースが待機できる最大時間(秒単位)を定義します。『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
例
次の例は、NET_TIMEOUT
属性を使用して、プライマリ・データベースのネットワーク・タイムアウト値を10秒に指定する方法を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=stby1 SYNC NET_TIMEOUT=10' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE
17.13 NOREGISTER
NOREGISTER
属性は、アーカイブREDOログ・ファイルの場所が対応する宛先に記録されないことを示します。
カテゴリ | NOREGISTER |
---|---|
データ型 |
キーワード |
有効な値 |
該当なし |
デフォルト値 |
該当なし |
必須属性 |
|
属性との競合 |
|
対応先 |
|
使用上の注意
-
NOREGISTER
属性は、スタンバイ・データベースの宛先がOracle Data Guard構成の一部である場合はオプションです。 -
NOREGISTER
属性は、宛先がOracle Data Guard構成の一部でない場合は必須です。 -
これは、リモートの宛先のみの属性です。各アーカイブREDOログ・ファイルの位置は、常にプライマリ・データベースの制御ファイルに記録されます。
例
次の例は、NOREGISTER
属性を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_5='NOREGISTER'
17.14 PRIORITY
PRIORITY
属性は、ログ・アーカイブ先のコレクション内の優先順位を指定するために使用されます。
優先度は1から8まで番号付けされます。値が低いほど高い優先度を表します。最も低い優先順位(PRIORITY=8
)は、その優先順位がアクティブな場合にその優先順位の宛先がすべてアクティブにされるという意味で特殊です。より高い優先順位の宛先がサービスに戻ると、その宛先がアクティブにされ、低い優先順位の宛先はすべて非アクティブにされます。
カテゴリ | Priority=integer |
---|---|
データ型 | 整数 |
有効な値 | 1から8 |
デフォルト値 | 1 |
必須属性 | SERVICE |
属性との競合 | ALTERNATE |
対応先 | 該当なし |
使用上の注意
-
PRIORITY
属性は常にGROUP
属性とともに使用されて、グループのメンバー(REDO宛先)の規則正しい有効化とフォールバックを提供します。
例
次の例は、基本的な概念を説明するためのもので、示されたとおりに使用することを意図しているわけではありません。構成に応じて、DB_UNIQUE_NAME
などの他の必須パラメータが存在する場合もあります。優先順位を定義するサンプル・ログ・アーカイブ先の設定は、次のとおりです:
LOG_ARCHIVE_DEST_1='SERVICE=FS1 SYNC GROUP=1 PRIORITY=1'
LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=FS2 SYNC GROUP=1 PRIORITY=1'
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=FS3 ASYNC GROUP=1 PRIORITY=2'
LOG_ARCHIVE_DEST_4='SERVICE=TS ASYNC GROUP=1 PRIORITY=3'
この宣言結果の動作は、次のようになります。
-
プライマリは、2つの優先遠隔同期インスタンス
FS1
またはFS2
のいずれかに送信します。 -
FS1
とFS2
の両方が使用不可になった場合、プライマリはFS3
に送信します(この場合はASYNC
経由)。 -
プライマリが
FS3
に対して送信中にFS1
またはFS2
のいずれかが使用可能になった場合、プライマリはその使用可能な優先ログ・アーカイブ先にフェイルバックします。 -
優先順位が高い3つのログ・アーカイブ先のすべてに障害が発生した場合、プライマリは
TS
(ターミナル・スタンバイ)への送信を開始します。TS
への送信中にFS1
、FS2
またはFS3
が使用可能になった場合、プライマリは新しく使用可能になった優先順位の高いほうの宛先にスイッチされます。
17.15 REOPEN
REOPEN
属性は、REDO転送サービスが失敗した宛先の再オープンを試行するまでの最小秒数を指定します。
