アップグレードのための新しいOracleホームの準備
アップグレードするデータベースをバックアップした後、新しい場所に新しいOracleホームを準備します。Oracle Database 12cのソフトウェアを新しい場所にインストールします。
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アップグレードするデータベースのOracleホームから、Oracle Database 12cの新しいOracleホームに、構成ファイルをコピーします。DBUAを使用している場合、構成ファイルは自動的にコピーされ、このステップは無視できます。
構成ファイルを新しいOracleホームに手動でコピーする必要があるのは、次の場合です。
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パラメータ・ファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合は、新しいOracleホームへコピーします。デフォルトでは、パラメータ・ファイルを検索する場所は、LinuxまたはUNIXプラットフォームの場合は
ORACLE_HOME/dbsディレクトリで、Windowsオペレーティング・システムの場合はORACLE_HOME\databaseディレクトリです。パラメータ・ファイルは任意の場所に格納できますが、Oracle Database 12cにアップグレードした後は、古い環境のOracleホームには格納しないでください。注意:
初期化パラメータを編集する場合は、サーバー・パラメータ・ファイル(
SPFILE)からテキストベースの初期化パラメータ・ファイル(PFILE)を作成する必要があります。 -
Oracle ASMインスタンス内にパラメータ・ファイルがある場合は、次のコマンドを使用してパラメータ・ファイルをバックアップしてください。
CREATE pfile FROM spfile;
SPFILEがOracle ASMにある環境のデータベースをダウングレードする必要がある場合は、ダウングレードする前にパラメータ・ファイルをリストアする必要があります。 -
パラメータ・ファイルが
IFILE(インクルード・ファイル)エントリまたはSPFILE(サーバー・パラメータ・ファイル)エントリのいずれかを含むテキストベースの初期化パラメータ・ファイルであり、IFILEまたはSPFILEエントリ内に指定されたファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合、IFILEまたはSPFILEエントリで指定されているファイルを新しいOracleホームへコピーします。IFILEエントリまたはSPFILEエントリ内に指定されたファイルには、追加の初期化パラメータがあります。 -
古い環境のOracleホームに格納されたパスワード・ファイルがある場合は、そのパスワード・ファイルをOracle Database 12cの新しいOracleホームに移動またはコピーします。
パスワード・ファイルの名前と位置は、オペレーティング・システムによって異なります。LinuxまたはUNIXプラットフォームのデフォルトのパスワード・ファイルは
orapwSIDで、ORACLE_HOME/dbsディレクトリにあります。Windowsオペレーティング・システムのデフォルトのパスワード・ファイルはpwdSID.oraで、ORACLE_HOME\databaseディレクトリにあります。どちらの場合も、SIDはOracleインスタンスのIDです。
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次のステップを実行して、Oracle Database 12cのパラメータ・ファイルを調整します。
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サポートが終了した初期化パラメータを削除して、非推奨になった初期化パラメータを調整します。一部のパラメータはOracle Database 12cではサポートが終了しており、他のパラメータは非推奨となっています。Oracle Database 12cインスタンスを起動するすべてのパラメータ・ファイルから、サポートが終了したパラメータをすべて削除します。サポートが終了したパラメータは、Oracle Database 12cでエラーの原因となる可能性があります。また、新しいリリースで構文が変更になったパラメータも変更します。
アップグレード前情報ツールを使用すると、「非推奨パラメータ」および「サポートが終了したパラメータ」の各セクションに、検出された非推奨となったパラメータおよびサポートが終了したパラメータが表示されます。
初期化パラメータの値をアップグレード前情報ツールによって示された最小値以上に調整します。
パラメータ・ファイルのすべてのパス名が完全に指定されていることを確認します。パラメータ・ファイルには相対パス名を使用しないでください。
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パラメータ・ファイルに
IFILEエントリがある場合、パラメータ・ファイルのIFILEエントリを変更して、ステップ1で指定したインクルード・ファイルの新しい場所を指定するようにします。次に、ステップaからdでパラメータ・ファイルを編集したときと同じ方法で、IFILEエントリに指定されているファイルを編集します。 -
クラスタ・データベースをアップグレードしている場合は、
SPFILEまたはinitORACLE_SID.oraファイルの変更が必要となることがあります。
これらの調整後、変更したすべてのファイルを保存します。
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クラスタ・データベースをアップグレードしている場合は、CLUSTER_DATABASE初期化パラメータを
falseに設定します。アップグレード後に、この初期化パラメータの設定をtrueに戻す必要があります。
参照:
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初期化パラメータの管理の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
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Oracle RAC環境での初期化パラメータ・ファイルの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください
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CLUSTER_DATABASEの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 -
Oracle RACでの初期化パラメータ・ファイルの詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
親トピック: Oracle Databaseのアップグレードの準備