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Oracle® Enterprise Manager Cloud Control管理者ガイド
13c リリース2
E78869-07
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35.9 PDUのアラートおよび構成

PDUおよびEnterprise Managerは、2種類のインシデントをユーザーに報告するように構成できます。

警告とアラームのしきい値は、PDUとEnterprise Managerの両方で設定できます。これらの設定は互いに影響しません。インシデントは、PDUとEnterprise Managerで設定された警告とアラームのしきい値とは関係なく生成されます。

35.9.1 PDUでのアラートの構成

レガシーPDU管理インタフェースでアラームと警告のしきい値を構成するには、次の手順を実行します。

  1. WebブラウザでPDU管理インタフェースを開きます(「PDUバージョン識別」を参照)。

  2. PDUユーザー・インタフェースで、「パラメータ構成」をクリックします。

  3. 自分のユーザー名とパスワードでログインします。

  4. アラームと警告の電流しきい値(アンペア)を設定し、「送信」をクリックします。

    注意:

    Enterprise Managerでは、「情報」行はPDUモニタリングに使用されません。

  5. すべてのモジュールに対しても前述の手順を繰り返します。

35.9.2 Enterprise Managerでのアラートの構成

Enterprise Managerでアラームと警告のしきい値を構成するには、次の手順を実行します。

  1. 「PDUの物理ビュー」の説明に従い、PDUランディング・ページを開きます。

  2. ターゲット・メニューの「システム・インフラストラクチャPDU」をクリックします。

  3. 「システム・インフラストラクチャPDU」で、「モニタリング」を選択してから「メトリックと収集設定」をクリックします。

    図35-10 メトリックと収集設定

    図35-10の説明が続きます
    「図35-10 メトリックと収集設定」の説明
  4. 表で、「フェーズでの電流の消費アンペア」の「編集」アイコンをクリックし、「警告のしきい値」と「クリティカルのしきい値」の値を編集します。

  5. 「PDUモジュールの不安定なアンペア・レベル」の「編集」アイコンをクリックし、「クリティカルのしきい値」の値を編集します。

    注意:

    「PDUモジュール・フェーズのハードウェアしきい値オーバーラン・レベル」および「PDUモジュールの不安定なしきい値オーバーラン・レベル」の「警告のしきい値」と「クリティカルのしきい値」は変更しないでください。これらの値を変更すると、インシデントがPDUで直接設定されたアラームおよび警告レベルに基づいて生成されなくなるか、正しく生成されなくなります。

    値をすでに変更した場合は、「PDUモジュール・フェーズのハードウェアしきい値オーバーラン・レベル」の「警告のしきい値」を1に、「クリティカルのしきい値」を2に設定し、「PDUモジュールの不安定なしきい値オーバーラン・レベル」の「クリティカルのしきい値」を1に設定してください。

  6. 「OK」をクリックします。

35.9.3 アラート・インシデントの表示

アラームと警告のしきい値に基づいて生成されたインシデントを表示したり、インシデントを識別するには、「オープン・インシデント」ダッシュレットをクリックして、PDU上のすべてのインシデントのサマリーを表示します。特定のインシデントをクリックすると、インシデントの詳細が表示されます。

  • たとえば、PDUで直接設定されたアラームと警告のしきい値に基づいて生成されたインシデントには、次のテキストが含まれます。

    PDUモジュール0のフェーズ1が、「パラメータ」ページの「PDU Webインタフェース」で設定されている「モジュール・フェーズ・アンペア・レベル」アラームまたは警告しきい値を超えています。「モジュール・フェーズ・アンペア・レベル」は2.4 Aでした。

  • たとえば、Enterprise Managerで設定されたアラームと警告のしきい値に基づいて生成されたインシデントには、次のテキストが含まれます。

    PDUモジュール1のフェーズ1が、モニタリング・テンプレートでユーザーが設定した「モジュール・フェーズ・アンペア・レベル」アラーム2 Aまたは警告1 Aしきい値を超えています。「モジュール・フェーズ・アンペア・レベル」は3.2 Aでした。

電流レベルが設定されたアラームの警告のレベルを下回ると、インシデントは自動的にクリアされます。

35.9.4 SNMPトラップ転送

PDUはデフォルトで、トラップを生成し、Enterprise Managerモニタリング・エージェントおよびバックアップが存在するIPアドレスにそのトラップを送信するようにEnterprise Managerによって構成されます。

Enterprise Managerはそのトラップを受け取り、PDUでアラート条件が満たされるとすぐにアラート・インシデントを生成できます。

PDUは、SNMP標準に定義されているように、デフォルトのSNMPトラップ・ポートUDP 162にのみトラップを送信できます。ただし、Enterprise Managerエージェントは、異なるポート上でSNMPトラップをリスニングします。

このポート不一致のため、PDUによって生成されたSNMPトラップは、デフォルトではEnterprise Managerに配信されません。

アラート・インシデントは、PDUに設定されたアラートおよび警告のしきい値から生成されますが、すぐには生成されません。それらは、PDUパフォーマンス・メトリックが再収集されたときに生成されます。デフォルトでは、パフォーマンス・メトリックは、15分ごとに再収集されます。

注意:

メトリック再収集の間隔は、Enterprise Managerのユーザーがターゲット・メニューのサブメニュー「メトリック」の項目「メトリックと収集設定」を使用して変更できます。

PDU SNMPトラップをPDUからEnterprise Managerに配信するには、モニタリングおよびバックアップ・エージェントがデプロイされているホスト上でポート転送を設定する必要があります。UDPポート162を、Enterprise ManagerエージェントがSNMPトラップをリスニングしているUDPポートに転送します。

ポート転送の設定方法は、エージェントがデプロイされているホストで使用しているオペレーティング・システムによって異なります。UDPポート転送の設定方法の詳細は、該当するオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

注意:

トラップの転送にLinuxツールsnmptrapdを使用しないでください。snmptrapdからのトラップには、送信元PDUのIPが含まれず、snmptrapdフォワーダのIPが含まれます。Enterprise Managerは、PDUのIPアドレスを使用して、受信したSNMPトラップをモニター対象のPDUと連結します。受信したSNMPトラップに正しくない送信元のIPアドレスが含まれている場合、Enterprise Managerによって破棄され、それ以上考慮されません。

PDUモニタリングおよびバックアップ・エージェントがSNMPトラップをリスニングするポートを見つけるには、次のようにします。

  • プライマリ・エージェントおよびモニタリング・エージェントがデプロイされているホスト上のAGENT_INST/sysman/config/emd.propertiesファイル内のEMD_URLプロパティからポートを取得します。(これは、エージェントがUDPを介してトラップをリスニングするポートです)。

  • Enterprise Manager UIで「すべてのターゲット」ページを開き、ターゲット・リストでモニタリング・エージェントおよびバックアップ・エージェントを見つけます。エージェント名のコロン(:)の後の番号が、エージェントがSNMPトラップをリスニングするUDPポートです。