カテゴリ | REOPEN [=seconds] |
---|---|
データ型 |
数値 |
有効な値 |
0秒以上 |
デフォルト値 |
300秒 |
必須属性 |
なし |
属性との競合 |
|
対応先 |
|
使用上の注意
-
REOPEN
属性はオプションです。 -
REDO転送サービスは、失敗した宛先の再オープンをログ・スイッチ時に試行します。
-
REDO転送サービスは、最後のエラーの時刻に
REOPEN
間隔を加算した時刻が現在の時刻より小さいかどうかをチェックします。その場合、REDO転送サービスは宛先の再オープンを試行します。 -
REOPEN
は、接続障害のみでなく、すべてのエラーに適用されます。エラーには、ネットワーク障害、ディスク・エラー、クオータ例外などがありますが、これらに制限されません。 -
オプションの宛先に
REOPEN
を指定すると、エラーが発生した場合にOracleデータベースでオンラインREDOログ・ファイルを上書きできます。MANDATORY
宛先にREOPEN
を指定すると、REDO転送サービスは、REDOデータを正常に転送できない場合にプライマリ・データベースを停止します。この場合には、次のオプションを考慮します。-
宛先を遅延させる、宛先をOPTIONALとして指定する、または
SERVICE
属性値を変更することで宛先を変更。 -
代替宛先の指定。
-
宛先の無効化。
-
例
次の例は、REOPEN
属性を示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1 MANDATORY REOPEN=60' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
17.16 SYNCおよびASYNC
SYNC
およびASYNC
属性は、使用するREDO転送モードが同期(SYNC
)なのか、非同期(ASYNC
)なのかを指定します。
カテゴリ | SYNC | ASYNC |
---|---|---|
データ型 |
キーワード |
キーワード |
有効な値 |
該当なし |
該当なし |
デフォルト値 |
該当なし |
なし |
必須属性 |
なし |
なし |
属性との競合 |
|
|
対応先 |
|
|
使用上の注意
-
LOG_ARCHIVE_DEST_11
からLOG_ARCHIVE_DEST_31
パラメータでは、SYNC
属性はサポートされません。 -
トランザクションをコミットするには、
SYNC
属性が指定されている使用可能な各宛先で、そのトランザクションによって生成されたREDOデータを受信しておく必要があります。 -
プライマリ・データベースおよびロジカル・スタンバイの、宛先1から10のデフォルトは
ASYNC
(リアルタイム・カスケード)に設定されます。フィジカル・スタンバイ、スナップショット・スタンバイ、および遠隔同期インスタンスの、宛先1から10のデフォルトは
ARCH
転送モードに設定されます。(ARCH
属性は非推奨です。この状況でARCH
を使用することは、単にリアルタイムでないカスケードを示します。)宛先11から31のデフォルトは常に
ASYNC
に設定されます。
関連項目:
-
LOG_ARCHIVE_DEST_
n
非推奨属性の詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
例
次の例は、SYNC
属性が指定されているLOG_ARCHIVE_DEST_
n
パラメータを示しています。
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1 SYNC' LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE
17.17 TEMPLATE
TEMPLATE
属性は、宛先でアーカイブされたREDOログの名前について、ディレクトリ仕様と書式テンプレートを定義します。
このテンプレートは、REDO宛先のLOG_ARCHIVE_FORMAT
初期化パラメータにより定義されたデフォルトのファイル名書式とは異なるファイル名を生成するために使用されます。
カテゴリ | TEMPLATE=filename_template_%t_%s_%r |
---|---|
データ型 |
文字列値 |
有効な値 |
該当なし |
デフォルト値 |
なし |
必須属性... |
|
属性との競合 ... |
|
対応先 ... |
|
使用上の注意
-
TEMPLATE
属性はオプションです。TEMPLATE
が指定されていない場合、アーカイブされたREDOログには、LOG_ARCHIVE_FORMAT
