この章では、Enterprise Manager Cloud Controlをインストールするために必要なオペレーティング・システムのグループとユーザーを作成する方法を説明します。 この章の具体的な内容は次のとおりです。
すべてのインストール・タイプには、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーが必要です。
Oracleインベントリ・グループ(通常はoinstall
)
システムに初めてOracleソフトウェアをインストールする際に、このグループを作成する必要があります。このグループに対して選択されるデフォルト名は、oinstall
です。このグループは、システムにインストールされたすべてのOracleソフトウェアのカタログであるOracleインベントリを所有します。
注意:
システムにOracleソフトウェアがすでにインストールされている場合、既存のOracleインベントリ・グループは、他のOracleソフトウェアのインストールに使用するオペレーティング・システム・ユーザーのプライマリ・グループである必要があります。
Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle
)
Oracleソフトウェアをシステムに初めてインストールする場合は、このユーザーを作成する必要があります。このユーザーはインストール時にインストールされる全ソフトウェアの所有者となります。このユーザーには、プライマリ・グループとしてOracleインベントリ・グループを指定する必要があります。
注意:
Oracleドキュメントでは、このユーザーのことをoracle
ユーザーと呼びます。
システム上のOracleソフトウェアの全インストールに対して、単一のOracleインベントリ・グループが必要です。初回インストール後は、そのシステムへの以降のすべてのOracleソフトウェア・インストールに、同一のOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。
注意:
ご使用のオペレーティング・システムがMicrosoft Windowsの場合、次が順守されていることを確認します。OMSユーザー・アカウントに、オペレーティング・システムの一部として動作し、プロセスのメモリー割当て制限を調整し、プロセス・レベル・トークンを置換し、バッチ・ジョブとしてログオンする権限があること。OMSユーザー・アカウントにこれらの権限があるかどうかを確認するには、ローカル・セキュリティ・ポリシーを起動します。「スタート」 メニューから「設定」をクリックし、「コントロール パネル」を選択します。「コントロール パネル」ウィンドウから「管理ツール」を選択し、「管理ツール」ウィンドウから「ローカル セキュリティ ポリシー」を選択します。「ローカル セキュリティ ポリシー」ウィンドウで、ツリー構造から「ローカル ポリシー」を開き、「ユーザー権利の割り当て」を開きます。
OMSユーザー・アカウントに、バッチ・ジョブを実行するための読取りおよび実行権限があること。これはMicrosoftからの制約事項です。この制約事項およびこれらの権限を付与する方法の詳細は、次のURLにあるMicrosoft Webサイトにアクセスしてください。
次の各項では、ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。
注意:
ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、ネットワーク情報サービス(NIS)などのディレクトリ・サービスで適切なユーザーおよびグループを作成できます。ディレクトリ・サービスの使用方法の詳細は、システム管理者に問い合せるか、オペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。
Oracleインベントリ・グループが存在しない場合は、作成する必要があります。次の各項で、Oracleインベントリ・グループが存在する場合にその名前を判別する方法と、必要に応じてOracleインベントリ・グループを作成する方法について説明します。
システムに最初にOracleソフトウェアをインストールすると、oraInst.loc
ファイルが作成されます。このファイルにより、Oracleインベントリ・グループの名前とOracleインベントリ・ディレクトリへのパスが識別されます。
Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。
$ more /etc/oraInst.loc
注意:
oraInst.locファイルは、Linuxおよびその他のプラットフォームの/etc
ディレクトリにあります。Solarisプラットフォームでは、/var/opt/oracle/
にあります。
oraInst.loc
ファイルが存在する場合、このコマンドによる出力は次のようになります。
inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory inst_group=oinstall
inst_group
パラメータは、Oracleインベントリ・グループの名前oinstall
を示します。
次の場合、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。
Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合。たとえば、システムにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合です。
Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するが、新しいOracle Database環境では、別のオペレーティング・システム・ユーザー(異なるグループ・メンバーシップを持つ)を使用して、このグループにデータベースの管理権限を付与する場合。
Oracleソフトウェア所有者を作成するには、次の各項に示す手順に従います。
oracle
というOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを実行します。
$ id oracle
oracle
ユーザーが存在する場合、このコマンドによる出力は次のようになります。
uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)
ユーザーが存在する場合、既存のユーザーを使用するか、または他のoracle
ユーザーを作成するかを決定します。
既存ユーザーを使用する場合は、ユーザーのプライマリ・グループがOracle Inventoryグループであることを確認します。
既存のユーザーを変更する場合は、Enterprise Manager Cloud Control用のOracleソフトウェア所有者ユーザーの変更を参照してください。
ユーザーを作成する場合は、Enterprise Manager Cloud Control用のOracleソフトウェア所有者ユーザーの作成を参照してください。
注意:
既存ユーザーを使用または変更する前に、必要に応じて、システム管理者に連絡してください。
Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しないか、Oracleソフトウェア所有者ユーザーが新規に必要な場合、次の手順を使用して作成します。次の手順では、同じ名前のユーザーが存在する場合以外は、oracle
というユーザー名を使用してください。
注意:
特にOracleソフトウェア・ライブラリを使用している場合は、すべてのOMSインスタンスで同じUIDを使用することをお薦めします。UIDが異なる場合、あるOMSで作成されたファイルは、別のOMSで変更できません。