初期化パラメータの値を使用して名前が付けられます。 -
TEMPLATE
属性は、リモート・アーカイブ先でLOG_ARCHIVE_FORMAT
初期化パラメータ設定をオーバーライドします。 -
TEMPLATE
属性は、リモート宛先(SERVICE
属性で指定された宛先)でのみ有効です。 -
表17-1で説明されているとおり、
filename_template
に指定した値には、%s、%t、および%rディレクティブが必要です。表17-1 TEMPLATE属性のディレクティブ
ディレクティブ 説明 %t
インスタンス・スレッド番号を置換します。
%T
0(ゼロ)を埋め込んだインスタンス・スレッド番号を置換します。
%s
ログ・ファイル順序番号を置換します。
%S
0(ゼロ)を埋め込んだログ・ファイル順序番号を置換します。
%r
リセットログIDを置換します。
%R
0(ゼロ)を埋め込んだリセットログIDを置換します。
-
filename_template値は宛先に送信され、そこでファイル名を作成する前に、変換および検証されます。
17.18 VALID_FOR
VALID_FOR
属性には、REDOデータを宛先に書き込むかどうかを指定します。
次の要因について考えてみます。
-
データベースがプライマリ・ロールとスタンバイ・ロールのどちらで現在実行されているか
-
オンラインREDOログ・ファイルまたはスタンバイREDOログ・ファイル(あるいはその両方)が、現在この宛先のデータベースでアーカイブされているかどうか
カテゴリ | VALID_FOR=(redo_log_type, database_role) |
---|---|
データ型 |
文字列値 |
有効な値 |
該当なし |
デフォルト値 |
|
必須属性 |
なし |
属性との競合 |
なし |
対応先 |
|
使用上の注意
-
VALID_FOR
属性はオプションです。ただし、Oracle Data Guard構成内の各データベースでREDO転送先ごとにVALID_FOR
属性を指定し、構成内のスタンバイ・データベースへのロール推移後もREDO転送が続行されるようにすることをお薦めします。 -
LOG_ARCHIVE_DEST_
n
宛先ごとにこれらの要因を構成するには、キーワードのペア(VALID_FOR=(
redo_log_type,
database_role)
)を使用してこの属性を指定します。-
redo_log_typeキーワードは、次のいずれかをアーカイブする場合に有効な宛先を識別します。
-
ONLINE_LOGFILE
: この宛先は、オンラインREDOログ・ファイルをアーカイブする場合のみ有効です。 -
STANDBY_LOGFILE
: この宛先は、スタンバイREDOログ・ファイルをアーカイブする場合のみ有効です。 -
ALL_LOGFILES
: この宛先は、オンラインREDOログ・ファイルまたはスタンバイREDOログ・ファイルをアーカイブする場合に有効です。
-
-
database_roleキーワードは、この宛先がアーカイブに有効なロールを識別します。
-
PRIMARY_ROLE
: この宛先は、データベースがプライマリ・ロールで実行されている場合のみ有効です。 -
STANDBY_ROLE
: この宛先は、データベースがスタンバイ・ロールで実行されている場合のみ有効です。 -
ALL_ROLES
: この宛先は、データベースがプライマリ・ロールまたはスタンバイ・ロールで実行されている場合に有効です。
-
-
-
宛先に
VALID_FOR
属性を指定しないと、データベースがプライマリ・ロールまたはスタンバイ・ロールで稼働しているかどうかに関係なく、デフォルトで、オンラインREDOログ・ファイルとスタンバイREDOログ・ファイルのアーカイブが宛先で有効になります。このデフォルトの動作は、VALID_FOR
属性で(ALL_LOGFILES,ALL_ROLES)
キーワード・ペアを設定した場合と同様です。 -
VALID_FOR
属性を使用すると、同じ初期化パラメータ・ファイルをプライマリ・ロールとスタンバイ・ロールの両方に使用できます。
例
次の例は、VALID_FOR
のデフォルトのキーワードのペアを示します。
LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/disk1/oracle/oradata VALID_FOR=(ALL_LOGFILES, ALL_ROLES)'
このデータベースがプライマリ・ロールまたはスタンバイ・ロールで稼働している場合、宛先1は、すべてのログ・ファイルをローカル・ディレクトリ/disk1/oracle/oradata
にアーカイブします。